前世 男の聖女コスプレTS少女が行くダンジョン配信 作:銭湯妖精 島風
その後、メンバーをどうにか説得?して僕達は聖域へと足を踏み入れる
まぁ厳密にはバスが停車した場所は既に聖域の中だけど、本格的に色々とあるゾーンに入ったって事でひとつ
「ようこそエルドランドへ、このメインストリートから正面に見えるデカい建物が、我々 聖導教会が総本山 エルドランド大教会、乗用車なら大階段下まで行けるけど、バスなどの大型車両では無理だね」
見た目はキュクノスと同じでチャラいが、根が真面目な方であるシュヴァーンはガイドの仕事をしっかりとこなす
「石畳なのは景観を大切にしているのと、伝統を重んじているからで、土・岩属性の魔導師が補修をしているんだ、まぁ聖域内は道に限らず建物全てだけど」
「そうなんだ、僕も それは知らなかったな」
「建設当時から、変わっていないんですか?」
メンバーの歩幅に合わせて、ゆっくりと歩き説明をする姿を見て、彼女達の警戒心も薄れた様で、シュヴァーンへニナが質問すると、彼は頷き
「100% 同じではないけど、概ね90%程度は当時と変わっていない、とされているね、街路樹とか特に人の手で制御が出来る物でもないしね」
「なるほど」
「伝統を重んじる事は大切だけど、正直に言うと結構問題もあったりする」
「問題?」
ニナの疑問に答えたシュヴァーンは、肩をすくめながら そんな事を言う、問題ってなんだろう?
「ありきたりの問題、それは修復作業の出来る魔導師の確保だね。聖域は基本的にメインストリートを除くと道が狭くて作業車両が入れない所が大半で、修復作業の出来る魔導師も結構貴重なんだ」
「なるほど、この景観を維持するには並大抵の技術じゃダメだもんね」
「そう言う事、まぁどこも後継者問題はあるって訳さ」
ははは〜と肩をすくめてシュヴァーンは言う、そんな彼を見て僕は『日本人へのガイドでする話じゃないなぁ』と思う
これはアレかな? 僕に聖女就任して募集してくれって奴? いや、流石にないか、シュヴァーンもキュクノスも僕がイオン様とヴェスタ神から聖女任命されたの知らない筈だし、うん
「話は変わるけど、そこのパン屋と隣のフルーツジュース屋は聖域が出来た当時からの老舗で、この聖域内で1・2位を争うぐらいの人気店だよ」
「そうなの? どおりで お母さんが来た時に わざわざ並ぶ訳だ」
「おばさん、現役時代からの常連らしいしなぁ」
「へぇ〜」
露骨に話を変えたシュヴァーンは、少し行列の出来ているパン屋と八百屋直結?なフルーツジュース屋を指差して言う
パン屋のパンは僕も何度か食べた事があるが、かなり美味しかったのを覚えている、僕個人はクロワッサンがオススメ
「あの、カナリアちゃんの お母さんも聖導教会信者なんですか?」
「ん? うん、そうだよ? ベルカ人の98%は聖導教会信者何じゃないかな? おばさん・・・カナリアの お母さんは、日本へ行く前は修道騎士団に所属していて、噂では次期枢機卿の席に推薦されそうだったとか」
「それって・・・凄い事、ですか?」
「あー・・・そっか、ピンと来ないよね? うーんと・・・」
ハジメがシュヴァーンへ質問して、何気なしに答える
僕としても母の過去は少し興味があるので、ほっておくと シュヴァーンの返答にメンバー全員がピンと来ていない様子を見てシュヴァーンは少し困った様な表情をする
「えっと・・・聖導教会は区分けがあって、まずは教会内に所属していない一般信者、教会に所属している修道士に分けられるんだ」
「その修道士も戦闘要員と非戦闘要員に分けられる、と」
「そそ、カナリアが言った様に、戦闘要員の修道士が修道騎士って呼ばれてる訳さ」
今、シュヴァーンが説明しているのは、あくまでも聖導教会と言う組織の中での話であって、ベルカ帝国の国防等を担っている兵士は別にいるので、注意が必要だ