前世 男の聖女コスプレTS少女が行くダンジョン配信   作:銭湯妖精 島風

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100. 帰国

 

 

立花博士との遭遇で、少し周りの事も気にかける様にしよう、と心に決めて何故か変わるがわるヘンリとマリア、リリスに抱き抱えられたり、3人の案内で軽く王都観光をしたりする

 

 

やはり異国の地と言う事で飛び交う言葉に関しては、あんまり分からなかったけれど、歴史を感じる建物等を見れて個人的には満足しているし、三鶴(みつる)は興味深そうに資料館みたいな場所でイキイキとしていた

 

 

そんなこんなで少々はしゃぎ過ぎてしまった僕は夕食を食べた後、睡魔に襲われて見事に夢の世界へ誘われ気付けば朝だった

 

 

「おはようカナリア」

 

 

「・・・おはよう、三鶴ちゃん・・・何時?」

 

 

「9時半を少し過ぎたぐらいかな? 顔洗ってきなよ」

 

 

「そうする・・・」

 

 

優雅に新聞を読みながらコーヒーを飲んでいた三鶴へ尋ねると、顔を洗う様に言われたので返事をして、とりあえず着替えて無かったので上着を脱いでベッドに投げ置き、洗面台で顔を洗い歯を磨く

 

 

その一連の工程が済む頃には目も頭も覚めて思考がハッキリとする

 

 

「新聞、読めるの? リューネのじゃないの?」

 

 

「読み書き程度なら不自由はしないぐらいなら」

 

「三鶴ちゃん、僕が思っている以上に賢いね」

 

「そう? ありがとう」

 

 

捉え方によっては貶されている様に聞こえそうな褒め方をすると、流石は長年僕の兄をしてるだけあって、真意を汲みニコリ微笑む

 

 

我が兄ながらイケメンの高物件なんだよなぁ、僕が絡まなければ だけど

 

 

「それじゃ帰り支度をしようか、君はまずお風呂に入っておいで?」

 

 

「うい」

 

 

三鶴の指示に従って お風呂に入り身支度を整えてスーツケースへ衣類とお土産を詰め込むとヘンリが部屋へやってきた

 

 

「おはようカナリア、ミツル。予定では ぼく も日本へ同行する事になっていたのだけど、急用で同行出来なくなってしまったんだ、申し訳ないけれど最寄りの空港まではウチの使用人に手配させてあるから、ごめんね?」

 

 

「いえいえ、忙しいのに わざわざありがとうございます、あとは日本に帰るだけですから」

 

 

「そう? ありがとう、少ししたら日本に また行くから、よろしくね?」

 

 

「はい、お待ちしています」

 

 

そんな会話を5分足らずでしてヘンリは、相変わらず僕達を睨みつけてくるユウカを連れて去っていった

 

 

やっぱりユウカとは分かり合えないのかな?

 

 

ユウカに睨まれるのも良い気持ちしないので、少し時間を潰してからチェックアウトし、黒塗りの高級車で空港まで送って貰い、三鶴に搭乗手続きを一任して荷物を預け、搭乗時間まで少し空港散策をして荷物にならない程度のお土産を買ったりする

 

 

旅行ってやっぱり楽しいなぁ

 

 

そんなこんなでヘンリが用意してくれた帰りの航空機に乗ると、例に漏れずファーストクラスだったので、絶対恩返ししようと心に決める

 

 

少々長い搭乗時間を潰す為に何となくテレビ放送をつけてみると、立花博士の訃報を知らせるニュースがしていて、ヘンリの急用の正体を察する

 

 

ヘンリも末席とはいえ王族の1人だから葬儀には参加しないとダメだよねぇ

 

 

それはそれとしても、あんなに元気そうだったのに急死するとは・・・暗殺? いや、無いか

 

毒とか効かなそうだったし、立花(たちばな)博士

 

 

車椅子に乗ってたし、元々病気を患っていたのかも知れないしね?

 

 

「・・・そんな人でも、死ぬ時は死ぬんだから。僕なんか直ぐだね」

 

 

「そうだね、だから気をつけてね? 君もまた1人の人間なんだから」

 

 

「うん、わかったよ。三鶴ちゃん」

 

 

僕の呟きに三鶴は言い、僕の頭を撫でる

 

 

忘れがちだけど、人間は簡単に死ぬ生き物なんだ

 

 

それは転生者であっても変わらない事を僕は思い出した

 

 

よし、あんまり無茶な事はダンジョン外ではしない様に心掛けよう、三鶴って普段ニコニコしてて優しいけど、怒らせると怖いタイプだし? まぁ僕は怒られた事ないけど

 

 

 

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