忍界を生きる白銀兄弟   作:millseross

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少年期編
in My Home Town


干柿鬼鮫は去っていった。口約束ではあるものの、一応の協力関係を築いた。お互い何かあれば頼るって感じで。ありがたい。

 

俺が林檎雨由利から勝手に貰った面はハクに渡した。原作ではハクも面を付けていたし、俺は雷刀を貰ったから。片割れであるハクにも何か戦利品をと思い渡した。案外喜んでくれて良かった。

 

俺たちは火の国に入った。すぐに暗部が来て、俺たちを木の葉の里まで案内してくれた。その場の里まで数週間がかかった。俺たちだけだともっとかかっていただろうな。火の国でけぇ。てか暗部なんで居るの?どゆこと?と思っていたら、どうやら再不斬が事前に木の葉に行くことを伝えていたらしい。

 

アニメで見た木の葉の里を実際の目で見ることが出来て少し感動している。

 

そして今、目の前に座るおじいちゃん。三代目火影である猿飛ヒルゼン。プロフェッサーと謳われる程の実力者で、木の葉に存在する全ての忍術に精通しているらしい。クソチートかよ。

 

再不斬は顔を偽ることなくいつもの覆面姿に戻っている。俺とハクはまだ変化中だが。

 

「お主らが霧隠れから来た使者か。名は何と?」

 

「桃地再不斬」

 

「ほう、鬼人と呼ばれるほどの実力者が来るとは予想外じゃった。そちらの二人は?」

 

「ハクと申します」

 

「モモです」

 

「ふむ、そうか。霧隠れの事情は既に知っておる。此度は新たに世代交代した霧との同盟締結と言う名目で、お主ら3名を木の葉にて受け入れると言う事で相違ないかの?」

 

え?俺たちいつの間にそんな政治的立ち位置に居ることになってるの?何も聞いていないんですが再不斬さんそれは。

 

「正確に言えば、霧が提供する人材は俺だけだ。コイツらは道中勝手に付いてきた、何も知らねぇガキどもだ」

 

そうだよね、ハクも何も知らないよね。俺だけじゃなくて良かった。

 

「ガキと呼ぶには些か年齢は高すぎると思うが...いや、変化の術か。解いてはくれんかの」

 

ハクと目線を合わせる。

 

 

ぼふん

 

 

俺たちは青年の姿から、正真正銘子どもの姿に戻った。火影も暗部の人も驚いている。いや、暗部の人は顔は隠れているから雰囲気だけだが。

 

「予想以上に幼い子たちじゃのう。まだほんの7歳やそこらじゃろう。遠い道のりだったろうに」

 

まぁ、確かに遠かったな。家族と決別したあの日から、3~4年は経っているし。

 

「水の国では忌み嫌われる、双子と血継限界持ちだ。木の葉に住まわせて欲しい」

 

「血継限界か。ちと見せてはくれんかの?」

 

ハクは氷で小熊を作って浮かせ、俺は水銀で兎を作ってぴょんぴょんさせる。雪一族としての血継限界だけでいいよな?

 

「その歳でこうも血継限界を使いこなすか。2人とも末恐ろしい才能じゃな。ではお主ら3名を木の葉の忍として受け入れよう」

 

おぉ、良かった。これで俺もハクも木の葉に住めるんだな。再不斬ありがとう!

 

「待て。先程も言ったがコイツらは霧からの人材提供には含まれていない。何も知らんガキどもだ。忍として受け入れるのでは無く、ただの子どもとして迎え入れて欲しい」

 

え?

 

「血継限界を持った子どもを一般人として生活させるってこと?同盟締結を持ちかけてきたのは霧の方なのに、ちょっと勝手が良すぎるんじゃない?」

 

「確かに2人とも忍者の才能に溢れているが、それでもまだガキだ。アカデミーで学ばせることで選択肢を広げたい。他人がコイツらの自由を奪って良いもんじゃねぇだろ」

 

「血霧の里の鬼人と呼ばれたお前が随分甘いな、桃地再不斬くん」

 

「これ、よさんかカカシ」

 

カカシってはたけカカシか!言ってることはまともだが如何せん言い方が...再不斬キレるんじゃ。

 

「......恥を承知でお願い申し上げる。2人の将来は、2人の自由意志に任せるものとして頂きたい。この通りだ」

 

...!!

 

再不斬が頭を下げた...?まさか、ハクは優しいって俺が言ったからか?獲物を狩ることにも心を痛めるって言ったから、再不斬はハクを忍者にさせるか迷っていた?

