逆転世界で生きるモブBの日常。 作:南鳥
正直、毎回3000文字だ!!って言っても文字数でモチベが下がるとか嫌なので基本1000文字越えを目指しています。
なのに投稿が遅い事に関しては許して欲しい。
ということで3000文字越えの本内容を読んで頂きたい。
時は流れて夕方。
あの後、俺はしばらく周辺をウロチョロしつつ逆転前と後の世界での変化を探していた。
道が変わっていないか、行きつけのスーパーの場所は変わっていないか、公園の名前が変わっていないかなど憶えてるかぎりの記憶と比較しながらウロチョロした。
結果……としては特に変わりがなかった。
ただ今後も今日のように変化を探し続けていけば些細な変化や見逃していた変化、または隠れている変化を見つけられる可能性は大きい。
とはいえ見つけられないからといって命に関わるということも無いので気楽に探していこうと思っている。心持ちとしては隠れ◯ッキーを探すぐらいのテンションでいいだろう。ハハッ
「…ハァーッ…ハァーッ…たっ…だいまっ…ハァーッ…」
いやーそれにしても逆ナンが凄かった。
俺は
現実は糸を垂らすまでもなく、まるでー……そう、まるで餌を撒く前から足下で口をパクパクとさせて待ち構える鯉のそれに似ていた。
つまり、何を言いたいのかと言うと…俺は結構逆ナンされた。
正直、嫌じゃなかったしもっと来いよオラ!!って思ってたのだが逆ナンする彼女らの瞳を見たら考えが変わったのだ。
あっ、………ヤル気満々だ…。
幸い、下半身にまだ自意識がなかった俺は刺激を与えないように退けていたのだが、退ける度に出番が来たかーとばかりに登場する女性達の俺に向けるその眼差しにとうとう怯えてしまいキリがないので逃げることにした。
俺は忘れていたのだ、相手が逆転世界の女性であることを、彼女らがこっちでは狼の立場にあることをすっかり忘れていたのだ。
逃げた、某呪霊ほどじゃないが怯えて逃げ帰っていた。後ろから俺が逃げることを惜しむ声が聞こたが構わず逃げた。
途中からついてくる足音も聞こえたのでそのまま真っ直ぐに帰ることも出来なかったので辛かった。
後ろから「痛ッてェ!?足攣ったーッ!?」とか聞こえたのでたぶん撒くことには成功したのだろうと考え振り返って確認もしないまま帰り道に直行した。いやー走る前にストレッチしてて良かったーと黄色い全身タイツのおじさんに感謝しつつ。
「……ハァーッ……ハァーッ……まっ、良い運動になったしいいやー……ハァーッ…駄目だやっぱダメだっ…キッツゥッ!!」
ガチャッと扉の鍵を閉め、念のためにドアチェーンも掛けた。
久々に運動らしい運動をしたためか大量の汗が肌を伝って濡らしていくのを見て俺はシャワーを浴びることにした。
放課後に担任の先生から職員室に来るように呼び出された時のことを思い出す。
「転校初日に悪いけど森さんにはこれを届けて欲しくて」
本当はとても面倒だし、それだったらすぐに家に帰ってゆっくりゲームをしたかったけど担任の先生からの私に対する印象を良くしたいこと、何より断ろうにも先生からの圧力が凄かったのもあり快く引き受けた。
「住所はこの紙に書いてあるから」
半ば無理やり渡されたプリント類の入ったファイルから住所の書かれた紙を取り出し見る。
「…あっ、私の家から近い場所だ」
届け先は私の自宅から何分か歩いた近くの場所だった。帰りが遅くなることを覚悟していたので少し安心した。
「……
所謂、不登校なのだろう。
クラスメイトの座る席の中一つだけ誰も座らない、私の隣の席の人間。
教室では誰もいない事に触れていなかったし、話題にしてもなかったことから最初からいないことが当たり前なのだと考えた。故に不登校。
彼女は……急に来なくなったのだろうか?それともクラスメイトの誰かにいじめられて来なくなったとか?…だとしたら私も目をつけられないように気を付けなければいけないが……。…とはいえこれは憶測なので本当はたまたま今日もしくは前から体調を崩していていなかっただけなのかもしれない。明日来ることがあれば是非友達になりたいところだ。
