転生にわかポケモントレーナーの冒険録   作:Sleipnir666

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今回は初めての前後編に別れた、2話構成になってます。

原作キャラも何人か出したため、話が膨らんでしまいました。なので、バトルについては次回をお待ちください。

また、感想や評価などいつでもお待ちしております。

お手すきであれば、今後の展開の為、アンケートにもご協力いただけると嬉しいです。

多分、次回ともう1回くらいでハネダ編は最後になると思いますので、アンケートもそれに合わせて、本日1/16のお昼頃を目安に募集を終了させますので、ご了承ください。

では、どうぞ。


第25話 海の男(前編) ▼

暗くなるまで、修行に明け暮れた俺達は、その後は普通にポケモンセンターに戻って眠りに着いた。

 

しかし、その翌朝何故か俺は普段よりも2時間近く早くに目が冷めてしまった。

 

なんと言えばいいのか、本当にパッチリと目が覚めてしまった感じがして、もう一度布団に潜っても眠れそうにない。

 

当然、そんな朝早い時間であるため、まだ日も登ってはいない。

 

流石に、こんな時間にニアやエミリーを起こすのは心苦しいので、俺は書き置きだけ残してから、エミリーを起こさぬように静かに1人で部屋を出て、ポケモンセンターの外へと出た。

 

外はまだ薄暗く、当然起きている人もほとんどいないであろう時間帯のため、ハナダシティはそこそこ大きな街ではあるが、今は人の営みもほとんど感じられなかった。

 

うーん?どうしたものか。

 

外へ出たはいいが、俺は別に何か目的が合ったわけではない。

 

しばらく悩んでいたが、せっかくまだ日も登っていないのだから、日の出を見に行こうと思い、ハナダの北の岬にある海へと向かった。

 

距離にして、ハナダシティのポケモンセンターからは10kmほど離れていたが、昨日貰った自転車に乗っていることもあり、俺は軽快に進み、だいたい15分くらいで浜辺に着くことが出来た。

 

海はとてもおだやかで、ゆったりとした波が浜辺に打ち上がっている。

また、その砂浜にはクラブなんかも何体かトコトコと歩いており、海特有の景色というものを感じさせてくれる。

 

俺は近くに自転車駐めて、鍵をしっかり掛けてから、浜辺を歩き、良さげな流木が有ったので、そこに腰を降ろした。

 

そのまま、日の出までリラックスした気持ちでボーッとしていると、不意にバシャバシャという水飛沫を上げながら、こちらになにかが近付いて来るような音が耳に入った。

 

ん?なんだ?ポケモンか?

 

俺は不思議に思ってそちらを見ると、少し離れた沖の方から、何かが浜辺に向かって泳いでくる。

 

そこそこの早さなので、水タイプのポケモンかも知れない。

 

今は、ポケモンを持っていないけど、せっかくだし捕まえてみようかな?

 

俺は一応、ポケットに入れていた空のモンスターボールに手をかけて、向かってくる存在を注視した。

 

やがて、それは大きく水を反らせるながら、顔を出した。

 

ソイツは、二足歩行で立っており、頭にゴーグルとキャップを着けていた。

 

ここで、俺はただの人間であることに気付いたので、ボールはポケットに戻した。

 

ただ、ソイツは何故か凄く際どいブーメランタイプの水着を着ていた。

 

ウホッ、いい男♡

などと思う訳がない。

 

むしろ、男の露出の少ない格好なんぞ、普通に目に毒(ガチ)である。

 

俺は、あまり視界に入れたくなかったので、その男から視線を反らした。

 

しかし、その男は俺の存在に気付いたのか、俺の方へと近付いてきた。

 

「ほぉん、こんな時間に珍しい奴がいたもんだ。どうした?家出か?」

 

どうやら、こんな朝早くに浜辺にいた俺を心配してくれているようだ。

 

普通にいい奴である。

 

近付いてきた為、その姿がハッキリと分かるようになった。

 

俺よりも、10cm以上背が高いように見えるので、最初は普通に大人とか高校生ぐらいの年齢かと思ったが、その顔はまだ幼さを感じさせる顔つきだった。

 

