前世 男の聖女コスプレTS少女が行くダンジョン配信 作:銭湯妖精 島風
そんな訳で、居るだけで威圧感があるスーツがパツンパツン過ぎて破れそうな父を連れて僕は教室を後にする
貴重品類は元々アイテムポーチに入っているから更衣室に向かう必要もないので、とりあえず近隣の教室から見てみる事にした
「なんかの展示とか、焼きそば?があるね」
「だな、これぞって感じだな」
父と他愛無い会話をしながら練り歩いていると、やはり異様な組み合わせのせいか、道ゆく人に二度見・三度見されてしまう
メイドとマッチョメンの組み合わせなら、僕も二度見する自信しか無いから仕方ない、うん仕方ない
そんな今更気にする事もない事態をスルーしながら校舎を出ると、室内では出来ないタイプの煙と火が燃え上がる系の露店や、明らかに校外の人が出している露店が中庭やグラウンドに立ち並び、市場みたいな様相を醸し出している
まさしく祭りだなぁ
「ん? んん? これは!!?」
「ん? どうしたカナリア?」
フリマ的な露店の前を通りかかった僕の目に、今では滅多にお目にかかれない物が目に入り思わず反応し足を止めてしまい、父が尋ねてくるが僕は目の前にあるお宝に目を奪われしまい、反応が出来ていない
「お父さん、これ」
「あぁ何だっけ? 大人用のライダーベルトだっけか?」
「そう、大人用のファイズドライバーだよ!!」
「お、おぉそうか」
僕のテンションについてこれていない父の様子を他所に、僕は少し購入するか悩む
おそらく再び出会う事が出来ない、しかし目の前の物が正規品と言う保証はない、それが悩ましい
値段も3万円とプレミアがついているにしては安い価格だ、統合騒乱で色々と希少価値がついてる筈だしね?
そこまで考えて ふと思う、別に観賞用なら本物でも偽物でもあまり関係ないんじゃ?と
「すみません、このファイズドライバーください」
「いやぁ在庫になってて困ってたんだよね、ありがとう」
「いえいえ」
きっちり3万円を店主へ渡し、少々箱に傷があるがファイズドライバーを購入して、すぐさまアイテムポーチへ入れる
せっかく買ったのに無くしたり壊れたりしたら嫌だしね?うん
「お前にしては珍しいなカナリア? 衝動買いなんて」
「そうかな? 割としてる気もするけど?」
「昔から我儘を言わない子供だったし、自分の金の範囲だから良いと思うぞ?」
そう言い父は僕の頭を少々力強く撫でる、うん力が強い
なんか子供扱いされてる様な気もするけれど、父からしたら僕は16歳の小娘な訳だし、彼なりの愛情表現なのだろう
それに僕は
そんなこんな練り歩いていると、紗夜と見知らぬ男子生徒が往来の真ん中で口論をしていたので周りを伺って見るが冬彩の姿が見えない
なんとなく声をかけたら面倒事に巻き込まれる事が予想できたが、雇い主 兼 先輩 兼 友人(仮)の危機を見なかった事に出来る程 僕は大人では無いので、無策に突撃する事にした
「何度も婚約の打診を入れているのに、何故了承しない? 俺と婚姻すれば
「はぁ・・・何度も、何度も何度も、同じ説明をしないと理解出来ないのかしら? そういうのは双方にメリットがあるからこそ成り立つのよ? 現段階において、篠原と貴方の家で婚姻を結ぶメリットなんて微々たるもの、せいぜい数百万の市場効果しか産まないの、それにそんな前時代的な思想の人なんて私は願い下げよ、少なくとも私より賢くなければね?」
「こちらが下手に出ていれば!!」
「その振り上げた手はいらないですよね?」
なんか物凄く偉そうな人で、内心イラっとしつつ
偉そうな割には肝が小さい様だ