忍界を生きる白銀兄弟   作:millseross

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キャラメーカーより作成。メイキングが楽し過ぎる件。

モモ(子ども)

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ハク(子ども)

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モモ(青年)

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ハク(青年)

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再不斬

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再不斬(デフォルメ)

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He is Peach Ogre

両親の遺体を燃やし黙祷を捧げ別れを告げた後は、直ぐにその場を離れることになった。血の匂いで忍者や盗賊、獣なんかが来る可能性があったからだ。

 

霧隠れには追い忍(おいにん)と呼ばれる、抜け忍を始末するためのエキスパート忍者が存在する。恐らくここにもそれに類するやつらが来るだろう。遅かれ早かれ。そして忍術には痕跡が残る。

 

もし忍者じゃない者が使った忍術であると知られたら?もし、血継限界使いがここに居たことを知られたら?

 

痕跡は残していない、はずだ。だがどんなところからやつらが俺たちに迫るのかが分からない。

 

ハクと話をして、このまま木の葉を目指すことにした。まだアカデミーに通ってもいない一般人の子どもという立ち位置だが、この辺りでは孤児なんて珍しくもない。今日を生きるために盗みを働く子どもなんてそこかしこに居た。

 

当然、山から移動して来た俺たちもその盗みの対象になった。しかも俺たちほど小さいヤツらは中々居ない。相手も子どもだが、この年代で2つも年が違えば背格好は結構差が出る。子どもたちにとって、俺たちは良いカモに見えたらしい。そんなヤツらを、逆に俺たちがカモにした。

 

山林で育った俺たちは野生の動物を狩って生活が出来たから、襲ってきたやつらは殺さない代わりに情報を貰ったりしていた。

 

そんな多少情のある蛮族のような生活を送ること数ヶ月。俺たちは火の国へ向かう舟があることを知った。

 

「海なんて走って渡れるけどな」

 

「渡ってる途中にチャクラ切れになる可能性があるし、体力の問題もあるよ。道中何があるか分からないし、舟があるならそっちを使おう」

 

「まぁそうだけど。子どもでも大人でも舟の料金は変わらないんだろ?大人の姿に変化していこうぜ」

 

「そうだね、子どもの姿だと色々詮索されそう。ある程度歳を重ねた姿の方が良いだろうね」

 

ということで、幼児から青年と呼べる程度の姿に変化して、港の近くで生活を行うことにした。俺はすぐにでも船に乗り海を渡りたかったのだが、事前に港近辺で生活してここの連中にある程度顔を売った方が良いというハクの意見を採用した。

 

別に生活する分には問題ない。気をつける点は、忍術をバレないように使うことくらいだ。追い忍に対する懸念はあるが、ここまでの痕跡は消している。そもそも、本当に来るとも限らないしな。

 

俺とハクは、見聞を深め国から国へ旅を続ける吟遊詩人の兄弟と言う設定にした。

 

ハクは言うまでもなく容姿端麗で、艶やかな黒髪に黒曜石のような瞳を持つお淑やかな女性のような美青年に変化していた。きっとハクが成長して大人になったらこうなるんだろうな、と言った見た目だ。相変わらず綺麗な顔。

 

俺もハクの双子だから客観的に見ても容姿は良い。ハクとは違い、外ハネにボサついた髪を結い上げ、ルビーのような深い赤色の瞳を持つ青年になった。双子は忌み嫌われる対象らしいが、色合いが全く違うから双子とは思われないだろう。多分。

 

いかにも人畜無害で戦えなさそうという雰囲気を醸し出し、しかし色々な土地を見てきたために思慮深い知識人といったキャラを作り行動を開始した。

 

あくる日もあくる日も、港には人が大勢溢れかえっていた。漁に出る者や帰って来た者、紛れているが忍者とそいつらに護衛された金持ち、市場を開く者や、魚を買いに来る一般人の主婦たち。

 

様々な人々に話しかけた。気づいてないフリをして、忍者に話しかけたこともあった。世間話から始まり、国内外の情勢や火の国の情報を積極的に集めた。俺は逆に前世の知識を利用してちょっとしたことを教えたり。吟遊詩人らしく歌を歌ったりもした。楽器は適当に食器や金属器、水を入れたコップなんかを利用して。

