転生にわかポケモントレーナーの冒険録   作:Sleipnir666

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今日の分です。

遂にサトシに続く、原作主人公を出せました。

出会い方は、色々考えてたんですけど、とあるポケモンを出すタイミングとは、ズラしたかったんで、こんな感じに仕上がりました。

感想や評価などいつでもお待ちしております。

では、どうぞ。


第37話 赤き少年との出会い ▼

俺は休憩の合間に、午後の部で使用する予定のすぐ近くにある、林の中の様子を確認しておくことにした。

 

今回のキャンプでは、オーキド博士からはポケモンの捕まえ方を教えてやって欲しいと言われていただけだったが、どうせなら教えるだけでなく、イエローの時のように実際に捕まえさせてあげた方が良いだろう。

 

なので、危険なポケモンや危ない場所などがないか確認しておいた方がいいと思ったのだ。

 

俺はニアたちにそのことを伝えてから、その場を離れて、林へと向かった。

 

やがて、その林へと着いて、中に入ると、見たところ木々が生い茂ってはいるものの、陽の光も普通に入って来ており、トキワの森程薄暗くはなく、視界は悪くなかった。

 

枝が少し出っ張っているところはあるが、注意しておけば、引っ掛けるようなことも無いだろう。

 

またポケモンについても、気配を探ったり、実際の姿を確認してみたりもしたが、大半がコラッタやポッポ、キャタピーにビードル、時たまモンジャラが混じって居るくらいで、スピアーなどの危険なポケモンは見つからなかった。

 

これらのことから、俺は問題ないと判断して、キャンプ場に戻ろうとした時、ふと俺くらいの背丈の比較的小さな人影が見えた。

 

ん?誰だ?

マサラタウンの子どもたちは、今日のキャンプにほとんど参加してるって聞いてたんだけど、参加していない子がいたのか?

 

俺は気になったので、その影を追うと、1人の少年が林の中でキョロキョロと周囲を見回している。

 

なにか落としものでもしたのだろうか?

 

このあと、この場所は使わせて貰う予定なので、探しものであれば、早いところ見つけてもらい、ここを離れて貰うべく、俺は、その後ろ姿に声をかけた。

 

「君、何か探しているの?大事なものとかだったら、俺も手伝うよ?」

 

すると、その少年はまさか人がいるとは思っていなかったのか、驚いて俺の方に振り向いた。

 

そして、その少年を見た俺も驚きを隠すことが出来なかった。

 

その少年は、黒い頭髪の上に、逆を向いた帽子を被っており、赤いジャケットと青いズボンを着ていた。

 

ゲームと違い、瞳が赤く、また帽子の向きも逆向きであったが俺にはこの少年が誰なのかがすぐに分かった。

 

昨日と今日で、1度も見ていないので、居ないのだろうかと思っていたが、やはり居たのだ。

 

この少年も、俺にとってはとても見慣れた、馴染みのある存在。

 

原作ゲームにおける、主人公。恐らくレッドだろう。

 

レッドは、少しワタワタした後に、何か考える素振りを見せて、落ちていた枝を拾って、何かを描き始めた。

 

しばらく、それを眺めていると、やがて絵は完成して、何が描かれたのかが、分かった。

 

それは、モンジャラの絵だった。

 

そして、文字も書かれており、コイツを捕まえるために、探している、と書かれていた。

 

「モンジャラ?さっき、見かけたから案内するよ、」

 

俺がそう言うと、彼は喜んでいるようだった。

 

何故かは、分からないが彼は言葉を話すことが出来ないようだ。

 

話せるなら、わざわざ文字や絵なんかを描く必要は無い。ゲームでは、無口な設定だったが、このレッドの様子を見るに、無口とか暗めの少年ではなく、むしろ逆に明るめの性質が感じられる。

 

まあ、会ったばかりの人間がいきなり聞くのも、無粋だと思うので、俺は俺の自己紹介だけすることにした。

 

