前世 男の聖女コスプレTS少女が行くダンジョン配信 作:銭湯妖精 島風
話を聞けば聞くほど
「さてさてあまり私の身内の話ばかりしても君が困ってしまうだろうから、違う話をしようか」
「結構為になる話ばかりでしたよ?」
「ふふ、ありがとう」
幾重の円環型魔法陣を維持し尚且つ闇の腕を並列運用し続けるマリアは僕の言葉に微笑む
本当、僕には真似できない芸当で素直に尊敬する
「カナリアちゃん、確か もうすぐ10階層に到達するんだよね?」
「はい、次が10階層攻略です」
「なら、今は大丈夫だろうけど、遠くない未来フロッティだけでは打破出来ないボスモンスターが現れる筈だよ」
「その事なら想定していて、今対策を考えている所です」
柔らかな雰囲気だったマリアが少し気を引き締めたのか真面目な雰囲気を纏い僕へ言うので返答すると、彼女は静かに頷き
「紗夜ちゃんにお願いして君から預かっている岩塩と聖水の幾つかをサンプルとして頂戴させて貰って、解析・分析した結果を踏まえてカナリアちゃんの強化案を考えてみたよ」
「ありがとうございます?」
「具体的には聖水・岩塩を用いた特殊弾を作成するって言うベターな案になっちゃうんだけど、正直実用性優先ならアリだと思うんだよね」
「確かに変に凝るよりはシンプルで良いと思いますが・・・」
マリアの提案する案は僕も考えていた案なので賛成したい所ではあるが、採用する為には少々問題が存在するのだ
「うんうん、カナリアちゃんの懸念も理解出来るよ? ショットシェルに岩塩を砕いて入れる程度から弾薬生成の難易度・要求技術が段違いに跳ね上がるからね」
「そう、それが問題なんです。岩塩を弾頭の形に生成は可能ですが、強度の問題で そのまま使用するのは現実的では無いので」
「だからこそ、使える形に出来る技術者が必要な訳、なのだけどリューネやオーシア・ベルカなら兎も角、日本には武器加工の技術者少ないもんね?」
「そうなんですよね・・・そもそもその技術が有れば、わざわざ事務所とかに所属せずに自身のお店を構えられる訳ですし、外注になるとコスパが良いと言う理由でトレンチガンを使っているのに、コスパがインフレしてしまう矛盾が発生してしまう訳で」
日本では、元異世界組と違い極々局所の需要である為、ギルドに併設されている商店以外では、武器産業はあまりない
そもそも銃刀法があるから抜き身の銃火器なんて持ち歩ける訳もないし、仮に所持するにしても探索者でない者は厳しく審査され、厳しい規則でガッチガチだ
まぁ契約の魔法を施されるらしいから、現代日本では銃犯罪はほぼ起きないのだけど
「でも、安心すると良いよカナリアちゃん、此処に万能助っ人マリアさんが顕現したからね!!」
「は、はぁ・・・」
「ぶーぶー、ノリが悪いぞぉ?」
「すみません?」
強大な双丘を張り、ドヤ顔で僕に言うマリアについて行けずに曖昧な返事を返すと、お気に召さなかった様でクレームを受けたので、心の篭っていない謝罪をしておく
「この前の顔合わせの時、私が手先器用って言ったの覚えているかな?」
「あー・・・そんな事言ってましたね?」
「おばあちゃんの遺伝で1分の1ガンプラぐらいなら作れちゃうのさ、私は だから工作は任せてよ」
「え? でも忙しいのでは?」
「ん〜? いや別に? 忙しそうに見える?」
「見えますけど・・・」
僕の目には絶え間なく動く闇の腕と円環型魔法陣により浮遊する資料が見えているので、忙しそうに見えているのだが、マリアにとっては違う様で少々認識の差を感じる
そりゃダンジョン研究な訳だから四六時中デスクワークとかは無いとは思うけどさ?
少なくとも今は忙しいと思う訳で、仕事を増やすのは少し躊躇ってしまうのは仕方ない事だと思う、うん