転生にわかポケモントレーナーの冒険録   作:Sleipnir666

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今日の分です。

今回の話で、展開が一気にぶっ飛びます。

元の話の予定からは大幅にズレたし、今後の話の題材にしてる2次創作作品を少なくとも私は読んだことがないので、書けるのかめちゃくちゃ不安ですが、頑張ります。

まあ、でも独自解釈で文字通り混ぜれるものは全部混ぜようとしてるんで、問題ないですよね。
あと、ブルーの家族問題解決RTAすると、こうするのが1番手っ取り早い気がしますし。

それに、メタいこと言うと、このままリュウキくんがカントーにいると、レッドじゃなくて、リュウキくんがサカキらロケット団とぶつかり続けそうなんですよね。

普通に考えれば、既にロケット団を一部ボコしてますから、目を付けられてるでしょうし。

感想や評価などいつでもお待ちしております。

では、どうぞ。


第43話 不可能を可能にする存在 ▼

ミュウを賭けたバトルも終わり、オーキド博士の研究所に戻った時は、もう完全に日も沈み切っているような時間帯だった。

 

俺達は、キャンプ自体は問題なく終わったと、聞いたのにどこで遊び呆けてたの!と玄関口でナナミさんに怒られてしまった。

 

だが、ナナミさんはお説教をする中、俺達の中に見慣れない人物がいることに気付いて、その人物、ブルーへ近付いていく。

 

「あなたも、リュウキくんたちのお友達?駄目よ、女の子が、こんな時間まで外にいちゃ…」

 

ナナミさんは、ブルーにも言おうとする中、だんだんと言葉尻が小さくなって、その目が大きく開かれていく。

 

「…うそ、もしかして、ブルーちゃんなの?」

 

ブルーは、ナナミさんに聞かれて、少し恥ずかしそうにしながら、答える。

 

「…はい、覚えてて貰えたんですね。ナナミお姉さん。」

 

ブルーがナナミさんにそう答えると、ナナミさんは顔を明るくさせて、泣きながらブルーに抱きついた。

 

そして、ワンワン泣き始めてしまった。

 

リーフとよく似た反応だ。

やっぱり、姉妹なんだな。

 

そして、ブルーも嬉しそうにナナミさんを抱き締め返す。

 

「おかえり、ブルーちゃん。本当によく無事に帰ってきてくれたわ。よかった、本当によかった。」

 

そう言って、ナナミさんはブルーの頭を撫でる。

 

そうして、暫く2人は抱擁した後、ナナミさんは、おじいちゃーん!おじいちゃーん!ブルーちゃんが帰ってきたわよー!と、慌ただしく、研究所の中に戻って行った。

 

すると、ドタバタと走る音が聞こえて、驚いた表情のオーキド博士が現れる。

 

「なっ!ブルー!お前、本当にブルーか?!」

 

「お久しぶり、いや、はじめまして?ジジ…じゃなかった、オーキド博士。」

 

ブルーがどっちだっけなみたいな表情で、オーキド博士にそう返す。

 

「くそ生意気なガキめ、聞いてた通りじゃわい。お前の認識通り、実際に会うのは始めてじゃよ。まあ、言いじゃろ。とりあえず、みんな中に入りなさい。」

 

そう言って、俺達を中に入れてくれる。

 

俺達は、博士に続いて研究所の中へと入って行く。

 

俺はそんな中、ふと思った疑問をグリーンに聞いてみた。

 

「なあ、グリーン。グリーンとリーフは、ブルーの幼馴染で仲良かったんだろ?なのに、その家族のオーキド博士がブルーと会ったこと無いなんて、不自然じゃないか?」

 

俺がそう聞くと、グリーンは、

 

「うん、まあ、その通りなんだが。正直なところ、おじいちゃんはあんまりブルーのことが好きじゃなかったんだ。ブルーは、昔から少し男勝りなところもあったし、なんというか礼儀みたいなものもちょっと欠けててな。それだけなら良かったんだが、ブルーがおじいちゃんのことを研究に没頭してる引き籠もりジジイだと、呼んだことがあるらしくてな?それをブルーと仲の良かった、リーフが面白がって、真似して呼んだときに、おじいちゃんはショックを受けて、ぶっ倒れたんだ。それ以来、おじいちゃんはブルーを目の敵にしてて、わざと顔を見せなかったんだ。」

 

そう言って、俺に教えてくれる。

 

