転生にわかポケモントレーナーの冒険録   作:Sleipnir666

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おまたせしました。
ようやく、ポケモンで1番有名な悪役のロケット団を出せました。今回はバトル要素薄めですが、楽しんでいただけますと幸いです。

また、感想や評価などいつでもお待ちしております。

お手すきであれば、今後の展開の為、アンケートにもご協力いただけると嬉しいです。

では、どうぞ。

追記:
誤って本話を先日の夜間帯にて、掲載しておりました。
修正完了しておりますので、あらためてお読みいただければと存じます。

追記:
ついに書き始めた当初、目標にしていた、総UA1万とお気に入り登録100件突破を達成しました。

本当にありがとうございます。

今後は、なるべく操作による凡ミスを減らすことを目標に全力で頑張ります。

これからも、よろしくお願いいたします。


第22話 遭遇、ロケット団! ▼

トモフミと別れた俺達は、ハナダをシティを目指して10番道路を北上した。

 

道中、何度かトレーナーたちとも戦ったが、俺もポケモンたちも、だいぶ慣れてきたこともあり、大きく苦戦することはなく、勝ち続けることが出来た。

 

また、同時に数時間前に戦ったトモフミや、数日前に戦ったハルミたちは普通に強いトレーナーだったことに気付いた。

 

トモフミに関しては、話した時に最近は勝てなくなっていたと言っていたが、バッジも1つ持っていると言っていたし、ポケモンを育てる能力自体は高いのだろう。

 

エレブーを捕まえるまでは、緊張しやすく本番に弱いタイプだったように思うが、最後にバトルした様子を見る限り、次に会うときは、そんな面影は完全に失くなるくらいには強くなっていると思う。

 

ハルミとも再戦の約束をしたような別れ方をしているので、これからがとても楽しみだ。

 

よーしっ、俺も負けてられないな!

 

トレーナーとのバトルを繰り返す内に、俺は強くそんなことを思うようになりながら、ハナダシティを目指して進んで行った。

 

==========

 

夜になる前には、『イワヤマトンネル』の出入り口のすぐ目の前まで辿り着くことが出来たので、俺達はその出入り口の直ぐ側に建っていたポケモンセンターで、宿泊することにした。

 

俺達は今のところ、1度も野宿を経験することなく、ポケモンセンターに宿泊しているが、お金の心配は全くと言っていいほど、存在しない。

 

というのも、宿泊に必要な基本料金が格安なのもあるが、母さんから旅立ち前にあらかじめ、幾らかのお小遣いを貰っていたし、幼少期から貯めていたお小遣いもあった。

 

その上、トレーナーとのポケモンバトルに1度も負けることなく、勝ち進んでいるので、その賞金も結構凄い額になってきている。

 

まあ、ぶっちゃけた話、前世の小学生だった頃では見たことが無い程の金額を保有しているのだ。

 

この状態で、強盗やスリなんかにあった時は、マズイかも知れないが、そこは俺のフタバパワーにものを言わせて、筋肉によって解決するつもりなので、これまた心配は全くない。

 

ニアも祖母から、幾らか貰っており、余裕があるそうなので今後も、よっぽどのことがなければ、野宿をすることはないだろう。

 

ふと、そんなことを考えながら、俺達は、夕食を取った後、そのまま食堂で明日の予定を話し合った。

 

調べて見たところ、この世界はゲームと違って、ハナダシティへは、イワヤマトンネルを経由することなく、そのまま辿り着くことが出来るようだった。

 

落ち着いて考えると、子供だけで洞窟を抜けて行くのは、普通に危険だと思うので、ちゃんと道が整備されているのは当然のことだろうと思う。

 

とはいえ、そのまま無視して進むのもそれはそれで面白くない。

 

なので、イワヤマトンネルになにか見学コース的なのがないか調べて見ることにした。

 

