転生にわかポケモントレーナーの冒険録 作:Sleipnir666
一緒に旅する予定の仲間の1人とここで出会います。
一応、他の旅メンバーは今回の子を含めて、
あと4人ほどを予定していますが、
今話登場の1人と、予定しているもう1人以外は、
完全に未定です。
また、感想や評価などいつでもお待ちしております。
お手すきであれば、今後の展開の為、アンケートにもご協力いただけると嬉しいです。
では、どうぞ。
カフェで夕食を食べて、ポケモンセンターにて明日の出立の際の最後の準備を終え、一晩一泊した後、俺は朝早くから、一昨日ぶりとなる発着場へと向かった。
途中、街中で朝日が眩しいのかフラフラと飛ぶズバットを見つけたので、ものは試しでボールを投げてみたところ、見事に命中。そのまま落っこちて来たので、慌ててキャッチしたところ、手の平の上で少しだけ揺れた後、カチリと音を立てて、ボールの中に収まった。
まさか捕まえられるとは思わなかったので、思いがけないGETとなったが、嬉しいことには変わりない。
まだ人によっては寝ている時間でもあるので、
「ズバットGETだぜ」
と俺は小声で一言呟いた。
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その後、発着場に着くと朝早い時間ながら、既に何人かの人が定期便が来るのを待っていた。
俺も既に出来上がっているその列に並ぶと、暫くして汽笛を鳴らした大きな船がやって来た。
船が接岸し、タラップが懸架されると、やがて列はゆったりと前へと進み始めた、俺はその流れに従い、前へと進み、係の人に母さんから貰ったチケットを見せて、船の中へと乗り込んだ。
船の中は、外から見ていても大きいと分かっていたが、内部もとても広く巨大で、座り心地の良さそうな椅子が各所に置かれていた。
とはいえ、ここはロビーなので、後から入ってくる客たちの邪魔にもなるだろうと思い、俺はチケットを見せる際に、同時に貰った個室の鍵に記載された番号を確認して、自分に宛てがわれた部屋を探すことにした。
船内はとても広かったものの、ロビーには勿論、通路の壁や各所にもフロアマップが掛けられており、俺は特に迷うこともなく、自分の客室へ辿り着くことができた。
客室の中は、広くもなければ特段狭くもない感じの部屋で、前世基準でいうところの4畳ぐらいはありそうな部屋だった。
スイートとかになればもっと広かったりするのだろうが、別に文句はない。
むしろ、部屋のないチケットなんかも普通にあるので、突っ立っているだけでなく、休めるところがあるというのだから、大満足だ。
俺は腰のベルトにぶら下げた、モンスターボールを入れたケースや、財布やポケギアなどの貴重品を除いた、道具たちを備え付けのベットの上に置いた後、部屋の鍵を締めて、外へと出た。
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通路を歩いていると、船が到着した時と同様に大きく汽笛を鳴らして、床が少し揺れた。
恐らく、船が出航したのだろう。
俺はせっかくなので、船の先頭から外をみたいと思い、展望デッキへと歩みを進めた。
展望デッキに繋がる扉を開けると、目の前に海が広がっていた…ということはなく、街中ではなかった霧が広がっており、太陽が薄っすらと見える状態という、なんというか残念な光景が広がっていた。
とはいえ、海上でみる霧というのも、あまり見る機会があるものでも無いだろうと思い、俺はそのまま扉を潜って備え付けの椅子の上に座って外を見た。
霧は大きく広がっており、やはり、あまり遠くまでは見ることが出来ない。
薄っすらと島のようなものが見える気もするが、なんとも微妙である。
エミリーなら見えるかなと思い、俺はエミリーをボールから出して、呼び出した。
「どう、エミリー?初めての大っきな船は。ボートならミオに行くまでに、ツルベエおじさんに乗っけて貰ったけど、なんか感じるものはある?てか、なんか見えたりする?」
