終わりのアスタリスク   作:鉄血

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第四話

「ねぇこのアイス食べてみてよ!値段の割りにあんまり美味しくないんだけど!?」

 

「そりゃストラップがついたアイスを買うからだろ」

 

「ストラップ代が大半だろうからな。そういうの」

 

「うー・・・買うんじゃなかった」

 

プラスチック製のスプーンを口に加え、上下にピコピコとさせながら理央がぶつくさと文句を言っている。

まあ、目当てのストラップが出たんだし良いんじゃないかと毎度のことながら思うのだが・・・。

 

「良くない!」

 

「・・・人の心を読むなよ」

 

「お兄ぃの顔に書いてた」

 

え、マジかよ。そんなに分かりやすいか俺。

自分の顔をペタペタと触る晴臣を無視し、理央はあっ!と声をあげる。

 

「?」

 

「どうした?」

 

晴臣と優輝は理央の指を指す方へと目を向けるとそこには───

 

「なんだ、よ・・・あれ」

 

優輝がソレを見て目を見開いた。

“光の柱が空に向かって伸びていた“。

そう。あれが物語の始まり。日常から非日常へと変わる光。

 

「来たか」

 

誰にも聞こえない声で俺はそう呟く。

飽きるほど見た光景だ。焦ることもない。

アリーナにいた人達はまるで魂でも抜かれたかのようにその光の柱を凝視している。

時が止まったかのように長いようで短い時間。

そしてついにその時が訪れた。

 

「は?」

 

誰が発したのか分からない。

だが目の前の光景を見てその一言は間違いではなかった。

 

「消え・・・た?」

 

なぜなら光の柱が一瞬にして消え去ったからだ。そして周りは何事もなかったように賑やかさが戻り、いつも通りの喧騒になっていく。

そんな中で一番に声を上げたのは理央だった。

 

「ねえ、お兄ぃ!にいに!さっきのアレ見たよね!?他の人も見たよね!?なんか何事もなかったかのようになっているんだけど!?」

 

やかましいわ。耳がキンキンする。

 

「うるせぇ!一気に喋るな!」

 

そう言って晴臣は一度妹を黙らせると、優輝に“いつも通り“の質問をした。 

 

「優輝。お前も見えたか?」

 

「あ、ああ。はっきり見えた。光の柱みたいなのがこう、空に伸びて・・・」

 

何かありえないものを見たという優輝と理央に晴臣は二人に言う。

 

「俺も見えた。何か嫌な予感がするな」

 

「出た、お兄の嫌な予感。当たるから嫌なんだけど」

 

うへぇーと顔を崩す妹に優輝は光の柱が伸びていた空を再び見上げる。

 

「でも、さっきのアレはなんだったんだろう?」

 

「さあな。まあ、分かったとしても碌でもないもんだろ」

 

実際に碌でもないものなんだよなアレ。ゲーム設定では・・・いかん、あまりにも昔過ぎて忘れた。

肝心な時に役に立たねえよな俺・・・・

そう思いながら溜め息をつく晴臣に、理央は青髪のポニーテールを揺らしながら晴臣を見る。

 

「でもアレだよね?何かアニメとかゲームにありそうな展開だったよね?」

 

そりゃゲーム世界だし。

と突っ込みたいが、それはあとにして晴臣は答えた。

 

「お前、リアルでそれ求めてんの?」

 

俺はもうお腹いっぱいなんだけど。つか、俺の存在自体がもはやファンタジーなんだけど?

そんな晴臣の問いに理央は答える。

 

「んー・・・まあ、面白ければ?あ、ただ戦うのとかはNGで」

 

「醍醐味潰してどうするんだよ・・・」

 

「やだなー、冗談じゃないですかーお、に、い、さ、ま。実際はめっちゃ戦ってみたい!」

 

さすが剣道や柔道でも負け無しのバトルジャンキー。その辺に常識を置いてきたか。

目をキラキラさせる妹にドン引きしながら晴臣は優輝を見る。どうもあの光が気になっていたのか、ずっと空を眺めていた。

 

「優輝、お前はどう思うんだ?」

 

「え?お、俺?」

 

突然話題を振られるとは思っていなかったのか、困惑した表情をする優輝に晴臣と理央は頷く。

そして、そんな彼等に優輝は答えた。

 

「俺は嫌だな。大切な人が巻き込まれそうでさ」

 

「「・・・・・」」

 

まあ、知っていたがそれでもコイツが言いたいことはわかる。

大切な人を巻き込みたくない。

確かにそれが普通だ。俺と一緒で───

 

(いや、俺はもう普通じゃないか)

 

「・・・兄貴?」

 

「なんでもねえよ」

 

首をかしげる主人公と妹に、俺はそう答える。

 

「ほら、さっさと行くぞ!あの光が見えた場所、神社付近だからもしかしたらなんかあるだろ」

 

「えっ?行くの?マジで?」

 

「危なくないか?」

 

お前らゲームだと興味本位で行くくせにホント・・・

 

「危なくなったら理央を盾にすりゃいいだろ」

 

「はい!?お兄ぃ、それはさすがに聞き捨てならないんだけど!?」

 

ゴリラがなんか言っているが気にしない。

そんな三人は光の柱が昇った場所へと歩いていく。

そして、彼の───彼等の物語が始まるのだ。




主人公

浅井 優輝  アサイ ユウキ

ゲーム エンド・オブ・ライブの主人公。

主人公らしく正義感がありつつ、女の子にちょっとだけ興味がある思春期な主人公。
能力は主人公の晴臣と同様のもの回帰。
そして覚醒でヒロイン達の力から武器が作ることが出来る。
なお、かなりのヘタレ。


浅井 理央 アサイ リオ 


主人公の妹。残念ながら優輝のヒロインではない。
青髪で短めのポニーテールの運動部。
剣道、柔道、空手、弓道、野球にサッカー、テニスとなんでもござれのスポーツ少女。
勉強の方も天才的で三年である晴臣に勉強を教えているなのだとか。一年生に教えてもらう三年生とは。
身長は晴臣や優輝よりもデカい176cm。お胸も作品内では三番目に大きい。
晴臣のことをお兄ぃ。優輝のことをにいにと呼ぶ。
能力を手に入れるが、戦闘向けでないのでガッカリしていた。
かなりのバトルジャンキーでゲーム内では後半吸血鬼化し、暴走した唯を鉄パイプで撃退するほど。ゴリラかな?
鉄板程度なら簡単に粉砕出来るらしい。ゴリラじゃん
なお、ゲームルートによって死亡ルートがある。
まあ、このゴリラの死亡ルートなんて一つしかないけど。


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