まほ「プラウダ高校、西住まほ。短期転校手続きは済ませてきた」   作:ゼブラーの野郎

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プラウダ高校生活 два

 ――・・・・・・

 

 ―朝

 

プラウダ生徒「大変でんがな大変でんがな~!」ドタバタドタバタ

 

カチューシャ「・・・うぅ~ん・・・うるさいわね・・・なんの騒ぎ?」ムニャ

 

プラウダ生徒「カチューシャ様!大変でんがな!」

 

カチューシャ「なによ朝っぱらから!それになにその方言!あなたどこ産よ!」

 

まほ「なんだ。なにか事件か?」ヒョコ

 

エリカ「まだ朝練の時間より一時間も早いわよ・・・なにかあったの?」ヒョコ

 

プラウダ生徒「食糧庫に盗人が入ったみたいで・・・食料がごっそりなんでっせ!」

 

 

 冷蔵庫<カラッピッピ!

 

カチューシャ「なんてことなの!ハムやソーセージ、牛肉ブロックも盗まれてるじゃない!」

 

エリカ「学校の冷蔵庫からボるなんて大した奴がいたもんね」

 

まほ「中にメモが」スッ

 

 『食べ物を分け合えば、みんながしあわせになるんだよ>(∪v∪)』

 

エリカ「犯人の残したメモでしょうか・・・一体どういう意味なのかしら」

 

まほ「・・・」

 

エリカ「このメモから犯人を推理しましょう。大丈夫、私こう見えて名探偵エリカですから。必ずや食糧泥棒をとっ捕まえてやりますよ!」

 

まほ(心当たりがあって困る)

 

カチューシャ「このメモ!このマーク!また継続高校の連中ね!もうっ!あいつら週2で盗みに入るんだから!」

 

まほ「えっ」

 

プラウダ生徒「どうすっぺーなカチューシャ様。高タンパクで栄養満点なものばかりとられてるっぺ」

 

カチューシャ「仕方ないわね。調理班のメンバーで買い出しに行っておいて。朝はありものでなんとかしてちょうだい」

 

プラウダ生徒「わかったっぺっぺ!」ビシッ

 

カチューシャ「朝から騒がせちゃったわね、マホーシャ、イツミーシャ。朝練は55分後だから遅れないように」

 

エリカ「泥棒はほったらかしなの?おとがめなし?捕まえてイスに縛りつけて洗濯バサミで拷問は?」

 

カチューシャ「まあいつものことだからね。気にしてたらキリがないわ。偉大で寛大で斬新で完璧で優秀なカチューシャは器が大きいんだから」

 

エリカ「・・・ちぇっ」

 

カチューシャ「どうかしらマホーシャ?私ったら心が広いでしょ?」フフーン

 

まほ「?・・・ああ、まあ、そうだな」

 

カチューシャ「・・・・・・むう」

 

まほ「?」

 

 ・ ・ ・ ・ ・ ・

 

まほ「朝食は残りモノで作ったピロシキか。にしては美味しいな」モグモグ

 

エリカ「朝練は筋トレ中心で、少し緩めでしたね。プラウダってもっと厳しいと思ってたのに」

 

まほ「アリーナとニーナが言っていたが、大洗や大学選抜との試合以降はカチューシャもずいぶん丸くなったそうだ」

 

エリカ「あれで太ったと言うんなら元はどれだけヒョロヒョロだったんですかね。あはは・・・」

 

まほ「エリカ、丸くなったとはそういう意味じゃない」

 

エリカ「!・・・し、知っています!今のはそう・・・ちょっとトボけてみたんです!みほ・・・じゃなくて副隊長みたいに!」

 

まほ「ほう」ニマニマ

 

エリカ「ちょっ!笑わないでくださいよ!私はまだ隊長みたいにポンコツじゃないんですから!」

 

まほ「その言い方はちょっと傷つく」

 

ノンナ「まほさん」

 

まほ「ノンナ、おはよう」

 

ノンナ「おはようございます。昨日はありがとうございます。あなたのおかげで色々と心が楽になりました。少し考えすぎていたようです」

 

