前世 男の聖女コスプレTS少女が行くダンジョン配信 作:銭湯妖精 島風
過保護な両親+3人の兄の報告会? から更に1週間が経ち僕はギルドの貸し会議室(小)で約2週間ぶりの
とりあえず彼女の視線は僕では無く、僕の両脇に座る母と長男を行き来している、あれかな?
「え、え〜・・・カナリアちゃん、先日の口約束の件の契約書が出来たから公式の契約を交わしましょう」
「よろしくお願いします、あ 保護者2名が同席したいと無理矢理ついてきた件はすみません」
「大丈夫、同席は当然だと思うわ。貴女は未成年な訳だし」
「ありがとうございます」
無言で紗夜を見る2人の視線を浴びながら彼女は言う、僕は同席拒否したんだけどね? 鷹樹は兎も角、母は仕事中な訳だしさ?
そんなこんなで紗夜は自分の鞄から契約書の入ったファイルを取り出し机の上に広げて、僕の前に置く
「口約束した内容を形式張って難しい言葉を使い細かく記載されているわ、面倒だと思うけれど読んでからサインをしてちょうだい?」
「僕は紗夜さんを信じていますが、もしかしたら紗夜さん以外の誰かが改竄してたりするかも知れないので熟読させて貰います」
「そうね、その通りよ」
開かれたファイルを手に取り上から順に読んでいく、うーん やっぱり契約書の言い回しは独特で読みづらいなぁ
そんな事を思いつつ、たっぷり時間をかけて読み込み内容を理解する
内容を要約すると、篠原グループ傘下企業が試作した様々な用品をダンジョンで実用テストする と言う物だ
あくまでも学業優先のスタンスで行き、基本的には平日なら放課後の数時間、土日祝日は要相談・・・正しくバイトのシフトの様なイメージの勤務形態だ
僕としては試作品の種類が少し気になるので、質問しておこう。とりあえずメモメモ
「カナリア、私も読ませてもらえる?」
「え? 良いけど・・・」
「カナリアちゃん、ちょっと」
「何ですか? 紗夜さん」
隣に座っていた母が契約書を確認したいと言ってきたので素直に渡すと紗夜が僕を呼び、会議室(小)を退出して彼女は僕に向き直り
「貴女の母親がダンジョン黎明期の元探索者で現ギルド支部長だなんて聞いてないわよ」
「まぁ言ってませんからね、それは知らないでしょう」
「くぅぅ・・・それに実兄が個人勢なのに実況者ランキング上位者の鷹樹なのも!!」
「それも言ってないですからね、凄いのは母と兄ですし・・・ちなみに父はヴァンツァーの教官してます」
なんとも言えない表情で問うて来たので、サラッと答えると更に何とも言えない表情をする
僕は七光で自分を着飾る趣味は無いので、仮に聞かれてもギルド職員とか探索者をしている程度にしか言わない事にしている
もちろん知らない知識は教えてもらうが、各々の地位を利用して楽をしようとは思わない、自分自身のチカラで築いた土台がなければ ちょっとした歪みで瓦解して何も残らない惨状を招くから
「・・・何となく貴女の性格を理解したわ、用心深いわね」
「ありがとうございます?」
なんやかんや紗夜を宥め? 入室すると母では無く鷹樹が契約書を読んでいる所だったので、改めて2人の間に座る
「変な仕掛けは無かったわ、安心してカナリア」
「俺も読んだけど、特に詐欺っぽい条項も言い回しも無い真っ当な契約書だな」
「そう、ありがとう お母さん、鷹ちゃん」
母から高そうな万年筆を借り共通語の筆記体で契約者の欄にサインをして、紗夜に渡すと彼女もサインを書き、原本と控えに分離させ控えを僕の方に差し出し
「これで雇用契約は完了ね、これからよろしく カナリアちゃん」
「はい、よろしくお願いします。紗夜さん」
紗夜的には少々圧を感じる場面だっただろうが、何事も無く契約が出来て良かった
さてさて、これで探索者になる準備は半分は終わったかな?