忍界を生きる白銀兄弟   作:millseross

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White VS Silver

さて俺が母さんに貰った巻物に書かれていた銀遁なるものについて。概要は書いてあったが、肝心の忍術や必要な印はどこにも記載がなかった。どゆこと?と思ってたらこの銀遁は相当特殊らしく、自分で術を作っていけってさ。なるほど、こんなに厨二心をくすぐる血継限界だったとはな。

 

そもそも銀遁とは名の通り、銀を生み出し操作する術らしく。銀は銀でも常温時では唯一の液体金属、つまり水銀だった。なるほど、Fateって訳ね。もちろん、水銀の術なんてダサくて安直な名前は付けないぜ。前世の知識から水銀にヒットする不憫なキャラを思い出して名付けを行った。

 

使ってみましたよ。えぇ、使ってみましたとも。印は必要とせず、俺の声とチャクラに反応するように設定した。血と魂の契約を交わした術者本人、つまり俺専用の血継限界だ。嬉しい。

 

銀遁(ぎんとん) 月霊髄液(Volumen Hydrargyrum)

 

呟いた瞬間に溢れ出る銀色の液体金属。水銀、またの名を(みずがね)

 

水銀の量はチャクラの使用量に比例するらしい。流してみたらめちゃ増える。さらにこの水銀はチャクラの貯タンクとしての役割も果たすらしく、こいつを自分の身体に同化させることでチャクラを補充させることも可能だった。銀遁専用の百豪の術って訳だ。

 

当然、あらゆる形状に変形し攻撃、防御、移動、更に索敵も行えるようにする。予め行動パターンを設定しておくことで自立的な動きさえ可能とする超万能忍術を作ろう。

 

さて、術の名前と効果を考えないとなぁ。

 

そうだな、こっちの言葉を聞いても相手が理解できないように英語にするか。言葉は通じないから相手は俺が何をするのかいちいち警戒する必要が出る。解読されない限りは、いくらでも隙を作れる。

 

戦闘開始の合図に攻撃形態、防御形態。自律制御モードは人工知能みたいに戦闘含め色んな経験を学習させてやれるようにしたいから、特別な名前を決めよう。うっし、気合い入れて名付け頑張ろう。

 

攻撃形態として、あらゆる変幻自在に形を変えられるから、斬撃とか打撃とかで分けていくか。後は戦闘経験を経てどんどん学習して増えていくように設定してっと。

 

さ~、これからが大変だぞぅ。あんまり細分化してもあれだし、ある程度は意味の受け取り方に幅広さを持たせるように設定していこ。大技とかも決めたいし。

 

今夜は徹夜かな。楽しもう!

 

 

&&&

 

 

数日かけて思いつく限りの名付けを終わらせた。疲れた~。後は実践あるのみだな。

 

「あれ、今日は外に出てきたんだ。もう終わったのかな?」

 

「お~ある程度はな。後は戦闘経験を積むだけだ」

 

「そう…なら丁度いいね。僕もそろそろ対人戦闘の経験を積んでおきたいと思ってたんだ」

 

お、いいねぇ。安全には十分に注意して、かつ人に見られないように森の中でやろうと話し合った。

 

前世含めて初めての実践戦闘訓練だ。同じ水と風の性質変化ではあるが、全く別の術同士のぶつかり合い。氷結と水銀。氷遁と銀遁。白と銀。

 

まぁどっちが良いとか強いとかは無い。単純にお互いの力量を確かめるため、経験を得るための模擬戦だ。

 

「よっしゃ、んじゃ始めるか」

 

「僕はいつでも準備できてるから、モモも準備していいよ」

 

あ、そう?なら遠慮なく。

 

「銀遁 月霊髄液(Volumen Hydrargyrum)

 

戦闘開始(Activate) 自律制御モード(Mode A.F.I.M.E.)

 

「っ!?なるほど、そう言う意図があったんだね。その銀色の液体が何なのか含めて、僕は戦闘の中で言葉の解析をせざるを得ないって訳だ」

 

お~流石ハク。この厄介さに気づいたか。

 

【自律制御 Mode A.F.I.M.E.へ移行します。戦闘開始です】

 

頭の中にアファイムと名付けた存在の声が木霊する。こいつが俺の相棒だ。それじゃ、アファイム、俺たちの初陣だぜ。気合い入れていこうや。

 

【了解しました、マイ マスター】

 

「「用意、始め!」」

 

【防ぎます】

 

キィンッ!