まほ「君のためになったのなら何よりだ。それと、これは提案なんだが・・・エリカと少し話してみたらどうかな?私は席をはずそう」スック

 

エリカ「なっ、隊長、そんな無理やり・・・」

 

ノンナ「是非」ザッ

 

エリカ「ちょっ!あなたも意気揚々と隣の席に座らないでよ!」

 

ノンナ「エリカさん。あなたとは一度じっくり話をしてみたいと思っていたのです」

 

エリカ「っ・・・そう・・・昨日はごめんなさいね。あなたの大事な隊長さんを横取りしちゃって」

 

ノンナ「いえ、カチューシャは皆の心を惹き集める方ですから」

 

エリカ「・・・さすがプラウダの副隊長ね。人間が出来てるわ」

 

ノンナ「エリカさん、大学選抜との試合の時・・・カチューシャを肩車していましたね」

 

エリカ「ええ。なに?あれもあなたの許可無しでやったから粛清?」

 

ノンナ「どういった経緯で肩車をされたのかお聞きしたいのです。カチューシャは誰にでも肩車をさせる訳ではありません。私は誇りを持ってカチューシャを肩車しています」

 

エリカ「いやそんな大したことじゃないでしょ」

 

ノンナ「お聞かせしてもらってもいいでしょうか?エリカチュ問題の真相を」

 

エリカ「ちょっとまって当人の知らないところでなに呼び名つけてんのよ」

 

 

 ~~~

 

 大学選抜戦・カチューシャ車、エリカ車、撃破後・・・

 

カチューシャ「ふうっ・・・やるだけはやったわ」スタッ

 

エリカ「・・・」パカッ スタッ

 

カチューシャ「よくやったわね。大学選抜の強豪相手に」

 

エリカ「・・・また隊長と戦えなかった・・・」シュン

 

カチューシャ「なにを暗い顔をしてるのよ。あのパーシング3輌の一角を落とせただけでも御の字じゃない。3輌揃ったままマホーシャ達に相手をさせていたらかなり危険だったわ」

 

エリカ「でも私は結局・・・また隊長を一人残してしまったわ・・・隊長と並んで戦って、勝利したかったのに・・・」

 

カチューシャ「あの3輌の連携はかなりのものよ。1輌でもあるのとないのでは大きく違う。私達があのパーシングを撃破したからこそマホーシャ達に勝てる希望を与えられたはずよ」

 

カチューシャ「それにマホーシャは一人残されたんじゃないわ。ミホーシャもいるからね」

 

エリカ「・・・」

 

カチューシャ「ボールをシュートして点を取るのも大事だけど、シュートを決めるために仲間をアシストするのも大事よ。チームってのはそういうものなの」

 

エリカ「・・・そうね。あなたの言う通りだわに」

 

カチューシャ「わに?」

 

エリカ「私も・・・少しは役に立てたのかしら・・・みほみたいに・・・副隊長みたいに出来ないかもしれないけど、隊長の役に立ちたかった・・・」

 

カチューシャ「・・・」

 

エリカ「・・・」

 

カチューシャ「ちょっとかがみなさい」クイクイ

 

エリカ「は?」

 

カチューシャ「いいからっ、ほら」グイ

 

エリカ「ちょっ!な、なにすんのよ!」グイグイ

 

カチューシャ「ほぅら!んー!いー眺めよ!」パアー

 

エリカ「ちょっと・・・なんであなたを肩車しなきゃいけないのよ」

 

カチューシャ「あなたが私を肩車してくれるおかげで、私はいい眺めを見れてるの。人の役に立つなんて簡単なことよ。ただ肩に乗せてあげるだけでいいんだから」

 

エリカ「・・・ないよそれ。励ましてるつもり?・・・私が隊長を肩車しろってこと?それって・・・ふふ、なんだか見当はずれな励ましね」

 

カチューシャ「ほら、あんまり揺らさないの。あなたが私を持ちあげて、私がマホーシャ達の戦いっぷりをしっかり見届けてあげるから」

 

エリカ「モニタービジョンで見れるから別に肩車する必要ないじゃない」

 

カチューシャ「ものの例えよ!人の上に立つ人間っていうのは、人に支えられないと立ってられないんだから!」

 