そして、ニアと一緒にロビーにて受付をしていたジョーイさんになにか情報がないか確認してみると、どうやらちゃんとそういったツアーや見学会なんかをやっていると教えて貰えたので、俺はニアにハナダに急ぐ必要もないので、明日行ってみないかと提案したところ、ニアも了承してくれたので、明日は起きたら、このイワヤマトンネルの見学会に向うことにして、その晩は眠りに着いた。

 

==========

 

翌朝。

目を覚ました俺達は、昨日ジョーイさんから教えて貰った、イワヤマトンネルの見学会を運営しているという近くの組合に足を運んだ。

 

そこには、既にそこそこの人だかりがあり、今日の分の参加者をまだ募集していたので、俺達は、そこで参加したい旨を話して、参加費用と名前を伝えて、受付を済ませ、他の参加者たちと共に参加にあたって必要な説明を受けるため、係の人の指示に従い、話を聞いた。

 

内容としては、至極当たり前なことを説明された。

曰く、

 

・トンネル内では走ってはいけない。

・危険なもの、危険なポケモンもあったりいたりするので、指示に従わず、勝手に動き回ってはいけない。

・トンネルに入る際は、ヘルメットやライト、プロテクターなどを着用しなければいけない。

 

とのことだった。

 

前世の常識とほとんど何も変わらないようなしっかりした説明で俺はとても安心した。

 

また同時に、トンネル内で見つけた鉱物や道具なんかは、よほど重要なものや稀少性の高いものでなければ、いくつかは記念に持って帰ってもいいと言われた。

 

おっ、マジか。

 

ここはキチンと管理されている施設なので、発電所の時と違い、駄目かと思っていたが、それならば、凄く嬉しい。

 

俺はニアと、またなんか面白そうなものがあるといいなとお互いに話し合った。

 

また、念の為、俺は係の人に、エミリーにトンネルの中を見せてやりたいので、ボールから出して連れ歩いてもいいかと聞いてみたところ、キチンと指示に、従ってくれるなら、問題ないとのことだったので、エミリーも一緒にトンネルの中を進めることになった。

 

これには、エミリーもとても嬉しそうにしていた。

 

==========

 

係の人の説明や、他の参加者たちからの質問も終わり、しばらくした後、見学会の開始時間になったので、俺達はトンネルに入る為の服装に着替えた後、係の人に連れられ、トンネルの中に入った。

 

トンネルの中は、比較的整備されており、通路もキチンとあり、俺達は2列にになって歩くことになったが、余裕を持って歩けるほどの広さも確保されていた。

 

ゲームだと、イワヤマトンネルの中を探索するには、『フラッシュ』を覚えたポケモンがほぼ必須だったが、俺達の進む道は、電灯が設置されており、通路から外れた暗いところは、関係者意外立ち入り禁止の看板が置かれていたので、意図して行かない限り、迷うようなことや危険なこと巻き込まれることには、ならなさそうだった。

 

なお、通路も整備されているとはいえ、壁や床なんかは普通に自然のまま、土や石が剥き出しだったので、何人かの参加者は落ちていたり、埋まっていたりした鉱物を拾っていた。

 

ニアも、すべすべした丸っこい石、パッと見『かわらずのいし』のように見える石を拾っていた。

 

残念ながら、俺はまだ何も拾えていないが、そのうちなにか見つけられるだろうと思い、それほど気にしなかった。

 

また係の人は、歩きながら俺達参加者に、このイワヤマトンネルの歴史や目に見える範囲にある設備や道具、ポケモンたちなんかの解説をしてくれた。

 

俺はこの世界で、これまであまり重機なんかを見た記憶がなかったので、エンジン音を上げながら壁を掘削しているドリルやショベルカーなんかを見て、少し興奮していた。

 

エミリーも、係の人が話す、このイワヤマトンネルの歴史や、人と一緒に働くワンリキーやイシツブテ、ゴローンなんかを興味深そうに、見たり聞いたりしていた。

 

やがて、しばらく歩き続けた後に、ポッカリと開いた空間にやって来た。

 

そこで、係の人は止まるようにと指示を出して、俺達の方に向き直って、言った。

 

「ここまで、お疲れさまでした。1度、休憩を取った後、ここでこの見学会のメインイベントである、化石掘り体験を皆様に実施していただきます。」

 

化石掘りイベントだとぉッ!

