目を離した3時間の間に同一内容で約30件来ていたので適用されたのは俺が見た時に一番上に表示されていた運のいいあなただけ!
少し前まで誤字でも脱字でもないのに報告されるという嫌がらせを受けて、やる気が失われつつあり、誤字脱字報告を見たくないなと思っていたところだったのですが、今回で腹抱えて笑ってしまい克服できました。我ながらこんなミスあるかよ。
善良な読者の皆様と、ホル・ホールくんに感謝を。今月中には完結させます。
「待ってたぜ、みんな」
私は変わらずホームレスの男を借りたまま、館の前にまで来たジョースターさんたちを迎えた。
「このドス黒い感覚は……!」
「ここが、DIOの館か」
「ようやくたどり着きましたね……」
「長い旅だった」
「ついにこの時が来た」
「アォン」
スターダストクルセイダースは欠けることなく――体の一部でさえも欠けずに――全員がここまでたどり着いた。
私も感慨深い。それなりに役に立てたということだろう。だが、本当に役に立ちたいのはこれからだ。
誰一人死なせずに、DIOを倒したい。
「感傷に浸っているときに悪いが、いろいろ説明したいことがあってね。まずはホル・ホースの話だが」
「ホル・ホースぅ? あいつがどうしたというんだ」
「イギーと組んで、ここの門番のスタンド使いを撃破してくれた。今はちょっと病院に行っているが、あとで礼くらい言ってくれよ」
「なんだと!? あいつ寝返ったのか!?」
こっち側に寝返ってくれたのだから、そんなリアクションってないぜ。
それなりに犠牲を払って、しっかりと仕事をこなしてくれたのだ。
「私の熱心なスカウトのたまものだ。主にスピードワゴン財団の財力かもだけど」
「ううむ……またいつ寝返るともわからんのではないか?」
「そうなったら私が責任を取ろう。あんな目立つカウボーイ、世界中のどこにいたって見つけられるぜ」
「怖いのう。悪いことはできんわい」
「イギーにも礼を言ってくれ。氷を操るペット・ショップは強敵だったが、イギーの応用力がものを言ったな」
「アゥ」
イギーに目立つ傷はない。
近距離のイギーで防御を行い、ペット・ショップの攻撃を潰しつつ、遠距離のエンペラーで狙う戦術はなかなか良かった。
まあ、向こうも遠距離の攻撃方法があったので、ホル・ホースはちょっと痛手を負ってしまったが。
ホル・ホースには私も恩ができてしまった。
なにしろ、ホル・ホースが傷を負ったのは、私をかばったからだ。
「ジョースターよりもアンタへの信頼を勝ち取りたいからな」とはホル・ホースの談だが、それは確かに効果があった。
借りているだけの体を殺したくない、ホル・ホースは私の願いを叶えてくれたのだ。
私はホームレスの男の体を借りていたが、彼には私の本体が女だと伝えていたのもあるかもしれない。
「ここまで来たら、もはや敵に聞かれることを心配するほうが馬鹿らしい。だから知っている限りを伝えよう。DIOとダービー弟については以前話した通りだ。その他に、幻影を見せるスタンド使いがいる」
「幻覚とかお前が言っていたやつか」
「館に入ると、おそらく想像以上に大きい。それはスタンド能力でそうなっている。あるいは迷路みたいになっていたり、急に落とし穴ができたように見えたりするかもしれないが、それも能力の一部だな。戦う力はほとんどないが、分断されるかもしれない。気を付けてくれ」
私が九栄神の数を数え間違える原因となったやつだ。
「DIOが最も信頼を置いているのは、ヴァニラ・アイスという男だ。彼は空間を削り取ることができる」
「空間?」
「説明が難しいな。こう、ガオン、とやると、その空間が全部なくなるというか」
「どんな効果音だそれ」
ガオンはガオンなのだ。空間が削り取られるとき限定のオノマトペだ。
「わかりやすく言えば、当たったら死ぬ」
「わかりやすいぜ、すっごくな!」
ポルナレフがやけくそになって返事をした。
当たっただけで死ぬ攻撃は恐ろしすぎるし、ずるい。
アヌビスを鎮圧した際、私はずるいとなじられたが、ヴァニラ・アイスにこそずるいぞと言ってやりたいものだ。
「自分自身にスタンドを着せるような形で使用できて、スタンドごと亜空間に消える。空間を削り取りながら移動することで、無敵のまま攻撃ができる。不可視の状態のまま致命傷を与えてくる難敵というわけだ」
アヴドゥルとイギーを殺した敵だ。
「空間を削りながら移動するから、煙や塵なんかが充満していれば、それらがなくなっていく方向に進んでいるのだということがわかるはずだ。無敵状態のときはこちらの世界に一切顔を出していないから、こちら側がどうなっているかわからない。だから確認のために顔を出した時がチャンスだな」
DIOを除けば、間違いなくヴァニラ・アイスが最難関の敵であるため、念入りに情報を伝えておく。
