逆転世界で生きるモブBの日常。 作:南鳥
なお、作者はアホなので途中から突然あらぬ方向に飛んでいくかもしれない模様。
世界が俺の知らぬまに変わっていた。
…そう、男と女が逆転していた。
いつも通りニュースでも見て朝飯を食べようかとリモコンでテレビの電源を点けると『満員電車の中に”不審な女”男子高生をつけ狙い痴女』というテロップのニュースが流れており、それに対し女性の出演者が「これは許せないですよ」なんて言っていたのだ。
突然のことに見間違いじゃないかと思ってよく見たが『満員電車の中に”不審な女”男子高生をつけ狙い痴女』のテロップは変わらず映っていた。
『…後ろが女性というのはわかってて、触られてる感覚もあったんですけど……うう…怖くて』
そのまま見ているとニュースは痴女被害に遭った男性にインタビューしており、被害者の男性が涙ながらに答えていた。
俺はそのおかしさに思わず「おお、これが逆転世界かー」と口に出していた。
何より「男子高生つけ狙い痴女」が個人的にパワーワードすぎて面白い。なんだよ痴女って…痴漢のことだろうか?それに……男子高生ね……ふむ、つまり略してDKか?いやそれだとドンキーコングだな?……クッ……いっ、いや、だとしても「男子高生つけ狙い痴女」って…フッ…面白いな。
いや、待てよ、…「不審な女」もなかなか面白いワードだぞ。フハッ。
そこで、俺はせっかくなので試しにテレビのチャンネルを変えることにした。
ピッ……ピッ……ピッ……ピッ……
テレビショッピングからニュース、ニュース、花河童と変えていき最後に良さげな番組を見つけた俺はリモコンを机に置いた。
「…おお……こ、これは……凄いな」
テレビには二人の女性が映っていた。
『サヤシスターです、よろしくお願いしまーす。サヤシスターの七瀬と』
『サヤシスターの佐藤でーす』
自己紹介からして芸人だろう二人の女性。ぴっちりとしたスーツを着た七瀬という女性ともう一人が…
「いやいや、ジーパンに上裸でシール…いや、ニップレスかこれ?…ってか凄い格好だなぁ佐藤。………えっ、朝だよねこれ、いいのか?……いや、これが普通なのか?…は?凄えなおい」
痴女被害のニュースも凄かったがこれもなかなかに凄い。いや、ぶっ飛んでる。流石、逆転世界。
…だが、それだけだった。
『もういいよ、ありがとうございました』
『あ、あざーす』
二人はネタを披露するも馬鹿滑ってスタジオを凍り付かせていた。
そして、あまりの寒さに佐藤のB地区がニップレスを下から突き上げて小さなテントを二つ作っていた。
「…これは放送事故かな」
見ていられなくなった俺は即座にチャンネルを変えた。
それからは普通だった。今日の天気は晴れとか今日の運勢は
いや、キャスターとか他の演者、例えば解説のどこそこ大学教授の人やコメンテーターの方なんかはかなり綺麗めな女性ばっかりだったけど、それを踏まえて普通だった。美人が多いだけで逆転前とやっていることがそんな変わらなかった。……というかサヤシスターの後だと出てくる皆インパクトが弱すぎてなにも感じなかった。
「…佐藤のB地区凄かったな」
今、俺の頭の中には滑った恥ずかしさから赤面しつつB地区でニップレスを突き上げる佐藤の姿でいっぱいに埋め尽くされていた。
初日の今朝がこれだから逆転世界はぶっ飛んでるなと感じる。
「……これが逆転世界の洗礼か」
…フッ面白いと俺は不敵に笑い、そしてものすごーく勃起していた。
期待せずに待ってほしい。