 ~~~

 

 

エリカ「――っていう感じで肩車してたのよ。無理やりだったけど、私のことを気遣ってくれてたようね」

 

 ノンナ<メモメモメモ・・・

 

エリカ「ちょっ、なにメモしてるの?」

 

ノンナ「いえ、私の知らないカチューシャを知れて大変有意義な話でした。ありがとうございます」

 

エリカ「・・・あ、そう」

 

ノンナ「エリカさん、カチューシャは偉大な方です。あなたならカチューシャを支えることもできるでしょう。今日の紅白戦でもカチューシャをサポートしてあげてください」

 

エリカ「・・・ええ」

 

ノンナ「ですが、私達も負ける気はありませんよ。私はまほさんを支え、あなたとカチューシャに勝ってみせます」

 

エリカ「楽しみにしてるわ」

 

ノンナ「・・・・・・あなたもカチューシャファンクラブに入ります?」

 

エリカ「はっ?」

 

クラーラ「バケラッタ!」

 

ノンナ「クラーラも歓迎してくれていますよ」

 

エリカ「遠慮する」

 

 

カチューシャ「みんな聞きなさい!今日は一日戦車道の日!なにをするかわかってるわね!?」

 

ニーナ「あ~、朝から晩まで戦車漬けの日だぁ~。これがまたキツイんだべな~」

 

アリーナ「体力の限界まで戦車の操縦なんだもんなぁ~」

 

カチューシャ「いつもは一日中戦車訓練だけど今日は趣向を変えることにしたの!午後からは紅白戦を行うけど、午前は皆で討論会よ!」

 

ニーナ「とーろん?」

 

エリカ「皆で作戦を考えて議論するのかしら」

 

ノンナ「テーマは『カチューシャのすごいところ』です」

 

エリカ「はっ?」

 

ノンナ「我らが隊長、カチューシャの凄さを皆で討論し合い、その偉大さを再認識するのです。皆を束ねるリーダーがどれだけ頼りになるかを知れば、どんな戦況でも心折れずに戦えるからです」

 

アリーナ「あぁ~・・・そういう建て前かぁ~」

 

カチューシャ「いい!?カチューシャがどれだけ偉大で寛大で斬新で完璧で優秀で器が大きくてカッコイイかをマホーシャ達にも教えてあげるのよ!」

 

クラーラ「アッチョンプリケ!」

 

ノンナ「クラーラもやる気十分のようです」

 

カチューシャ「それじゃまずニーナ!あなたからよ!」ビシッ

 

ニーナ「ひえっ!わたすだべか!?」

 

カチューシャ「早くしなさい。ヘンなこと言ったらシベリア送り5ルーブルよ!」

 

アリーナ(前と比べて少ない日数だべ)

 

ニーナ「わ、わかりますた・・・うーん・・・カチューシャ隊長はちみっこいけど――」

 

カチューシャ「ギロリ!」

 

ニーナ「見た目と違って試合の時はすんげー頼りになるというか、人間としてとっても大きいというか、この人の言う通りにやってれば何とかなるべーって思える隊長ですだ」

 

カチューシャ「っ!・・・そ、そう・・・そんな風に言われるとなんだか・・・てへへ!照れちゃうじゃない!もー!おべっか使っちゃって!」バンバン

 

ニーナ「痛ぇだ」

 

ノンナ「次はアリーナ、どうぞ」

 

アリーナ「えーと・・・隊長はなんていうか・・・やたらいばりちらしてっけど――」

 

カチューシャ「ギロリ!」

 

アリーナ「嫌な人って感じはしないし、物知りで色んなことを知ってるべ。冷蔵庫にアルミ貼って節約するとか服についた血のシミは炭酸水とレモンで落ちるとか。おばあちゃんみたいですだ」