俺は先程モンジャラを見かけた場所に向かって、歩きながら彼に自己紹介をした。

 

「さっきはいきなり、声を掛けてごめんね。俺の名前はリュウキ。オーキド博士の知り合いでね、昨日、この町に来て、今近くでポケモンキャンプに参加させて貰ってるんだ。で、この後、ここの林でポケモンを捕まえる実習をやろうと考えてたから、様子を見に来てたんだ。」

 

俺が自己紹介と、ここに居た目的を話すと、彼は俺への疑問が解消したようだった。

 

そして、彼は胸のポケットからメモを取り出して、ペンで文字を書いてから見せてくれた。

 

そこには、彼も自己紹介を書いてくれていた。

 

『オレの名前は、レッド。このマサラタウンに住んでる。見かけない顔だったから、少し警戒してた。ゴメンな。あと、さっきのポケモンについて教えてくれて、ありがとう。アイツの名前が分かんなかったから、ああやって伝えるしか無かったんだ。』

 

やっぱり、レッドか。

俺の予想に間違いは無かったようだ。

 

俺が読み終えたのを感じ取ると、彼は裏に追加で文字を書き始め、また俺に見せてくれた。

 

『あと、こんな風な会話の仕方でゴメン。ちょっと前に、母さんが死んじゃってから、声が出なくなっちゃったんだ。お医者さんからは、一時的なものだろうから時間が解決してくれるだろうって、聞いてるんだけど、それまでは話すことが、出来ないんだ。』

 

レッドはそうして、少し申し訳なさそうにしていた。

 

母親が死んだ?

それは、この年頃でなくてもあまりに辛い現実だろう。

 

だから、俺はすぐさま彼の気持ちを斟酌した上で、返した。

 

「大丈夫、気にしないで。お母さんが死んでしまったなんて、とっても辛いことなのに、わざわざ教えてくれてありがとう。俺もモンジャラの捕獲は手伝うから、今日は頑張ろうね。」

 

俺がレッドにそう言うと、彼は嬉しそうにしてくれた。

 

そして、俺が先程、モンジャラを見かけた場所付近に辿り着くと、そこには先程と同じようにモンジャラが、トコトコと歩いていた。

 

こちらには全く気付いていない。

 

このままなら、ヒスイ式で余裕でGET出来そうだなと思ったが、既に隣にいたレッドは、ボールを構えていた。

 

レッドは真剣な表情で、モンジャラを見据えている。

 

俺が見守っていると、レッドは服の下に巻かれたベルトに付いていたモンスターボールを外して、それを投げた。

 

ボールがモンジャラのすぐ近くまで飛んでいき、破裂音を響かせる。

 

中から呼び出されたのは、ぐるぐるの渦が描かれたお腹を持ったポケモン、ニョロゾだった。

 

ニョロゾは、ボールから出るとすぐさまモンジャラに向かって駆け出した。

 

向かって来るニョロゾの足音に気付いて、ようやくモンジャラが俺達の存在に気が付いた。

 

モンジャラはニョロゾに向かって、体の『つる』を『むち』のようにしならせて、攻撃してきた。

 

ニョロゾは、見事な動きでそれを躱すと、手のひらを拡げて、モンジャラを『はたく』。

 

叩かれたことによって、よろけるモンジャラ。

 

モンジャラは、負けじとニョロゾに『たいあたり』を敢行したが、それもニョロゾは躱して、何度も手でモンジャラを『はたく』。

 

やがて、モンジャラの動きが鈍くなって来たあたりで、隣にいたレッドは何か小さな電子機器のようなものを取り出して、ボタンと思われる箇所を素早く独特のリズムで打ち込んだ。

 

すると、ニョロゾがピクリと反応して、モンジャラに向かって、自身の身体をゆっくりと回し、『さいみんじゅつ』を掛けるような動きを見せ付ける。

 

モンジャラは、警戒してその動きを凝視していたが、やがてフラフラとした足取りになって、その場に倒れて眠り始めた。

 

