前世 男の聖女コスプレTS少女が行くダンジョン配信 作:銭湯妖精 島風
自分の恵まれた環境を再認識して噛み締めつつ、宝箱を開封して中身を確認する
中には、紫掛かった黒色のコインの様な物と、ドロップ素材の外骨格と爪が入っていた
「ん〜、まぁまぁ?」
「どうなんだろうな? 吾には分かりかねる」
『少し調べてみるね?』
「よろしくお願いします、スタッフ」
【わかんねー】
【見た事無い品物しか無い件についてw】
【配信画面越しだと、アイテム名までは見えない事多いしねぇ】
そこそこある素材をアイテムバックに突っ込みながら呟くが、視聴者も
ま、仕方ないかー と切り替え コインを摘み上げて観察する
「コイン状の黒紫っぽい色で、トカゲ?っぽい刻印が施されている・・・何だろう? 記念品かな?」
「その可能性もゼロではないな」
【カナリアちゃん、アイテム名は分かるん?】
【なんか禍々しい色してるな】
【それなりにダンジョン配信観てきたけど、討伐の証なんて知らないぞ?】
影魔法を使い降ろした荷物を再度積載しながら僕の呟きに返答してくるワカモを横目に、コメントにアイテム名が何か?と言う問いがあったので、コインをよく見る
「えーっと? 召喚獣用要石 ・
【カナリアちゃん、驚くポイントは そこじゃないと思うでーw】
【せやな、召喚獣を呼ぶとか契約に使えるアイテム何やと思うでw】
【可愛いからヨシ】
名前より、金属の感触がするコインが要石、つまり石材で出来ている事に気が行ってしまい、思わずオーバーリアクションを取ってしまったが、コメント欄を見る限りは気にしていなさそうだからよかった
「え、えーっと・・・召喚用要石は、詳細が分からないので、後日にしたいと思います」
「そうだな、主よ 少し休む方が良いのではないか?」
「そうだね、少し休憩にしたいと思います」
【はいな〜】
【この後に階層ボスが控えてるもんね〜】
【休憩大切】
【ボス部屋って撃破後も暫くは安地になるもんなぁ】
渚へ合図をすると休憩中と書かれた待機画面へ変わったので、適当な場所にキャンプチェアを取り出して座り、エネルギー補給用のシリアルバーを齧る、安定の美味しさに安心する
「主よ、お茶だ」
「ありがとう、ワカモ」
尻尾を器用に使い魔法瓶からシェラカップにお茶を注いで僕へ渡してきたワカモに、お礼を言って受け取り飲み 安定の美味しさに安心する、本当美味しいなぁ
『カナリアちゃん、さっきの召喚獣用要石なんだけど、どうやら撃破したダンジョンモンスターと召喚契約する為のアイテムみたい』
「つまり、召喚したら 黒甲冑が現れて 契約出来る可能性がある訳ですか?」
『その通り、流石に契約成功率の方までは調べ切れて無いから、もう少し精査するつもり、だから一旦 持ち帰る方向で』
「分かりました、その様に」
この短時間でコインの効能を調べて正体を僕に報告してきた渚の有能さに感心する
本当、仕事スイッチが入ってると真人間だなぁ
そんな事を考えつつ2本目のシリアルバーを齧り、返事を返す
このコインが黒甲冑を召喚して契約出来るなら、だいぶ嬉しい
召喚獣なら、煩わしい手順を踏まずにタンクをお願い出来るしね?
それにあの頑丈さなら、タンクとして申し分ないはずだ、これは運が良いなぁ
「渚さん、6層の階層ボスの情報はありますか?」
『あるよ〜、端的に言うとデッカいクワガタだね?』
「蟲系ですか、そう言えば蟲系とは初めて遭遇するかも知れないですね」
『カナリアちゃん、さっき戦った黒甲冑は多分蟲だよ? ほら要石に鎧蟲って書いてるでしょ?』
「え? あ、ほんとだ・・・蟲だったのか、黒甲冑」
渚の指摘で、僕はてっきり爬虫類系統だと思っていた黒甲冑が蟲系である事に気付き、我ながら間抜けだなぁと思う