「ハク、ちょっと相談なんだけど」
「モモが僕に相談なんて珍しいね、どうしたの?」
例の螺旋丸についてどうしても行き詰った俺は、ハクに相談してみることにした。もう精神年齢とか関係無しに俺はハクを頼りにしてる。だってめっちゃ頭良いんだもん。神はハクにいくつの才能を与えるのか。忍術だろ、頭の良さに顔の良さ。そして弟の相談もいやな顔ひとつせずに聞いてくれる懐の深さ。そう言うところが大好きだぜ、お兄ちゃん。
「この前でっけぇ魚を2人で仕留めただろ?あの時に俺が使った忍術、螺旋丸についてなんだけどさ」
「あぁ、あの白く光ってたやつ。螺旋丸って言うんだね」
「おう。あれなんだけどさー、俺のイメージだと敵を吹っ飛ばした後に消えるんだよな。んでも消えねぇの。なんでだと思う?」
「今できる?」
モチのロンだぜ。チャクラを練り、手のひらに集め、圧縮、圧縮、圧縮。更にこいつを螺旋状に回転させて…っと!
「螺旋丸っと」
「…、これは」
じーっと俺の手のひらにある白玉螺旋丸を見つめてるハク。一呼吸おいて、一言。
「なるほどね。
うぉぉい、かっけぇな。なんだよなんだよ、もう覚えちゃったのかよ流石ハクだな~!やっべ、誰かの口からこのセリフ聞くとめっちゃ嬉しいわ。
「わかったのか?」
「うん。力みすぎって感じかな。つまり圧縮し過ぎ。」
「圧縮し過ぎ…ってことは力を抜けば良いってことか?」
そんなことあるのか。んでも、原作だと結構この圧縮に苦戦してた筈なんだけどな。
「力を抜く…あっ、できたわ」
「イメージ通り?」
「うん、これだ。これがやりたかったんだ。ありがとハク」
「どういたしまして」
コペルニクス的転回。
螺旋丸とは、チャクラの形態変化のみを究極的に突き詰めたもの。チャクラを螺旋回転させつつ球状に圧縮し留めきることで発動する印を必要としない忍術。
この圧縮と言うがミソだった。
俺は今まで、チャクラの圧縮というものには割とこだわりを持って修行していた。力の限り、限界の限界まで小さくすることを意識して。
原作でも螺旋丸の会得難易度はAランクとか相当高レベルな技だった筈だから、もっと習得には苦労すると踏んでいたのだが。俺のチャクラコントロール技術は思ってたよりも高いらしい。このレベルの圧縮は必要ないみたいだ。なるほどな。
「ってことは俺が今まで螺旋丸だと思ってたやつは、強度的に言えばもっと上なんだな。」
「そうみたいだね。ちなみにそれって飛ばせたりするの?できるなら空に向かってやってみてくれない?」
「おー、いけんじゃね?よっしゃ。やってみるか」
限界まで圧縮、からの投擲!
ヒュゴォォッ!!!
あれ、なんか思った以上に勢い強くね?投擲したはずなのに弾丸みたいに飛んで行ってるんやが。もはや投擲じゃなくて発射とか掃射って感じだ。
あ、雲消し飛んだ。
「「…」」
やべぇなこの技。名付けるならそう、『螺旋弾』って感じだ。俺は螺旋丸と螺旋弾を習得した。わはは。
雲が消しとんだのは恐らく、発射させたことで限界圧縮が解けてエネルギーが膨張し拡散されたって感じだろう。雲の高さから計算して、障害物がない場合は距離にしておよそ2~3km程度って所か。超遠距離忍術として覚えとこう。
「ねぇモモ。僕もモモみたいにチャクラを圧縮させようとしてるんだけど、うまくいかないんだ。どうしたらできる?」
「ん~」
圧縮のコツか、つってもなぁ。割と最初からできたから人に教えるほど理解できているか微妙なんだが。
「まぁ、やっぱイメージだよな。大事なのって」
「イメージ?どんな?」
「水の状態変化を例にしてみるか。氷って熱したら水になるし、もっといくと水蒸気になるだろ?」
こくり、と頷くハク。おお、なんか教師になった気分だぜ。こんな簡単なことしか教えられない教師なんていてたまるかって感じだけどな。
「これって、水とか氷を構成する物質同士の距離がだんだん離れていくからなんだよ。だから逆に水蒸気が集まれば水になるし、もっとギュッと距離が縮まれば氷になる。んで、ギュッと縮まってる距離を更に更に縮めることによって氷の強度は上がる、みたいな感じ。」
伝わったかな?
「わかった、やってみる」
お~頑張れ。また何かあったら呼んでちょ。俺もまた何かあれば呼ぶからさ。
さてチャクラコントロールの修行は割と順調に進んだ。形態変化も中々のものだろう。
球状ができたんだから、俺のイメージだと貫通力を極めた円錐型の螺旋丸、名付けて『螺旋錐』と『螺旋錐弾』とかもできそうな感じだし。貫通力が高すぎる可能性があるが、大勢の敵に対しては有効だろう。
とまあこんな感じで、チャクラコントロールの修行は一旦終了かな。
次からはついに性質変化の修行だ。やっとだな、やっふ~!