恐らく、俺とそこまで大きく差は無いだろう。

ニアより1つ.2つ上くらいだと思う。

 

少し注意深く観察してしまったが、返事をしないのも失礼なので、俺はソイツに応えた。

 

「いや、違うよ。朝早くに目が覚めちゃったから、せっかくだし、日の出を見ようと思って、ハナダシティから自転車で来たんだ。」

 

そう、俺が応えると少年は意外そうなものを見る目で言った。

 

「ハナダから、ここまで自転車で?お前、相当ガッツあるなぁ。あそこから、ここまではかなり離れてるのに、目的があったとはいえ、よく来たものだ。」

 

そう言うと、ソイツは俺をジロジロと観察し始めた。

 

俺も観察してしまった手前、それを止めることはしたりしないが、こうも露骨に見られると、少し居心地が悪い。

 

やがて、観察をやめた少年は、隣いいかと言ってきたので、俺は特に嫌ということもなく、頷いた。

 

とは言え、コイツブーメランパンツ一丁なんだよな。

 

浜辺だからそこまで違和感は無いものの、ブーメランパンツ一丁のパッと見変態みたいな格好の奴が、隣に座って来るのには、少し抵抗がある。

 

どうせなら、ニアや可愛い女の子とかビキニのお姉さんがよかったな。

 

まあ、無いもの強請りしてもしょうがないので、俺達は少しスペースを開けて、流木の上に座った。

 

やがて、ソイツは再度俺に声を掛けてきた。

 

「自己紹介が遅れたな。俺はカイト。この辺に住んでて、朝にここで泳ぐことを日課にしてる。ちょっとした自慢なんだが、お前が来たハナダにある、ジムの公認トレーナーなんだぜ?だから、週に何度かはジムチャレンジャーの腕試しなんかも引き受けてる。」

 

そう言ってソイツ、いやカイトは、俺に簡単な自己紹介をしてくれた。

 

自己紹介をしてくれたのに、返さないのはおかしいので、俺も簡単な自己紹介をした。

 

「そっか、よろしくなカイト。俺はリュウキ。シンオウ地方の、フタバタウンてとこから来たんだ。俺も今日にでも、ジムには挑戦するつもりだったから、相手になってくれるってんなら、望むところだぜ。」

 

俺がそう言うと、カイトはニヤリと笑い、

 

「ほお、ジムに挑むのか。ちょうどいい。今日の昼には、俺もジムに行って、何人かのジムチャレンジャーと対戦する予定だったから、問題ない。相手をしてやろう。」

 

俺に挑発を受け取り、そのまま返してくるような態度をとった。

 

俺もそれを聞いて、好戦的な笑みを浮かべる。

 

だが、カイトはしかし…と続けた。

 

「しかし、俺としてはポケモンバトルもそうだが、それ以上にお前とスポーツかなにかでも、勝負がしたいな。見たところ、お前からは強者特有の雰囲気のようなものを感じる。背恰好だけで見れば、勘違いしそうなものだが、俺には分かる。お前、相当鍛えているな?座っている今もそうだが、お前には重心のブレというものが存在していない。更に言えば、ここまで自転車で来たにも関わらず、全く疲れた様子を見せていない。どちらも鍛えていなければ、説明がつかない。どうだ、違うか?」

 

見ただけで分かるもんなんだな。

 

確かに俺は鍛えている。

 

それこそ、ランニングやスクワットなどの一般的な筋トレは旅に出てからは、あまりやらなくなってしまったが、それでも仲間たちとの修行の際には、一緒になって修行している。

 

最近では、波動拳がもうほぼほぼかめはめ波のような威力と射程で、射てるようにすらなってきている。

 

今の俺ならば、例えミュウツーやルギアに襲われたとしても返り討ちに出来るだろうという、自信がある。

 

そのため、その質問の答えはYesだ。

 

「流石だな。ああ、鍛えてるぜ。スポーツ勝負ってのも確かに面白そうだが、やめておいた方がいい。傲慢な答えで申し訳ないが、恐らく勝負にならない。」

 