そう問いかけるとエミリーはなんとも言えない表情で、
(君から聞いていた海の旅というものに、僕も憧れを持っていたんだけどね、正直に言えば、ツルベエに乗せて貰った時に見た景色の方がよかったよ。あと、特になにも見えないよ。心理状態や通常目に見えないものとかが見えたりするだけで、特段、視力として優れているわけじゃないからね。)
と応えた。
なるほど、それもそうか。
なんだか、出鼻を挫かれた気がしないでもないが、まだ到着まで時間は十分にあるのだ。
予定では、今日の夕方頃に着くと聞いているし、それまでの間には、霧も晴れて色々な景色が見えるようになっているだろう。
そうして、エミリーと少し話して、しばらくは何も見えないだろうと結論を付け、朝食を貰いに船内へと戻ろうとした時、新たな来客者が展望デッキへとやって来た。
その人物は、扉をガチャリと開けて、外の様子を確認した後、その場でガックリと膝を着いた。
「し、しょんなぁ〜、霧が出てる〜。なんでぇ。朝日に輝く、水面を見たかったのにまるで見えないなんて。やっ、やっぱり私は不幸なんだわぁ、呪われてるんだわぁぁぁ」
その人物は、今にも泣き出しそうな様子で、エグエグとえづき始めたので、心配になった俺は気休め程度であろうが、何か一言言って上げたほうがいいだろうと考え、声をかけた。
「そんなに落ち込まなくても、大丈夫だと思いますよ。流石に今日一日ずっとって訳でも無いでしょうし、暫くしたら晴れると思いますから。だから、少し待っていればいいと思います。」
そう声をかけると、俺のような他の客がいると思っていなかったのか、その身体をビクンッと大きく揺らせて、次の瞬間、凄い勢いで扉を閉めた。
俺は一瞬、呆気に採られたが、流石にいきなり声をかけたのはマズかったかと申し訳ない気持ちになった。
しかし、どうしたことか閉まった筈の扉がゆっくり開いて、先程の人物がこちらを恐る恐る注意深い眼差しで見つめてきた。
やがて、その人物は小さな声で、
「あっ、あっ、あの〜、どなたですか?生きてる人ですか?海で死んじゃった幽霊さんとかじゃないですか?」
と俺に聞いてきた。
幽霊と来たか。
いやぁ、まあ確かにまだ日も昇りきっていない、朝の早い時間になおかつ霧に包まれた船の上である、こんなところで人と出会えば、少しは疑うものなのかも知れない。
俺は、その人の警戒を解くべく、自己紹介から始めた。
「いきなり声をかけてしまってすみません。俺の名前は、リュウキです。フタバタウンから来ました。どうやって証明したものかは、分かりませんが普通に生きている人間ですよ。」
そう言うとその人は、安心したのかシズシズと扉を潜り、俺の前へと姿を現した。
見たところ、年は俺と近いもしくは少し年上ぐらいだろうか?
紫に近い黒髪で、その少しウェーブのかかった長髪を腰ほどの長さまで伸ばしている。背丈は俺とほとんど同じにみえるが、少し背が曲がっているように見えるので、実際はもう少し高く、ただ猫背なだけかも知れない。
服装は、黒に近いディープレッドのワンピースを着ており、肩から小さめのポシェットを架けている、そんな様相の女性だった。
そんな彼女は、俺の前までおずおずと近づける来ると、頭を下げてから話始めた。
「あの、失礼しました〜。先程は、慰めていただき、ありがとうございました。えっと、私の名前は、ニアと申します。」
そう言い終えると、彼女は口をモゴモゴさせて、次の言葉に詰まるような様子を見せた。
俺は不思議に思ったが、彼女が再度話し始めるのを待つべきか、こちらが返して喋りやすくしてあげるべきなのか迷ったので、とりあえず、先に声をかけて見ることにした。
「ニアさんですね。可愛らしい容姿と相まって、とてもいいお名前だと思います。自己紹介いただき、ありがとうございます。あんな言葉でも、喜んでいただけたのなら、とても嬉しいです。」
そう言うと彼女は、ヒョエと小さな悲鳴のようなものを上げて俯いてしまった。
あれ?なんか変なこと言ったか?普通の社交辞令で返したつもりだったんだが、マズかっただろうか。
