前世 男の聖女コスプレTS少女が行くダンジョン配信 作:銭湯妖精 島風
彼女の説明によると、この部屋・・・トレーニングルームは魔法で作られた仮想現実的なヤツらしく、痛みはあるが死なず弾薬等も消費しないらしい、何なら今僕が手にしているトレンチガンでさえ、魔力の塊で再現した模造品と言う
俄には信じられない、うん
ちなみにトレーニングルームから外に持ち出せないし、トレーニングを終了するとシステムも終了して武器も魔力に戻るとかなんとか
「カナリアちゃん、筋が良いねぇ? 物覚えが良くて お姉さん助かっちゃう」
「いえいえ 燈さんの教え方が上手だからですよ、それに趣味が映画鑑賞なので、少々覚えがありますし」
「へぇ〜映画が好きなんだ? どんなのを見るの?」
「アクション系ですね、オススメはジョン・ウィックとゴジラです」
「うーん、知らないなぁ」
エマージェンシーリロードの仕方を教えて貰いながら映画の事を聞かれたのでオススメを提示してみたが、燈は知らなかった様だ
まぁ仕方ない事だ、僕が前世で会社員してた時代の映画だし? 転生後の今の世界だと二十数年程前の、それこそ統合騒乱前の映画だからねぇ、うん 仕方ない
統合騒乱でハリウッド映画は軒並み絶滅してしまったけど、稀にダンジョンから発掘されたりするから、映画発掘専門の探索者が居るぐらいだったりする
「そろそろ良いかしら?」
「そうですね、最低限の動作は身に付いたかと」
「ちょっ・・・まさか、冗談だよね? お母さん? ねぇ?!」
「うふふ、私が法衣を着ているのに、立って見守るだけだと思ったの? 燈ちゃん、ありがとう。下がって良いわよ」
「了解です アルエットさん、頑張ってね〜カナリアちゃん」
燈は言うが早いかすぐさま姿が消え、今日初めて触った得物を使っての強制稽古が母の宣言で開始する
痛いが死なないトレーニングルーム、母は手加減せずにブチかましてくるに違いない、そう確信し深呼吸してチャンバー内にキチンとショットシェルが装填されている事を目視で確認し母を見据える
「うんうん、覚悟は決まったようね? 貴女が察している通り今日は手加減せずに魔法を使うわ」
「つまり死ぬほど痛い?」
「えぇ、死ぬほど痛いわ」
僕の質問に母はニッコリと微笑み答える、いや怖いんですけどぉ
「それじゃぁ・・・始めましょう」
「逃げ出したいよ、僕は!!」
「
母は儀仗の頭を僕の方へ向けると、彼女の周りに20㎝程の水球が3つ程生成され、勢い良く僕目掛けて飛んでくる
冷静に軌道を見て母を起点に円を描く様に横移動しながらトレンチガンで素早く2発撃ち水球を撃ち落とし、最後の1つは頑張って躱わす
初手が初級魔法の水球と言う事は、初手から殺しには来ていない様だ、無回転だしスピードも並程度だったし?
水ってのは結構厄介だ、常温では液体で高温では気体、低温では固体となる
液体は形状変化の幅が凄まじく、量が増えれば壁となって攻撃を防ぎ、敵に向かって放てば濁流となり押し流す
「つまりは、僕の攻撃が届かないってね!!」
「そうね、もっと頑張らないと・・・死んじゃうわよ?カナリア?
「ひぇっっっ」
水球より圧倒的に速い水刃をヘッドスライディングする要領で躱して、すぐさま立ち上がり走る、足を止めたら終わり・・・間違いなく斬死か圧死か溺死する
「散弾でダメなら・・・スラグ弾だ」
それまでの白色のショットシェルを全弾母に向けて撃ち、チャンバーに直接緑色のショットシェルのスラグ弾を入れ、撃つ
「あら? あらあら」
「ちっ、躱されたか・・・でも、今なら!!」
スラグ弾は水玉を貫通したが、母は余裕な表情で難なく躱わす、その一瞬の隙を見つけ、僕は母へ真っ直ぐ走り寄り銃剣を突き立てようとするが、水玉により阻まれ母に切先が届かず
「惜しかったわね、残念」
「くっっまだっ」
「終わりよ?」
母は微笑み僕の脳天に儀仗の硬い頭を振り下ろし、僕の意識は暗転した