逆転世界で生きるモブBの日常。 作:南鳥
投稿は遅いながらも今年のうちに30話ぐらい投稿できたら良いなと思っています。
私は凡人なので目標はちょい高めを基本に頑張っていきたい。
そして、今年は新年早々良くないことばかりです。
苦しくても他者を多少思いやれる心を忘れないようにしたいですね。
「人妻」と考えて叡智だなぁ…と感じる今日。
では、人妻なるものを見にいこうかと公園に来たものの幼い我が子の遊ぶ様を微笑ましく見守る人妻の姿はなく、代わりに男がいた。
容姿は若く、どこか疲れている顔をした二十代後半の男性だった。若干、眠そうだ。
そして、その視線の先には砂場でスコップを片手に遊んでいる女の子。
一人砂場で遊ぶ女の子を側からじっと見つめる不審な男性という風にも見えるが……、いやいや待て…と周りを見渡せば女の子と手を繋いで歩く男性とブランコに乗る男の子の背中を押してあげる男性、子供同士が遊ぶ傍ら何やら世間話に花を咲かせる男性三人。
はて?これはどいうことかと、人妻はいったい何処に行ってしまったのだろうと思いつつ携帯をポケットから取り出し「人妻とは?」とゴーグルで検索してみれば出てきたのは「意味:他の人の妻、他夫の反対後 他夫⇄人妻」という結果だった。
「他夫」?なんじゃそら?と首を傾げつつ読み方で検索すれば→
他夫…、たふ…、タフ…。……他夫もの、「他夫は私のもの」「初めてのタフ」。
うーむ、語呂は悪くない…。…悪くないのだが…ただ…少し受け入れ難く感じてしまうのは俺が人妻もので多く致していた影響だろう、これからゆっくり慣れていこうと思う。
…まぁそれはさておき、…今公園にいる男性の大体が他夫という認識で多分間違いないのだろう。
そして、目当ての人妻がこの場にいないのは働きに出てているか家で寝てるかのどっちかであり、俺の期待していたような人妻は此処にいても見れない。
この気持ちを例えるなら、目当ての動物を見に動物園に行ったのに『諸々の事情で見れません!ごめんなさい!』という看板を見た時のような気持ちである。
………うーん、少しガッカリだがこれはこれで逆転世界のことを少し知れたので良しとするか。
……
…。
さーて、どうしようか。
…とりあえず向こうに見える自販機からコーラでも買って飲もうかな?…あのシュワシュワって飲み心地を堪能できれば何か妙案が浮かぶかもしれないしね。
…ピッ……ガタン……………カシュッ…
「…カァーッ」
カァーッ!!これこれ!!何にも思い浮かばねェがやっぱコーラ
……
…ふぅ。
…本当に何も思いつかない。
………
……
…。
とりあえず立ったままなのもどうかと思い近くのベンチに座りコーラをチビチビと飲みつつ俺は砂場で遊ぶ女の子に目を向ける。
服が汚れるのも気にせずにその手に持つ小さなスコップで砂を整えて、時には削ったり。
…前はこんなこと考えもしなかったのだけど、最近は自分よりも幼い子供を見ると俺にもあんな時代があったのだといつも考えてしまう。
……そう、考えているうちに俺の視線は現在見ている光景から過去の俺の姿を幻視していた。
見えるのは…ああ、楽しかったなと服を泥やら雑草で汚して帰路につく幼い頃の俺だ。
……俺の幼い頃は服を汚す以外にもアホの癖に無駄に好奇心旺盛だったからよく狭い場所や高い場所に行っては擦り傷と痣を作り帰ってその様を見た親にまたかと怒られていたなと思い出す。でも、怒られて嫌な気はしなかった。愛があったからだろうな。
……まぁ、いつか自分にも相手が出来ればいずれ…
「ねーねー、お兄ちゃん何してるのー?」
……
…。
見るとさっき砂場で遊んでた小さな女の子が俺の足元にしゃがんでこちらを見ていた。
「…コーラを飲んで休憩中だ」
び、ビビったーっ、…お爺ちゃんお婆ちゃんもそうだけどなんで子供ってやつはこうも気配を消して忍び寄って来るんだ。…まったく、これがいわゆる「
「きゅーけぇー?」
「お休み、ってことだ」
「…?寝てるの?」
首なんか傾げちゃって、そんな難しいかね?
