キャラメーカーにて作成
【挿絵表示】
【挿絵表示】
the Transmigration
母さんの出自を聞いた瞬間、前世の記憶を思い出した。俗に言うトラ転と言うものだ。同時に、前世で死んだ後に謎の空間で変なやつに会ったことも思い出した。青白い肌と白い目をしていた。ついでに角が生えていた。お前はいったい何鬼なのかと。普通ここは神じゃないのか。ちょっときもいし。まぁそれはどうでもいいや。
今居るこの世界が、前世で大人気だった忍者漫画NARUTOの世界であると言うことも理解した。まぁその漫画は一通り読んだは良いものの、長すぎて途中からは惰性で読んでたからあんまり覚えてないんだが。仕方ないだろ。俺が1巻を読み始めたころにはもう主人公には息子ができてたんだから。
謎の空間にてそいつは言った。お前はこれからこの世界に生れ落ちる。力が欲しいか、と。
俺は言った。くれ、と。
そいつは困惑していた。もっと遠慮とか謙虚さとか無いのかと。
俺は言った。早よくれ、と。
ぶっちゃけ前世にそこまで未練は無いし、途中まではしっかりと読んでいたNARUTOの世界に行けるのなら是非も無し。死なない程度に強い能力を貰って、忍者として適当に生きて適当に活躍してできれば今度こそ老衰で死にたいかなって。そんな感じー。うん、おk?みたいな。
そいつは頷いた。頬には一筋の汗が輝いていた。思ってたんと違う、とかそんな感じだろうか。俺がお前の思い通りに動くと思うなよ、角親父。
力の内容は詳しくは言えないらしかったが、天才と称せる程の忍者としての才能を与えるとのことだった。それと多量のチャクラ。忘れちゃいけない幸運の加護。
十分やで。あざまる水産うれピーチって言ったら引かれつつも、お前を遠い場所から見守っていると励まされた。ありがとな、角親父。ところでなんで白目してんの?って聞いたらうーん、とうなって居た。おなか痛いんかな。
この時の俺は全く気付かなかったが、後に後悔することになる。NARUTOの世界で死なない程度の強さと言うのがどれほどのものなのか知らなかったから。少し考えれば忍者の世界がいかに過酷で厳しいものなのかわかりそうなものだが、トラ転チートで俺TUEEEEだぜ!とか浮かれていたのだ。
そんなこんなで俺は転生しこの世界に生まれ、3年の時を経て前世の記憶を思い出し今に至る。
「モモ、大丈夫?」
双子の兄が俺を心配そうに見ている。むっちゃ可愛い幼児だなおい。ってかこの子さぁ…。俺のこのポジション思いっきり原作介入しない?むしろ既に壊してない?クラッシャー俺。って思ったが考えたって仕方ないからいいや。めんどくせぇ。
そもそもここは木ノ葉隠れの里でもないから死亡率的に言えば比較的高いと言える。とりあえず、目的は木の葉の里に入ることかな。その後は木の葉の忍者として当初の予定通り適当に生きて適当に老後生活を送ろう。そうしよう、よし決めた。
「あ、うん。平気平気。バク転も余裕。」
「バク転ってなぁに?」
傍から見れば俺はあまりにボーッとしていたらしい。舌っ足らずな言葉で俺に話しかける片割れことハクに庇護欲をくすぐられた。俺の兄さんが超可愛い件。護ってやりてぇ…。
そう、原作では波の国編に強敵ライバルとして出てくる美少年のハクである。ナルト曰く、サクラちゃんより可愛いらしい。俺的には世界一可愛いと思う。今も昔もこれからも。異論反論は受け付けるが受け入れるとは言ってない。
もう本当に上目遣いで心配してくるハクの可愛さis何って感じ。俺はショタコンじゃないんだがこれはまじで顔面偏差値パないと思う。冗談抜きで。幼児でこの破壊力なら成長したらどうなるのか。これで男ってま?ロリっ子ショタなのどっちなの?
この黒髪のキューティクルとかもさぁ、少しくらい俺にも分けてくれよ。こちとら猫っ毛白髪で毎朝苦労してんだぜ。
「はぁ~、人生って理不尽だよな」
「ボサボサで放置してるくせに」
うるせぇ寒空の静電気舐めんなよ。え?色は関係ない?確かに。3歳に論破されたタヒにそう。絶対ぇ意地でも生きるけどな。
そんで母さんに忍者の一族であることをカミングアウトされたんだが、忍術のこととか一族のこととかは父さんには内緒らしい。忍術が使えるのはまぁバレても問題は無いんだけど、母さんの一族が特殊らしく、それがバレるのは絶対にダメとのこと。
「2人とも、分かった?」
「うん、分かったよ母さん」
「おけー」
理由はよく分からんが分かった。俺たち3歳まだ子ども。だけど秘密は守るぜ忍者だしな。
「僕たち、
「どうだろ。父さんには内緒らしいし、そん時の成り行きに任せるしかないって感じだよな。何にせよまだ数年ある」
「そうだね、今のうちに修行しておこう」
3歳児と話しが合ってて草。達観し過ぎてない?そんな所も好きだけどさ。
俺的にはアカデミーに入る年齢までには里を抜けたいと思ってるがね。それまでに何としてでもあの人を見つけないと。何故かと言うと、ここは木の葉隠れの里ではなく霧隠れの里。つまり血霧の里。もう後はわかったな?