そして、これを確認したレッドは、腰からモンスターボールを取り出して、モンジャラに向かって投げた。

 

投げたモンスターボールは、見事に命中して、モンスターボールに吸い込まれるモンジャラ。

 

地面に落下したモンスターボールは、2回、3回と揺れるとやがて止まった。

 

そのモンスターボールを拾い上げると、レッドはニョロゾへ笑顔を見せて、ハイタッチをするのだった。

 

==========

 

おおー、レッド凄いな。

ちゃんと技で削ってから、状態異常にして、捕まえるなんて本当にお手本みたいな動きだ。

 

何も手伝う必要が無かった俺は、そんなレッドに向けて拍手をした。

 

「やるじゃん、レッド。今の捕獲の流れ、最後まで完璧だったよ。手伝いなんて、全く必要なかったね。」

 

俺がそうレッドを褒めると、彼は少し照れたような様子を見せて、メモに文字を書いて、俺に見せる。

 

『ううん、言い出してくれただけで嬉しかったよ。あと、ありがとう。オレ、ポケモンを捕まえるのは、得意なんだ。』

 

メモには、そう書いてあった。

 

俺はついでに、さっき打ち込んでいた機器についても聞いてみることにした。

 

「あと、さっきレッドが使ってた道具はなんなの?もしかして、あれでポケモンに指示とかをしてるの?」

 

するとレッドは、またメモに書いて答えてくれる。

 

『うん、そうだよ。喋れなくなった俺を見て、友だちが、オーキド博士に頼んでくれて、そのオーキド博士の知り合いだっていう人から貰ったんだ。俺のニョロゾ、ニョロって言うんだけど、その耳についている子機から、俺の打ち込んだ指示が伝わるようになってるんだ。』

 

なるほど、あの機器でモールス信号みたいなものを出してるのか。確かにそれなら、言葉を話すことが出来ずとも、ポケモンに対して、問題なく指事を伝えることが出来るだろう。

 

「へぇー、凄いアイテムなんだなソレ。でも、その指事を受けて、理解出来てるニョロもそうだけど、あの短い時間に『さいみんじゅつ』を間違えることなく、伝えられてるレッドも本当に凄いよ。」

 

俺がそう言うと、彼は照れた様子でとても嬉しそうにしていた。

 

その後は、林から出て、レッドとはここで別れるような流れになっていたが、せっかく仲良くなったレッドと、このまま別れるというのは、勿体なく感じた。

 

なので、俺は彼にもキャンプに参加して貰って、このまま彼に子どもたちへ、その様子を見せて上げてくれないか?と頼んでみた。

 

先程、あんなにも簡単にポケモンを捕まえる様子を見せてくれたのだ。

 

参加してくれれば、ポケモンの捕獲は更にスムーズに教えられるだろう。

 

俺がレッドに頼むと彼はメモに、喋ることが出来ないオレがいて、迷惑じゃないだろうか?と書いてきたので、そんな訳無いし、そもそも進行役が俺なのだから、決定権は俺にある、だから何も心配することは無い、と断言すると、レッドはじゃあ、参加させてもらうよ、と少し嬉しそうな様子で返してくれた。

 

==========

 

俺がレッドを連れて、キャンプ場へ戻ると、休憩を終えたみんなが待っていた。

 

また、そこでグリーンとリーフはレッドを見て驚いたような表情を浮かべていた。

 

どうやらグリーンたちにとって、レッドは知り合いのようだった。

 

「レッド?お前、参加しないんじゃ無かったのか?」

 

「アンタ、迷惑がどうのこうの言ってたのに、なんか心変わりでもあったの?」

 

グリーンとリーフが不思議そうに、レッドへ聞く。

 

レッドは、メモを取り出して、2人に返す。

 

『そのつもりだったけど、リュウキから、頼まれてね。彼には、さっき探していたポケモンを見つけるのを手伝って貰った御礼があるし、参加させてもらうことにしたんだ。』

 