 

カチューシャ「てへへへ!褒めすぎよまったく!」バンバン

 

アリーナ「いでえ」

 

エリカ「ふーん、なんだかんだで人望はあるのね」

 

まほ「うむ」

 

カチューシャ「まったく!みんな私のすごさをちゃーんと理解してたのね!どうマホーシャ?私ってばすごいでしょ?」

 

まほ「えっ、あ、いや、まあ、そうなんだろうな」

 

カチューシャ「・・・・・・むむむ」

 

ノンナ「なかなか手ごわいですね」

 

まほ「?」

 

カチューシャ「ノンナ!次!」

 

ノンナ「では、クラーラ、どうぞ」

 

クラーラ「ポ!」

 

ノンナ「『偉大なる同志カチューシャの凄さを挙げるには、この世の言葉を全て猛羅していたとしても、決して語り尽くせるものではなく、人間の表現力の限界を越えているので、このような討論自体が無駄ということを前置きにさせていただくが、あえて言葉にするならば、その淡麗で甘美で魅惑的な容姿、愛らしいしぐさを備えながら、その心の内に秘めたる強い心、高い志、勇敢な魂が他者の心を惹きつけ、虜にしてしまうことは確かであり、なによりそのキュートな外見とハードな内面のギャップが、他には無い強烈な個性として発揮されており、知れば知るほどカチューシャの魅力に引き込まれていくのは誰もが通る道である。カチューシャの魅力、偉大さ、凄さはまるで雪山の巨大クレバスのように底知れぬものであり、その全てを知るには人類の脳の許容量を越えていると考えられており、私自身もカチューシャの魅力、偉大さ、凄さの全てを知っているとは言えず、まだまだシベリア鉄道の始発駅を出発したばかり、といった所であろうが、どれだけカチューシャの新たな魅力を発見しても、さらにまた新たな発見があり、これからもずっと新しいカチューシャを目にしてゆくのだろうし、私は生涯、カチューシャに癒され、楽しまされ、魅了されながら、カチューシャを尊び、見守り、愛していくということを心に決めている』」

 

ノンナ「と、クラーラは言っています」

 

エリカ「ロシア語ってなんなのよ!」

 

カチューシャ「どうかしらマホーシャ!そろそろカチューシャの魅力に気づいたんじゃないの?」フフーン

 

まほ「えっ、うん、そうだな。そうだよ。うん」

 

カチューシャ「もーっ!」ポカポカ

 

まほ「わっ、なにをする」

 

エリカ「ちょっと!隊長をポカポカ叩くんじゃないわよ!」

 

カチューシャ「ちーっともわかってないじゃない!カチューシャは偉大で寛大で斬新で完璧で優秀で器が大きくてカッコよくて憧れの的なんだから!」

 

まほ「ああ、わかってる」

 

カチューシャ「ぜんぜんわかってない!」ポカポカ

 

ノンナ「カチューシャ、まほさんが困っていますよ」グイ

 

カチューシャ「んん~!見てなさいマホーシャ!ぜったいにあなたにカチューシャの凄さを認めさせてあげるんだから!こうなったらあなたが跪いてヒンヒン鳴くまで徹底的にやってやるわ!」

 

 

 ・ ・ ・ ・ ・ ・

 

カチューシャ「というわけで午後の紅白戦を始めるわよ!イツミーシャ!私の副官としてちゃんとしなさいよ!」

 

エリカ「はいはい」

 

まほ「ノンナ、作戦通りにゆくぞ」

 

ノンナ「はい」

 

 ~~~

 

プラウダ生徒「カチューシャ様!囲まれてますだ!」

 

カチューシャ「なんですって!?包囲網を包囲網で囲まれてるって訳!?」

 

エリカ「こちらの手を読まれていたようね。当然といえば当然・・・相手は隊長以外は皆プラウダの生徒。自分達の戦法を熟知してるもの。弱点までもね」

 

プラウダ生徒「どうするんですか!?このままじゃやられっちまいますべ!」

 

エリカ「撤退よ。3輌ほどで相手を引き付けて残りは一気に引くしかない」

 

カチューシャ「ダメよ!自分の土俵で競り負けたら二度と立ち直れなくなるわ!意地でも押し返すのよ!」

 

エリカ「本気?意地張ってもこの戦況じゃ――」

 

カチューシャ「ここで負けたら自信も根性も砕けてなくなっちゃう!絶対に引いちゃダメ!石に噛みついてでも戦い抜くのよ!」

 

カチューシャ(負けない!負けてられないのよ!あなたなんかに!)

 