頼むから仕事してくれよ、幸運の加護。
&&&
修行を始めて数日。見目麗しい兄さんことハクは顔も頭も抜群に良いのだが、忍者としての才能も溢れていたらしい。それはもうドバドバと。角親父のお墨付きである俺以上に。そんなことある?あの親父、俺をだましたのか。それともハクが凄いだけか。後者だな。
「えっと、印はこうで...水遁 水手裏剣の術!」
早速水の手裏剣を生み出している。すんげぇな。え、俺と同じ転生者じゃないはずなのに半端ねぇ。負けてらんねぇ。俺も強くならんと。死にたくないし、ハクを死なせたくもないし。
つか俺もあんな風にやりてぇ。やりてぇんだけど、うんともすんとも言わねぇんだよなこれが。天才ちゃうんか。まずチャクラってのがよくわからんのじゃが。
「なぁハク、チャクラってどんなんなの?感じとれんのやが」
「え?うーん。なんとなく、身体の中にひんやりとエネルギーみたいなものを感じるんだ」
「ふーん」
コツを聞いたら、冷たいものらしい。冷たいの?普通そこ暖かいんじゃないの?って思ったけど俺らの一族のこと思い出して納得。
冷たいエネルギーっつってもなぁ。身体の中に流れてるもんなんて血液くらいしか...血液?あ、なるほど。確かチャクラって経絡系?とか言う管を通って全身を巡ってるんだっけ。そんじゃ、経絡系を血管、チャクラを血液としてイメージしたら…。
「あ、わかったかも。冷たいし、なんかずっしり重い感じだな」
イメージ大事。ヒンヤリしてて鈍くて重い感じのエネルギー、感じ取れたぜチャクラちゃん。なんか思ってた感覚と違うけど...まぁ良いこれでハクにも勝つる!
あっハクが火吹いてる...。あったけぇ。
&&&
ある日の夜遅くのこと。記憶が戻ってから初めて父親が帰ってきたと思ったら、明らかに酔っ払っててフラフラしてる。こんな夜中にうるせぇ声で叫ぶしこいつ頭大丈夫か?
「邪魔だァ!こんなとこで寝てんじゃねぇ!」
「うぐっ!?」
いきなり胸ぐら掴み挙げられてぶん殴られて吹っ飛んだ。クソいてぇ…ってか、はぁ?え、今殴られたよな?どういうこと?まさかこいつDV野郎か。
「ハクっ!やめろよおいっ!」
「うるせぇぇ!」
呆然としてたら、ハクも殴られそうになってたから死にものぐるいで足にしがみついた。どれだけ達観してて頭が良いハクでも3歳の子どもなのだ。中身大人の俺と違って、本物の3歳児に暴力なんて許されるわけねぇだろ。
「モモ!止めてよ父さん!!」
「あなた止めてっ!!」
「だまれぇ!」
俺の白くて長い髪を引っ掴まれて蹴られた。うげぇっ。咳き込んでたらまた蹴り飛ばされて薄い壁に激突。ヤバすぎ死にそう。結局兄さんも母さんも殴られてるし。吹っ飛ばされた俺よりはマシで良かった、なんて言える訳無いだろ。
裕福とは言えない、むしろ貧しい我が家にあったなけなしの金をふんだくってあいつはまた出ていった。
「ぅう...い、痛いよ。モモ、母さん」
「おいで2人とも。大丈夫、大丈夫よ」
ハクはうずくまって震えていた。母さんが俺たちを抱きしめてあやしてくれてる。けどその母さんも背中を蹴られていた。母さんだって痛いし、自分より大きなやつから襲われて怖かったはずだ。
許さねぇ。いつか絶対に痛い目見せてやる。あのDVクソ野郎はあまり家に帰ってこないから、忍術の修行がバレる心配が無いのはせめてもの救いだった。
角親父に物申したい。見守っているとは。幸運の加護とは。
&&&
修行を始めて数週間が経った頃、ハクの性質変化が判明した。水、風、土、火らしい。基本五大性質変化と呼ばれる五つの内、四つの性質変化を持っている。この3歳児、強くね?
俺はまだ性質変化とか分からん。とりあえずチャクラの形を変えたりして色々と実験と言う名の遊びをしてるだけ。まずはこのチャクラへの理解を深めたい。前世にはなかった摩訶不思議物質だ。おもろい。
ところで母さんから一族のことを聞いたから、俺たち双子は雪一族と言う血継限界を持つ特殊な一族の出であることはもうわかっている。つまり、俺にもハクにも血継限界があるはずなんだが一向に使える素振りが見えない。
まぁ俺はまだ性質知らんから良いんだが…どゆこと?とか思ってたらいつの間にかハクは氷を作っていたよ。マジかよ兄ちゃん。最愛の兄からの唐突の裏切り。写輪眼開眼も辞さないぜ。本当にどういうことだってばよ。
「ちょ、ハク?なんで氷なんて出せるんだ?俺も出したい!」
「母さんに貰った巻物を読んだから。モモにはまだ早いんだって」
何も書かれてなかった巻物に血を垂らすと文字が書かれてなんやかんやで使えるようになったと。え、その巻物見せてもらっても良いですかねお兄様。草履の裏でも何でも舐めますんでへぇへぇ。
ドン引きした目で見られてたってへっちゃらだもんね。氷と言うめちゃロマンあふれる血継限界を前にした俺の雑草根性を舐めるなよ。いや舐めるのは俺のほうか。ほれ足上げてみそ?あっ、逃げられた。
ハクから受け取った巻物には何も見えないし何も書いてなかった。
「書いてないじゃんハク嘘ついたの!?」
「ちゃんと書いてあるよ。僕には見えてるもん」
「なん…だと…!?」
嘘やろ工藤。そんな馬鹿な、俺には氷遁使えねぇってのかよそりゃないぜ。