そう言うと、カイトは少し不機嫌な表情になった。

 

当然だ。

いくら、自分と同じように鍛えているとは言え、自分よりも年下の人間から、相手にならないと言われたのだ。

 

故に怒りが湧くのは当然と言える。

 

ただ、口で言うだけなら、誰にでも出来る。

 

だからこそ、俺は実際にカイトに俺がどの程度の強さなのかを見せることにした。

 

ちょうど、海のすぐ近くだし、久しぶりにあれやるか。

 

俺は、不機嫌な表情のままのカイトに、俺の実力を見せるから、見ていてくれと言って立ち上がり、カイトから少し距離を取った。

 

そして、その位置で1度靴を脱いでから、クラウチングスタートの体勢をとり、水平線より昇り始めた太陽を見据えた。

 

軽く息を吸った後、俺は足に全力を込めてから、その太陽に向かって駆け出した。

 

その瞬間、浜辺の一区画が爆発を起こす。

 

そして、俺はそのまま海の上を走った。

 

俺は沈むことなく、海の上を全速力で駆ける。

 

ああ、久しぶりに走ったが本当に楽しいな。

 

シンジ湖の上を走った時は、シンジのほとりの一部を、スタート時の衝撃で割り砕いてしまい、エミリーに怒られてからは1度も走らなかったし、同様にミオにいく218番道路の海も対岸が視認出来るほどには、距離が短かったのもあり、環境の変化が怖くて、走れなかった。

 

ここなら、見渡す限り水平線しかない。

 

特に周囲に気を使う必要も無いだろう。

 

俺は久しぶりに開放されたような気分になりながら、太陽に向かって走り続けた。

 

==========

 

やがて、俺はカイトの存在を忘れてしまっていたことを思い出し、慌てて元居た浜辺に戻った。

 

浜辺が見えるあたりまで戻ると、砂まみれになったカイトが俺に手を振っている。

 

俺も軽く手を上げて、そのままカイトのもとへと向かった。

 

いきなり止まれば、その衝撃でまたカイトに砂を浴びせてしまったり、最悪吹き飛ばしてしまうので、次第にゆったり速度を落として、それによって着水して腰辺りまで濡れた状態で俺はカイトの下へと戻った。

 

カイトの前まで、戻るとカイトはものすごくキラキラした目で俺を見ていた。

 

「リュウキ、お前凄すぎるだろ。どうなってるんだ?海の上を走る人間なんて初めて見たぞ。てか、お前本当に人間なのか?人みたいなポケモンとかじゃないのか?」

 

なんかこの質問、前も聞いたような気がするな。

 

俺は勿論違うと応えておいた。

 

カイトは、シンオウの人間はこんな化け物ばっかりなのかと、戦慄していた。

 

やがて、カイトは何故か頬を染めて切り出した。

 

「好きだ、俺と付き合って「無理です」な、何故だ?」

 

何故だじゃねぇよ。

 

逆になんで、いけると思った?

バカじゃねぇのか?

 

俺は思わず、デカい声でお前ホモかよォォォォッッッッ!!!と叫んでしまった。

 

この辺に住んでいる人には近所迷惑で申し訳ないが、許して欲しい。

 

叫ばずにはいられなかったのだ。

 

だが、カイトは俺のそんな絶叫に、これまたデカい声で違う!と叫んだ。

 

「俺はホモじゃないッッッ!バイだッッッ!!!」

 

両刀かよォォォォォォォォォォォォッッッッッッッ!!!!!

