【鬱の子】   作:湯タンポ

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みんなで好きな子のタイプ言い合おうぜ。

俺は絶対逆らわない従順な可愛い女の子。

みんなは?


吾輩は猫である―――現代人の舌に猫の餌は拷問に等しい。

 

 

 

 

 

 

 

吾輩は猫である、名前はまだ無い。

 

 

 

 

 

「アイビ〜!ご飯の時間だよ〜」

 

 

 

……ごめん嘘、名前はある。

 

 

 

アイビー、それが吾輩の名前である。

 

 

「ニャー」

 

 

吾輩は、人としての記憶をチョコレートの一欠片程度に持ち合わせる猫である。

 

 

前世で何をしていたかは覚えていないが、未成年飲酒して豪雪の日に雪にダイブして自殺したみたいなので、どうせ碌な人生を送ってなかったんだろう。

 

 

ちなみに人としての記憶はそれしかない。

 

 

まぁ前世の記憶はさておき、今世は気軽な物だ……なんせ、吾輩は猫である。

 

 

食っちゃ寝してテレビで可愛い女の子見てるだけで良いのだ……素晴らしい事この上ない。

 

 

 

 

 

……ただ一つだけ問題点があるとすれば………

 

 

 

「ほらアイビ〜ご飯だよ〜!」

 

 

「ニ゙ャ゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!」

 

 

「なになに!?そんな首振って威嚇しないでよ!?」

 

 

「ニャ・ニャウ・ニャ・ニャニャニャ・ニャニャニャー!!!!(普通の飯をよこせー!)」

 

 

「何言ってるかわかんないだけどー!!!??」

 

 

………キャットフードがクソ不味いのである。

 

 

味がとにかく薄く、食感はボソボソとしたものか、もしくはカリカリとしたよく分からんものしか無いのだ。

 

 

正直、二十一世紀の日本という神のごとき変態美食大国に生きていた身からすれば、この食事はほぼ拷問に等しい。

 

 

「ほら、ご飯だよ〜」

 

 

「ニ゙ャ゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!」

 

 

「何なの!?なんでそんなに怒るの!?」

 

 

……いやだってさ?キャットフードって基本的に味が薄いじゃん?まぁ猫にはそれが良いんだろうけどさ……でも人間だった吾輩からしたら味は薄くても美味いもの食べたいわけよ。

 

 

「キャットフードは嫌なのかなぁ……じゃあ……ほらアイビー、チュールだよ〜」

 

 

「ニ゙ャ゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!」

 

 

「チュールもダメ!?チュールって基本猫の好物じゃないの!?」

 

 

「ニ゙ャ゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!」

 

 

「じゃあ逆に何なら食べてくれるのぉ!?」

 

 

 

肉を寄越せェ!!

 

 

肉肉肉肉!特に馬肉!馬馬馬!

 

 

馬刺し最高!ユッケ最高!ローストホース最高!

 

 

「も〜!!どうしたらいいのぉ…!?」

 

 

「…ただいま……どうしたルビー、そんなFXで有り金全部溶かした奴みたいな顔して。」

 

 

「…アクア〜!!アイビーがご飯食べてくれないんだよー!どうしたらいいの〜!?!?」

 

 

「ならチュールでもあげれ」「チュールも食べてくれないのー!!」

 

 

「…… なるほど。」

 

 

「……ニャァ……」

 

 

……騒いだら腹減って死にそう…。

 

 

「ニャー……」

 

 

……腹減った。

 

 

もうかれこれ2時間近く、吾輩はキャットフードを拒否し続けているのである。

 

 

「……腹が減ってない訳じゃなさそうだな……ならただの偏食家か?……猫は結構肉食だから、そういうのが食いたいのか?」

 

 

 

正解正解!!肉か魚食わせろ!猫用のキャットフードだのチュールだのなんか食えるか!!