「あとは、単純に昔からアタシ達とおじいちゃんは、近いとは言え、別居してたしね。そのうえで、避けていたおじいちゃんが、ブル子と直接会ったことがないのは、当然なのよ。」

 

とリーフが補足してくれた。

 

はぇー、ブルーやんちゃしてたんだな。

 

俺達の会話が聞こえていたらしく、ブルーは少し顔を赤く染めて言った。

 

「だって、しょうがないじゃない。パパとママからは凄い人って聞いてたけど、実際には博士がなにしてんのかよくわかんないし、あの時はリーフのおじいちゃんだってことも知らなかったんだから。」

 

おいおい、ブルー。

知らないからって、目上の人をそんな風に呼ぶのはマズいぞ。

 

と思ったが、よく考えれば、俺も前世の子ども時代は、あまり覚えていないが、割とその辺雑だった気がする。

 

じゃあ、普通か。

とは言え、成長した今なら、オーキド博士が受けたショックもよく分かる。

 

俺もコウキやヒカリにそんなことを言われた日には、間違いなく鬱になって寝込む自信がある。

 

ハッ!ちょっと待て、じゃあアレか!あの子らに、反抗期が来たら、俺死ぬんじゃねぇか?

 

『人生2周目のくせに、普通のアニキ面すんのキメェんだけど?』

 

『兄さん、邪魔なんでずっとどっか行っててくれません?『なぞのばしょ』辺まで。』

 

俺の脳裏に、蔑んだ目で俺を見て、罵倒するコウキとヒカリの姿が一瞬浮かぶ。

 

「あっあっあっあっ!コウキ、ヒカリやめてクレメンス!」

 

俺は自分の妄想で大ダメージを受けてしまい、滝のような涙を流して、その場にヘタレ込む。

 

グリーンたちは何事かと、ギョッとして俺を心配してくれた。

 

「ど、ど、どうした?いきなり、泣きながら、蹲って。何があった?」

 

「そ、そうよ。本当にびっくりするから、やめてくれる?!」

 

グリーンとブルーが俺を心配して声をかけてくれる。

 

俺はなんとか立ち上がり、

 

「大丈夫だ、問題ない。グリーン、ブルーありがとう。あと、ブルー。もう大丈夫だろうけど、年上の人にキツくあたっちゃ駄目だぞ。最悪死ぬから。」

 

グリーンたちは、何がなんだか分からないという顔をしていた。

 

ニアとエミリーだけは、またかといった表情で、俺を見ていたのだった。

 

==========

 

リビングに通されると、ナナミさんが椅子を人数分持ってきてくれた上で、俺達にお茶を出してくれる。

 

続けてナナミさんは、夜ご飯は、今温めたり、新しくレッドくんとブルーちゃんの分も作るから、少し待っててね、と言って準備に取り掛かってくれた。

 

俺はそれをありがたく思いながら、一緒に座ったオーキド博士に話を聞く。

 

「それで、博士。だいたいのことは、グリーンたちからも聞いたんですが、ブルーの両親のことを他に知っていたりしないですか?」

 

俺が率先してそう聞くと、博士は、

 

「残念じゃが、グリーンたちの言った通りじゃ。ここ2.3年の間は、1度も連絡は来ておらんし、こっちからの連絡も通じん。まだ、独力で必死に探しておるじゃろうよ。ブルーは確かに、いけ好かないガキじゃったが、それでも、リーフの大切な友だちじゃったからな。ワシも全力で探したが、駄目じゃったから、あの夫妻も諦めてしまったんじゃろう。」

 

そう言って、目を伏せる。

 

それを聞いたブルーは、とても悲しそうにしている。

 

この世界なんやかんやで、めちゃくちゃ広いからな。

 

カントーやジョウト、ホウエン、シンオウくらいなら、まだいいが、ニアから聞いたカロス、サトシが色々バグったアローラ、アニメでタケシ降板が辛過ぎて視聴を止めたイッシュ、果ては本当に前世のTwi◯terで見たことしか知らない、ガラルとか、パルデアの方まで行ってしまってるんだったら、どうしようもない。

 

その癖、この世界の通信機器の発達は、まだ遅すぎるレベルだ。

 

転送システムすら、未だによくバグを起こすし、電話なんてほぼ固定電話しかない。

 

ポケギアは持ち歩けるが、通信範囲が現状限られてるし、俺以外に持ってる人を見たことがない分、ほぼ実用的ではないのだろう。

 

