魔法科高校の劣等生~フローラの煌き~   作:春薪 琴音

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当初から書きたかった女性陣によるガールズトーク(笑
こういう番外ものもネタが思いついたら書いていきたいです。


番外編 女子会

「ふふふっ、今日は色々聞かせてもらうわよ楓!」

 

エリカは身体を乗り出して、目の前に座っている楓に詰め寄っていった。

今現在、いつもの喫茶店にエリカ・雫・ほのか・楓・美月が集まっていた。

今日は達也が風紀委員会、深雪が生徒会の仕事で一緒に帰れないということだったからだ。

レオは図太い神経で一緒に帰ろうとしていたのだが、エリカに「邪魔!」の一言で肩を落として一人で帰っていた。

 

さて、何故こんなにもエリカが好奇心を隠さないわくわくを表情に浮かべているのかというと、ずっと聞きたかったことを聞けるからだった。

いつもは基本的に達也が一緒にいるし、女性だけになったとしても深雪がいるので聞きにくかったのだ。

達也と深雪がいて聞きにくいことと言えば、もちろん。

 

「今日は、楓と達也君のこと色々教えてもらうんだから!」

「すごく気になる。」

「エリカちゃん、そんなはっきりと・・・」

「~~~っ」

 

いつも連む仲間内で唯一のカップルである達也と楓のことを、根ほり葉ほり聞きたかったのだ。

雫は同じように好奇心が隠せない表情でこくりと頷き、美月はエリカを宥めようと慌てている。

ほのかは何を想像しているのか、話す前から恥ずかしそうに顔を真っ赤にしている。

楓もいつかは聞かれるだろうと思っていたので、苦笑しながらも気を使ってくれる美月に大丈夫だからと答える。

 

「んじゃ、まずは二人の馴れ初めから!出会いはいつなの?」

 

全員分のケーキと飲み物が届いたところで、進行役になってしまっているエリカが元気良く聞いてくる。

視線が楓に集まって、質問の答えを期待しているのがわかる。

 

「出会いは・・・七歳の時かな。」

 

母親を亡くし、顔も見たことがなかった父親に連れていかれた四葉の研究所で初めて達也に会った時のことを思い出す。

感情のない無表情で自分を見つめる達也の瞳を、楓は今でもはっきりと思い出すことができる。

状況はとにかく事実として年齢を答えると、周りは勝手に誤解してくれたようだった。

 

「じゃぁ、達也さんと楓さんは幼なじみってことですか?」

「幼なじみから恋人に、よくあるパターン。」

「素敵ですっ!」

 

間違ってはいないがよくある幼なじみとは違うのだが、と思いつつも頷く。

よくあるパターンといいつつも、雫は羨ましそうな視線を向けており、ほのかはぽおっと感動している。

 

「へぇ~。でも、恋人になったのはいつ頃?きっかけは?」

「恋人になったのは・・・十三歳くらいかな。きっかけは・・・・なんとなく自然と?」

 

恋人になったきっかけはもちろん研究の一環で身体を重ねたことであり、そこから相手への気持ちを自覚して言葉で確認したことはないがお互いを恋人と認識していた。

さすがにきっかけについて明言することは出来なかったので、曖昧にぼかして説明した。

しかし、彼女たちの興味はきっかけよりも恋人になった年齢の方だった。

 

「十三歳・・・・ってことは。」

「つき合ってもう四年くらい経つってことですね。」

「思った以上に長い・・・」

「だからあんなにも自然なんですね!」

 

言われれば確かにつき合い始めたのも早いし、今の年齢を考えれば長いつき合いであることは間違いなかった。

四人は最近つき合ったようには感じていなかったが、それでも1・2年くらいのつき合いだと思っていたようだ。

しかし、ほのかは年数に納得したのか羨望の眼差しを向けている。

 