 

 

「ニャニャー!!」

 

 

「お、正解みたいだな。」

 

 

「えぇ!?今ので分かったの!?」

 

 

「ニャー!ニャニャ!ニャニャ!(肉!肉!)」

 

 

「取り敢えずオレの筋トレ後用の蒸し鶏(ささみ)でもあげてみるか。」

 

 

「ニャッ!」

 

 

「あ、ちょっとアイビーが反応した!お肉好きなのかな?」

 

 

「……まぁ取り敢えずやってみよう。」

 

 

……吾輩の目の前には、アクアの手によって細かくほぐされたささみ肉が差し出されていた。

 

 

「ほらアイビー、これならどうだ?食ってみろよ。」

 

 

「ニャー!」

 

 

「……お、食ったな。」

 

 

「……美味しいのかな?」

 

 

うめっ、うめっ、うめうめ、美味ぇー!!

 

 

やはり生物の根幹は肉、タンパク質なのだ!

 

 

「ニャー!」

 

 

「あ、アイビーがめっちゃ喜んでる。」

 

 

「まぁこれだけ美味そうに食ってるなら大丈夫か?塩分入ってるし、あんま良くなさそうだけど」

 

 

「ニャー!」

 

 

「……まぁ、本人が喜んでるならそれでいいか。」

 

 

まぁ一応満足よん、次からは馬刺し用意しとけよな!

 

 

……よし、ほんじゃま、飯も食ったことだし寝ますか!

 

いや〜猫とか、ペット特権だよね〜飯食って寝て、遊んでるだけでいいしさ〜最高〜!

 

 

「ニャー」

 

 

「……アイビーが寝っ転がって寝る体勢に入ったぞ。」

 

 

「えぇ!?さっきまであんなに騒いでたのに!?」

 

 

「まぁ猫なんてそんなもんだろ……ほらルビーもう遅い時間だし、早く風呂入ってこいよ。明日7時から撮影だろ?」

 

 

「はーい……アイビー、おやすみ。」

 

 

「……にゃぁ……」

 

 

「んッッッッ………可愛い♡♡♡♡♡」

 

 

 

……いい夢を見よう……猫が夢見るのか知らんけども。

 

 

 

お休―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁアぁぁぁぁぁぁぁァぁぁぁぁぁぁぁあああ嫌嫌嫌嫌嫌いやいやいやいや嫌いやごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!!ジル、私がジルを殺した!!!私が私が私が私がワタシがわたしが殺した殺したコロシたころした私がジルを殺したましたごめんなさいごめんなさいごめんなさい!違うわた、私はジルを殺してなんかない!でも結果的にジルが死んだのは私のせいでだけど違う違う違う違うそんなつもりは無かった私はただジル達に父親を見せてあげようと思っただけなのになんでこんな事にああジル会いたいよジルジルジルジルジルジルジルジルコン!ごめんなさい!生きててごめんなさい!生まれてきてごめんなさい!私がジルを殺したから!ごめんなさい!私は生きてちゃいけないのになんで生きてるの?ねぇなんで?教えてよ!!ジル、私を殺してください……っ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ミァ··ミァ··ミァァッ……?

 

 
















「世界は愛で溢れている。

世界の広さはその人間の自己認知の境界線で決まり
人間とは感情で全てが決まる生き物であり
あらゆる感情はあらゆる愛と定義できるからね。

世界は愛で溢れている―――だから、人はエゴという名の愛を語り合い、囁き合い、押し付け合う。

自分の感情()にこそ価値があると信じ、自分の考え()にこそ正しさが有ると信じ、自分の正しさにこそ価値()があると信じ。

そうして、誰もが自らのエゴ()を自己以外に押し付け、誰もが自己以外からの(エゴ)を求めている。

その相互作用こそが魂の循環。

そして魂の正体は、君達が言うエゴイズム…つまり自己認識の集合体であり、記憶なんてものは所詮それらを覆うコーティングに過ぎないのさ。


その中でも、他者への愛情って言うのは、自己以外の特定の誰かに取っているアクションの総称だよ。


……結局何が言いたいかって?まぁつまり―――



―――我思う、故に我ありってやつさ。

記憶があってもなくても、人は何も変わらないのさ。」

読者年代調査(恥ずかしがらず答えてね☆)

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