 

係の人は説明を続けた。

このイワヤマトンネルでは、昔から鉱物などと一緒に、化石なんかも度々、見つかるらしい。

 

そして、この場所は見つかることの多い場所のすぐ近くなのだそうで、過去の見学会でも何度か出土しているらしい。

 

更にありがたいことに、もし見つけることが出来れば、それが未確認の種類でない限り、記念品として持ち帰って良いそうだ。

 

熱い、これは熱いぞ。

もし、ここで『かいのかせき』や『こうらのかせき』、『ひみつのこはく』なんかを見つけることが出来れば、いつかグレンタウンやニビシティに行った際に、化石ポケモンを復元して貰えるかも知れない。

 

よっし、気合を入れて掘りまくってやる。

 

俺達は、30分ほど休憩を取った後、係の人から渡された道具と共に、あたりを掘ることにした。

 

やがて、時間になったので、いざ!と思い、道具と共に立ち上がったところ、ドォーンッと外から爆発音が聞こえた。

 

他の参加者たちがなんだ、なんだ事故か?!とパニック状態になりかけたので、係の人が慌てて、参加者たちを鎮めようとしている。

 

なんだ?爆発物事故か?

 

俺もニアとエミリーに離れないように指示をして、様子をみた。

 

やがて、ドタドタと大勢の人間がこちらに走って来る音が聞こえた。

 

走るなと言われているこの場所で、走って来るなんて普通じゃない、それにもし緊急自体が起きて連絡の為に来ているにしては、人数が多過ぎる。

 

一体何だと思っていると、やがてその人間たちが姿を表した。

 

その10数人からなる人間たちは、全員同じような格好をしていた。

中央に大きな赤い『R』の文字が入った真っ黒な服装で、同じく真っ黒な帽子を被っており、俺達全員を威圧するような表情で見ている。

 

やっぱりいるのか、この時代にも。

ジュンサーさんに連れられて行った、交番にも注意喚起の張り紙があったし、油断していたわけではないが、原作開始前なので、少し懐疑的だった。

事実、シンオウ地方には未だに似たような組織である、『ギンガ団』は、まだ存在していなかったのだから。

 

『ロケット団』。

 

このカントー地方を代表する悪の組織。

ポケモンの密売や、ポケモンを使った実験に始まり、このカントーの各地で強盗や不法占拠なんかもしていたりする、大規模な犯罪組織だ。

 

やがて、中央にいたリーダーのような人物が前に出て来て、俺達に向かって言った。

 

「このイワヤマトンネルは、我々ロケット団が占拠した。命が惜しければ、今すぐ身に纏うものを全ておいてここから出て行け。」

 

そう言うと、後ろの構成員たちはボールを向けながら、ニヤニヤとした顔でこちらに近付いてくる。

 

「勿論、ポケモン共もおいていけよ。ソイツらは、俺達の商品になる予定なんだからな。おっと、抵抗はするなよ。抵抗すれば、このボールに入った凶悪なポケモン共がお前らを殺しちまうかも知れないからな。」

 

そう言うと、リーダーらしき人物もボールをこちらに向けてゲラゲラと笑う。

 

ふざけるなよ、屑どもが。

そんな指示に従うわけないだろ。

 

しかし、俺とニアだけならまだしも、他の参加者や係の人たちを安全に守りきるほどの余裕は、俺にはない。

 

なので、俺はコイツらの隙を伺うべく、一旦、指示に従うように見せ掛けることにした。

 

幸いエミリーは、コイツらが近付いて来るのを感じ取ったのか、透明になって姿を消している。

 

気付かれることはないだろう。

 

俺を含めた、全参加者たちは、持っていたバックやモンスターボールなどをその場において、両手を上に上げた。

 

だが、ロケット団の奴らはニヤニヤした顔をやめずにいる。

 

すると、リーダーらしき人物が再度口を開けて言い放った。

 

