前世 男の聖女コスプレTS少女が行くダンジョン配信   作:銭湯妖精 島風

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174. 退勤後

 

 

 

マリアへ武器制作依頼をしている手前、彼女を放置して帰る訳にもいかないので、マリアが思考の海から帰ってくるのを待つ間、ヘンリと雑談をする事にした

 

 

「ぼく は学校に通って無かったから、そう言うイベントに参加した事無いんだよね」

 

 

「そういえば、そんな事を前に言っていた様な?」

 

 

いつだったかヘンリが、そんな事を言っていた事を薄ら思い出す

 

 

何だっけ? ヘンリの体質だったか、家庭の事情だったか、そんな感じだった気がする

 

 

「でも修学旅行って、2年生に行くものじゃないの?」

 

「一般的にはそうですが、斑鳩は金持ち学校なので、各学年で1回ずつあるんですよ」

 

「へぇ〜」

 

 

そう斑鳩は在籍している生徒の9割程度が社長子息子女で、残りの1割の生徒も裕福な家庭の子供が大半を占めている

 

言わずもがな、僕も裕福な家庭に含まれているが、僕の場合は自分で支払いが出来ているから、更に問題ない、多分

 

なんなら学費を自分だけで賄たりするが、それはご愛嬌

 

 

「今回の行き先って何処なの?」

 

「確か、ベルカの筈です」

 

「ベルカかぁ、カナリアには第二の故郷だし、少しつまらないんじゃない?」

 

「ん〜そうでも無いですよ? おばあちゃんとか親戚に会うのが目的なので、観光地とかには あまり行った事ないですし」

 

 

「あーなるほど」

 

 

僕の説明にヘンリは納得してくれる、彼女はリューネ出身だがリューネの観光地の全てに行った事は無い筈だ

 

僕だって日本在住だけど、日本の全ての観光地なんて制覇していない、せいぜい隣県の観光地とか最寄りの海水浴場やキャンプ場の幾つかとか、そのレベルでしか無い

 

 

「ぼく も行ってみたいな、修学旅行」

 

「ヘンリさんなら、見た目も女子高生に見えますし、高校受験してみたら良いんじゃないですか?」

 

 

「ふむふむ、確かに外見年齢を利用出来る、か」

 

 

「リューネでダメでも、日本やベルカ、オーシアも有りますし、一考の価値はあると思います」

 

 

「そうだね、それじゃぁ紗夜に相談してみようかな」

 

 

なんか学生生活に憧れている様子のヘンリに、そう言うと思いの外乗り気で紗夜へ相談すると言い始めたが、なぜだろう?

 

アレかな? 裏口入学的なやつ

 

まぁ留学生扱いとかなら、法律に引っかかる事は無いと思う・・・多分

 

 

 

それはそれとして、ベルカの観光地巡りは楽しみだなぁ

 

僕は有名どころだと、聖導教会の総本山である、エルドランド大教会ぐらいしか行った事ない

 

遊園地とか水族館には従兄や3兄と一緒に行った事あるけどね? うん

 

でも、それって観光地では無いと思うので、除外したいと思う

 

 

「よし、大体の構想が固まったよ、カナリアちゃん」

 

「ありがとうございます、マリアさん」

 

そんなこんなで、ヘンリが熟考を開始したのと入れ替わりで、結構な時間 思考の海に潜っていたマリアが喋り出したので、お礼を言う

 

 

「試作品を最短3日で作れるけど、どうする?」

 

「そんなに急がなくて良いですよ? 再挑戦は早くても再来週になると思いますし」

 

「修学旅行の準備とか撮影とかあるもんね? 分かったよ」

 

 

僕には解読不能な物を記してある紙を集めて、纏めながらマリアが尋ねて来たので答えると、そう言う

 

どうやら、僕とヘンリの会話を聞いてはいた様だ、凄い

 

 

「にしても修学旅行かぁ〜、もう約10年前になるんだなぁ」

 

「そうですね?」

 

 

マリアが急に年寄りみたいな事を言い出すので、とりあえず曖昧な返事を返しておく

 

 

「良いかい、カナリアちゃん? 20歳を超えると1年経過する体感速度が倍ぐらいに加速するから、気をつけて」

 

 

「は、はぁ・・・」

 

 

何故か分からないが、マリアが物凄く真剣な表情で言うので、曖昧な相槌しか打てない

 

とはいえ、彼女の言っている事は理解出来る

 

何せ前世はくたびれた社畜だったので、体験済みなのだから

 

 

今世では面白おかしく楽しんで生きよう、そうしよう

 

 

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