そんなことを考えるうちに紙に書かれた住所の場所が見えてきた。
…………
………
……
…。
「…大きい、何階まであるの?……四………八……十五階…大きい」
他にも高い建物はあるがそれはその中で抜きん出て高かった。マンション、いやタワーマンションであろうか?彼女は……竹原さんはそこに住んでいた。
私は花壇に植えられた花を横目に豪華な装飾の施されたやけに重く感じる両開き扉の片方を開けエントランスに入る。
中に入ると少し歩いた先に透明な自動ドアがあり、そこから先に入ることができないようになっていた。
入れないならどうやってプリント類を渡せばいいのか立ち尽くしているとそれを見つける。
インターホンだ。
そして、インターホンの上に貼ってある紙に目が向いた。
「…部屋番号を入力して…それから呼出ボタンを押す…」
私はすぐに住所の書かれた紙を取り出すと部屋番号と思われる部分を探し出した。
「………これかな?」
住所の最後の部分、何丁目から何番地の後の数字。1501の四桁の数字だ。とりあえずこれを入力すれば良いのだろうか?
1…ピッ…5…ピッ…0…ピッ…1…ピッ…………そして呼出ボタンを押す…………ピッ………
「…まったく、こんなことなら部屋番号ぐらい書いてくれてもいいじゃないの」
相手が出てくる間の時間、私は先生に文句を言いつつ待っていた。
………………
……………
…………
………
……
…。
『……はい?どちら様ですか?』
聞こえたのは低い声。竹原さん本人だろうか?
「あっ、学校からのプリント類を渡しに来ました」
『…うん?』
体調が悪いのだろう声がまるで男の人のように低い。
『…学校からのプリント?』
「はい」
『……うん?…とりあえず?横のポストに入れておいてください…1501の番号のポストあると思うんで…』
「わかりました」
『…お願いします?』
そこでインターホン越しの会話は終わった。
その後、私は竹原さんの指示の通りに1501のシールの貼ってあるポストにプリント類の入ったファイルを入れると特に用もないのですぐにエントランスから外に出る。
帰り道。
私は考えていた。
私はこれから毎日竹原さんが体調を治して学校に来るまでの間こうして毎日プリント類を届けに行くのだろうと。
かなり面倒だが体調不良なら仕方ない、外から帰ったらすぐに手洗いうがいするなど衛生面に気をつかっていても病気になる時はなってしまうのだ。
じゃあ、私はどうすべきか?……簡単だ。毎日プリントを届けて竹原さんからの私に対する印象を良くするのだ。
転校生といアドバンテージがあったにもかかわらず、初日から友達の一人も出来ず、ぼっちになりつつある私には竹原さんの件は渡りに船だろう。もはやベストフレンドに王手してる状態と言っても過言じゃない。
…そう……私と竹原さんで、……問題児二人、ただし最強。
「ふふふふふ……良いねぇ」
妄想はさておき、今日の最初のうちは私の座る席に「ねーねー何が好きー?」とか「どこ住んでんの?」とか何人か人が来たのだが、…何故だかそれ以降ぱったりと誰も来なくなったのだ。
彼女らクラスメイトには私のような転校生は珍しくないのだろうか?カードならキラキラしていること間違いなしなのだが…。
それとも、私から溢れ出すキラキラとしたオーラに遠慮しているのであろうか?……まぁ、そんなことはないだろうけど。
「………はぁ…」
……話せる友達が欲しい。
切実にそう思う。
とはいえ初日が全てではない、明日から学校生活においてチャンスはこれからいくらでもあるので張り切っていこうと思っている。
主人公「学校?プリント?俺ってば去年高校を卒業して浪人生を満喫している最中では?えっ?これは異常か?引き返すべきか?」
って感じで混乱しています。
灯台下暗し、自分にこそ変化がありました。