 

ハクを見てみると、目を見開いて驚いていた。俺も同じ顔をしていると思う。

 

本当に分かりずらいけど、再不斬は凄く優しいんだ。再不斬がここまでしてくれた。俺は俺に出来ることをやる。

 

アファイム、ハクと同調開始(Link UP)だ。

 

同調開始(Link UP) 対象:ハク】

 

《ハク、聞こえるか?今お前の頭に直接話かけてる。はいなら瞬きを1回、いいえなら2回してくれ》

 

1回、確認。

 

《忍者になるのは嫌か?》

 

沈黙。

 

多分、忍者になるのは嫌じゃない。ただ忍者になることで、命を奪う可能性があることに拒否感があるんだろう。

 

《医療忍者を目指すことに拒否感はあるか?》

 

無表情のまま困惑の雰囲気を出しているが、2回確認。

 

《分かった。俺はハクのこと大好きだよ。もちろん、再不斬のことも》

 

ハクの反応を見ることなく、同調を解除した。

 

「クーデターが治まって間もないから情勢は不安定。更に霧は水影就任も実力主義ってことで、今後いつまた変わるか先が見えない。もっと深く言えば、既に水面下で六代目水影が決まっていて、先んじて大国である木の葉の情報を抜き取るスパイを送り込んだ可能性を疑っている。図星か?コピー忍者のはたけカカシさん」

 

面に顔が隠れて全く表情が読み取れないのが辛いところだな。雰囲気で考えが読めるのはハクだけなんだよなー、俺。

 

「三代目火影の言葉から察するに、その霧からの書状に提供する人数までは書かれていないはず。なら再不斬はただ3人と言っておけばよかった。にも関わらず、俺たちは提供する人数に含まれないと言った。その時点で答えは見えてると思うがな」

 

「...随分口が達者らしいが、この場での口数の多さは逆に不信感が募るもんだよ、モモくんだっけか」

 

「そうか?ならカードを切ろう。俺が忍者になるよ。俺の血継限界、銀遁は水銀を操る戦闘向きな忍術だ。その証拠に、道中襲ってきた忍刀七人衆の1人を倒してる」

 

雷刀 牙を火影と暗部の格好をしたカカシに見せる。

 

「俺とハクは雪一族で、それぞれの血継限界は一子相伝だ。木の葉の女性と結婚して子どもを作れば、その子に継がせることが出来る。あんたらが信用に足る木の葉の忍びをあてがってくれたら、その人と結婚でも何でもするよ」

 

「更に言えば、俺は俺が持ちうる全ての知識と技術を木の葉に提供する意思がある。俺は今までに実験と称した修行でいくつもの忍術を作って来た。プロフェッサー並びにコピー忍者と謳われるあんたらは術の体現者と言えるだろう。俺が開発した全ての忍術をあんたらに提供すれば、それは木の葉の戦力増強に直結する」

 

右手の手のひらを上に向け、指を少し曲げる。親指、人差し指、中指、薬指、小指。それぞれに小さい螺旋丸を作っていく。

 

そして更に、四代目火影さえ叶わなかったステージだ。まぁ最も、彼にもっと時間があれば出来ていたことだと思うがね。

 

水、雷、風、土、そして銀の性質変化をそれぞれの指に纏わせる。限界圧縮しない分まだ楽だな、今回のプレゼンテーションは。

 

はたけカカシが面を取り、額当てをずらして写輪眼を見せる。その表情は驚きに満ちていた。

 

「これはっ...螺旋丸か!?更に性質変化まで。よもやこれ程の才能か、末恐ろしいものじゃな」

 

「驚くのはまだ早いぜ。水+雷による俺の二つ目の血継限界、嵐遁だ」

 

「「!?」」

 

人差し指と中指をくっつけて嵐遁 螺旋嵐丸を作る。この嵐遁は才能と努力によって会得できる血継限界。そして忍者としてのカカシの才能は正に天賦から賜ったもの。写輪眼で嵐遁を見た以上、コピーは可能なはずだ。そして言わずもがな、三代目火影も。

 

「アカデミーには通わなくても構わない。このまま忍びとして使ってくれて良い。その代わり、条件というか要望が2つある。ハクも忍者にするんなら、医療忍者に育てて欲しい。本人の性格的にも、後方支援が向いている」

 

「僕はあまり殺生が向いていないので...ですが、忍者としての才能はあるつもりです。戦闘が可能な医療忍者を目指します。有事の際は木の葉の砦として後方支援に徹するでも、前線に派遣して頂いても構いません」