 

==========

 

その後は、カイトの告白にはキッチリ、Noを突き付けておいた。

 

まさか、人生初めての告白が、おんなじ男からとは思わなかった。

 

ふざけるな、俺の初めての告白体験が男とかなんの黒歴史だ。

 

俺は、同性愛に関しては、容認もしなければ、否定もしない。そのことについて茶化したり、過剰反応をするつもりは全くないが、その対象が俺になるというのなら、断固として拒否する。

 

とは言え、コイツの性格自体は面白い奴だったので、その後も、普通に接し続けた結果、何故か親友認定されてしまった。

 

まあ、いいか。

 

もし、尻とか狙って来るんだったら、ぶっ飛ばせばいいし、俺の鍛えあげた肉体には、毒も薬も効かないのだから、不意を突かれる心配もない。

 

尻だけにってか?やかましいわ(セルフ突っ込み)

 

なので、特に何か言うでもなく、流しておいた。

 

ちなみに、俺に告白してきた理由を聞いたところ、カイトは幼少期から、どうしようも無いほど『筋肉』というものが大好きらしく、海の上を走るなどという、尋常ではないことをやってみせた俺の筋肉は、最高のものに映ってしまい、思わず勢いで言ってしまったらしい。

 

また、同時にこの浜辺で見かける鍛えられた肉体を持つ『かいぱんやろう』や『ビキニのおねえさん』を眺めるのが、日課で趣味だと言っていた。

 

お前、眺めるのが趣味とか、マジモンの変態じゃねぇか。

 

怖いなー、戸締りすとこ。

 

とりあえず、俺とスポーツでは勝負にならないことは理解したようなので、次はジムで会おうと約束してから、俺達は別れた。

 

さて、なんやかんやで時間も経って、日も昇り、いつも起き始める時間も近付いて来たし、帰るか。

 

俺は自転車に跨り、ハナダシティへと戻っていった。

 

なお、ポケモンセンターに戻った際に、ニアとエミリーに男から告白されたと話したら、ニアは大慌ててで全身をワタワタさせながら、

 

「だっ、駄目です!!リューくんは、私のッ、あっでもいい…かもぉ」

 

と言って、鼻から血を垂らしていた。

 

ニアさんや、その年からそっち方面に行くのはヤバい。戻っておいで。

 

俺は呆れながらも、ニアの鼻血を止めるべく、座らせて、下を向かせた。

 

エミリーはエミリーで、不思議そうな顔をして、

 

(オス同士じゃ、タマゴは出来ないよ?人間は違うのかい?)

 

と聞いてきた。

 

よかった。君は純粋なそのままでいてくれ。

 

そんな感じで、ポケモンセンターで朝を過ごした後に、昨日預けた、トトロを含むポケモンたちを受け取り、昼頃に俺達はハナダジムへと向かった。

 

==========

 

着いた先にあったハナダジムは、ゲームのような黄土色の屋根を持つ施設ではなく、アリーナのような形状の施設だった。

 

これ、アニメのジムの形状なんだろうか。

 

ニビジムの方は、THE・岩って感じで印象的な形状だったから覚えているのだが、ハナダジムの方は、ここにいるカスミの姉たちの方の印象が強過ぎて、よく覚えていない。

 

俺達がドアを潜って、中に入ると更に奥の扉の方が何やら騒がしい。

 

俺達は気になって、その声がする方へと向かい、扉を開けた。

 

「「「「「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」」」」」

 

扉を開けると、凄まじい熱量の男達の野太い叫び声が聴こえる。

 

うるっさ、なんだコイツらは。

 

俺が男達の方へ目線を向けると、男たちは目線は全員同じ方を見ていた。

 

扉から正面に進んだ中央には、階下にプールがあり、そこでは綺麗な女の子たちがシンクロナイズドスイミングを披露していた。

 

そこで、シンクロを披露している女の子たちは、俺がアニメで見て覚えている通りの、ブロンドや青、ピンクといった色鮮やかな髪をしていた。

 

アキラに出会ったことで、分かっちゃいたが、原作アニメのキャラも普通にいるな。

 

あの子たちは十中八九、カスミの姉のサクラ、アヤメ、ボタンの3人だろう。

 

マサラタウンで、サトシに会えるのが楽しみになって来た。

 

また、黒髪や茶髪の女性だったり、他のキャストと思われる何人かの人たちも交じっていた。

 

俺達は、しばらくそれを眺めていると、やがてこのショーも終わりの時間になったのか。水の中にいた人たちが、全員プールサイドに上がってきて、客席に向かって、頭を下げた後に、手を振った。

 

「みんなー、楽しんでくれたかな?」

 

「明日もやるから、また来て欲しいなー」

 