レッドの答えに、グリーンはフッと顔を緩めた後、不敵な表情を見せ、リーフは喜色を隠そうとしていたが、それが漏れており、嬉しそうな表情をしていた。

 

2人とも、レッドが参加することに対しては、とても好意的な様子だ。

 

「じゃあ、明日のバトル教習では、オレの相手をしてもらおうか。昨日から、負け続きでな。同格と闘って、自信を取り戻したいと思っていたんだ。勿論相手をしてくれるだろう?」

 

グリーンが言うと、レッドは大きく頷く。

この様子を見るに、レッドとグリーンは既に互いにライバル関係にあるようだ。

 

2人の表情は、お互いを認めあっており、とてもいい表情をしている。

 

「まあ、アンタ。ポケモンを捕まえるのは、このマサラタウンで1番上手いもんね。なら、ちょうどいいんじゃない?講師役も多いに越したことは無いんだし、居てくれた方が助かるわ。…アタシもアンタがいたほうが、嬉しいし。

 

リーフは、そうレッドに言う。

 

リーフの言葉は、直接的にレッドを認めているようなものでは無いが、レッドを悪く言うどころか間違いなく褒めていた。

 

それに小さくだが、レッドがいることに対して嬉しいと言っていたのだ。

 

もしかすると、リーフはレッドのことが好きなのかもしれない。

 

そうして、3人は一緒になって話始めた。

その様子はとても仲睦まじいもので、明るい雰囲気だった。

 

聞けば、レッドが母親が死んで、家に引き籠もって居た時に、2人時に寄り添い、時に厳しく、自分に昔と変わらぬ様に接して支えて、そこから引っ張り上げてくれたらしい。

 

レッドは、メモに俺の大切な親友たちだと書いており、グリーンとリーフはそれを見て、恥ずかしそうな様子で少し居心地悪そうにしていた。

 

さっき聞いた、オーキド博士にレッドが喋れない間、どうにか出来ないかと頼んだのは、恐らくこの2人なんだろう。

 

原作キャラたちがこうして、仲よさげにしてるのを見るのはいいもんだなぁ。

 

俺はレッドたちの様子を見て、感傷に浸ったあと、レッドを知らないニアやカイトに彼の自己紹介を済ませてから、俺たちは子どもたちに、ポケモンの捕獲方法を教えて、実際に捕まえてもらうのだった。

 

レッドはこのマサラタウンでは、本当にポケモンを捕まえることに関しては優秀らしく、子どもたちもみんなレッドのことを知っていた。

 

また、子どもたちへの教え方も上手いらしく、横でリーフが彼を補助こそしていたものの、子どもたちはみんな、レッドの話を聞いて理解しており、状態異常技の重要性なんかを理解していた。

 

その後は、先程の林へと向かい、俺達は明日のバトル教習でも使うポケモンたちをいち早く貸し出して、林の中のポケモンを捕まえに向かった。

 

なおその時、他の子どもたちと一緒に、俺たちからポケモンの捕まえ方を教わったサトシくんは、キャタピーを捕まえて、大喜びしていた。

 

どうしよう、トキワの森で本来なら捕まえる筈だったのに、めちゃくちゃ早まってしまった。

 

つか、これちゃんとピカチュウ貰えるんだろうな?

ピカチュウのいないサトシとか、それご飯の無いカレーライスみたいなもんだぞ。大丈夫か?

 

俺は内心めちゃくちゃ焦って、冷や汗を流しながら、キャンプの1日目の内容を全て終えるのだった。

 

▶TO BE CONTINUED...

突然ですが、これまで主人公のリュウキくんの戦績はなんとなくで決めておりましたが、これもルーレットにしたほうがよろしいでしょうか?ご意見くれると嬉しいです。(現地民よりは理解してる設定で、負け過ぎるのはマズイので比率的には勝利7:敗北3ぐらいで設定したものを回すつもりです。)

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