魔法科高校の劣等生~フローラの煌き~   作:春薪 琴音

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ついにやってしまいましたww
魔法科高校の劣等生にはまり、勢いで始めました・・・・
ゆっくり不定期ですが、がんばって連載していきたいと思います。
生暖かい目で見守ってください!
それでは、どうぞ~


原作前~
第一話


母が亡くなった。

 

物心着いた時には、母と二人暮らしだった。

父親の顔は見たことがなく、一度だけ父のことを聞いてみたがその時の母の顔を見てもう二度と聞かないようにしようと小さい子供ながら思ったのを覚えている。

二人での生活は決して豊かとは言えなかったが、それでも優しい母親と一緒にいられるだけでとても幸せだった。

 

しかし、ほぼ休みなしで働いていたことによる疲労が元々弱かった身体に負担をかけたのか、倒れ、そのまま儚くなってしまった。

楓、7歳のことであった。

母親が生前親切にしてくれた人たちのおかげで簡単な葬式を済ませたその日、楓は仏壇の前でぼおっとしていた。

 

「お前が楓か。」

「・・・・」

 

楓の後ろにはいつの間に部屋に入ってきたのか、一人の男が立っていた。

ぼおっとしていた楓は全く気付かなかったようで、声をかけられて初めて存在に気づいた。

虚ろな瞳で振り返ると、そこにいた男は一度も見たことがなかった。

恰幅のよい身体にきっちりと仕立てられたスーツを身につけており、身分が高そうなのがわかる。

あまり特徴的な顔ではないが、その瞳は権力者がもちえる鋭さがある。

いつまでたっても言葉を発しない楓にいらだったのか、男は眉間にしわを寄せる。

 

「可愛くない子供だ。まぁ、いい。お前は私が引き取ることになった。」

 

楓に了承を取るでもなくそう言い放つと、同じくいつの間にかいた黒服の男たちに部屋から連れ出されたのだった。

外に出ると、そこには黒塗りの高級車が止められていた。

男たちに連れ出された楓は、そのまま流れるように車に乗せられてしまう。

中も見た目に違わず高級な作りになっており、楓の前に先程の男が座っている。

 

「いいか、これからいく場所でお前は暮すことになる。そこの人間には絶対に逆らうな。」

 

どこにいくのか、なぜそんなことをいうのか、そして結局男は楓の何なのか。

男は全く説明しないが、楓にはこれから行く場所が自分にとっていい所でないことを感じ取っていた。

そして、おそらく・・・・・この男が、自分の父親なのだということも。

 

 

 

***

 

 

 

 

無言のままどれくらい車で走ったのか、正確な時間はわからないが男と二人きりでいるのが苦痛だと感じるくらいには揺られていただろう。

ここがどこなのか皆目検討もつかない楓を放置したまま、車は突然止まった。

 

「降りろ」

 

一言、そう言った男に楓は逆らうことなく降りた。

山奥だろうか、見渡す限り目の前の大きな建物以外に住宅などの建設物は見受けられない。

周りには木々が生い茂っていて、まるで目の前の建物を何かから隠そうとしているように見えた。

そのまま男に連れられ指紋認証、声センサー認証という厳重なセキュリティーののち建物に入り、奥へと進んでいく。

代わり映えのしない建物内の構造に、恐らくもう入り口へは一人で帰れないと思えた頃、男はある部屋の扉の前で足を止めた。

 

「入りなさい。」

「・・・失礼します。」

 

扉の前から女性の声が聞こえてくると、自分への尊大な態度が嘘のように相手を窺うような低い姿勢の口調で男が声をかけて中へと入る。

扉の先には女性が二人、警護をしているのであろう男が数人、そして楓と同じ年頃と思われる少年が一人いた。

男はぐいっと楓の腕を引っ張り、一番奥で座っている女性二人の前に立たせた。

 

「・・・この子が?」

「はい、私の娘の楓です。」

 

女性の質問に返した言葉で、やはり思っていた通りこの男が自分の父親なのだと理解した。

理解した上でもう一度男、父親の顔を見たがその顔に自分との類似点はあまり見つけ出せない。

そして、やはり楓には初めて会った父親に対する何らかの感情を浮かべることが出来なかった。

今まで自分や母親を放っておいたことや、母親の死について怒りや憤りを感じるかとも思ったが、それもなかった。

いや、恐らく楓は男に何も期待することが出来なかったのだろう。

だからこそ、怒りもなくただ無関心になったのだ。

 

「先日、これの母親が死んだ際、力の発露があったようです。」

「そう・・・」

「末端とはいえ血を引いておりますし、何かお役に立てればと思いまして・・・」

 

呆然と男について考えている間にも、男は楓にはよくわからない会話をしていたようだった。

それでも言葉の端々から理解するに、楓には何らかの力があり、それが彼女たちに利用されようとしている。

つまり、楓は初めて会った父親に会ったその日に売られようとしているのだ。

だが、それをうっすらと理解しても楓には怒りが起こらない。

この男と一緒にいないですむならそれでいいとさえ思ってしまうくらいだった。

 

「では、その娘はこちらで使わせてもらいます。」

「はい、どうぞご自由にお使いください。」

 

どうやら男と女性の間で取引が終了していたようで、男は楓に「粗相のないように」とだけ言い残し部屋から退出していった。

残された楓は目の前の女性をじっと見つめる。

しかしその女性たちにもあまり楓への興味がないのか、特に視線を合わせることなく近くに立っていた少年へと声をかけた。

 

「達也、今日からこの娘が実験に加わります。」

「はい、わかりました。」

 

女性の言葉に無感動に、堅く畏まった返事をする少年は頭を下げて感情の籠もらない目で楓を見つめた。

これが、司波達也との出会いだった。

 

 

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