 

そのおかげで、ひと月経った頃には港の人たちとは顔見知りになり、舟にも乗せてもらえることになった。

 

「おい、お前らに話がある」

 

順調に港で生活を送っていたある日、怪しいヤツから話しかけられた。見た目はどこにでも居そうな平凡な男だ。だが雰囲気が一般人のそれじゃない。俺もハクも、この男が話しかけるまで、その存在に気づけなかった。

 

くそっ、アファイムを起動させていればこんなことにはならなかったのに。いや、無闇矢鱈と血継限界を使うのは危険か。

 

「はい、如何なさいましたか?」

 

ハクが振り返り、愛想良く答える。だが俺には分かる。ハクは相当警戒してる。冷や汗は流石にかいていないが、口元がわずかに引きつっている。他人には分からない程度の差に留めているのは流石だ。

 

当然俺たちに面識は無い。無いはずだ。少なくとも、俺の記憶には。

 

「お前たちは何者だ?」

 

「吟遊詩人だ。色んな場所を渡り歩いて見聞を深め、詩や歌を披露している」

 

「火の国へ向かう舟の情報を探っていたな?何故だ」

 

「次に向かう先が火の国だからですよ」

 

「...お前たち、嘘が下手だな」

 

「「!?」」

 

ハクと視線を合わせる。嘘をつく時は真実と織り交ぜるのが鉄則だ。俺は嘘をついたが、ハクが言ってることは事実。つまり俺がしくじったってこと。

 

あーもう、まじでさっきから俺が足引っ張ってばかりだ。ごめんなハク、出来損ないの弟で。

 

いや待て、こいつがカマを掛けた可能性もある。限界まで誤魔化してみるか。

 

「なんで嘘なんか付くんだよ。大体、嘘をついたっていう証拠も無いだろ」

 

自分で思う。うさんくせーな、俺。喋れば喋るだけ、俺たちの情報を盗られている気がしてならない。

 

「そうですよ、港の人たちに歌を披露したことだってあります。彼らに聞いてみては如何ですか?顔見知りですから」

 

「ここ数日お前たちを見ていた。だが俺が見る限り、お前たちが積極的に集めた情報は全て火の国に関することばかり。次の目的地だから知ろうとした?なら何故、忍びについての情報も得る必要がある」

 

こいつ...カマかけじゃなかった。まじで俺たちを付けてたのかよ。

 

「極めつけはお前たちの拠点だ。あの場所は元々廃屋だった。中には何も無いボロ屋だ。だがお前たちが住み始めて、不自然なことが起きていた」

 

冗談じゃねぇ、監視されてたなんて全然気づかなかった。俺たちだって実力は低くない。ハクは言うまでもなく天才で、俺だって前世の知識と銀遁だってあるのに...こんな奴がいるのかよ。

 

アファイムさえも気づかないほど気配を殺すことができる実力者?それとも、たまたまアファイムの起動時間がズレていただけか?

 

後者ならまだ良いが、前者ならもうどうしようも無い。くそっ、こんなことならチャクラの消耗なんて気にせずに、常に羅緋を呼んで警戒しておくべきだった。なんて、後の祭りだ。今はここを切り抜けることを考えるべきだな。

 

それにしても何者だよ、こいつ。

 

そもそも俺たちが使ってるボロ屋には、元の姿形が見えるように結界と幻覚を施しておいた。だから、一般人には何も変化してないように見えているはず。一般人には...っまさか。

 

「不自然?どこが。ただのボロ屋だろ。今は俺たちが使ってる。文句は言わせねぇぞ、元々使われちゃ居なかったんだからな」

 

「そうだ、お前たちが住んでいる。それは別に良い。だが人が住んでいるにも関わからず、住み始める前と何も変わっちゃあ居ない。何も...だ」

 

「「!」」

 

「下手な幻術をかけやがったな。どこで習ったのかは知らねぇが、人が住んでいる痕跡を加味すべきだった。それとお前たちのその姿も変化の術だろう」

 