故に1度バラバラになってしまったら、再会は割と絶望的だ。

 

まあ、10年とかあとぐらいには、インターネットも普及して、スマホロトムとかも出てくるだろうし、なんとかなる気はするが、子どもにとって10年は長過ぎる。

 

つか、ブルーもそんなに経ってたら、普通に成人してしまってるし、成人してから会うよりも、やはり子どもの内に会いたいだろう。

 

一応、ポケスペだと聞いた年齢から逆算して、5年後には会えてた気がするんだが、この世界でもそうなるとは限らないので、下手なことは言えない。

 

というか、何で?と聞かれても、答えられないしな。

 

俺は考える。

 

どうするか?今度こそ、アルセウス案件か?

 

いや、でもなぁ自称神に会うのはマジで勘弁して欲しい。

 

アイツにだけは、絶対に俺の存在はバレたくない。

下手すりゃ、消される。

 

俺はチラリと、ブルーを見た。

 

ブルーは泣いていた。

 

元々、駄目もとで聞いてみた内容とはいえ、やはり少しは期待していた部分が大きいのだろう。

 

これから、途方もなく広いこの世界で両親を、なんの宛もなく探すのは、本当に絶望的なのだ。

 

それをあらためて理解したのだろう、ブルーはここに来るまでの様子から、一変して泣いていた。

 

俺は頭をフル回転させ、そして思い付いた。

 

せや!神なんかよりも、シッカリ不可能を可能にしてくれる存在がいるじゃん!

 

俺は博士に言った。

 

「博士、ジラーチって分かりますか?もし、資料とかがあれば、いただきたいのですが。」

 

俺がそう口にすると、博士は驚愕に顔を染めた。

 

「ジッ、ジラーチじゃと?!リュウキくん、なんでその名前を知っているんじゃ!」

 

博士は驚愕した様子で俺に聞き返す。

 

「ジラーチは、1000年に1度、それも7日間しか目覚めないと聞いてはいますが、少なくとも俺の知る限り、ジラーチは2体いて、いつ頃、どこで目覚めるのかを、だいたい知っています。なので、その2体以外に直近で目覚める奴が居ないか、調べたいのですが、可能でしょうか?」

 

博士は、口をパカっと開けて、啞然としている。

 

周りのみんなは何がなんだが分からないといった様子で困惑している。

 

そんな中、ブルーに寄り添って、背中を擦っていたリーフが、博士に問い掛ける。

 

「ねぇ、おじいちゃんもリュウキも何を話してるの?全然、見えて来ないんだけど。どういうことなの?」

 

リーフの疑問に俺と博士を除いた皆が頷く。

 

博士は、ハッとして、1度咳払いをしてから答えた。

 

「ジラーチは、ここより遠く離れた、ホウエン地方に伝わる幻のポケモンじゃ。言い伝えでは、ジラーチが目を覚ました時、その近くにいた人間の願いをどんなことでも叶えると言われておる。」

 

博士のその説明に、皆が驚き絶句する。

皆が絶句して固まるなか、博士は俺に対して、続ける。

 

「正直、ワシも詳しいことは全く分からん。というか、別地方の幻のポケモンの情報なんぞ、ほぼ持ってはおらんし、入ってもこん。ただ、ワシの知り合いのオダマキくんという人物がおってな?オダマキくんは、ホウエン地方在住で、ワシと同じように、その土地の幻のポケモンについても調べておったはずじゃから、何か情報を持っているかもしれん。とりあえず、今からメールを送って聞いてみるから、少し待っておれ。」

 

そう言って、オーキド博士は立ち上がり、リビングを出ようとしたのだが、出る直前に立ち止まって、俺の方を向いた。

 

「あと、リュウキくん。リュウキくん、ワシの想像の100倍くらい何でも知ってそうだから、今日も徹夜な。全部吐いてもらうぞ。」

 

ふぁっ?!うせやろ???

 

「待ってください、博士!もう散々、手伝ったじゃないですか?!勘弁してください!」

 

俺が慌てて立ち上がり、そう言うと、

 

「じゃあ、ワシの助手として、一生ここで過ごすか、今日と明日徹夜するか、好きな方を選ぶのじゃ。あっ、逃げるのは無しな。逃げたら、ワシの特権使って、ジムへの参加の権利剥奪するから。」

 

そう言ってくる。

 

ちょっと待てや!いくらなんでも、横暴すぎんか?!