&&&
「水遁
「風遁
「雷遁
「土遁
忍術の修行を始めてから数ヶ月が経った。いや修行が楽しくってつい。こりゃ男のロマンだな。やればやるだけ出来るようになるこの肉体スペックにも感謝しかない。
確認してみたところ、俺は火遁以外の全ての性質変化を使用できた。その中でもやはりと言うべきか、水と風の適性が高い。次に雷、そして土だ。ちなみに俺の雷についての忍術は前世の記憶を総動員して開発している。漫画知識も科学知識もな!
忍術の修行と言えばもちろん影分身という事で使えるようになった。現時点で30体くらいは出せるらしい。今も影分身同士で忍術合戦させてる。
忍術の印は母さんに一通り教えて貰った。チャクラを練り、印を結んで発動。教わったものは全部できた。母さんは雷遁の適性は無いからあんまり術は知らないらしいので、そこは手探りだった。まぁ雷遁はもともと俺も前世の科学知識とか、漫画の技とか参考にして開発する予定だったから全然問題なかったんだがな!俺の知識を総動員して、いくつか術を開発済みだ。これからも実験あるのみだぜ。
そして今日、母さんから巻物を渡された。成長してから渡すつもりだったが、思った以上に成長が早くて驚いたらしい。
「双子そろって忍者の才能があるなんて、そんなところも仲良しね」
その言葉は素直に嬉しいが母さんのお世辞が身に染みるぜ。だってハクはとっくにこの巻物貰ってもう立派に氷遁使いなんだよな。俺よりかなり才能あるお兄ちゃんがいて頼もしいやら情けないやら。まぁ尊敬の念が強い。だってハク、いっつも夜遅くまで忍術の修行してるんだぜ。才能以上に努力してる姿を毎日見てるんだから、嫉妬なんて…嫉妬なんて…。全く無いとは言わないけど。
つか俺もう巻物の中身見ちゃったんだよね。氷遁使えないって分かってるから辛ぇのなんのって。と思ったけどこの巻物なんかハクのと色違くね?確かハクのやつって水色だったよな。なんか灰色みたいな感じなんだが。もしかして別物なのか?俺専用の巻物なのか?
ドキがムネムネしてる。いや、ダメだ。期待するな。裏切られた時のショックでまた数日寝込むかもしれないんだ。氷遁不適合者事件の時みたいに。
巻物が...いや、手が震えてる。小さくて白い俺の手が。そして巻物の中には。
「くっそが!!」
何も書いてない。終わった。そうだよなぁ、知ってたよ。はぁ…また寝込むぜ俺ぁ。もう今日は修行しないもんね。
なんて日だ。今日はクソ日だ。
「あーあーあー」
「なんて声出してるのさ」
相当酷い顔をしていたんだろう。ハクが修行を止めてこちらに来た。
「ハクー、俺はこれからもハクの劣化版として生きていくよ。雷遁が必要な時は呼んでくれよな」
「何言ってるの」
雷遁ってか電気があると色々と使い道が豊富だから、これからもちゃんと鍛えとくからよ~。ついでにあの角親父も呪っとくわ。幸運の加護テラワロタ。
「最初は何も書いてないんだよ、僕の時もそうだったから。血を垂らさなきゃ」
「…え?」
あ、なんか浮きでてきた。
【雪一族 銀遁の書】
幸運の加護って神だな。てかこれハクだわ。ハクこそが幸運の象徴なんだ。俺は生涯死後、片割れを心の底から大好きで居続けることを誓った。あっ、今まで通りだった。
なんて日だ。今日は良い日だ。
「やっぱり僕には見えないんだね。血を垂らした本人しか見ることができないってことか。僕の巻物とは違うみたいだけど、なんて書いてあったの?」
「銀遁の書だって。氷遁じゃないのは残念だけど、これで俺も血継限界が使える」
「どんな忍術なのか、楽しみだね。使えるようになったら僕にも見せてね」
「当たり前だろ。俺たちは双子なんだから。あ、そうだハク。お礼と言っちゃなんだけど、氷の忍術結構考えたからちょっち聞いて?」
「え、本当?」
本当だぜ。まぁ考えたって言っても前世の漫画知識なんだけど。その名も大人気死神漫画のBLEACH。氷雪系最強の斬魄刀である氷輪丸の能力だ。鳥のように氷柱を飛ばす『
後はFateの
それから俺のオリジナル、氷雨を降らせて当たった場所に華を咲かせる『
「それなら、千じゃなくて百がいい。『
「え?でもそれだと時間短くなるぜ?なんか弱くなってそうだな」
「いいんだ、百がいい。」
「そうか?まぁハクの術だから好きにしろよ」
氷ってマジで汎用性高くて格好良いし強いよなぁ。あ~羨ましいよなぁ氷遁って!それから何と言っても。
「時空凍結って可能性がある時点でもうやばいっしょ。夢あるよな~」
「時間と空間を凍らせるってこと?そんなことができるの?」
「さぁな、できるかどうかはハク次第だろ。んでも俺のイメージではもうできてる。」
「僕次第…そう。頑張ってみるよ。名前も考えてるの?」
「おー、いっくらでも思いつくぜ。でもま、それは実際にハクができてからのお楽しみだよな。」
「じゃあ出来たら見せるから、その時は名前付けてよね」
俺が付けて良いの!?うっひょー!!その時が楽しみだなぁ!!