 ~~~

 

エリカ「なんとか引き分けまで持ってこれたわね・・・ふう」

 

まほ「大したものだ。あそこまで詰めておきながら巻き返されるとは・・・私もまだまだ甘いな」

 

ノンナ「カチューシャの意地が不利な戦況を引き分けにまで持ちあげたのです。ですがまほさんもプラウダの戦法を手に取るように指揮していましたね。流石です」

 

まほ「いや、仲間が優秀だったが故だ」

 

クラーラ「ドッテチ~ン」

 

ノンナ「クラーラもまほさんの凄さを称えていますよ」

 

エリカ「普通に褒めなさい。マジメに」

 

カチューシャ「・・・」ムムム・・・

 

まほ「どうしたカチューシャ。ゴキゲンナナメだな」

 

エリカ「引き分けの結果が不満なの?王手かけられておきながら挽回したんだから大したものじゃない」

 

カチューシャ「ぜんぜん不満よ!不満しかないわ!ふん!ふん!」

 

まほ「なにを怒ってるんだ」

 

カチューシャ「なんでもないわ!行くわよノンナ!」プイ

 

ノンナ「すみません皆さん。では、また後ほど」ペコ

 

まほ「?」

 

 

カチューシャ「んも~っ!ぜんっぜんうまくいかないわ!なにをやってもマホーシャったら眉ひとつ動かさないんだから!」

 

ノンナ「だからと言って八つ当たりのように怒るのはよくありませんよ。まほさんにカチューシャが凄くて優しくて偉大だということを認めさせる作戦、そろそろ中止にしてもよろしいかと」

 

カチューシャ「ダメよ!そのためにわざわざ黒森峰まで召致に行ったのよ!なんとしてもマホーシャにカチューシャのことを認めさせてやるんだから!」

 

ノンナ「そんなことをしなくても、既にまほさんはカチューシャのことを認めていられると思いますよ。遠まわしに自分のことを良く見せるより、素直に言葉で言えば早いと思いますが」

 

カチューシャ「プラウダの隊長が他校の隊長に物腰柔らかく接する訳にはいかないわ!強くて大きな隊長でないとダメなの!」

 

カチューシャ「最近は皆に甘くしていたけどもうやめよ!やっぱり厳格な指導者じゃないと!皆も気が緩んでるし、厳しくしないと示しがつかないもの!ビッシビシしていくからね!」

 

ノンナ「できるのですか?」

 

カチューシャ「私はカチューシャよ!いつだってカチューシャなんだから!」

 

ノンナ「それより、夕食の時間ですよ。食堂に向かいましょう」

 

カチューシャ「みてなさい!地吹雪のカチューシャの恐ろしさを忘れてる連中に思い出させてやるわ!」

 

 ・ ・ ・ ・ ・ ・

 

アリーナ「今日の夕食はお鍋ですだー。豚汁もあるだーよ」グツグツ

 

カチューシャ「わーい!アリーナの豚汁だいすきー!」

 

まほ「カチューシャは子供だなぁ」

 

 グツグツ

 

エリカ「夕食に鍋って雪国のプラウダらしいけど、鍋に豚汁ってシルシルしててどうかと思うわ」

 

カチューシャ「心配いらないわ。アリーナの豚汁はとってもおいしいんだから」

 

エリカ「ふーん。いくら美味しいからってお腹に水分たまるとあんまり食べられな・・・・・・あ、おいし」ズズ

 

アリーナ「寒い日には練習の後にみんなで食べるんだぁ。ヘトヘトの身体には効くだーよ」

 

エリカ「なんかあなた喋り方志村けんみたいになってない?」

 

まほ「鍋も食べはじめよう。野菜入れるぞー」

 

 ニーナ<ピピーッ!