「これからも、ハナダ美人三姉妹をよろしくねー」

 

周りの観客たちは、狂ったように叫んでいる。

 

とりあえずこれから、観客たちも帰るだろうから、その波に巻き込まれない内に、俺達は急いで外へ出た。

 

その後、俺達はバトルの受付をしてくれる場所を探し、少し離れた位置にあったその場所で、ジムに挑戦することを伝え、申請した。

 

しばらくそこで、待っでいるとふと視線を感じたので、そちらを見れば、何やらオレンジ色の髪をした小さな女の子が俺達を見つめていた。

 

俺はもしやと思い、手招きするとその子はトテトテと俺の前まで歩いて来てくれた。

 

その子は、夕日のように綺麗なオレンジ髪をショートボブぐらいにしており、前髪をデフォルメにされたシェルダーの髪留めで止めている女の子だった。

 

そして、その子は俺達を交互に見て声を発した。

 

「おにぃちゃんとおねぇちゃん、だあれ?おねぇちゃんたちのおきゃくさん?」

 

そう不思議そうに聞いてきた。

 

うっわ、声もかわヨ。

 

もう誰なのか、ほぼ確信していたが、俺は膝を曲げて、彼女に視線を合わせて、彼女に俺達という存在について答えると同時に、問い掛けた。

 

「うーん、ちょっと違うかな。俺達は、ジムチャレンジに来たんだ。俺の名前は、リュウキ。こっちは、ニア。それでこのピンクの子はエミリーだよ。君のお名前も教えてくれるかな?」

 

そう言うと、その子はうんっ、と言って元気よく応えた。

 

「あたし、カスミっていうの。ハナダびじんよんしまいのひとりよ!そのこ、ポケモン?なんで、おそとにいるの?でも、かわいい。だっこしたい。ダメ?」

 

そう言って、エミリーを見つめる。

 

やはりこの子、カスミか。

でも、ここまで小さいともうカスミじゃなくて、カスミちゃんだな。

 

コウキやヒカリたちの時もそうだったが、非常に庇護欲を唆られる。

 

俺はエミリーに向かって、頷いた。

 

エミリーも、子どもの頼みは断わる気はないのか、1度だけやれやれと首を振ると、床に降りてきて、カスミちゃんに近付いて行った。

 

それを見た、カスミちゃんは嬉しそうにエミリーに抱きついた。

 

エミリーは、勢いよく抱き締められ、少し苦しそうにしていたが、特に抵抗することなく、されるがままにされている。

 

俺達は、そんなエミリーとカスミちゃんの様子を、微笑ましいものを見る目で眺めていると、やがて受付に先程プールでシンクロやショーを披露していたカスミちゃんの姉と思われる3人が俺達の前に、やって来た。

 

やがて、サクラと思われる人物が一歩前に、出て挨拶をしてくれた。

 

「妹の面倒を見てくれて、ありがとう。私はサクラ。ここハナダジムのジムリーダーを代行しているわ。後ろの2人は、アヤメとボタン。私達3人で、『ハナダジム美人三姉妹』って名前で結構有名なのよ?知らない?」

 

知ってます、アニメで見たから。

とは言え、アニメの話などをする気はない。

 

だが、俺が何か言う前に足元でエミリーを抱っこしていたカスミちゃんが怒り出した。

 

「ちがうもん!あたしがいるから、さんしまいじゃない!びじんよんしまいなの!」

 

そう言って、サクラに反論していた。

 

しかし、それを聞いたサクラとアヤメ、ボタンの3人はクスクスと笑い出した。

 

そして中でも、ピンク髪のボタンがカスミちゃんを見て言った。

 

「美人4姉妹?何言ってんのよ。アンタみたいなちんちくりんが私達と同じ括りにされる訳がないじゃない。せめて、後10年経ってから名乗りなさいよ。」

 

それを聞いたカスミちゃんは、泣きそうになっている。

サクラはやめなさい、みっともないと口では、ボタンを嗜めているが、どうにも本気でやめるように言っているとは思えなかった。

 