 

「ふぅむ。2人はこう言っておるが、どうする再不斬よ」

 

「ガキどもの意思で忍者になるんなら、それで良い」

 

ありがとう再不斬。忍者としての道から遠ざけるんじゃなくて、あくまでも選択肢を広げるために頭を下げてくれて。

 

「2つ目は、俺とハクは忍術は使えるが、忍者としての心構えとかノウハウを知らない。だから一人前の忍者になるまで、担当上忍として再不斬を付けて欲しい」

 

「僕も、これまでの旅で再不斬さんの実力や忍者としての優秀さを認めています。忍者とは何たるかを学ぶなら、再不斬さんからが良いです」

 

「お前ら...」

 

「ほほほ、あいわかった。ハクとモモの2人にはまずアカデミーに通ってもらうことにしよう。アカデミーで得られるものは忍者としての基本のみならず、親しい友や好敵手などを見つけることにも繋がるからのう。そして晴れて下忍になった暁には、再不斬をお主らの担当上忍へ任命しよう」

 

「「「ありがとうございます」」」

 

三代目火影、優しいな。よかったぁ、条件が通って。まぁ暫くは監視が付くだろうけどそれはしょうがないよな。

 

「ところで、儂からもお願いがあるのじゃが良いかの。特にハクとモモの2人にな」

 

「俺たちに出来ることなら。良いよな、ハク」

 

「無茶な内容じゃなければ、可能な限り応えますが」

 

「何そう難しい事では無い。木の葉には、九尾の人柱力が居る。名はうずまきナルト。ナルトはお主らよりも幼く、天涯孤独の身なのじゃ。里にも緘口令を敷き、ナルトが九尾の人柱力であることは本人には伝えておらん。お主らと似たような立場の子じゃ。仲良うしてやってくれんか」

 

「別にいいぜ」

 

「分かりました」

 

「そうか、よろしく頼むぞ」

 

 

&&&

 

 

再不斬だけが三代目の元に残って、俺たちはこれから住むことになる家に案内された。2階建てのアパートだ。これからはここで住むことになるそうだ。俺とハクは同じ部屋で、その隣は再不斬の部屋らしい。

 

監視の目を集中させるためだろうか?何でも良いが、ハクと離れなくて良いのはありがたい。再不斬もすぐ隣の部屋だし。

 

そして俺には計画があった。里の地下に超巨大なシェルター兼修行場を作ること。イメージはBLEACHの勉強部屋だ。浦原商店の地下にあるやつ。

 

毎日少しづつ、こっそり作って有事の際の避難場所にすることにしようと思う。ペイン襲来の時とか役に立つだろう。

 

 

ぼふん

 

 

「ん?羅緋、どうしたんだ急に出てきて」

 

「手前も木の葉の里は見たことがなかったからねェ。噂通り平和な里じゃねェか。こういう雰囲気もまぁ悪くないうさ。縁側で昼寝でもしたい気分になる」

 

縁側無いけど。ベランダだけど。

 

「モモ、何その可愛くしようとして失敗したみたいな人形は」

 

「だァれが失敗作でェ!手前様は羅緋様だ!会ったことあんだろうさ!」

 

ハクが珍しくぽかーんどした顔をしている。驚いているらしい。そりゃそうだ、これも俺の作った忍術。

 

「忍法 二頭身(デフォルメ)の術だ」

 

「モモって時々よくわかんない術を作るよね。変なとこで才能の無駄遣いしてる」

 

そんな事ないだろ。この姿だと消費チャクラ量も少ないし、敵からも警戒されない姿なんだぞ。それなのに羅緋の本来の力の二割は出せるのだ。解除する時は限定解除!!って叫んでもらおうかな。

 

あ、そうだった。忘れるところだった。

 

「なーハク、アクセ興味ねぇ?水銀で色々作ったんだけどさ、常に身につけといて欲しいんだ。こいつにチャクラ込めたら俺と通信できるようにしてあるからさ、さっきみたいな感じで。あとこっちのは護身用な。これは予め俺のチャクラがこもってる。危険を察知して自動で動くように設定してあるから」

 

「あぁ、急に頭の中にモモの声が聞こえてくるから驚いたよ。いつでもモモと通信ができるのは役に立つね。万一の時の護身用も。んー、じゃあピアスがいいかな」

 

「ほいっと、ピアスな。穴は自分で開けられるか?」

 

「平気だよ」

 

「そか」

 