 

まほ「!」ビクッ

 

ニーナ「ちょっと待ってくだせぇ。野菜を入れるのは後ですだ。まずはお肉や魚を入れてダシを出すんですだ」

 

まほ「あ、そうなのか」

 

カチューシャ「灰汁が出てきたわ。私が取ってあげる。このカチューシャが灰汁取りをしてあげるのよ!感謝しなさい!」スススイ

 

 ニーナ<ピピーッ!

 

カチューシャ「!?」ビクッ

 

ニーナ「ダメですだ隊長。灰汁は取りすぎると肉の旨み脂も一緒に取ってることになるですだ。取りすぎず、マチマチでいいんだべ」

 

カチューシャ「そ、そう・・・わかったわ」

 

ノンナ「牛肉を入れます。しっかり煮こまないと」

 

 ニーナ<ピピピーッ!

 

ノンナ「!」ビクッ

 

ニーナ「牛肉は鶏肉と違って最後に入れるんだべ。その前に野菜や豆腐を入れるんですだ。牛肉はサっと煮るだけでいいべ」

 

ノンナ「はい・・・」

 

 エリカ「どうやらこの子、鍋奉行という奴みたいですね・・・」ヒソヒソ

 

 まほ「いつもと様子が違うな。鍋となると人が変わるらしい」ヒソヒソ

 

 カチューシャ「捕まると面倒ね・・・変なことしないようにしましょ」ヒソヒソ

 

ノンナ「そろそろ野菜を入れてもいい頃合いですかね」

 

カチューシャ「任せなさい!カチューシャがやってあげる。たくさん野菜を食べて栄養とらないとね」

 

 ニーナ<ピピピーッ!

 

まほ「鍋警察だ!」

 

エリカ「ひえー!」

 

ニーナ「なにやってるだ隊長!野菜全部ブッ込むなんてダメですだ!根菜は最初に、葉っぱ系は最後に入れるべ!煮すぎると野菜に含まれるビタミンが壊れてしまうべな!」

 

カチューシャ「ひっ・・・う、うん・・・」

 

 

 <ピピー!

 

ニーナ「シラタキや春菊はお肉と離していれるだ!タンパク質が固くなっちまうだ!」

 

 <ピピー!

 

ニーナ「貝類は煮こみすぎは禁物だべ!カチカチになる前に食べなきゃだめだ!」

 

 <ピピー!

 

ニーナ「野菜は鍋の端に!中央は対流があるから煮崩れするべ!」

 

 

カチューシャ「・・・なんだかあんまり食べられてないわ・・・私」

 

まほ「私もだ・・・喉を通らないというかなんというか・・・」

 

クラーラ「ニャロメ!」

 

ノンナ「クラーラも鍋を楽しめていないそうです」

 

エリカ「古い漫画ネタ引っ張ってくりゃロシア語になると思ってない?」

 

 

 ・ ・ ・ ・ ・ ・

 

 ―まほとエリカの部屋

 

まほ「お腹すいた」

 

エリカ「さっき夕食食べたところのはずなんですけど・・・鍋、全然食べられませんでしたね。あの子も悪気はないんだろうけど」

 

まほ「最近の我々は食事量を増やしていたせいもあって、夕食が中途半端だと空腹感が大きく感じるな」

 

 コンコン ガチャ

 

カチューシャ「邪魔するわよ!」

 

まほ「邪魔するなら帰ってくれ」

 

カチューシャ「わかったわ!」バタン

 

エリカ「あー、戦車女子ってカ口リー使うからたくさん食べないともたないわー」

 

カチューシャ「って待ちなさいよ!どうしてカチューシャが帰らないといけないのよ!」ガチャ

 

エリカ「ちゃんとノってるクセに・・・」

 