「それから、館にはDIOの他に吸血鬼がいるかもしれない」
「なんだと?」
「この場合、正確にはグールと呼ぶのかな。吸血鬼はその眷属を増やせる。敵の中にはなかなか死なないやつがいるかもしれない。その場合は日光を浴びせて倒すか、ジョースターさんが波紋で殴るしかないな」
この旅の中で、いまのところ波紋は回復方法としてしか役に立っていない。
しかしDIOは吸血鬼であるのだから、これから活躍する場面はあるかもしれないな。
ジョースターさんとDIOが直接殴り合う展開はヒヤヒヤするので勘弁願いたいが――ジョースターさんの血液がDIOに渡ると厄介なことになる。
「私の懸念は、強いスタンド使いがグールになっていること。窓の位置は常に気にかけておいてくれ。そういう意味でも、できるだけ早く幻覚のスタンド使いは撃破したい」
館の内装を違うように見せられるのならば、窓の隠蔽も簡単に行えるだろう。
日光が重要なキーになるのだから、そう考えるとやはりやつは厄介だ。
「私は幻覚のスタンド使いが撃破されてから中に入ろうかな。たぶん、ダービー弟のスタンドと私は相性が悪い。私がいることで君たちに不利になったら悪いからね。なんならさっさとDIOを倒して戻って来てくれ」
イエスかノーかだけであっても、心が読まれるとなると、私は相性が悪いだろう。
たぶん私が、バレてはまずい情報をいちばん持っている。
花京院が考え込んでいる。
「全員で踏み込んでも良いものでしょうか。全滅の危機があるのなら、二手に分かれるという手もありますが」
「素人の私が言うことではないが、あんまりオススメしないね。ヴァニラ・アイスを相手にするなら攻撃役と煙幕役が必要だし、人手が欲しい。全員で会っても、弟の方に一網打尽にされることはない――彼はタイマンを好むから、やられても1人ずつだね」
「フフ。私の好みまでご存じでしたか」
突如、割って入る声が一つ。
「貴様は!」
「テレンス・T・ダービー、この館の執事です。お待ちしておりました……と言っても、待ちきれなくなって話しかけてしまいましたがね。いつまで館の外でお話をしているつもりですか?」
なんだよ、作戦会議をラスボスの館の目の前でやっちゃダメなんて法律はないぞ。
テレンスは私の目をしっかりと見て、話しだした。
「あなたは私と兄のスタンドが似ているとお思いのようですが、違います」
テレンスは、自身のスタンドを呼び出した。
相変わらず、名前を思い出すことはできないが、紙面上実に見覚えのある姿である。
「おいおい……スタンドを出したぞ」
「最近珍しいな」
「まともにスタンドを出すタイプは久しぶりだな……」
私もスタンドを出さないタイプなので、たしかに最近珍しいかもしれない。
出さないというか、ビジョンが存在しないタイプなので、出せないが正解だ。
しかし原作での岸辺露伴の成長具合を見るに、私も鍛錬したらビジョン出せたりするのかな。今のところ不可能だ。
「んー、まあどっちでもいいがね。私は君の兄の方が強いと思ってるぜ」
「では、戦って証明しましょうか?」
「ふむ。やってみようか?」
「なにぃ!? お前さんが!? 戦うっちゅーのか!?」
ジョースターさんにめちゃくちゃびっくりされているが、別にスタンドで殴りあうわけでないのだから私が相手でも構わないだろう。
別に負けても魂握られるだけだしなあ。誰かが取り返してくれるだろ。
そういう意味なら、私が最後に残るより、私が最初にやられるほうが良い。
「私が戦おう。ジョースターさんと花京院の命は守らなきゃな」
「おい、俺らは!?」
ポルナレフが本気でショックを受けた顔をしている。笑いそうだからやめてほしい。
「好きなゲームはポートピア連続殺人事件だ。よろしくね」
「グッド。いいチョイスです。ぜひ感想を語り合いたいところですが、まだプレイしていない人の前でそんなことはできませんね」
ネタバレに気遣いできるタイプだ。犯人はヤス*1とか言ってこない。
こういう場面じゃなければ友達になれそうなんだけど。
「えーと。じゃあ一緒にMega Man 2でもやる?」
「フフフ。さすが情報通ですね。北米で新発売されたゲームもご存じですか」
それで言うならポートピア連続殺人事件は日本でしか発売されてないんだが、情報通は君じゃないか?
というかこれ、私の本体が日本に住んでるっていうヒントになっちゃってないか? 自爆した。
でもテレンスも知ってたからセーフになりませんか? ゲームオタクというレッテルなら張られても構わないぞ。
あと自分で言っといてなんだけど、
RTAで戦えってことか。一人頭30分以上かかるぞ。
日が沈むとDIOに有利になってしまうため、それはできないな。
全部自分で言ってんだけどさ、さっきから。あんまり適当なことを言うものではないな。