 

「!?」

 

はぁっ!?なんだ今何をされた!?

 

【クナイで斬り付けられました。攻撃は全て防ぐように設定しておりますので、問題無しと判断します。どのように攻撃を行いますか?】

 

頼りになるぜアファイム!んじゃ手始めに。

 

(Scalp)ッ!」

 

「ぐっ!?速さには自信があったんだけどなっ!」

 

【針状の武器が投擲されようとしています】

 

(Guard)!さらに…奇襲せよ(Behind)

 

「っ甘いよモモ!」

 

【奇襲失敗。失敗した原因を模索します。速度不足です。チャクラの追加供給により問題解決が可能です】

 

「っちぃ!見てから避けてるだろ!?」

 

「さっき言ったよねっ、速さには自信があるんだ…って!」

 

【マスターを中心に円周上に針状の武器が投擲されました。防ぎます】

 

チャクラ追加だ!

 

球体(Sphere)ッ。(Whip)!」

 

「なっ!?スピードが上がった!?」

 

クッソこれも避けんのかよっ!どんだけチャクラ渡せば捕らえられるんだってぇのっ!

 

「氷遁 群鳥氷柱(ぐんちょうつらら)!」

 

うわマジかよかっけぇ!

 

【防ぎます。集中してください】

 

「ハクのせいで怒られたんだけど!!」

 

「何の話!?氷遁 氷零弾(ひょうれいだん)の術!!」

 

っマジで容赦ねぇな!!スピード特化の超高速戦闘忍者って感じ!!捕らえられなきゃどんな攻撃も意味ねぇ…どうする!?

 

多数(Multiple) / 捕らえよ(Bind) / 絶え間なく(Rush)!!」

 

「その手数ほんとに厄介っ!」

 

俺的にはそのスピードが本当に厄介だぜ!!捕らえられねぇ!!

 

【一直線に向かってきます】

 

ぶちかます!!!

 

一面(Front) / (Strike)

 

強化せよ(Trace ON)!!」

 

超巨大な打撃だ、ホームランだろっ!!

 

「氷遁 銀剛晶(ぎんごうしょう)!!」

 

…まじかよ、耐えやがった。いや、耐えたのは氷だけか。ハク自身にはダメージが入ってる。ここで畳みかけるぜ、アファイム!!

 

【了。 包囲(Siege) / (Fire) 】

 

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!

 

「…やっべぇこれやりすぎたか?」

 

【いいえ、防がれました。次の行動に移行します。】

 

「氷遁 氷晶壁(ひょうしょうへき)。」

 

ふはは、全方位一斉射撃だぞ。なんで防げるんだよ、どんな反射神経してんだクソすげぇなハク!

 

「はぁ、はぁ…。そろそろチャクラが無くなりそう…これで終わらせるっ。お返しだよっ!」

 

俺の真正面に剣や鉈、斧や鎌なんかがどんどん氷で作られていく。どんだけ天才なんだって!!この短期間で完成させてるのやばすぎだろっ!?

 

 

「氷遁 氷戟乱舞(ひょうげきらんぶ)!!!」

「銀遁 偽・王の財宝(Gate of Babylon)!!!」

 

 

&&&

 

 

「「しぬかと思った」」

 

【殺しません。殺させません。それが私の存在意義です】

 

マジで頼りにしてるぜ、アファイムさん。初陣も中々のもんだったし。一緒に強くなろうな。

 

戦闘終了(Clear)だ、A.F.I.M.E. お疲れさん」

 

【戦闘終了。Mode ECOへ移行します】

 

「それだよ、その言葉。作ったって言ってたけど、本当に…本っ当に意地が悪いというか。相当いやらしいよね、モモの戦い方って」

 

「はぁ?それはこっちのセリフだって。なんだよあの高速移動は。目に見えないのに何かを防ぐ音はする恐怖を知らんだろう。俺はさっき思い知ったぜ」

 

「そんなこと言って、僕の攻撃なんて全部防いじゃったじゃないか。まさか、こんなに通用しないなんて思わなかったよ。氷遁影分身(ひょうとんかげぶんしん)まで使ったのにさ」

 

「通用してたよ」

 

氷遁影分身なんてしてたのかよ。こちとらそんなん使われたことさえ気づいてねぇっての。なんでかって、ずっと水銀で視界を防がれてたからな。球体状に自分の周りを覆ってれば攻撃は防げるんだが、いかんせん視界が悪い。これは今後の課題だな。

 

【感知能力を向上させる、または水銀を散布することを提案します】

 

あー、なるほどね。水銀には触覚があるし触れればチャクラ感知も可能だから、それを利用して戦場に散りばめるってことか。それありだけどどれくらいの範囲できそう?

