転生にわかポケモントレーナーの冒険録   作:Sleipnir666

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今日の分です。

戦闘描写は少なめにサクッと済ませました。

感想や評価などいつでもお待ちしております。

では、どうぞ。

追記:
あと、ポケスペ、Kindleで買って10年ぶりぐらいに読み直したんですけど、レッドくんの性格、ゲームと全然違いますね。

これ、出す時どうしましょ。

まあ、出すまでには考えますので、登場までしばらくお待ちください。


第29話 おつきみやまの戦い ▼

自転車で向かった俺達3人は、お月見山へと到着するとすぐさま中に入るための入口を探したのだが、その入口はすぐに見つかった。

 

すぐに見つかった理由は明白で、入口の前に、数人のロケット団が屯していたからだ。

 

ロケット団を発見した俺達は、即座にコイツらを無力化すべく行動に出た。

 

まず、俺がカーミラをボールから出して、カーミラに『くろいまなざし』の指示を出した。

 

突如として、現れたゴルバットからの恐怖を感じるまでの強い眼差しに当てられたことで、その場にいた団員たちは、一瞬竦み上がり、硬直してしまった。

 

その瞬間、ニアがボールから呼び出していたゴーストや、カイトがジムでは使わなかったポケモン、ニョロボンに『さいみんじゅつ』の指示を出す。

 

催眠効果のある動きを直視してしまった団員たちは、トロンとした濁った目になり、緩慢なフワフワした動きをし始めたので、俺は持ち歩いていた、『あなぬけのひも』を使って、その場にいた団員たちをキツく縛った。

 

とりあえず、これでコイツらはもう問題ないだろう。

 

入口である、ここに置いておけば、エミリーが連れてきてくれる予定のジュンサーさん達に、そのまま連行して貰えるはずだ。

 

そして、見張りの団員たちを無力化した俺達は、お月見山の内部へと進んでいった。

 

==========

 

中へと進むと、壁には適当に掘られたような穴がそこかしこに空いており、地面も同じく掘られたような穴や、大勢の人間によって踏み荒らされ、ボコボコになっていた。

 

また、この付近には、ポケモンの気配が文字通り一切ない。

 

恐らく、ロケット団によって捕まってしまったのだろう。

 

俺達は、駆け出したりはせずに警戒しながらも、早足で足跡などを追って、奥へと進んだ。

 

奥に進む道中に暗がりから、突如ロケット団の団員と鉢合わせなんかもしたが、即座に俺とカイトが動いて、首を〆て意識を落としたり、顎を思い切り殴りつけて、脳震盪を起こさせて気絶させたりした。

 

その都度、『あなぬけのひも』を使って、縛り付ける必要があったが、必要経費だろう。

 

即座に無力化を徹底した為、応援を呼ばれたり、気付かれることもなく、俺達は進んでいった。

 

やがて、ガリガリと何かを削る、大きな音と山の内側としては相応しくない光源が奥から、聴こえたり、見えたりするようになったので、俺達は身体を小さく伏せて、先を進んだ。

 

音と光がする場所の影となる死角から、中を覗き込むと、案の定、デカいドリルのような重機が、鈍い緑色をした翡翠のような石を削っていた。

 

他にも小さなドリルや、シャベル、ツルハシのようなものを使って、地面を掘っている団員も何人かいる。

 

そして、恐らくここにいたポケモンたちが入っているであろう、大量のモンスターボールが、運搬用の台車のようなものに雑に積まれていた。

 

ボールを見つけたことで、少し安堵した俺だったが、ここにいる奴らに気付かれずに、このボールを全て運び出すのは不可能だとすぐに思い直した。

 

だが、幸いにも中にいる団員の数は、見える限り、7.8人程度なので、ここまで来たのならば、もう正面から行くことにした。

 

俺は2人と共に、前に姿を表し、ロケット団達に向けて、告げた。

 

「よく聞け、ロケット団ども。もうやめろ、お前たちは、終わりだ。しばらくしたら、ここにジュンサーさんたちがやってくる。だから、観念してお縄に着け。」

 

俺がデカい声を上げて、中にいた団員たちに告げると、いきなり現れた俺達のことで、少し動揺したようだが、話しているのが俺のような子供だと、分かるとすぐにバカにしたような顔になり、その内の比較的俺達の近くにいた団員の1人が、ヘラヘラした顔のままが近付いてきた。

 

「ああ?何いってんだこのガキ。観念しろだと?誰がするかよ、バカが。ガキの癖に、一丁前に正義感にでも駆られたってのか?舐めたこと言ってんじゃねぇぞ。それになんだ?やってくるってことは、今はまだ来てねぇってことじゃねぇか。なら、何も問題ねぇ。お前らをシバいて、とっととずらかりゃいいだけだからな。」

 

そう言って、俺に殴りかかってきたので、思わずそのまま、カウンターで腹に一発入れてしまった。

 

あっ、と俺が内心後悔した時は、既に遅く、吹き飛んだ団員は壁に激突して、動かなくなった。

 

やっちまったな、咄嗟に手が出てしまった。

無意識だったから、流石に死んでるわけはないと思うが、どうしても、クズ相手だと先に手が出てしまう。

 