くそっ、しくじった。幻術を仕掛けた俺のミスだ。そもそも俺たちが住んでるところもバレないようにと思って幻術を仕掛けてるんだから、前と同じように見せるのがベストだと思ったんだ。つまりどうしようも無い程に、俺よりもコイツの方が上だったってことだ。

 

ため息を吐き、もう一度ハクと目を合わせる。ここまで来たらもうどうしようも無い。俺たち2人で戦って勝てる保証も無い。自分たち以外の実力者と戦ったことなんてないからだ。

 

ただこれだけは分かる。目の前の、なんの特徴も無い見た目のこの男は、かなり強い。しかも相当観察眼が優れた切れ者。

 

今から口寄せして羅緋を呼ぶ?そんなことしてたら、呼ぶ前にやられるかもしれない。こりゃ、チェックだな。

 

だがまだ詰んじゃいない。こと交渉や言いくるめにおいて、俺がハクに勝てる数少ない能力のひとつだ。かろうじて、がつくけどな。

 

つまり、ここからは俺の両分だ。

 

「俺たちの家に来てくれ。ここで戦闘しても周りに被害が及ぶだろう」

 

「周りの被害を俺が気にするとでも?」

 

「貴方のその姿も変化ですよね?雰囲気と姿が一致しなさ過ぎている。不自然極まりない程に自然な姿、と言えば良いでしょうか。つまり貴方にも、姿を誤魔化す必要があるということ」

 

ナイス援護射撃だハク。

 

「ここで揉め事起こす理由がお互いに無い、だろ。頼む、ここは受け入れてくれ」

 

「ふん、良いだろう。ただし余計なことはするな。お前たち程度、簡単に殺せることを忘れるなよ」

 

「あぁ、わかった」

 

「わかりました」

 

 

&&&

 

 

俺とハクが住んでいる家は、元は木板が辛うじて家の形を保っているだけのボロ屋だった。隙間風が入ってくるどころか、風が吹けば屋根が吹っ飛んでいくんじゃないかってくらいにみすぼらしいものだ。

 

だからこそ、ここには誰も住んでいないと当たりをつけた俺たちは、このボロ屋を快適に住めるようにリフォームすることにした。前世の夢だった念願のマイホームを作りたかったんだ。最低でも数週間は住むために、衣食住を整えることは重要案件だった。

 

まず初めにここら一体に幻術を仕掛けた。母さんに教わった、一般人程度なら欺ける視覚と嗅覚に作用する結界幻術だ。つか、幻術なんてこれくらい簡単なやつしか知らん。これで俺たちがどんなことをしても、ボロ屋はボロ屋のまま。生活の匂いなんかも欺ける。

 

ここら近辺の天候はあまり良くなく、港の近くということもあり潮風に雪、雨や霰も降る始末。地上には天候に耐えられる最低限の壁と屋根、そして暖炉や水洗トイレなどの設備を土遁で作った。土遁は俺もハクも使えるから、2人で協力できた。

 

基本的な生活は地下で行うように決めた。初めに生活スペースを作った。地上と地下を繋ぐ空気の道を通し、水銀で作った換気扇を回すことで常に空気が循環するように工夫した。

 

ハクはそれから、土遁と火遁の血継限界である熔遁でゴムを吐き出していた。壁にゴムを貼り付けて覆うことで、温められた空気が外に出て地下が冷えるなんてことも無くなった。すごく快適だ。

 

また、俺が水銀を使っってしまった以上、火を扱うことはあまりしたくない。さてどうしようと思っていたら、ハクは水遁と火遁の血継限界である沸遁を使っていた。火を使わずともお湯が作れるようになって、お風呂や料理に非常に役に立った。すごくすごく快適だ。

 

ハクは家を作るため、血継限界を新たに2つ開発し駆使していた。どこまで天才街道を突っ走るんだ。5歳で血継限界を3つ...しかも2つは血筋とか関係なく自力で開発してるし。カカシより天才なんじゃないか?さすがハク、俺のお兄ちゃん。さすあに。