まほ「どうしたカチューシャ。遊んでほしいのか?」

 

カチューシャ「あなたたち!外出するわよ!」

 

エリカ「外出?もう夜よ。消灯までは自由時間だって聞いてたけど・・・」

 

カチューシャ「だから自由に外へ出かけるのよ!このカチューシャが行こうって言ってるんだから黙ってついて来んさい!」

 

ノンナ「カチューシャはお二人と仲良くなりたくて、校外で買い食いをしようとお誘いに来たのです」

 

カチューシャ「ノンナ!そんなんじゃないったら!せっかくだからプラウダの学園艦の夜の街並みを案内してあげたら仲良くなれるかなって思っただけなんだから!」

 

 

 ―プラウダ学園艦市街地(夜店街)

 

 ワイワイガヤガヤ ワイワイガヤガヤ

 

まほ「夜の街も賑わっているな。淡い街灯の灯りが雪国を思わせる、味わいぶかい街並みだ」

 

エリカ「プラウダは青森に寄港するけど北海道色も取り入れてるんですね」

 

カチューシャ「二人とも!はい!遠慮せずに食べなさい!カチューシャのおごりよ!」ホカホカ

 

まほ「これは・・・?」

 

エリカ「丸ごとのじゃがいもに切りこみが入ってて・・・その切りこみの上に乗ってるのはなに?」

 

ノンナ「ほくほくのじゃがいもにバターとイカの塩辛を乗せた、カチューシャと私の故郷の名物です。といっても、メジャーなものではありませんが」

 

まほ「ものすごく美味い」ホクホク

 

エリカ「いやいやいや、隊長、イカの塩辛ですよ?農作物のじゃがいもにイカなんてミスマッチに決まって――」ガモ

 

エリカ「すんげー美味いわ」ホクホク

 

カチューシャ「ふふーん!そうでしょそうでしょ!」

 

クラーラ「ブタモオダテリャキニノボル!」

 

ノンナ「クラーラも『お酒のおつまみにちょうどいい!』と言っています」

 

エリカ「ロシア語の勉強するわ。マジで」

 

まほ「しかし夜の街に買い食いに抜け出すとは・・・なんだか非行に走っているようでわくわくするな」ワクワク

 

カチューシャ「わかるわその感覚!私も最初はドキドキしたもの。でもカチューシャは大人だからね。たまにこうして買い食いしてるのよ。すごいでしょ」

 

まほ「ほう、やるな。実は私もこの前、一人でラーメンを食べに行ったぞ。なかなかすごい体験だった」

 

カチューシャ「な、なんですって!?一人でラーメン屋さんに!?そんなの大人のすることじゃない!」

 

まほ「ふふふ、驚くのも無理はない」ドヤサァ

 

カチューシャ「でもカチューシャだってすごいんだから!先月なんか一人で電車に乗ったのよ!ノンナ無しで!しかも陸地の電車で、県境も越えたんだから!」

 

まほ「な、なんだと!切符も自分で買ったのか!?無事に帰って来れたのか!?」

 

カチューシャ「とーぜん!」

 

まほ「まさかカチューシャがそこまで出来るとは・・・だが私も負けていない。とっておきの秘密を教えてやる。私は・・・一人で映画館で映画を見たことがある!」バーン

 

カチューシャ「な、なんですってぇー!?ひ、一人で映画館なんて・・・誰かに止められなかったの!?おまわりさんとか学校の先生とか!」

 

まほ「ふっ・・・そうとも。ポップコーンとジュースも買ったんだぞ・・・一人でな!」バーン

 

カチューシャ「・・・な、なんてことなの・・・さすがマホーシャね・・・ならこっちも最後の一手よ!私は・・・私はこの前!タクシーに乗ったんだから!」バーン

 

まほ「な、なんだって!?こ、高校生なのにか!?」

 

カチューシャ「そうよ!」バーン

 

まほ「ま、まさか一人で・・・!?」

 

カチューシャ「安心しなさい。いくら私が勇敢でもそんな無茶はしないわ。ノンナと一緒に乗ったのよ」

 