「おいおい、俺は身に纏うもの全てと言ったはずだぜ?着ているもん含めて、全部に決まってんだろ。おら、死にたくなきゃ、さっきと服も全部脱いじまいな。お前らは俺達に、命乞いするしかないんだからよ。」

 

そう言って、下卑た笑みを浮かべる。

 

下種が、今すぐぶっ殺してやってもいいんだぞ。

 

しかし、どうするか。

未だに有効な手段は思い付かない。

 

俺がどうすべきか考えていると、ふと俺の服が握られる感覚があったので、後ろを振り返った。

 

そちらを向くと、ニアが泣いていた。

 

彼女は恐怖に怯え、泣いていた。

このあと起こることを考え、羞恥に震え泣いていた。

仲間たちと別れることになるかも知れない、悲しみに暮れ泣いていた。

 

ああ、なんか悩んでいたのが馬鹿みたいだ。

 

ここにいる人たちを、全員安全に助ける?

それが出来れば、最良に違いない。

 

だけど、違うだろリュウキ。

 

俺はそんなに高尚な存在じゃない。

 

なんでも出来る超人じゃないのは、過去にチュンチュン丸を死ぬ寸前まで追いやってしまった時に、知ったじゃないか。

 

他の参加者たちや係の人に関しては、最低限でいい。

俺が優先すべきは、彼女と俺の仲間たちのことだけだ。

 

じゃあ、どうするか?

 

決まっている。

 

何も深く考える必要はない。

 

ただ、潰す。

目の前の障害を排除するだけだ。

 

俺は、即座に地面に置いたボールを全て拾い上げ、上へと投げた。

 

==========

 

【ロケット団リーダーside】

 

俺達は、ボスから預かった凶悪なポケモン共を携え、イワヤマトンネルを襲撃した。

 

このポケモン共がいれば、俺達に負けはあり得ないし、この作戦もいつも通り成功するはずだった。

 

襲撃はなんなく成功し、襲撃した目的の物である、ここの奴らが保管していた化石や鉱物なんかは確保したと無線で連絡が来ていたので、あとは小遣い稼ぎにここで行われていたツアーの参加者共の持ち物を奪って、サツが来る前にズラかるだけだったのだが、この日はいつものようには行かなかった。

 

この時は、知らなかったんだ。

あんなバケモンがいたなんてことは。

 

それが起こったのは、運悪くその日のツアーに参加してしまった参加者どもの服を脱がせて、その憐れな姿を笑ってやろうと思っていた時だった。

 

突如として、左側の方にいたガキが、置いていたボールを上に投げて、そのガキのポケモンたちを呼び出した。

 

「なっ、テメェ勝手に動いてんじゃねぇよ。殺されてぇのか。」

 

俺は、ガキがいきなり抵抗する姿勢を見せたことで頭に来たので、すぐさま臨戦態勢に移行した。

 

だが、破裂音と共に現れたポケモンのほとんどが、俺達は1度も見たことがないポケモンたちで、少し引いてしまった。

 

しかし、俺はすぐさまチャンスだと思った。

見たことがないということは、コイツらは絶対に珍しいポケモン、もしくはこのカントー地方にはいないポケモンだろう。

小遣い稼ぎどころか、かなりの額を稼げるだろう。

 

俺はそう考え、すぐに頭を振った。

 

「おいおい、なんだよ。いいポケモン共じゃないか。俺達に自慢したくなったのか?ソイツは、ありがたいぜ。安心しろよ、そんな珍しそうなポケモン共だったら、いい金になるからよ。さっきの行動も許してやる。特別に服もそのままで、出て行っていいぜ。だから、ボールを寄越しな。」

 

俺は普段ではあり得ないほど、温情を掛けた言葉でガキの行動を許してやると言ったのだが、ガキはこちらを見ていない。

 

「ちっ、おい。聞いてんのかガキ。許してやるって言ってんだから、ボールを渡してとっとと失せろ。」

 