確かに達也と楓の雰囲気は独特というか、特別な関係であることは言葉の端々から感じるのだが高校生にありがちな接点の多いべたべたとした行動がなかったのだ。

自然と寄り添っているし、当たり前のようにお互いを尊重しているのが雰囲気でわかった。

甘いわけでもないのに二人が思い合っているのがよくわかるのだ。

その理由が少し垣間見えた気がして、四人はそれぞれに納得して頷いている。

 

「でもさぁ、ちょっと想像つかないよね。」

「何が?」

「ん~、雫は想像つく?達也君が欲情する姿。」

「「ぶふぅ~~」」

 

突然の爆弾発言に、美月とほのかは口に含んでいた飲み物を行儀悪く吹き出してしまった。

げほげほと気管に入ったのか苦しそうにせき込みながら、涙目で爆弾発言をしたエリカを睨みつける。

 

「だって、あの達也君だよ?」

「・・・・確かに。想像つかないかも。」

「でっしょ?で、実際どうなのさ楓。」

 

睨みつけられているのを無視して、エリカと雫は会話を続ける。

同じ年の男子高校生と言えば、思春期真っ盛りで女性の身体や行為に興味深々なのが当たり前だ。

女の子も身体が出来始めているので、そういうことに敏感になっている。

特にここにいるメンバーは控えめにみても美少女であり、美月やほのかは身体的にもとても魅力的と言えた。

レオはそんなことはないが、他の男子がそんな視線を向けてくるのを感じるのは数えきれないくらいある。

 

だが、その中で達也は特別な存在だった。

向けられる視線にいやらしさは欠片もなく、むしろ真っ直ぐに自分という人間を見定め判断してくれる純粋なものだった。

だからこそここにいる全員が達也を信頼し、そばにいるに値する人間だと判断したのだ。

その彼に恋人がいると言われ驚いたのは当たり前で、恋人がいて長いつき合いとなればその疑問も浮かんでしまう。

 

「どうと言われても・・・・達也も普通に男の人だよ?」

 

聞かれて、楓はそう答えるしかなかった。

強い感情を失っていた頃ならばいざ知らず、今は普通の男子高校生と変わらない衝動を持っている。

もちろん普段は抑制しているというか、体質的に平静でいることが多い。

その方が冷静な判断が出来るし、人間関係もスムーズに行えるからだ。

だが、周りにいるのが深雪と楓だけならその抑制もあまり行っていないので表情も豊かだし、楓への欲情も当たり前のようにしている。

 

「ってことは、やっぱり・・・・」

「恋人同士なら行為も当たり前。」

「あわわわわっ」

「ひゃぁああ~」

 

にやにやと笑うエリカ、無表情ながらも少し目元を染めた雫、動揺しておろおろする美月、許容量を超えたほのかは真赤になって湯気を出している。

四人の脳内ではそれぞれに達也と楓が見つめあって抱きしめ合う姿や、あられもない姿で睦み合っている姿が想像されているのがわかって楓は苦笑する。

普通に男の人と変わらない、と楓は言ったがそこも半分は嘘だった。

確かに普通に欲情しているのは事実だが、普通の恋人同士がほぼ毎日のように行為をしているとは思っていなかったからだ。

研究の名残とはいえ、二人はほとんど毎日身体を重ねるし、しない時でも生まれたままの姿で同じベッドで就寝している。

もしこれを話せば、四人の表情がどうなるかなど想像に堅くない。

悪い意味ではなく、からかうという意味でだ。

 

「そっかぁ。やっぱり達也君も男の子なんだね~」

「経験豊富な楓に色々教えてもらいたい。」

「え、エリカちゃん!雫ちゃん!」

「はわわ~」

 

まだまだ明るい夕方の喫茶店の隅で、女子高生五人による猥談が行われたのだった。

もちろんその後、喫茶店に迎えに深雪と達也が現れ、達也が女子四人に生ぬるい目で見られたことは明記しておく。

 

 

END

 

 

 




次から九校戦です!
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