「えーと、あれだ…アンパンマンっているだろ?新しい顔よってバタ子さんが顔を投げて元気百倍になるやつ」
「うん、知ってるよ」
「つまり、俺は新しい顔にする代わりにコーラを飲んで元気百倍になる途中だ」
…自分で言っておいて何だが理解してくれるか不安だ。
「そーなんだー」
…そうか理解してくれたか。
「それはいいけど、こんな知らない人とお喋りしてると親が心配するぞ」
それはそれとして女の子の相手は少し面倒なので追い払うべくそう言うと。
「いいの」
と言って女の子は砂場の方向を指差した。
「寝てるからいいの」
そこにはベンチに身を預けて眠るお父さんの姿があった。
「寝てて遊んでくれないから、いいの」
うーん、子育てお疲れ様です。
でも、こうなると叩き起こすのも可哀想だしなー。
「ねーねー遊んでよーお兄ちゃん」
「これは参った」
子供は嫌いじゃないのだが…。
…そうだ、こう言う時は話題を逸らすのがいいだろう。
「聞いてもいい?」
「何ー?」
ここは身近なことでも聞こう。えーと、この女の子の小ささからして幼稚園児か?何するのが楽しいとか何が一番好きかとか何が一番美味しいかの話題で時間稼ぎだ。
よーし、行くぞ。
「幼稚園は楽しい?」
「うん!!楽しい!!それと来年からしょーがくせーだから楽しみ!!早く学校行きたい!!」
「…そうか楽しみだね」
学校というワードで俺は思い出す、そもそも俺が何で此処まで足を運んでいたのかを…。
人妻がどーたら言ってたが本当は学校に行くか・行かないかの問題から逃げるためだったことを思い出した。
「…学校に行ったら何がしたい?」
「友達いっぱい作る!!」
目標は百人といったところだろう。
…ああ、そーいえば、俺友達いなかったなー中学校の時はいたんだけどなー高校になった途端出来なくなったなー。
「…勉強は?」
「あっ!そうだった勉強も頑張るんだった!!」
今から通ったら中間・期末のテストが待ってるんだよなー。面倒だなー、憂鬱だなー。
一夜漬けが懐かしい。
「……」
「あのね!私学校で一番になるの!!」
…そうだった、俺にもこの女の子みたいに学校に行くのが楽しみで仕方なかった時代があったのだ。
灰色の三年間、つまらない毎日、寂しさ。それらを思い出すと行く気が失せるが。
この女の子のキラキラした瞳を見ると行ってもいいんじゃないかと思える。
「あいちゃーん、帰るよー」
声の主を見ると「あい」と呼ばれた女の子のお父さんだった。
いつの間にか起きていたお父さんはこちらを見ると軽く微笑んで会釈してくれた。
…その姿に俺は他夫味を感じた。
「あっ、お兄ちゃん呼ばれたから私行くねバイバイ」
そんな俺をおいてあいちゃんはそう言ってお父さんの方に走って行ってしまった。
そして、俺は走り行くその背中に過去の俺の姿を見た気がした。
「…」
今度は一人ぐらい友達作って青春したい。
期待は全くしていないが逆転世界なら或いはと考えてしまう。
本当に期待はしていない。
一ミリもしていない。
…友達…出来るかな?……不安だ。
やっぱ行くのやめようかな?
本当に子供を見て過去を思い出すと「自分って若くないんだもう」と嫌でも自覚させられます。
腰を痛めないように運動しようと思います。