そんなガキの態度に苛ついた俺は、早く行動に移すように脅してやったのだが、ガキは意に介さず、後ろにボソボソとなにかを呟いてから、ようやくこちらを見た。

 

「こっちが優しくしてやってるからって、調子に乗りやがって。あんま、ナメてんじゃ…」

 

俺はこのナメた態度のガキに怒りを顕にして、その鬱憤を晴らすために、ガキにドスを効かせた声で恐喝したのだが、言葉が続けられなかった。

 

そのガキは、俺達を見ていた。見ていたのだか、その目は俺達は写していなかった。

 

文字通りの無表情で、なんの感情も感じられなかった。

 

俺は、こんなガキを今まで見たことがなく、思わず後退ってしまった。

 

するとガキは、淡々と自分のポケモンと思われるものたちに指示を出した。

 

「ジョージ、『マッハパンチ』。チュンチュン丸、『つばめがえし』。バービー、『ころがる』。エミリーは、ニアを連れて『テレポート』。カーミラとトトロは、他の人たちの盾になれ。」

 

主人の命令を聞いたポケモンたちは、一部を除いて即座に動き出した。

 

カーミラと呼ばれたゴルバットとトトロと呼ばれたカビゴンは、俺達にガキ以外の参加者の姿が見えなくなるように、参加者たちの姿を隠すよう立ち塞がった。

 

そして、突如として何も無い空間から現れたピンク色の奴が、ガキのすぐ後ろにいた別のガキと共に一瞬にして、消え去った。

 

だが、他のポケモン共は主人の命令に困惑しているのか、すぐには動き出さなかった。

 

俺は自分のポケモンに満足に命令も出せないのかと思い、そのガキを嘲った。

 

「はっ、なんだよビビらせやがって。テメェの命令も満足に聞かねえ、バカが半数じゃねぇか。だが、抵抗したお前を許してやらねぇ、せいぜい負けた後に後悔…」

 

俺がガキを挑発して、ボスから借りたポケモンを繰り出そうとした次の瞬間、俺の身体に痛みが走った。

 

なんだ、痛い?どういうことだ。

 

見れば、先程まで離れたところに立っていたガキが俺の目の前におり、ガキの拳が俺の腹にめり込んでいる。

 

「勘違いするな、みんな優しいだけだ。」

 

そんなガキの言葉を聞いたかと思うと、気付いた時には俺は後ろに吹き飛んでいた。

 

バゴンッという何かを破壊する音と共に、俺の目の前は真っ暗になった。

 

==========

 

あれからどれだけの時間が過ぎたのだろうか、次に俺が目を覚ました時には、全てが終わっていた。

 

目を開いて、最初に飛び込んで来た光景は、あたりに倒れ、ピクリとも動かない、俺と同じ制服を来たしたっぱたち。

 

アイツにやられたのだろうか。だが、何故?ポケモン共は使わなかったのか?

 

だが、そんな疑問は一瞬にしてなくなった。

 

次に目に入ったのは、同じように倒れ伏す、ボスから渡されたポケモンたち。

 

俺達でも、暴れられたら手が付けられないような凶悪なポケモンたち。

 

ギャラドスやニドキング。ベトベトンやスピアーといったポケモンたちが全て地に伏せていた。

 

俺は驚愕のあまり、意識が完全に覚醒した。

その瞬間、凄まじい痛みが俺の腹あたりから伝わり、痛みのあまり、再度意識を失いそうになった。

 

俺はその痛みで動くことは叶わず、ただ、呻くことしか出来なかった。

 

「終わったか、みんなお疲れ。ゆっくり休んでくれ。」

 

ガキが自身のポケモン共を労う声が聞こえる。

 

終わった?

アレだけの数がいたのに、もう誰一人動けないだと?そんなことがありえるのか?

 

幸い俺の手には、まだボスから預かったポケモンの入ったボールが握られている。

 

だが、それが何になる?