 

俺は思わず、いつもの調子を忘れて、ふざけんなジジイ!!と叫びそうになったが、博士がめちゃくちゃ血走った目をグルグルさせながら、俺を見ていることに気付いて、怖くなって息を詰めてしまった。

 

その間に博士は、じゃ、少しまっておれよ、と言って出て行った。

 

俺は机に突っ伏して、倒れる。

 

レッドやグリーンたちが、どんまいという感じで慰めてくれるが、なら手伝ってくれよ、と言うと、みんなそそくさと目を反らした。

 

友情なんて、無かったんや!(2回目)

 

だが、そんな中ブルーだけが手伝いを申し出てくれた。

 

「アンタが、ジジイの手伝いをすることになったのは元はと言えば、アタシが原因なんだし、手伝うわよ。…嬉しかったし。」

 

ブルーは、そう言ってくれた。

 

天使や、天使がここにおる。

 

俺はブルーの手を取って、ありがとうございます!ありがとうございます!と何度も、感謝を述べた。

 

ブルーは、俺が手を取った瞬間は赤くなって慌てていたが、俺が何度も何度も感謝を述べる様子を見て、早まったかも知れないと、すぐに顔を青くさせていた。

 

その後、俺達はナナミさんが出してくれた食事を食べてた。

 

また、同時に食べながら、その場にいたみんなにある約束をしてもらった。

 

1つ、ミュウを捕まえたことは絶対に秘密にすること。少なくとも俺達が、滞在している内には話さないこと。

 

ミュウを捕まえたなんて知られた日にゃ、博士はあんな様子だし、捕まえた俺も、それを保有するブルーもこの研究所に永住することが決まってしまう。

 

故に絶対バレるわけには行かない。

 

2つ、俺やニアがキャンプで話したフェアリータイプについても、秘密にすること。

 

現状のカントーで知られているタイプとして、フェアリータイプはおろか鋼タイプや悪タイプですらも、図鑑に記載されている内容は少ない。

 

フェアリータイプ自体は、別地方に現存しているのだから、博士ほどの人物であれば、資料を取り寄せるなどすれば知ることは出来るだろう。

 

だが、もし今のタイミングで博士が知ることになれば、実際に運用しているニアや、知識として知ってしまっている俺が拘束される可能性が極めて高い。

 

そのため、ミュウと同様に、こちらもバレるわけにはいかない。

 

なので、俺がそれらのことを纏めて話すと、みんな分かったと約束してくれた。

 

その後、俺達が食べ終え、テーブルの上の食器を片付けたタイミングで博士が、A4用紙5枚分ぐらいの紙束を携えて、リビングに戻って来た。

 

「リュウキくん、あったぞ。オダマキくんも、やはり調べていたようじゃ。ワシが思っていた以上に、目撃情報や記録が残っていて、驚いたわい。とはいえ、随分と古い記録ばかりじゃし、役に立つかまでは分からんがの。」

 

俺はそれを受け取って、内容を読む。

 

1枚目の内容としては、主にジラーチというポケモンがどういう存在なのか、どういう姿形をしているのかみたいなの、要するに概要が記載されていた。

 

どこかの壁画みたいな画像も、参考画像として付けられている。

 

とはいえ、この辺に関しては、むしろ俺のが詳しい自信があるので、流し読みして2枚目に移ろうとする。

 

だがその前に、他のみんなも気になっているようなので、1枚目は、テーブルの上に置いた。

 

みんなが同じ側に、立つなり座るなりして、1枚目を読んでいる間に、2枚目を見るとこちらも概要が纏められていた。

 

なので、1枚目と同じように流し読みして、再度テーブルに置く。

 

そして、3枚目にして、ようやく俺の欲しかった情報が記載されていた。

 

それは、ジラーチが観測された場所の記録だった。

 

観測場所は、ホウエン地方のみ纏められており、幾つかは、比較的数年の内に目覚めそうなのが分かった。

 

恐らく、この内の2体が俺の知る、映画ジラーチとポケスペジラーチなんだろう。

 

つかオーキド博士の言った通り、本当に思ったよりも、たくさんいる。

 

俺はその記録の数に驚くと共に希望を抱く。

そして俺は、その記録たちを注意深く読み進めていく。

 

出来ればここ1〜2年くらいで目覚めそうな個体とか、1年以内に見られた生きた個体、眠りについたばかりの個体とかがいい。

 