 

初めてハクの溶遁を見た時は、口から白い粘土が出て来てまじでびっくりした。びっくりしすぎて「うわキモっ、なにそれ!?」って言ったら無表情で殴られた。まさに氷の女王(男)、愛が痛い。俺も大好きだぜ、お兄ちゃん。

 

換気口で地上と地下を繋いでるせいか、魚介の匂いなんかにつられて野生の動物がやってくることがあったが、獲物がかかっていたとしても、クマとウサギだった場合は逃がしてやることに決めた。

 

それがエゴだと知っていても、自分たちが契約したヤツらとは関係無いのだと知っていても、食べることが出来なかったし、したくもなかったからだ。

 

それでも鹿が罠にかかったときは肉が食べられると嬉しく思った。解体するのはとても大変だったが、生きることは殺すことだと知った。ハクは顔には出さなかったが、気分が悪そうにしていた。最後までしっかり目を離さなかったハクは強い子だと思った。

 

鹿の皮とゴムで靴を作り、外でも素早く歩き回れるようになった。これで歩きずらい雪駄とはおさらばだ。

 

さらにゴムが作れるということで、前世でも普通に商品化されていたウォーターベッドを作った。それからエアーベッド、エアーチェア、水銀をビーズ状にして、人をダメにするビーズクッションなんかを作って、快適な生活が送れるようにした。文明の利器、ゴム万歳。ハクの血継限界が便利すぎる。ゴム遁良いな。あっ、間違った熔遁だった。

 

その後、生活スペースの隣に土遁で穴を開け、土遁と熔遁で地盤を固くし銀遁で巨大なタンクというか、ダムを作って海と繋げた。もちろん水が生活スペースに流れ出さないように、貯水タンクをイメージして作った。

 

その貯水タンクには海の水が流れてくるため、魚も入ってくる。その部屋に水銀の釣り針や網の罠を仕掛けたり。大きな魚が迷い込んだ時は雷遁を使うことで、魚や貝は面白いくらい簡単にとれた。

 

更に貯水タンクに繋げた状態で熔遁の硬化PVCで容器を作成し、小石やビーズ状の水銀、焚き火した際にできた炭を使って、海水のろ過装置を作った。こいつに熱を当てて煮沸すれば、水遁を使わなくたって飲み水が確保できる。

 

俺とハクが外に出ている時は、万が一ここの存在がバレた時のため、忍兎を何匹か待機させるようにしていた。その子たちも暇つぶしに釣りをして魚を採ったり、家の中を掃除したり料理したりクッションで遊んだり、なんてことをして過ごしている。

 

こうして俺とハクは作り上げたのだ。永久に閉ざされた理想郷(ガーデン・オブ・アヴァロン)ならぬ永久に閉ざされたうさぎの国(ガーデン・オブ・ウサロン)を。

 

俺は換気扇のプロペラと壁の補強、貯水タンクに釣り道具とビーズを用意した。しかし火を使わないように工夫を凝らす必要性が発生したため、貢献度的にはプラマイゼロだろう。

 

ハクは基本的な家と壁と屋根と椅子と机とベッドと服や靴やお風呂やシャワーにトイレとかお湯とかろ過装置とかその他もろもろ色々沢山作った。

 

この差よ。今更もう何とも思わんけど、はぁーつら。天才の兄と凡才の弟なんてありふれた設定だなぁおい。いやもう俺なんて盆栽で十分かな。その辺に突っ立ってるか。

 

まぁいい切り替えよう。ハクが天才なのは今に始まった事じゃない。この身体だってスペックは高いのだ。羅緋と契約もできて心はぴょんぴょんだし。中身が俺じゃお察しだがそこはもうしゃーなし。

 

さて、なぜ長々とマイホームの説明をしたのかと言うと、呼ぶはずもなかった客を呼ぶ羽目になったからだ。

 

まぁ招かれざる客でも客に変わりないから、ということで余ってた鹿肉を使ったシチューや角煮、採れたて新鮮な魚介類をふんだんに使ったアクアパッツァにカルパッチョなんかを振舞っている。俺の必殺料理(スペシャリテ)が火を吹くぜ!火遁は使えねぇがな!