彼女の態度が少し気になるが、せっかくお互いの名前も分かったのだし、望んでいた景色を見れなかったのは、残念だがその代わりにこうして新しい出会いを得る機会を得たのだ。
俺は彼女に、言葉を続け、親睦を深めることにした。
「せっかくこうして出会えたんですから、ニアさんさえ良ければ、少しお話しませんか?」
そう俺が問いかけると、彼女は小さくコクリと頷いてくれた。
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俺が起点となって質問をしたりして、彼女にゆっくりと応えて貰うなどして、暫く話をしていると、彼女も慣れてきたのか、最初の時よりも、流暢に会話が成り立つようになっていた。
なお、その話の際、俺がトレーナーになりたての10歳であることを話すととても驚かれた。
彼女は、12歳らしく自分より年下なのに、すごくしっかりしてると褒めてくれた。
前世基準でいうと、12歳で女の子が1人で外に出ていることのほうがよっぽど驚くべきことだが、この世界はそういう世界なんだし、割と普通のことだろうと思い直した。
暫く会話を進めていると、話が盛り上がり、お互いの目的についての話となった。
「へぇー、リュウキさんはシンオウ出身なのに、カントー地方から、巡って周るなんて、すごく珍しい人なんですね。小さい頃からの思い出を大事にしてるなんて、とても素敵です。」
「ありがとうございます。確かに周りには、別の地方に行くなんて人はいませんでしたね。そう言うニアさんは、何の目的でカントーに向かわれるんですか?」
俺がニアさんにそう問うと彼女は、暗い面持ちとなり、初めて見た時と同じジメジメとした雰囲気を放ち、言葉を続けた。
「…私は、多分呪われてるんです。昔から、不幸続きで何をやっても上手くいかないし、他の人に迷惑をかけてばかりで。最初、おばあちゃんと2人で、カロスで暮らしてたんですけど、そのおばあちゃんも死んじゃって、シンオウの親戚の人に引き取られたんです。でもそこでも、不幸なことばっかりで、最終的に家を追い出されちゃいました。だから、本当に私が呪われてるなら、それを解きたい。それで、カントーには他の地方にはいない祈祷師さんたちがいるって聞いて、中でも有名なシオンタウンに向かって、そこで診てもらうつもりなんです」
彼女の身の上話を聞いた時、俺は酷く腹がたった。
最初のうちは、同情する気持ちになっていたが、大事な家族までも失う結果になり、あまつさえ自身の親族にすら捨てられるだなんて、これは間違いなくオカルト的ななにかが働いているのだろう。
このポケモン世界は、前世でも都市伝説のネタにされるようなオカルト要素が数多く存在していた。
だからこそ、彼女がそういった要素によって、こんなにことになっている可能性は高いと感じていた。
故に彼女をこんな目に合わせて、楽しんでいるであろうクソ野郎をぶん殴ってやりたい気分だった。
俺の中で義憤に駆られた精神が強く疼き、気が付けば俺は彼女の両手を強く握っていた。
彼女はその瞬間、ヒョェワァと聞いたことのない変な悲鳴のような声を上げたようだが、俺は気にせず、彼女の目を見て言葉を続けた。
「俺も、それは呪いに近しいものであると思います。絶対に解きましょう、その呪いを!今の話を聞かせていただいたからには、俺も全力で協力します。」
俺がそう宣言すると、彼女は口をパクパクと金魚のように開閉させた後、小さな声で、
「…ありがとうございます。」
とそう言ってくれた。
俺は熱くなって、思わず手を強く握ってしまったことを、少し後悔したが、まあ肉体的に見れば10歳の子どものやったことだし、問題にならないだろうと思い、彼女の大まかな状態を調べるため、詳しそうなポケモンを呼ぶことにした。
そのことをニアさんに伝えると、赤い顔のまま了承の意を伝えてくれた。
「エミリー頼む。ニアさんを少し見てやってくれ。」
そう俺が頼むと、今の今まで姿を消していたエミリーが空間を少し揺らめかせてから、姿を見せた。