しかし、3枚目、4枚目に纏められていたのは、殆どが古い記録で、確かに数年内に目覚めそうな個体がいるが、正確な年が書かれたものはなかった。

また、生きて観測された最新の奴は、100年前に観測されたという記載がされていた。

 

100年前は、いくらなんでもぐっすりなのでは?起きてくれない気がする。

ジラーチに頼むってのはいい手段だと思ったんだがな。

 

俺は、とりあえず一考の余地あり程度に頭に置いておき、最後の5枚目を読む。

 

そこに記載されていたのは、4枚目の続きのホウエン地方の観測情報と、そこに加えて、小さく参考程度という知らない地方での真偽未確認の観測情報であった。

 

だが、その未確認観測情報の情報提供者と、観測場所の名前を見て、俺は引っかかりを覚える。

 

情報提供者の名前は、ラゴウ。

観測場所は、フィオレ地方、ウィンタウン北方山脈付近。

 

どこだ、ここ?聞いたことない地方、この世界のオリジナルか?でも、何か引っかかる、というより知っている気がする。どこだ?

 

そして、俺は続きを読んで、驚愕した。

 

なんと観測回数は、驚くべきことに122回。しかも、ここ10年の記録でだ。

 

なんだ?!このイカれた数は!バグってんのか?

 

だが、俺はすぐさま否定した。

 

いや、あり得る。

 

多分、この個体は眠らない個体だ。

ジラーチといえば、1000年の内7日間しか起きていないというのが通説だが、ゲームでは普通に眠らない個体がデフォルトだった。

 

ゲームだからだろといえばそれまでだが、少し読んだだけでも、10数体は普通にいると言うことが分かったし、眠らない個体だっているに違いない。

 

俺は読み終えたものを、オーキド博士に返した。

 

「ありがとうございました、博士。俺は、このフィオレ地方という場所に向かおうかと思います。」

 

俺が今しがた、読み終えた情報から出した結論をオーキド博士に伝えた。

 

「フィオレ地方?どこじゃったかのう、そこ。」

 

「先程読んだ、資料の中でダントツの観測回数があった場所です。未確認らしいですが。」

 

俺がそう言うと、

 

「ああ、それか。思い出したぞ、確かジョウトとホウエンの間にある、マサラタウンを越えるド田舎ばかりの地方じゃ。転送システムも稼働しておらんし、ポケモンリーグもない。昔、知り合いにシンバラって名前の男がおった気もするんじゃが、何分昔で覚えてないのう。というより、その数は、流石に嘘っぱちじゃろうて。ワシも見たが、1000年の内7日間しか目覚めんジラーチが、そんなポンポン見れる訳ないじゃろうし。」

 

とオーキド博士は答えた。

 

そして、オダマキくんも、むしろ何で載せたんじゃろうな?と不思議そうに、言っていた。

 

シンバラにラゴウ?

やはり、何かが引っかかる。

 

すると、今までジラーチの資料を見ていたカイトが、オーキド博士に言った。

 

「オーキド博士、シンバラ教授と知り合いなんですか?それに、ド田舎は流石に酷いですよ。あそこは自然を大切にしてるだけだと聞いています。」

 

俺はそれに反応して、カイトに聞き返す。

 

「カイト、知ってるのか?この場所のことを。知ってるなら、教えて欲しい。」

 

「ああ、勿論だ。ここは、地方全体が自然保護区みたいになってる場所で、ポケモンを捕まえるなんてことは、基本的にNG。故にポケモントレーナーもほとんどいない、そんな場所だ。」

 

ポケモンの捕獲がNG?

そりゃマズイな、いや、でも会って直接頼むだけならいけるか?

 

カイトは続ける。

 

「だから、ポケモンバトルを推奨してるポケモン協会も立ち入ってないし、ポケモンを捕まえることが出来ないから訪れる人もほとんどいない。ジョウトからは、地続きとは言え、大きな山が間にあるし、他は全部海に囲まれてるから、普通の人は知りもしないような場所だと思う。けど、俺にとっては、親父たちの仕事の本部があるとこだから、よく知ってるんだ。」

 

「あー、カイトの両親の仕事って、ポケモンレンジャーなんだっけ?まあ、自然保護区みたいな場所なら、そこに置かれてても変じゃないし、当然か。」

 

俺はそう納得した。

 

だか、そう答えて、また引っかかった。

 

ポケモンレンジャーの本部がある地方?