 

ちなみに料理もハクより俺の方が上。当たり前だ。前世は日本でひとり暮らししてたんだから、料理だってそこそこ出来る。まぁ現時点でのレパートリーが豊富ってだけで、1度作ってみせたらハクも作れるようになるんだけどな。ハクってなんでも出来る子ちゃんなんだよな。才能があるのは忍術だけじゃないところがハクの凄いところだ。

 

さて、そんなこんなで。呆然とした顔を晒し、思わずと言った風に変化を解いた招かれざる客は霧隠れの鬼人と謳われる桃地再不斬その人だった。

 

いや、あんたかよ。通りで只者じゃない感半端ないはずだ。運命律ってすげぇなー。俺は記憶が戻ってからずっと探してたんだ、あんたのことを。俺とハクの護衛兼師匠にしたいと思ってたからな。

 

そんな運命の探し人は、現在進行形で可愛いうさぎ達におもてなしを受けていた。

 

当の再不斬はうさぎの国を見た瞬間に「なんだこれは...」と言ってから俺達にされるがままなんだけど大丈夫そ?

 

うさぎにお酌されてる鬼ってシュールだな。

 

 

&&&

 

 

「お前たちは何者だ」

 

「一通りフルコースを味わった後に何事も無かったかのように話し始める今の気持ちを聞かせてくださいますか?」

 

「だまれ」

 

ハクの舌戦がキレッキレだ。まったく頼りになるお兄ちゃんだぜ。ビーズクッションに無言&無表情で感動してる鬼人ってそれなんてギャップ?気づかれてないと思っていそうだな。気づいてるよ、俺は。

 

「ただの子どもだよ。母親が忍者だったってだけ」

 

「地上の外装にはわかりずらいが氷で補強されていた。氷遁、雪一族か」

 

「ここで隠しても意味は無いでしょうから正直に言います。おっしゃる通りです、僕が氷遁を使います」

 

恐らくハクは自分だけが血継限界を使う雪一族であると言外に言っているんだろうが無駄だ。隠し事が通用するような相手じゃない。

 

「俺が双子の弟、モモな。んでこっちがハク。俺は氷遁じゃなくて銀遁を使う。こんな感じ」

 

水銀を浮かせて形を変えてみせる。

 

「モモっ!」

 

「駆け引きが通じる相手じゃない。ここに来る前のやり取りでそれはもう分かってるだろ。正直に話す方が殺される可能性だって低いと判断した」

 

「彼はモモが振舞った料理とこの拠点にメリットを感じてる。僕らを殺したら、今後この生活は出来なくなる。1度この贅沢を味わったら2度と抜け出すことは出来ない沼だよここは。それほど快適さと言う魅力に溢れてる。つまり彼をここに招いた時点で、僕らの勝ちだったんだ」

 

...えっ、そうなの?俺たちが居なくてもここは使えるよな。あっ、でも再不斬は抜け忍だから1箇所に留まることは出来ないのか。ってことは...情報を渡さなくても俺たちが殺されることは無い?ハクの言う通り?

 

まぁでも、俺としてはこの人に師匠になって欲しいと思ってるから、信頼関係を築きたいんだよな。

 

「もう俺たちこれからこの人と一緒に行動するだろ。ならお互い信頼関係が大事だ。隠し事はあっても、積極的にするもんじゃない」

 

桃地再不斬は原作ではハクに情を持っていた。道具ではなく、一人の人間として大事に思っていた。つまり信頼関係を築ける相手だ。正直でありたい。

 

「おい、俺はお前らと行動するなんて言ってねぇぞ」

 

「いや、それはダウト。此処と同レベルの拠点を俺たちなら1日で作れる。このレベルの拠点を、1日だぜ?あんたが狩りをして獲物を取ってきたら、これが出来上がってるってことだ。それがどれだけ高い価値があるのか、あんたならわかるよな?」

 