まほ「・・・そうか・・・良かった・・・・・・だがいくら二人でとはいえ、タクシーとは・・・すごいなカチューシャ」

 

カチューシャ「あなたもなかなかよマホーシャ。さすがね」

 

 ノンナ「私達の隊長は素晴らしい隊長ですねエリカさん」

 

 エリカ「ええ、まったく」

 

 

クラーラ「ザンヌイユ ヨーガリー ヒーガリー」スッ

 

ノンナ「みなさん、クラーラが瓶のプリンを買ってきてくれましたよ」

 

カチューシャ「日本語で話しなさいよ!」

 

エリカ「しかもそれロシア語どころか沖縄弁でしょ」

 

まほ「瓶に入ったプリンか・・・高級そうだな」

 

カチューシャ「濃厚でと~ってもおいしいんだから!」パクリンチョ!

 

エリカ「どれ・・・!ほんと、おいしい」

 

まほ「なんやかんやでけっこうたくさん食べてるんじゃないか私達」

 

カチューシャ「ふわぁ~・・・お腹いっぱいになったらなんだか眠くなってきちゃった。寝てもいい?」

 

エリカ「ちょっと、まだ校外なんだから無茶言うんじゃないわよ」

 

ノンナ「カチューシャ」スッ

 

カチューシャ「ん」スッ

 

まほ「おんぶ」

 

エリカ「さすがに肩車じゃ眠れないか。にしてもいよいよもって親子みたいね」

 

クラーラ「チュチュミィ チュチュミィ」

 

ノンナ「クラーラ、それはいくら私でも少し恥ずかしいですよ」

 

エリカ「なんて言ったのかスゲー気になるじゃないの!」

 

カチューシャ「Zzz・・・かちゅーしゃはすごいんだから・・・Zzz・・・」ムニャムニャ

 

エリカ「おんぶされながら歩いてるのによく眠れるわね。図太いというのかなんというか」

 

ノンナ「カチューシャは何ごとにも動じないのです」

 

まほ「おや、カチューシャの口元にさっきのプリンがついてるぞ」スッ

 

カチューシャ「はも」カプッ

 

まほ「わ」

 

エリカ「!!?」ピシャーン!

 

ノンナ「!!!」ピシャーン!

 

まほ「指を噛まれた」

 

エリカ「ななななななんてことを!隊長の指に!」

 

カチューシャ「はむはむ」アムアム

 

ノンナ「いってるッ・・・いってる・・・ッ!」カァッ!

 

クラーラ「メッチャンコオソギャー!」

 

まほ「みんな落ち着け」

 

 

 ・ ・ ・ ・ ・ ・

 

まほ「なんとか学校に戻ってこれたな」

 

エリカ「隊長、このお寝坊さんをどうやって懲らしめますか?隊長の指をくわえるなんて・・・しかも生で」

 

まほ「私は平気だ。八重歯が当たって少しだけ痛かったがな」

 

エリカ「隊長がそう言うなら・・・あ、じゃあ私もひと噛みいかせてもらっていいですか」

 

ノンナ「まほさん、カチューシャに噛んでもらった感想を是非詳しくお聞かせてくれませんか」

 

クラーラ「ニャガニャガ」

 

まほ「いや、感想と言われてもな・・・」

 

エリカ「はいはい、その辺にしておいて。もうこんな時間よ。明日も戦車道の練習あるんでしょ?今日は解散にしましょう」

 

ノンナ「私もカチューシャに噛んでもらいたい(では、また明日)」ペコ

 

クラーラ「ヘノツッパリハイランデスヨ」ペコ

 

エリカ「心の声と声音が逆になってるわよ」

 

まほ「やれやれ、アンツィオ、知波単、継続と色んな学校を見てきたが、プラウダもなかなか癖が強いな。戦車道では強豪なのに、戦車から降りるとどこか間が抜けている子達だ」

 

エリカ「まったくですね。ポンコツどもが。で、隊長、指いかせてもらっていいですか」

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