コム・オンボはエジプトの街だ。
農業が盛んで、ナイル川沿いに存在している。
スターダストクルセイダースもこの街を通過する予定だが、彼らはまだ来ない。
私だけがここにいる。
幾人かの男が
刀から声が聞こえる。
『ど……どうしてだ!? どうしてお前を操ることができないのだ!?』
「能力バトルにおける鉄則のひとつを教えてあげよう、アヌビス神」
アヌビスが操ろうとした青年、チャカの体を借りて私は言った。
「操作能力は、早い者勝ち」
私がこの体をすでに操っているから、アヌビスには操れない。
さて、自分で言っておきながら、その言葉が真実かは知らない――これは別の漫画の台詞なので。
彼の能力を知っているためか、あるいは私がスタンド使いだからかは不明だが、アヌビスを見ても私は彼を抜こうとは思わない。
その時点で、優位を取るのは簡単だ。
こうして目の前にしてみると改めて思うが、彼と私のスタンド能力は非常に似ている。
彼は私と違ってノーリスクで動物も操ることができるようだが、こうして手に持ってみるとうらやましいとは思わないな。
人を介さなければまともに何もできないというのは私と同じだが、血と肉を捨て、鉄を依り代に生きることは、私ならばしないだろう――それは私に、鉄や刀に関する思い入れがないだけかもしれないな。
アヌビスの宿る刀剣を、これほどまでに早い段階で発見できたのは運が良かった。
最悪、ポルナレフに刀が渡る前までになんとか始末できれば良いと思っていたのだ。
『まさか! 俺と同じようなスタンドだと!?』
「まさかでもないだろう。君がいるんだから、君
物騒な言い方になったが、殺してはいない。
私が中に入り、自発的に呼吸を停止することで、酸欠で気絶させたのだ。
傍から見れば、急に黙ったかと思えば顔を紫にさせ失神した、という感じだろう。
もちろん、目撃者はもういない。アヌビスと私だけだ。
「君は刀を握らせなければ操れないが、私はわざわざそんなことしなくとも人間を操れる」
『ずるいぞ!』
「ずるとかじゃないだろ、君には君のいいところがあるじゃあないか。それでも、私には負けるがね」
私には戦闘能力がない。アヌビスは刀を握らせるワンアクションが必要な代わりに、その人間を使って戦うことができるし、受けた技を覚えることもできる。
今私は完全に優位に立った。操る体がなければ、ただの刀であるアヌビスにはなにもできない。
私には戦闘能力がない。だからこそ、こういう能力者を
『俺をどうする気だ。ま、まさか、まさかとは思うが……壊したりしないよな!?』
「悪いねアヌビス。君は私に似ているから、殺すのは忍びないのだが」
『に、似ているというのなら! 俺の気持ちがわかるだろう!? なあ、同志よ!』
「ふむ、わかるかもね。私が君だったらと思うと――」
想像するのは難しくない。なにしろ私と似た能力で――私も彼のようになる可能性がある。
死後のスタンドというものだ。死んだ後、持ち主を失ったまま発現するスタンド能力。
死んだあと、刀にとりついたスタンド。私もそうなるかもしれない。
もともとが本体から離れて使用できる能力だ。性質上、むしろ本体から
正直今だってスタンドが
「私なら――永遠を生きるのは大変だ。死ぬのも悪くない。じゃあなアヌビス、次は正義につけ」
『そ、そ、そ、そんなぁー!』
アヌビスは、元は刀鍛冶のスタンドなので、私にとって
私は持ってきたハンマーを、容赦なく何度も振りかぶった。
原作キャラ死亡というタグもつけておいたほうが良い? でも元から死亡してるんだよな……。