前世 男の聖女コスプレTS少女が行くダンジョン配信 作:銭湯妖精 島風
なんか、表情が険しかった気がするけど、何でかな?
そんなこんなで、もう直ぐ合格発表と卒業式を控えた週末の事、自室で趣味の映画鑑賞をしていると、母が扉をノックし入室してきて
「少し話が有るから、来てもらえる?」
「え? 構わないけど・・・」
ワゴンセールの安売り品のC級映画がクソみたいな内容だったので、真剣な表情の母の言うことに素直に従い、彼女の後に続く
自室からダイニングへ移動すると、神妙な表情で座る4人の男衆がいる、何だこれ?
家主である父と大学生で実家を出ていない
たまたま帰省した日にちが被っただけなら、こんな表情をしていないだろうしね?
「えーっと・・・どうしたの? みんな揃って」
「カナリア、先日のバイトの話は覚えているか? 」
「先日のバイト? あぁ、紗夜さんに誘われて快諾したヤツ? それが?」
ダイニングテーブルの定位置に座り、空の湯呑みに勝手に急須からお茶を注いで一口飲んで尋ねると、父が真剣な表情で質問してきたので素直に答える
「実は お前から話を聞いて俺達は各々調査をしたんだ」
「えぇぇ・・・流石に過保護なんじゃ?」
「幸い、アルエットは内勤で情報観覧が出来る地位にいるし、雀晴も資材やらの流れを調べられる、俺も昔馴染みのツテで紗夜って娘の素性を調べる事が出来た」
「おっと完全にスルーされてるぞ〜?」
何というか・・・僕が末っ子だからか、はたまた
「分かったのは紗夜って娘は
「加えて篠原グループ傘下企業がギルドホームの賃貸契約をしているわね」
「で、先日 ギルドホームに設備一式の搬入が確認された」
「SNSで探索者に向けて勧誘の広告が配布されてる」
父→母→雀晴→鷹樹の順に喋る、なんかすごい連携だなぁ
「僕の方も本当に裏が無いか探ってみたけど、彼女は本心から君への恩返しと実益を兼ねている様だね」
「・・・どうやって探ったのさ? 三鶴ちゃん」
「企業秘密だよ、カナリア」
とても胡散臭い笑みを浮かべて説明する三鶴に尋ねるが、はぐらかされてしまう、うん これは追求しない方が良さそうだ
「だから、バイト先は安心出来そうだぞ? カナリア」
「うん、ありがとう? 頼んでないけど」
身構えて少し疲れたので脱力してお茶を啜る、美味しいなぁ緑茶
「さてと、カナリアから預かっていた正体不明の岩だけど、正体が分かったよ」
「そうなの?」
「うん、コレは魔鉱石だったよ」
「魔鉱石?」
「魔鉱石!? 三鶴、何で魔鉱石を?」
少々ピリついた空気が緩み三鶴が彼へ預けていた黒光りする謎の岩の正体を口にすると、普段の母からは想像出来ない声量で僕の言葉を飲み込み言う、母が動揺してるの珍しいな〜
「カナリアがダンジョン遭難した時に、ゴブリン魔石と一緒にドロップしたそうだよ。僕は鑑定スキル持ってないし調べていたんだ」
「そう、そうなのね・・・貴女はイオン様の聖女だものね、カナリア」
「訳が分からないよ」
僕を置いてきぼりに話が進み、母は自己完結した様子でそう言うが僕にはさっぱり分からず困惑する
「いい? カナリア? 魔鉱石は魔武器を作る為に必要不可欠の魔法石なの」
「魔武器は確か、その人固有のオンリーワンの武器なんだっけ?」
「そう、魔武器は その者が1番扱える得物になる、そして担い手と共に成長する謂わば生きている武器よ」
「ほへ〜そいつはすげぇや」
こんな岩が、そんな凄い魔法石だったとはね、驚いた
とりあえずは、これで1つ ダンジョン探索者への1歩を踏み出せたな、うん
[紗夜は五月七日家から信用を獲得しました]
[カナリアは魔鉱石を入手しました]