今日は、ニアたちも居るから、俺が直接暴れるつもりはあまりないのだ。

 

だが、これを見た他の団員たちは、瞬間ピタリと笑うのを止め、全員が俺たちを警戒する姿勢を見せた。

 

ちょうどいいや、この状況を利用させて貰おう。

 

「俺を直接、害そうとするのは無理だぞ。つい、今みたいにぶっ飛ばしてしまうからな。あと、ここに来る道中にいた、お前らの仲間も全員無力化してるから、抵抗はしないでくれると、面倒がなくて助かるんだが。」

 

そう俺が言うと、団員たちは全員がボールを取り出して、こちらに投げてきた。

 

「ふざけんな!だったら、ポケモンたちでお前らをやればいいだけだろう!ズバット、『きゅうけつ』!」

 

「アーボ、『どくばり』!」

 

「コラッタ!『でんこうせっか』!」

 

「サンド、『ひっかく』!」

 

「ドガース!『たいあたり』!」

 

ロケット団の団員たちから、それぞれのポケモンが飛び出して来て、俺達に向かって来る。

 

俺達もすぐさま、ボールを取り出し投げた。

 

「バービー!コラッタに『アクアジェット』!コウハクは、ズバットに『スパーク』!」

 

「レヴォン、サンドに『バブルこうせん』!ガメシエルは、アーボに『マッドショット』!」

 

「ぺーちゃんは、ドガースに『サイケこうせん』!」

 

俺達のポケモンたちも、ボールから出るやいなや指示に従い、動き出す。

 

なお俺達への攻撃を防ぐため、彼らは敢えて、ポケモンたちの攻撃を受けてから、そのまま、俺達の指示に従い行動し、一撃で全てのポケモンたちを戦闘不能にした。

 

その後、ロケット団の団員たちは控えていたポケモンたちをどんどん投げてきたが、全て俺達のポケモンたちが一撃で沈めていった。

 

そして、ロケット団の団員たちは、控えのポケモンを全て出し切ったのか、俺達を化け物を見るような目で見て、後ろへ後退った。

 

「もう分かっただろう?もう一度、言うぞ。お前たちは終わりだ。諦めろ。」

 

俺が最初に言った時と同じように最後に通告をすると、やがてロケット団の団員たちは、肩を落として、崩れ落ちたのだった。

 

==========

 

俺達がお月見山内にいた、全てのロケット団の団員を縛り上げていると何やらドタドタと出口の方から、人が向かって来る音がした。

 

俺達は、全員警戒する姿勢を見せたが、現れたのは見慣れた制服を来たおまわりさんたち、ジュンサーさんたちだった。

 

その数は、凄まじく30人ぐらいのジュンサーさんたちがいた。

 

ジュンサーさんたちは、俺達がロケット団の団員たちを縛り上げているのに気付くと、すぐさま駆け寄って来てくれて、後を継いでくれた。

 

だが、1人のジュンサーさんがとても怒った様子で、俺達に近付いて来た。

 

「貴方たち、大丈夫ッ?!もう、子供がこんな無茶しちゃ駄目じゃないッ!何かあったらどうするつもりだったの!勇気と無謀は、別物なのよ!!」

 

至極真っ当な感性の下で、叱られてしまった。

 

勿論、急がなければ、逃げられてしまう可能性があったことや、ポケモンたちが心配だったことなど、言いたいことや弁明したいことは沢山あったが、敢えて俺達はその場では何も言わずに、叱られ続けた。

 

言っていることは、大人としてまともなことなのだ。

それにこの人を含めて、俺達を心配して、こんなにも大勢で来てくれたのだ。

 

言い訳などするべきではないだろう。

 

その後、俺達3人はそれはもうこっぴどく叱られるのであった。

 

==========

 

外に出ると、白バイやパトカーが何台も止まっており、外に縛っておいた連中も、道中に置いておいた連中も等しく、連行された。

 

俺達3人は、先程のジュンサーさんに事情聴取ということで、内1台のパトカーの中で、詳しく内容を聞かれた。この時に、叱られる前に言おうとしていたことを全部話した。

 

それらを聞き終えた時のジュンサーさんの様子は、少し優しげな表情をしていたが、すぐにキリッとした顔になり、

 

「でも、駄目よ。貴方たちは子供なんだから、私達大人を頼るべきよ。例え、それでもしポケモンたちに危害が及んだとしても、貴方たち子供の命には代えられないわ。だから、もう次は無いようにしてちょうだい。約束よ?」

 

と戒めのように言われてしまった。

 

うーん、すまん。ジュンサーさん、心配してくれるのはとても嬉しいけど、俺達だってポケモンたちの命には代えられないんだ。だから、またこういったことが起きたら、動いてしまうだろう。

 

なので、俺達は約束しますとは言うことが出来なかった。

 

そんな俺達をみたジュンサーさんは、酷く複雑そうな顔をしていた。

 

そして、観念したかのように言った。

 