「有り得ませんけど、例え僕らと同じ血継限界を持っていたとしても、この拠点を貴方が作ることはできませんよ。何故ならモモによって緻密に計算された知恵と技術の結晶が、至る所に施されているからです。寝床にトイレ、暖房設備も完備されていて、水と食料に至ってはわざわざ用意することもなく待っていれば自動的に確保できる始末です。原理なんて意味不明でしょう」

 

おー、俺が手を出せた極わずかな部分である簡易的な釣りと狩猟システムとろ過装置をそんなに持ち上げて言ってくれるだなんて、ハクってば交渉も上手くなったなぁ。

 

終わり(チェックメイト)だぜ」

 

「...っち。はぁ、クソ、しょうがねぇ。少なくとも忍術はかじってるお前らだ。仕方なしに行動してやる。だがテメェらは俺の手足だってことを忘れるな」

 

ハクと目を合わせ、頷き合う。

 

「んじゃ、自己紹介だな」

 

 

ぼふん

 

 

(ハク)です。よろしくお願いします」

 

(モモ)、俺たち双子で6歳な。んで、俺が弟」

 

「テメェら歳を...そういう事か。はぁ、ここまでコケにされたのは初めてだぜ。桃地再不斬だ」

 

「おー、モモ同士じゃん。奇遇だな、仲良くやろうぜ」

 

「だまれ、馴れ馴れしいガキだ」

 

えー、だってこれから俺たち3人は運命共同体なんだぜ?仲良くしたいじゃんか。それに原作のキャラだしな。

 

「仲良くなんてしなくて良いよ、モモ。互いを利用し合うだけの同居人だ。僕らは居住を、貴方は忍者としての知識や技術を提供し合う。ただそれだけの不条理な関係です」

 

「はっ、赤眼のガキよりは分かってんじゃねぇか。だが手足に教える事なんざ何もねぇよ」

 

「...ちっ、モモ。やっぱり信頼なんて出来ないよ。この人、僕らを言葉通りに手足や道具としか思ってない」

 

「知りたかったら見て盗めって言ってるんだろ。母さんも割と放任主義だったし、今までよりちょい厳しいくらいだって。ハクなら余裕」

 

俺には無理だろうからハクに教えてもーらお。

 

この人の里内の立ち位置的に、姿を偽っていたことからもう既に抜け忍とかだろうし。周り全てが敵とでも思ってるんだろうな。最初っから信頼なんて出来なくて当然だ。こういうのは時間をかけて少しずつってな。

 

そんなことより俺的にはさっきから目が座ってるハクの方にビックリだぞ。なんだよお前舌打ちなんて今までしたこと無かったじゃん。その顔やめなって、目にハイライト戻せよ、どうやって消してるんだよそれ。美人が凄むとマジで怖いんだって。

 

「まー、信頼の前にまずは協力だよな。俺とハクは火の国に向かうための舟に乗せてもらえる手筈になってる。再不斬も舟乗りから信用して貰えるように、外に出る時は必ず俺たち2人のどっちかと一緒に行動しろよな」

 

「貴方は霧隠れの里の忍者でしょう。火の国に向かって大丈夫なんですか」

 

「木ノ葉隠れの里に入るまでは追い忍が付いて回ることになる。まぁ数人程度なら問題ねぇ、俺一人ならな」

 

「は?別に貴方に護って欲しいなんて一言も言ってないですけど。僕らの実力も知らない癖に足でまとい呼ばわりされるなんて甚だ遺憾ですね。そもそも貴方が居なければ追い忍の問題も無く安全に海を渡れています。足でまといは寧ろ貴方の方ですが?」

 

ブチ切れハク、まじ、こわい。

 

「や、ハク。追い忍については遅かれ早かれだったと思うぜ。知ってるだろ?俺たちは双子で血継限界のタブルパンチ。水の国じゃ肩身は狭い。だから親父も最後あんなだったんだし」

 

「っだとしても!抜け忍を始末する実力者が追い忍なんだよ。この人が居るだけで、この人以上の実力者が僕たちを追いかけて来ることになる。僕たち2人だけなら対処だって出来たかもしれないのに!」

 

「なんだ親が居るのか。家に帰りたいなんて甘ったるい泣き言ほざくんじゃねぇぞ、ガキども」

 