 

瞬間、脳に電流が奔ったかのような感覚と共に、俺は思い出した。

 

フィオレ地方と、シンバラとラゴウって言ったら、もろポケモンレンジャーの舞台と登場人物やんけ!

 

そうだ、他のポケモン作品と比べて、ゲーム内容が違い過ぎたから、忘れていた。

 

でも、1度意識すれば、だいたいは思い出せる。

 

あのベ◯ブレードみたいな奴で、ポケモンをクルクルするのは楽しかった。

 

シンバラさんは、ベイ◯レード、確かキャプチャなんたらを作った人で、ラゴウさんは、なんかグラサンかけた、なんちゃって悪の組織?とか、ベイブ◯ードと同性能の楽器みたいなもんを作ってた気がする。

 

あそこは、カントー・ジョウト・ホウエンのほぼ全てのポケモンがいたし、ジョウトにしかいない筈のエンテイやスイクン、ライコウみたいな特殊な奴とか、マナフィ、デオキシスみたいな幻のポケモンもいたから、ジラーチがいても別におかしな点はない。

 

決まりだ。

俺が向かうのは、フィオレ地方だ。

 

そうと決まれば、話は早い。

 

俺はカイトにお礼を言った。

 

「ありがとう、カイト。なら、マサラタウンを出た後の次の目的地は、フィオレ地方だ。行くに当たって、注意点とかはあるか?」

 

「さっき話した通り、ポケモンの捕獲は重罪にあたる。速攻逮捕されてもおかしくない。ポケモンバトルも基本はNGだ。けど、行くだけなら、問題はないと思う。一応、観光場所とかもあると、聞いたからな。」

 

「分かった。ところでカイトとニアは問題ないか?少し半端なところで、カントーの旅を中断することになっちゃうけど?」

 

俺が懸念点だったことを2人に言うと、

 

「問題ないさ。カントー内での旅が目的で、お前と一緒に行くことを決めた訳じゃないしな。まあ、ポケモンバトルが出来ないというのは残念だが、両親の仕事にも興味があったし、実際に見れるかも知れないと言うのなら、ちょうどいい機会だろう。少し楽しみだ。」

 

「私もリューくんがそう決めたのなら、異論はないです。ブルーさんの為に出来る事があるなら、したいですし。それに、私のカントーに来た1番の目的は、もう終わってますしね。リューくんに着いていきます。」

 

そう言ってくれた。

 

俺はそれを聞き終えると、ブルーに向き直って言った。

 

「というわけで、俺達はフィオレ地方に向かう。俺はジラーチのことをよく知っているし、いるのさえ分かれば、なんとでもなるはずだ。君も来るか?」

 

俺がそう言うと、ブルーは泣いていたせいで、赤くなった瞼を擦って、答える。

 

「当たり前のことを聞かないでよ。というか、当事者がいないのに、アンタたちだけで行ってどうするつもりよ。」

 

「えっ?いや、そこは写真さえありゃなんとかなるかなって。」

 

俺がそう答えると、

 

「それで、ここにアタシだけ残るとでも?そんな訳ないじゃない。アタシも当然行くわよ!」

 

そうして、ブルーは俺に手を差し出す。

 

俺はそれを握り返す。

 

「じゃあ、暫くの間よろしく!リュウキ。ニアもカイトもね!」

 

その言葉に俺達は全員、よろしくと返す。

 

リーフは元気になったブルーを見て、良かったと喜んでおり、レッドやグリーンたちも満足そうにしていた。

 

そんな中、オーキド博士がコホンと咳払いする。

 

「そいじゃ、話も纏まったことじゃし、リュウキくん頼むぞ。」

 

そう言って、俺の肩を掴む。

 

しゃあない、やるか。

 

俺はその前に、博士とナナミさんにシャワーを借りる事だけ頼んで、みんなと別れた。

 

また別れ際に、カイトにポケモンたちが入ったボールを預けて、自主トレさせといてあげてくれと頼んでおいた。

 

そして、ナナカマド博士時を含めれば、3度目となる長い長い、いや長過ぎる夜が始まるのだった。

 

▶TO BE CONTINUED...

突然ですが、これまで主人公のリュウキくんの戦績はなんとなくで決めておりましたが、これもルーレットにしたほうがよろしいでしょうか?ご意見くれると嬉しいです。(現地民よりは理解してる設定で、負け過ぎるのはマズイので比率的には勝利7:敗北3ぐらいで設定したものを回すつもりです。)

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