10数人いた俺の仲間たち全員がポケモンを含めて、やられてしまったんだぞ。

 

俺1人と、このポケモン1匹だけでどうにかなる相手じゃない。

 

そして、なによりも恐い。

 

ただ、ひたすらに恐いのだ。

 

俺はこんな恐怖を感じたことは、これまで1度としてなかった。

ボスを相手にすら感じたことのない、明確な恐怖。

 

これは恐らく、死の恐怖。

 

動けば、文字通り今度こそ死ぬ。

 

そんな確信があった。

 

やがて、ポケモン共をボールに戻したガキは、周囲を見回して言った。

 

「…もしかしたら、起きてる奴がいるかも知れないから、言っとく。次はない。次にお前たちが、俺の前に姿を現すことがあれば、今度こそお前たちの最後のときだ。それが嫌なら、足を洗い、もう二度とこんな真似はしないことだ。」

 

そう言い終えたガキと俺は、目があってしまった。

 

目を覚ましたことがバレた。

 

死ぬ。殺されてしまう。何も出来ないまま、死んでしまう。

 

俺は恐怖のあまり、失禁した。

 

だが、そんなことは気にならないほどの恐怖が俺を支配している。

 

ガキは少しの間、俺のことを見ていたが、やがて視線を外して、首から掛けていた通信機のようなものに手をやり、サツと思われる奴と連絡を取り始めた。

 

助かった。

 

俺は安堵と共に、再び意識を手放した。

 

【ロケット団リーダーside end】

 

==========

 

あれから、俺の呼んだジュンサーさんたちが来て、ロケット団の奴らはみんな捕まっていった。

 

やって来たジュンサーさんたちは、何があったのかと聞いて来たが、俺はとりあえず、ポケモンたちと共に対処した、ポケモンたちのおかげで、無力化出来ましたと伝えておいた。

 

実際のところは、ほぼ俺の手で無力化したのだが、そんなことを馬鹿正直に言っても、信じられることはないだろうし、なにより警察組織に目を付けられたくもなかった。

 

一応、事実として、俺の仲間たちも戦ってくれていたのだから、別に間違ったことは言っていない。

 

他の人たちからの目撃証言があれば、厄介だったのだが、みんなトトロの後ろにキッチリ隠れてくれていたらしく、誰も実際の戦闘の様子を見ていなかったそうだ。

 

ジュンサーさんたちは、どう見ても俺の仲間たちよりも強そうなロケット団のポケモンを見て、疑問があったようだが、あまり疑いをかけられることはなく、そう時間を取られることもなく、俺は開放された。

 

やがて、開放された俺は、他の見学会の参加者から凄まじく感謝されることになった。

 

でも、他の参加者の人たちが怪我1つなく無事だったのは、ただ運が良かったことによる結果でしかない。

 

だから、心の底からその称賛を受けることは出来なかったが、謙遜して受け取らないのも怪しいので、俺は申し訳ない気持ちになりながらも、素直を受け取っておいた。

 

アイテムやらお金やら、何か色々貰ってしまったが、ありがたく受け取っておこう。

 

その後、イワヤマトンネルを管理している、今回の見学会を企画・運営してくれた組合の組合長からも、感謝の言葉と共に、こんなものしか渡せず申し訳ないがと言いながら、ここで取れたという3種類の化石と、美しい輝きを放つ鉱石を2つほどいただいた。

 

こちらも特に何か言うことはせず、ありがたく受け取っておいた。

 

ただ、流石に量や重さの関係もあり、これら全てをそのまま、受け取ることは出来なかったので、この世界に生まれて初めて、ポケモンセンターのパソコンによる転送システムを使い、自宅にいただいた道具たちを送っておいた。

 

まあ、あの鉱石あたりは、多分色合いとか質感からして、『あついいわ』も『つめたいいわ』だと思うし、見ても、触っても面白いし、コウキやヒカリも喜んでくれるだろう。

 

俺はポケギアを使って、カントーでの貰い物だから、1足早いお土産として好きにして貰っていい旨を母さんにメールで伝えた。

 

組合からお礼も貰ったので、俺は昨晩宿泊した近くのポケモンセンターに戻ると、既にニアとエミリーが俺を待っていてくれていた。

 

