前世 男の聖女コスプレTS少女が行くダンジョン配信 作:銭湯妖精 島風
宗教国家であるベルカは、聖導教会の最高位である教皇の伴侶が皇帝をしており、歴代皇帝は全員婿入りしている
宗教国家らしく、教皇へなれるのはイオン様から神託で任命された者だと言う
僕でも、この程度は知っているが、逆に言えばコレ以上は知らないって事でもある
「んで、修道士には階級がある訳だけど・・・詳しい説明は省略して、武勲をあげた おばさんは、上から2番目の地位である枢機卿、所謂 幹部クラスへ後一歩まで出世してたって訳」
「なるほど、凄い事なのは理解出来ました」
シュヴァーンの説明を聞きハジメは ある程度理解出来た様で、にこやかに言うのを見つつ、僕は 気になった事を尋ねる
「ねぇシュヴァーン? 枢機卿って何人いるんだっけ?」
「由来は忘れたけど、8人だね」
「8人か」
「教会内の物事を決めるだけなら、幹部8人居れば事足りるし、内勤してる面々も沢山いるしな、うん」
「それはそう」
教皇を入れて9人になるのは、意見が割れた時に同数で話が平行線にならない様にだろう、多分
信心深い上層部も、何から何までイオン様頼りにはしない筈だしね?
そもそも、そんなに暇をしている訳が無いのだ、イオン様は
「あの〜、カナリアちゃんのお母さんは、そこまで出世していたのに何故 枢機卿にならなかったんですか?」
「ん〜 あんま話すと おばさんに怒られそうだけど・・・ま、事実だし仕方ないよな? 元々は第2次統合騒乱の後遺症の最初期ダンジョンの調査・踏破の為に日本へ出向してたんだ」
「出向と言う事は、定住予定では無かった、と」
「そそ、さっきも言ったけど おばさんは 兎に角 当時の修道騎士の中で最強と言っても過言では無いぐらいの実力者だったから、魔法やら異世界のモノに脆弱だった当時の日本へ 何が有っても死に辛い人材として送られたって訳、んで元々の予定では第1次調査任務が終了して帰国したら、枢機卿の席に着く筈、だった」
割と好奇心が強いらしいニナがシュヴァーンへ質問をする、僕はなんとなく理由を予想出来ているので黙っておこう、そうしよう
シュヴァーンは そんな前置きをして僕にアイコンタクトで黙っててね?と要請してきたので頷くと、彼は説明し やはり社長令嬢とあってメンバー全員が理解している様子だ
「どう言う経緯かは俺も知らないけど、当時 平のヴァンツァー隊員だった おじさん と知り合って、トントン拍子で事が進んで おばさんは 帰国しないで日本に残って日本ギルド創設の初期メンバーになる事を選んだ訳さ」
「えっと、つまりは」
「約束された出世を蹴って、愛を選んだ、まる」
「うん、分かってた。そうだよね・・・そうじゃないと僕は産まれて無いもんね」
やはり年頃の女子高校生は、この手の恋バナ?が好物らしくシュヴァーンの説明に満足した様子で大興奮している
いやはや両親の馴れ初め(仮)をクラスメイトの前で聞かされるのは少々恥ずかしいが、まぁ仕方ない
悪いのは僕ではなく、質問をしたニナと答えたシュヴァーンだ、うん僕は悪くない、なぜなら僕は悪くないのだから
「という訳で、辿り着いたのがエルドランド大教会が誇る写真映え待ったなしの大階段とクソデカい教会だ」
「ほんと、いつ見てもデカいよね」
シュヴァーンがガイドらしく説明をして、メンバーが あまりにデカい教会に固まっているのを横目に、通りすがりの法衣を着た人に手を振っている、知り合いだろうか?
「知り合い?」
「まぁね、婆さんの部下だよ 今の人」
「おばあちゃんの? そっか」
シュヴァーンの袖を引き耳打ちをして尋ねると答えてくれたので、軽く振り返り、おばあちゃんの部下の人の背中を見送る
そういえば、枢機卿って普段は どんな仕事をしているんだろう?
デスクワークとかしてるのかな?
なんだろう、教会内を見てたら会いそうな気がしてきたなぁ