 

【供給チャクラによります】

 

だよなぁ。広範囲だとそれだけチャクラの消費量も増える。さっきの戦闘では問題なかったけど、俺は影分身なんて使ってなかったもんな。

 

普段からマジで貯めておこう、チャクラ。どんどん太れよ、アファイム。

 

【…はぁ】

 

「うーん、モモの対応力と戦闘方法の幅広さは異常だよね。あの絶対防御と銀の嵐を突破するためには、やっぱり速さだよなぁ。」

 

「あれ以上を求めるのか、恐ろしいやつめ。逆に俺はハクを捕らえるためには、ハクの思考をトレースして先読みを成功させるか、チャクラごり押しでスピードを上げるかしか思いつかん」

 

「やっぱりチャクラ結構使うんだね」

 

「使用量的には割と。俺、チャクラコントロールは結構自信あるから、そんなに効率悪い運用じゃないはずなんだがな。まぁそれは何とかなるから、マジで動体視力と思考力鍛えるしかねぇ。ま、経験あるのみだな」

 

「だね、定期的に模擬戦やろう。戦闘の勘ってやつを養うためにも。今日は一番最後に死ぬかと思ったから、そういう意味ではいい経験にはなったのかな」

 

「たしかに」

 

【先ほどの戦闘をトレースし学習しています】

 

おー、ありがてぇ。最後のハクの攻撃で多種多様な武器も見れたことだし、結構収穫あったよな。自分より早い相手との戦闘経験は豊富になりそう。アファイムは別として、俺自身がハクのスピードについていけてなかったし。

 

 

&&&

 

 

初めての模擬戦から数カ月が経った。約束通り、あれから定期的に模擬戦を行っているのだが、戦績はイーブンって感じだな。ハクの作戦とスピードに軍配が上がるときもあれば、俺の対応力が勝ってハクがチャクラ切れを起こした後で詰め将棋のように退路を塞いで勝つこともある。後は飯の時間になって引き分けたりとかな。

 

今日はハクと2人並んで外に居た。手にはそれぞれの巻物。水色と銀色。灰色と思っててすまん。よく見たら銀だったわ。銀遁だし。

 

さて何故2人して寒空の下、突っ立っているかと言うと。今から口寄せを行うからである。巻物の1番最後に口寄せの術式があったのだ。一通り巻物に書かれたことは理解して、実戦経験もそこそこ積んだ。1番最後は一緒に試そうと言う兄弟らしい試みであった。今日もハクと仲良しで嬉しい。

 

「「口寄せの術!」」

 

 

どろん

 

 

隣を見ると、めちゃでけぇシロクマが仁王立ちしてた。いや怖。クソ怖。え?ちょ、お兄ちゃん大丈夫そ?あっ、ぎゅーってしてるわ可愛い。はい可愛い。知ってた可愛い。なんか戸惑ってる感じにぎゅーってし返してるシロクマお前もかブルータス。シロなのにブルーなのか。なんだあの空間可愛いしかねぇぞ?

 

そしてもちろん俺の前にも現れた仁王立ちした銀色のめちゃでかいウサギさん。3mはあるよな?こっちもモフモフで可愛い...くは無いな。目付きやばいよなんか堅気の目じゃねぇよ。キセル咥えてっし刀傷あるし。可愛くは無いがいぶし銀って感じでめっちゃ格好良いな。

 

俺もお兄ちゃんみたいにモフりてぇから良いやいっちゃえ。えーい。

 

「もごっ」

 

おっきなおててでアイアンクローされた。なんでや。でも全然痛くないってか肉球がすんげぇぷにっぷにしてるの感じてキュンキュン。

 

「腹ぁ割って話そうや、小僧」

 

めっちゃドスの効いた声で言われた。物理的にじゃないよね?

 

シロクマと戯れてたお兄ちゃんがこっちに気づいて遠い目をしてる。とりま助けるか逃げるかしろください。

 

あっ、手離された。

 

 

ぼふん。

 

 

とまたまぬけな音が聞こえたと思ったら、全然知らない雪山にいた。どこ此処。

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