前世 男の聖女コスプレTS少女が行くダンジョン配信 作:銭湯妖精 島風
ヘンリがミミックを撃破した後、少ししてダンジョン各階層に点在しているセーブポイント付き安地を運良く発見する事に成功する
「この先の事を考え、いつもより少し早いですが、今回の配信はここまでとさせていただきたいと思います」
「次もカナリアの勇姿を見ようね」
【ヘンリ姫はブレないなw】
【カナリアちゃんの視聴者代表かな?w】
【良い判断だな、ガリューの装備とか揃えた方が良いだろうし】
相変わらず僕を全肯定なヘンリの言葉はスルーして、僕はセーブポイントに魔力を流してポイント更新する
「それでは視聴者のみなさん、また次回も是非見てください。よろしければチャンネル登録、高評価よろしくお願いします」
「ばいばい」
【おつー】
【おつしたー】
【お疲れ様〜】
ヘンリと共にカメラドローンへ軽く手を振り配信が終了した事を確認してからカメラドローンの電源をオフにして、ワカモの鞄へ収納する
「それでは事務所へ帰りましょう」
「そうだね」
3人へ声をかけると、ヘンリを始めとして頷き了承の意を示してくれたので、セーブポイントへ魔力を流しゲートを開いて、ギルドの転移門の間へ帰還すると、相変わらず人が沢山居て騒がしい、まぁ嫌いじゃない騒がしさだ
ヴァンツァーを纏っている警備員の人へ軽く挨拶と労いを告げて事務所へと向かう
道中特に何も起こらずに事務所へ到着し、資材倉庫の方へ向かい
「マリアさんはアトリエにいますか?」
「部屋から出て来ていないので、居ると思います」
「そうですか、ありがとうございます」
「いえいえ」
「主よ、吾とガリューは荷下ろしをしてから合流する、先に行っていてくれ」
「うん、分かった」
冬彩へマリアが居るか尋ねると、アトリエから出てきてないと教えて貰い、お礼を言ってから一旦ワカモとガリューと分かれアトリエへ向かう
「マリア、生きてる?」
「私が簡単に死ぬ訳ないよ、ヘンリちゃん」
「確かに」
「失礼します」
「いらっしゃい、カナリアちゃん」
無遠慮にヘンリはアトリエの扉をノックもせずに開けて入室し、マリアとよく分からないやり取りをし始めたので、僕は一応控えめに挨拶をしてから入室する
「今日はマリアさんに相談が有って・・・」
「ガリュー用の武装でしょ? 見てたから分かってるよ」
「それは話が早くて助かります」
マリアは先程まで僕のライブ配信を見ていたらしく、僕の用件を言い当ててきたので、説明の手間が省けて助かる
「対スライムに特化させるのは、少し勿体ないから・・・ん〜」
「とりあえず、スライム討伐で溶けない武器が必要なので、可能なら短槍が良いです」
「短槍かぁ・・・魔力で刃を形成出来れば、刃の部分は潰しが効くし替え刃も魔力が有れば生成できる、悪くないかも」
「マリアさん? マリアさーん」
「カナリア、マリアが自分の世界に埋没したら人の声は聞こえない、だから諦めて」
「えぇ・・・」
僕が要望を告げると、マリアはブツブツと独り言を呟き始め、僕の呼び掛けに一切反応しなくなる
よほどの集中力の様で、自問自答を繰り返しながら円環型魔法陣を展開して白紙とペンを複数浮かべ、思案を記していくのだが、紙ごとに記されている内容が違うのが見えて少し戦慄する
一体マリアの頭の中では幾つの思案と思考が並列処理されているのだろうか?
僕には計り知れないが、僕には無理だという事だけは理解できる
「マリアの事だから、来週には試作品が出来てると思うよ」
「早いですね、そんなに急がなくて良いんですが」
「来週末にリベンジするでしょ?」
「いえ? 来週末から修学旅行に行くので配信はお休みですよ?」
「修学旅行、ぼく も行きたい」
おそらく次回の11層攻略にも参加するつもりだったヘンリへ告げると、自分も行きたいと彼女は言い出すが、僕にはどうしようも無いので諦めて貰うしか無い、無念