幼い子どもの泣き顔を見るのは、弟と妹がいる身としては絶対に許せなかったので、俺はすぐにしゃがみこんで、カスミちゃんの頭を撫でながら、伝えた。

 

「大丈夫だよ、カスミちゃん。今でも君はとってもかわいいんだ。すぐに美人って呼ばれるようになるさ。それに、お姉さんたちもみんなこんなに綺麗なんだ。カスミちゃん一人が美人じゃないなんて、そんな訳がないよ。今はただ、カスミちゃんはかわいさの方が目立っちゃってるから、そう呼ばれないだけだよ。だから、絶対に大丈夫。」

 

俺がそう言って、笑い掛けると、カスミちゃんは嬉しそうに笑顔になってくれた。

 

そうだ、子どもは悲しい顔よりも嬉しそうな笑顔の方が似合うに決まっている。

 

そんな俺達の様子を見た、ボタンはつまらなさそうにしている。

 

つまらなくて、結構だよ。アバズレが。

幼いカスミちゃんに対して、なんてことを言うんだ。

 

もしかして、アニメ同様に普段からこんな感じなのか?

カスミちゃん、よくあんないい子に育ったな。

 

だが、俺はそんなことは口には出さない。

 

下手なことを言って、ジムから追い出されるのも面倒だからだ。

 

やがて、俺が立ち上がるとサクラは再び言った。

 

「カスミのことを気にしてくれて、ありがとう。助かるわ。でもまだ、カスミなんて子どもよ?そこまで気にする必要もなさそうだけど、あなた変わってるのね。まあいいわ。それで?あなた、誰と闘いたいとかあるの?聞くだけ聞くわよ。」

 

そう言っできたので、俺は朝約束していたことを伝えた。

 

「でしたら、ここにカイトって奴は来てますか?別件で約束していたので、問題なければ、ソイツと闘わせて欲しいのですが。」

 

俺がそう伝えると、サクラは驚く顔を見せた後、何やら少しだけ赤い顔をしながら、言った。

 

「そ、そう。あなたカイトの知り合いだったの。分かったわ、呼んできてあげる。アイツもウチの公認トレーナーだし、何も問題ないわ。カイトに勝てたら、ここを突破出来たと認めて、ブルーバッジをあげるわ。それで、あなた今いったい幾つバッジを持ってるの?」

 

俺は当然、このカントーに来てから初めてのジムチャレンジになるので、バッジは1つも持っていない。

 

なので、0であることを伝えた。

 

すると、サクラは少し訝しむような顔になって言った。

 

「0?それ、大丈夫なの?アイツ、私達よりもずっとか強いのよ?やめておいた方がいいんじゃない?」

 

へぇー、アイツ強いのか。

 

それを聞いた俺は俄然やる気が出て来た。

 

「大丈夫です。そう聞くと、俄然やる気が出てきました。是非、闘わせてください。」

 

俺がそう頼むと、サクラは分かったわと言って、カイトを呼びに言った。

 

その間に俺は、アヤメに連れられ、バトルを行うフィールドへと案内された。

 

また、ニアたちをボタンが観覧席に案内しようとした時、ボタンがカスミちゃんにエミリーを離して、別れるように言ったが、カスミちゃんは嫌がったので、それを見たニアが、私達は大丈夫なので、是非ご一緒させてくださいと言って、カスミちゃんも含めた4人で観覧席に向かった。

 

さて、初めての公式試合か。

 

カイトにゃ、悪いが俺のポケモンたちはジムバッジ0個の人間が持つポケモンのレベルじゃないぜ。

 

だけど、ニアと闘ったこともあり、手を抜く気はない。

 

全力で生かせて貰う!!

 

俺は、熱く闘志を漲らせて、フィールドの前に立つのだった。

 

▶TO BE CONTINUED...

突然ですが、これまで主人公のリュウキくんの戦績はなんとなくで決めておりましたが、これもルーレットにしたほうがよろしいでしょうか?ご意見くれると嬉しいです。(現地民よりは理解してる設定で、負け過ぎるのはマズイので比率的には勝利7:敗北3ぐらいで設定したものを回すつもりです。)

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