ゴールドプラチナムを攻略する方法 作:XX(旧山川海のすけ)
スペースマフィアの秘密基地。
会議室。
そこで私は最初にこう発言した。
「いい加減、ゴルプラ問題に対するまともな対策を立てるべきだ」
我々スペースマフィアの地球侵略の最大の障害……ブルースワット。
目下我々は、そのブルースワットのメンバーのひとり、鳴海翔が「許さねえと発言すると負けてしまう」問題に直面していた。
別名、ゴルプラ問題。
あの男が我々に「許さねえ」と発言すると、ゴールドプラチナムという存在が助っ人に参上。
瞬く間に我々を殲滅し、それだけではなく最近では翔に武装まで与えるようになった。
しかも。
まったくもってそれが手が付けられない代物で。
まさにチート武装。
……恥ずかしく無いのか。
子供の喧嘩に親が出てくるみたいじゃないか。
お前は小学校でそういうの、みっともないと学ばなかったんですか!?
ここは親の出てくる幕ではないでしょ!
でも、そんなことを指摘してキーキー言ってても仕方ないので
会議せざるを得ない。
「なんとか、ヤツに許さねえと言わせず作戦行動を完遂できないものか」
私のそんな発言に
「しかしですね」
会議のメンバーのエイリアンが手を上げた。
発言は許可を取ってからしろ。
そう思ったが、積極的な発言はむしろ歓迎すべき。
私は不問に伏した。
「発言してみなさい」
私のその言葉に、そのエイリアンは
「我々の目的は地球侵略です。その過程を奴らが観察したら、出てくる言葉はどうしても「許さねえ」では無いでしょうか?」
ふむ……一理あるな。
静まり返る場。
しかしそこに
「ならば……それだったら、謝りながら作戦をしてみてはどうでしょう?」
地球の文化では、謝っている人を許さないのは「男の器が小さい」「キモイ」という文化があるそうです。
一度試してみては?
彼のそんな意見に、別の意見がついた
「……本当にすまないと思っているのなら、焼けた鉄板の上でも土下座できるはずだ、という文化もある」
やつらがそちらの文化を採用して、口だけの謝罪を否定するかもしれん。
地球の文化を甘く見るなよ。
……なるほど。
私は彼らの高度な意見に唸らざるを得なかった。
私の提案に、ここまでの優れた意見を出して来るとは……
なんと、積極的で真面目な構成員なのか。
キミたちは我が組織の宝だ!
私は思わず泣きそうになった。
最後に泣いたのはいつだったろうか……?
そう、想いを馳せる私に
「あの……」
おずおずと、手を上げる者がいた。
それは……普段は気は小さいが、頭が恐ろしくキレる構成員。
名前は……ええと、なんだったかな?
まあいいか。
「発言を許可する」
私は彼の意見を聞いた。
「ブルースワットの鳴海翔さんですか?」
彼はとある地球人男性にインヴェードし、ロードワーク中のブルースワット隊員・鳴海翔に声を掛けた。
鳴海翔……細身の体に、まるで刀のように研ぎ澄まされた戦士の筋肉が乗った男。
そして……我々スペースマフィアの最大の敵。
「……アンタ誰?」
翔は戸惑っている。
秘密の活動をしている自分に、声を掛けてくるものがいるなんて。
そこに違和感を感じたのだろうか?
……単細胞のくせに、勘が良いな。
むかつくわー。
だが
「……黙って、この手紙を読んでいただけないでしょうか?」
そう、彼は泣きながら言った。
すると翔は、手紙くらいなら良いかとそれを受け取り。
読んだ。
そして……
わなわなと震えだし。
こう言った。
「許さねえ……許さねえ!」
翌日の新聞は見ものだった。
『専業主婦、突如宇宙からやってきた謎の生物に白昼堂々光線で焼殺される』
大笑い。
会議での彼の発言はこうだった。
「日本は、連中の言う正義を守るという観点からすると、歪な法体系をしており、醜い犯罪を犯した人間に相応しい裁きを与えない事例があまりにも多いです。そこを突きます」
彼は渡したのだ。こういう手紙を。
『私の専業主婦をしている妻が不倫をして、離婚になりました。不倫の発覚は、托卵です。10年育てて来た1人娘が、間男の子供だったんです。それだけでもショックなのに、私はそんな他人の子供に養育費を払わなければならんのです。しかも、慰謝料まで要求されました。助けて下さい』
これを読んだら翔はどうするか……?
そしたら、予想通りの反応を返してくれた。
ここで「そんなの弁護士に相談してくれ」とか「不倫されたのに慰謝料っておかしくないか?」みたいな、IQの高い返答が出ないのがヤツだ。
……今、ヤツは自分の不用意な発言で、地球人を殺してしまったことを後悔している。
もう、立ち直れまい。
これでもう、私たちの勝ちだな!
ブルースワットが嫌いでは無いんですよ。
子供向けという観点からすると、色々問題は多い作品だとは思うんですが。