ニアさんはなにもない虚空から、姿を現したエミリーにとても恐怖した様子で、赤かった顔を一瞬で青色に変えて、俺の腕にガッシリと引っ付いて来た。
「ひっ、ひぃぃぃぃぃぃぃッッッ!!!なんですかこれ、リュウキさん騙したんですかぁぁッッッ?!人間じゃなくて、やっぱり幽霊さんだったんですか?!」
いや、幽霊だと思ったんなら引っ付くのはむしろ可怪しいだろうと思ったが、単にパニックになって頭が働いていないのだろうと、すぐに思い直した。
だからこそ、俺は顔を横に向け、腕に引っ付くニアさんを安心させるように囁やいた。
「怖がらせてしまって、ごめんなさい。でも、安心してください。この子の名前はエミリー。俺の大事な相棒のポケモンです。幽霊じゃありませんよ。」
「ほ、本当ですか〜、この子、リュウキさんのポケモンさんなんですかぁ〜?」
そうニアさんはあらためて、俺に問いかけて来たので、本当ですよ。安心させるように笑顔で応えた。
すると、彼女も落ち着いたのか、安堵の表情を浮かべた。なお、安心したはずなのだが、彼女は俺の腕から離れてはくれなかった。
まあ、ただ単に忘れているだけだろうし、俺は気にせず、再度エミリーへと向き合い、頼み込んだ。
そこでエミリーをあらためて見て気付いたのだが、エミリーは何やらニチャニチャと、これまで見たことがない汚い笑みを浮かべて、僕らを見ていた。
おい、やめろ。幽霊じゃないって言ったばっかなのに、勘違いされるような気持ちの悪い笑みを浮かべるな。
その後、完全にはいつもの表情には、戻らず、少しはマシになったが、ニヤニヤとした表情のまま、俺に返事を返した。
(いやぁ~、いいもん見れたねぇ。人の子のロマンス?青春?婚前前交渉?ん〜、正確に現す言葉を僕は知らないけど、君と旅に出て良かったよー。大海原は見えなかったけど、こんなおもしろい光景が見れたんだからさ。)
そう、明らかに俺たちの様子をおもちゃにしていたような口調で話を始めた。
俺は基本的に、手持ちの仲間たちは当然、なりよりエミリーのことも本心から大好きで愛しているが、今だけは少しエミリーにキツいおしおきをしてやりたい気分に駆られた。
とはいえ、そんなことをして機嫌を損ねて、ニアさんの状態を見てくれないようになってしまっては、元も子もないので、俺は気持ちを沈め、先程言ったように、もう一度頼み込んだ。
「頼む、エミリー。彼女を見てやって欲しい」
そう言うと、エミリーは
(大丈夫、もう終わってる。)
そう返してきた。
終わってる?どういうことかと思い、エミリーに聞き直すと、エミリーは、
(ただ、君たちの様子を見て楽しんでただけじゃないよ。君が最初に、彼女へ声をかけたタイミングで、既に彼女がどういう状態なのか確認は済んでる。)
エミリーは、そう言って先程のニヤニヤ顔など、まるで無かったように顔を引き締めてこういった。
(リュウキ、君の思った通りだよ。大当たり。彼女は呪われてる。それも1体、2体によるものじゃない。複数の奴らから、呪われてる)
ニアさんの呪いは、俺が思っている以上に大きいようだった。
▶TO BE CONTINUED...
■ジョージ(ヒコザル) ♂ Lv.13
性格:むじゃき
■エミリー(エムリット) Lv.50
性格:ひかえめ
■チュンチュン丸(ムクバード) ♂ Lv.16
性格:ゆうかん
■バービー(ビッパ) ♀ Lv.11
性格:のんき
■ズバット ♀ Lv.12
性格:いじっぱり
突然ですが、これまで主人公のリュウキくんの戦績はなんとなくで決めておりましたが、これもルーレットにしたほうがよろしいでしょうか?ご意見くれると嬉しいです。(現地民よりは理解してる設定で、負け過ぎるのはマズイので比率的には勝利7:敗北3ぐらいで設定したものを回すつもりです。)
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ルーレット推奨派
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ルーレット非推奨派