「っうるさい!!」

 

「なぁハク、上の罠に何か掛かった。ちょっと見てきてくれないか?」

 

ハクは一瞬、何を言われたのか分からないと言わんばかりにぽかんとした顔をした。

 

「モモ、なにを「ハーク、っな?寒いだろうから気ぃ付けろよ」っ...はぁ、わかったよ」

 

よし。流石に一旦冷静になった方が良い。それに、罠にかかったってのも本当だしな。

 

さて、それでは二者面談と行きましょうかね。大人同士。

 

「で?」

 

「俺たち運命共同体なのにお互い警戒し合うってのも馬鹿らしくない?ってことでさっき自己紹介したつもりだったんだけど、あんたもハクもまだまだ固くてビックリだよ。疲れない?」

 

「テメェは何故そう俺に無警戒なんだ?ここいらは情なんてクソ喰らえって連中ばかりだ、警戒して当然なんだよ。その点は外のガキの方がまだ''らしい''振る舞いだ。忠告してやる。警戒されたら終わりだと思え。忍者なら尚更だ」

 

「へー、それ、忍者の心得みたいなやつ?でもあんたも守れてないじゃん。絶賛ハクがあんたを警戒中だもんな。俺たちに接触したばっかりに(・・・・・・・・・・・・・)、大事な心得を破ってしまったってことになる」

 

「何が言いたい?」

 

そもそも論だよ。そう、そもそも、俺たちの方からこの人に接触したんならまだ分かる。この人はコピー忍者と謳われるはたけカカシともやり合える、上忍の中でもトップクラスの実力者だ。首切り包丁を持ってる風には見えないから、巻き物にでもしまってるんだろう。

 

そんな実力を持った人が、杜撰な幻術を使う変化した怪しい2人組に接触?追い忍に追われていてただでさえ死の危険が付きまとうのに?

 

俺たちが追い忍じゃないことなんて一目で分かるだろう。何故なら実力が足りてないから。

 

居住が魅力的だった?違う。好奇心で話しかけた?違う。

 

「俺たちを助けた、が正しい。親父が母さんを殺して、忌み子の俺を殺そうとして、そして俺が返り討ちにした。もう数ヶ月も前の話だ」

 

俺たちは忍術を母さんに習ったけど、その他は別に普通の子どもだ。移動の痕跡も素人レベルで消したけど完全じゃない。

 

「ここまで長く追っ手に見つからないなんてありえない。絶対に。見つかってたんだ、見つかっていて泳がされていた。理由は...そうだな、例えば俺たちが血継限界を使う瞬間を確認するためとか?追っ手を警戒して、俺もハクも人目に付くところでは五大性質変化しか使わなかったからな」

 

「俺がお前たちを助けただと?はっ、そんなことして何になる」

 

「さぁな、そりゃ分からんけど。でもあんたが俺たちに話しかけた理由がそれくらいしか思いつかないんだよ。この拠点を知ったのだって、俺たちに連れられて初めてだろ?あんたの反応見りゃわかる。俺たちに接触するメリットなんてここしかないのに、接触した後にここを知った。おかしいよな?」

 

「...」

 

「まぁあんたは認めないだろうから、それならそれで構わない。俺が勝手にそう思ってるだけで、ガキの戯言だと聞き流してくれて良い。だから、勝手に言っとくぞ」

 

「助けてくれてありがとう。追い忍から俺たちを守ってくれて、ありがとう」

 

視線が交差する。しばしの沈黙。破ったのは再不斬の方だった。

 

「はっ、やっぱり甘ったるいじゃねぇか。...テメェら親との仲は」

 

「母さんとは普通に良かった。親父は普段家に居なかったけど、帰ってきた時は必ず俺たちに暴力を振るった。俺とハクは双子だから、忌み子ってことで親父からは嫌われてたんだよ。特に俺が。血継限界を持っていることがバレて、親父が母さんを殺して、そこにたまたま居合わせた俺も殺そうとして」

 

「殺し返した、と」

 