俺は念の為、何か困ったことや危険なことに合わなかったかを確認したが、エミリーはあの瞬間ここのポケモンセンターにテレポートするのも危険だと考えてくれたらしく、わざわざシオンタウンのポケモンセンターまで移動してくれたらしい。

 

流石は伝説のポケモン。

 

わざわざ言葉に出せずとも考えることが、一歩先を読んでくれている。

 

しかし、エミリーは少々怒ったような顔、違うな俺を諌めるような顔をして、俺に言った。

 

(リュウキに言われるがまま、思わずすぐにあの場を離れちゃったけど、やりすぎたりしなかった?正直言って、僕も怖かったよ。あの時の君は。なんて言えばいいかな、君が前言ってた、『ガンギマリ状態』?そんな感じでなんか覚悟決めちゃっててさ。多分、あの時僕が何を言っても、君は聞いてくれなかったてしょ?)

 

そうエミリーは、俺に言ってきた。

だが、その後はすぐに優しげな表情になって、

 

(でも、まあいいよ。あの時は、アレが最善とは言えなかったけど、僕も他に方法なんて思いつかなかったし、結果的に何も問題なかったみたいだから。だから、リュウキにはこの言葉を送るよ。)

(よくやったね、リュウキ。君はみんなのヒーローだよ。)

 

その言葉を聞いて、俺はとても嬉しかった。

 

正直言って、俺はあの時、以前の暴走族をぶっ飛ばした時以上に、頭に血が登り過ぎていたし、実際、後先考えず暴力を奮っていたのだ。

 

その姿を少ない時間とは言え、エミリーやニアの前で晒してしまったのだから、嫌われてしまってもしょうがないと思っていた。

 

だからこそ、エミリーから言われたこの言葉はとても嬉しかった。

 

「ありがとう。正直、君たちにあまり見せていい姿じゃなかったし、特に感情を読み取れるエミリーには絶対に感じさせちゃいけなかったと思ってたから、嫌われてしまったかと思ってた。そう言ってもらえると、凄く嬉しいよ。」

 

俺は泣きそうになりながら、そう答えた。

俺がそう答えると、ニアも慌てて言葉を紡いだ。

 

「私もおんなじ気持ちですよ、リュウキさん!確かにあの時のリュウキさんは、ちょっと怖かったけど、私達の為に、行動してくれて凄く嬉しかったし、カッコよかったです!嫌いになるはずなんてありません!!」

 

ニアからも、そう言って貰えて俺はついに我慢できずに泣き出してしまった。

 

途端にワタワタと先程以上に慌て出すニア。

 

エミリーは、しょうがないなという顔をしながらも、呆れたような表情ではなく、先程と同じ優しげな表情で俺の頭を撫でてくれた。

 

(でも、怖かったのは本当だからね。もう極力、リュウキのあんな姿や感情は、見せないようにしてね。約束だよ。)

 

俺は勿論と、約束して、2人と抱きついた。

 

俺は本当にいい仲間を持った、と心の底から感じられたのだった。

 

▶TO BE CONTINUED...




■ジョージ(モウカザル) ♂ Lv.28→30
性格:むじゃき

■エミリー(エムリット) Lv.50
性格:ひかえめ

■チュンチュン丸(ムクバード) ♂ Lv.28→30
性格:ゆうかん

■バービー(ビーダル) ♀ Lv.29→31
性格:のんき

■カーミラ(ゴルバット) ♀ Lv.27→29
性格:いじっぱり

■トトロ(カビゴン) ♂ Lv.30→31
性格:わんぱく

■ビリリダマ Lv.23
性格:ずぶとい

突然ですが、これまで主人公のリュウキくんの戦績はなんとなくで決めておりましたが、これもルーレットにしたほうがよろしいでしょうか?ご意見くれると嬉しいです。(現地民よりは理解してる設定で、負け過ぎるのはマズイので比率的には勝利7:敗北3ぐらいで設定したものを回すつもりです。)

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