「はぁ、でも無理よね。アタシ、知ってるのよ。そこの帽子を被ってる君のことはね。貴方、『イワヤマトンネル』でもロケット団とドンパチやり合った子でしょ?その時のことも聞いてるわ。だから、アタシがどれだけ言っても、やめてくれないんでしょうね。」

 

そう言った後、俺の肩を掴んで、

 

「でも、心配なのは本当のことなの。だから、絶対にこれだけは約束して。本当に駄目だと思ったら、絶対に逃げて。お願いよ」

 

本当に真剣な表情で言われてしまった。

 

俺は泣いた。

 

家族でも友人でもない、人間相手にここまで親身になって言ってくれる人がいることが、俺は嬉しかったのだ。

 

だからこそ、この懇願に対しては、俺はキチンと分かったと返事をした。

 

それを見て、満足したジュンサーさんは、ニアとカイトにも向き直り、

 

「貴方たちも、危ないことはしちゃ駄目よ。いくら、ポケモンバトルの腕があっても、人間死ぬ時は、すぐに死んじゃうんだから。それと、この子が本当に危険なことをしようとしていたのなら、止めてあげてね。貴方たちも約束よ。」

 

ニアとカイトも、それに対して大きく頷いた。

 

その後、事情聴取も終わったので、俺達は解放された。

 

パトカーを出ると、外ではジュンサーさんたちによって、ロケット団に捕まったポケモンたちが解放されていた。

 

それにより、お月見山の入口にはポケモンたちがごった返していた。

 

やがて、俺達の姿に気付くと何体かのポケモンたちが俺達の下に向かって来た。ズバットたちは俺達の周りを飛び回ったり、イシツブテたちは跳ね回ったりしている。

 

パラスたちなんかもノソノソと近づいて来て、嬉しそうにしている。

 

そして、ピッピの集団もやって来て、俺達に頭を下げた。

 

(この子たちは、みんな感謝してるってさ。良かったね、みんな。)

 

そんな様子を見ていると、ジュンサーさんを呼んでもらう為に、別れたエミリーが俺達の直ぐ側までやって来て言った。

 

「エミリーも、ありがとう。ちゃんとジュンサーさんたちを連れてきてくれて。本当に助かったよ。」

 

(僕は、確かにここまで彼女らを連れて来たけど、実際に僕の話を信じて、行動してくれたのは彼女たちだ。だから、一応そのお礼は受けるけど、ここまで君たちを心配して来てくれた、ジュンサーさんたちに、もっとお礼を言ったほうがいいよ。)

 

そうして、俺とエミリーが話していると、ニアがピッピたちの下に進んで行き、ポシェットに入れていた、ピッピの入ったボールを取り出して、中からピッピを呼び出した。

 

そして、呼び出してピッピにしゃがみ込んで視線を合わせてから、

 

「お待たせ、もう大丈夫だよ。仲間たちの下に、おかえり。」

 

と言った。

 

それを聞いたピッピは、仲間たちの下へと歩み寄って行く。そして、仲間たちと抱き合いながら、嬉しそうにしていた。

 

良かったな、ピッピ。

 

だが、仲間たちの下へと戻ったピッピは、ピッピたちとそんなことを繰り返しながら、何かを話し終えたような雰囲気を出しながら、ニアのことを振り返って、ニアのすぐ近くまで、戻って来た。

 

ニアも不思議そうにしていたが、ピッピはニアの持つボールを指差して、何かのジェスチャーをしていた。

 

これはもしや、ニアの仲間になりたいのだろうか。

 

エミリーに軽く視線を向けると、エミリーも頷いていた。

 

ニアは、そんなピッピに向けて、

 

「もしかして、私と一緒に来たいの?」

 

と聞いたところ、ピッピはコクコクと頭を前に振ったので、ニアはボールをピッピに渡した。

 

そして、ピッピは自らボールの中に戻って行った。

 

やがて、そんなピッピの集団から、俺達3人に石のようなものが、渡された。

 

それは、ロケット団が重機で削っていた塊の欠片のように見える。

 

恐らくだが、これは『つきのいし』だろう。

 

どうも、助けてくれたお礼としてくれるらしい。

 

俺達は、それをありがたく受け取って、それぞれ鞄の中へしまった。

 

その後、ポケモンたちは全員、入口からお月見山の中に戻って行った。

 

そして、ジュンサーさんたちも各々が、バイクやパトカーに乗って、ハネダシティは勿論、どうやらあの人数は応援を呼んでくれていたらしく、ニビシティなんかにも帰っていった。

 

別れ際、俺達はあらためて来てくれたジュンサーさんたちに心を込めてお礼を言うと、ジュンサーさんたちは皆気にするな、子供守る為に動くのは当たり前だと言ってくれた。

 

そうして、別れた俺達は自転車に乗って、ニビシティを目指すのだった。

 

▶TO BE CONTINUED...

突然ですが、これまで主人公のリュウキくんの戦績はなんとなくで決めておりましたが、これもルーレットにしたほうがよろしいでしょうか?ご意見くれると嬉しいです。(現地民よりは理解してる設定で、負け過ぎるのはマズイので比率的には勝利7:敗北3ぐらいで設定したものを回すつもりです。)

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