「...あぁ、そうだ。俺が殺した。あんまこの話、ハクの前ではしないでくれないか。ハクはさ、優しいんだ。すごく優しい。本当は動物を殺して食べるのも嫌なんだと思う。そうやって生きていく必要があると分かっていても」

 

「罠にかかった獲物を取ってこいと命じたのは」

 

「何が罠にかかったのかは、できるけど調べないようにしてる。俺もハクも口寄せ動物と契約してるんだ。だから、その動物が罠に掛かっても逃がしてやろうってハクと決めた。ハクが罠を確認した時は、決まって逃がしてやったって言うんだよ。きっとハクは優しいから、契約してる動物とか関係無しに、どんな獲物でも逃がしてやってるんだと思う。でも別にそれで良い。魚はとれるからな」

 

「甘ぇ、何の意味もねぇエゴだ。生きるために食らう。自然の摂理そのものだ」

 

「あんたにとってはそうかもしれないが、ハクにとっては大事なことなんだ。俺は弱いから、楽な方に流される。だから得物だって狩るし、あんたの言うことだってちゃんと聞くよ」

 

俺は弱いから、親父を殺した。どれだけ憎く思って居ようとも、俺を生んでくれた親を、殺したんだ。別に殺さなくても良かったのに。

 

「ハクは強いから、自分の中の大切なものを守るために我慢ができるんだ。きっとそれは心とか、忍者なら忍道って言うものなんだろう。俺はそんな強くて優しいハクのことが大好きなんだ」

 

真っ直ぐに俺を射抜く視線。嘘偽りは通じない。つくつもりもないけれど。この人には誠実でありたいと思っている自分が居る。何故かは分からないが、この人のカリスマみたいなものなんだろうか。

 

「あんたは俺たちを手足だと言ったが、俺にとってハクは片割れで何より大事な存在なんだよ。だから俺はハクを守るためなら何だってやる。どれだけ血に染った道を歩もうとも、その道が茨にまみれていようとも、ハクだけは必ず守り通すと誓った。それが俺の忍道だ」

 

「...そうか」

 

「あんたに忍道はあるか?忍びなら持ってるものだって母さんに聞いたことがある」

 

「俺の、忍道。......そんなもん、無くした。遠い昔にな」

 

「そうか。また見つかると良いな」

 

「ちっ、前言撤回だ。ガキらしくねぇ、いけ好かねぇヤツだ、お前は」

 

それは俺が一番よくわかってるぜ。

 

「まぁな。ハクはしっかり者で冷静だけど、ちゃんと子どもっぽいところもあるんだよ。さっきも珍しくムキになってたしな。嫌わないでやってくれ」

 

「手足に好きも嫌いもねぇ。ひとつ聞く。もし追い忍が俺たちに追いつき、誰か1人が犠牲になる必要が出たとする。その時お前はどうする」

 

「うーん、囮という意味なら俺が適任だろうな。敵にとっては子どもで扱いやすく、血継限界持ちって言う付加価値もあるし。こっちからしたら、奇襲能力や継戦能力って点で俺は優秀だ。攻撃も防御も索敵も回復も待ち伏せて罠を張ることだってできるしチャクラ量も多いから。時間稼ぎにはもってこいの人材だ」

 

「どこまでもガキらしくねぇな。ガキに化けてる大人って方が納得できる」

 

「はは、まぁ俺の数少ない強みみたいなもんだから大目に見てやってくれ。俺と違ってハクは双子ってのが信じられないくらいにマジモンの天才だからさ。忍術の才能だけで言えば、あんた以上だろうぜ。今後鍛えていけばあんたより強くなるかもな」

 

「はっ、そりゃ楽しみだ」

 

「あぁ本当に、ハクの成長が楽しみだ」

 

「ちっ。皮肉も通じやしねぇ」




青年のキャラ画像早く出したいけどまだ少年期だぞ?どうしたら?と思いつつ、青年にさせたかったがために変化の術を使いました。それ以外に意味はありません。

そしてついに再不斬も出せた!再不斬好きなんですよ。割と原作の中では上位に来るくらい好きです。これからよろしく!
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