にきゅ、にきゅ、と音を立てながら部屋に入っていく二頭身の羅緋の頭にも、鈍く光るリングが輝いている。アンクレットとして作ったものだったんだが、天使の輪みたいになってるぜ。羅緋は俺と契約した時点でいつでもやり取り出来るし、なんなら銀遁も使えるから全く必要無かったのだが。

 

「なァんで手前にゃくれねぇんだィ。いっぱいあるんだから1個くらい良いだろうさ」

 

と欲しがっていたためあげた。銀の毛並みによく映えていて、今はデフォルメ姿だからすごく可愛い。

 

俺たちも羅緋の後に続いて部屋の中に入る。2LDKらしい。1人1部屋にリビング、風呂トイレも別。気に入らなかったらまたリフォームするつもりだったけど、中々どうして趣のある良い部屋だな。流石は三代目。

 

2階だからベランダからの眺めも悪くないし。あっ、羅緋がホントに日向ぼっこしてる。かわいい。膝に抱っこして撫でちゃお。ウトウトしてるから怒られないはず。

 

「姉ちゃんたちだれ?そこ、空き部屋のはずだってばよ」

 

「あん?」

 

「おや、君は?」

 

姉ちゃんたちってのは俺たちのことだよな。そうか、女に見えるのか。というかこの特徴的な黄色い髪と語尾、そして髭。三代目様よ、まさか隣の部屋なんて聞いてねぇぞ。九尾の人柱力も監視対象ってことなのか?

 

「俺ってばうずまきナルトだってばよ!」

 

「俺はモモ、よろしくな。俺たち、今日からこの部屋に住むことになったんだ」

 

「ハクと言います、ナルトくん。よろしくお願いしますね」

 

「よろしくだってばよ!姉ちゃんたち姉妹?」

 

「おー、俺もハクも男だから兄弟が正しいけどな。双子なんだ。俺が弟」

 

こりゃ訂正しないといつまで経っても気づかれない気がするわ。

 

「えーっ!男だったのか!?サクラちゃんより可愛いのに...俺ってばてっきり。ごめんってばよ」

 

「気にしていませんよ。それよりナルトくんはひとり暮らしなんですか?」

 

「そうだってばよ」

 

「飯はどうしてる?」

 

「カップラーメンとか、一楽のラーメンとか!」

 

「「...ラーメンだけ?」」

 

「ギクッ!だってだって俺ってば野菜嫌いだし、料理もできねぇし!ラーメンは好物なんだってばよ」

 

いくら好物でもラーメンだけはダメだろ。でっかくなれねぇぞ。九尾の人柱力だから里では鼻つまみものって訳だな。野菜とか肉とか魚とか、料理できない以前に売って貰えないんだろう。唯一受け入れてくれる店が一楽のラーメン屋ってことか。

 

よっしゃ、それじゃ一肌脱ぎますかね。子どもにひもじい思いなんてさせてられっかよ。まだ5歳かそこらだろ。

 

「そか...これからは俺たちと一緒に飯食おうぜ。隣の部屋になったのも何かの縁だろ、今日から俺が作ってやるから、飯時んなったらこっちの部屋来いよ」

 

「そうだね、それが良いと思う。再不斬さんも来るだろうし、皆で食べようか。丁度、椅子も4脚あるみたいだし」

 

「だな。羅緋用の椅子は用意しなきゃな。あとは人数分の食器が要るな。後で食材と一緒に買ってくるか」

 

別に水銀で作りゃいいんだけど、銀の食器ってのはこの部屋に合わねぇもんなぁ。個人的には木製の食器が好きだ。ハイジみあるよな。

 

「えっ!?いや、でも...良いの?」

 

「「もちろん」」

 

「っ...あ、ありがとだってばよ!今日は何作るんだってば!?」

 

「今日は煮込み料理がいいな。必要なものを買ってくるよ。椅子は明日でも良いかな」

 

「羅緋が使う椅子だから、明日羅緋とふたりで買いに行くわ。あと、飯はしばらく焼き魚以外にしようぜ。流石にもう食い飽きた。味付けとか以前に」

 

「はは、確かに。とりあえず、一通り食材を買ってくるね。1週間分くらい」

 

「おー、サンキュ。頼むよハク」

 

「うん。それじゃ、行ってきます」

 

行ってらっしゃい。気をつけていってこいよー。ま、ハクは可愛いけど強いから襲われても大丈夫だろ。むしろ襲ってきたやつの末路が...って感じだよな。

 

くわばらくわばら。

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