前世 男の聖女コスプレTS少女が行くダンジョン配信   作:銭湯妖精 島風

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257. ワンタイム・ティーパーティー

 

 

若宮ダンジョン1層 湖畔キャンプ地で僕は、焚き火の火を眺め癒されながら母が入れてくれた薬草茶を啜る

 

少々味に癖があるが、逆にクセになる味わいを感じる、美味しい

 

 

「貴女と2人きりなんて、いつぶりかしらね?」

 

「どうだろう? 夏休みにベルカへの旅客機以来かな?」

 

「あぁ、そんな事もあったわね?」

 

 

例に漏れず軽量コンパクトボディの僕を自身の膝に乗せて、満足気に母は言う

 

 

マリアのアトリエの扉と言うパンドラの箱を開ける勇気が僕には無かったので、信頼・信用できる魔法アタッカー筆頭の母へ応援要請をすると、二つ返事で了承され、定時退勤した母にココへ連行されて今の状態という訳だ

 

因みにワカモも顔には出してはいなかったが疲れていた様で、母に僕が回収されたのを見た瞬間に、勝手に送還されていった

 

 

「カナリアに頼られてママは嬉しいわ」

 

「今の僕じゃ最適解が分からないし、餅は餅屋って言うでしょう?」

 

「それ、多分誤用してるわよ?」

 

「知ってる」

 

 

僕的には頼っているつもりだが、母には物足りない様で僕のヘルプ要請に大喜びの母へ適当な事を言うと、案外分かっていた様だ 日本語って難しい

 

 

「さて あまり時間を掛けてしまうと、パパがヘソを曲げてしまうから本題に入りましょうか」

 

「うん」

 

 

母はニコニコと笑みを浮かべたまま、膝に乗る僕を抱きしめて言う

 

「AMFへの対策 及び 装備面の工夫を聞きたいのよね?」

 

「そうだね、魔武器主体の僕は どうしてもAMFは弱点になりえると思って」

 

「そうねぇ・・・」

 

 

僕の頭を母の偉大なる母性へ埋めながら母は少し思考する素ぶりを見せ

 

 

「AMF濃度レベルによるけれど、低レベルなら 普段より強く多く魔力を使用する事を意識すれば大丈夫よ、魔武器に付随するオプションの能力も阻害されないわ」

 

「そうなんだ」

 

「それに魔武器の展開まで阻害出来るAMFは、AMFを稼働させる為の消費エネルギーも膨大になるから相当な規模になるのよ、それこそ専用のエネルギー炉を用意する必要があるレベルね」

 

 

母は真剣に分かりやすく説明していいくれる

 

僕の予想とは裏腹に、AMFの仕組みは簡単ではない様だ

 

「以上の理由から、心配し過ぎる必要はないと思うわよ? とはいえ、もしもの為に備えておく事は無駄ではないわ、寧ろ無駄になる方がいいわね」

 

「そうだね? もしもの備えは無駄になるのが1番」

 

 

そう言い母は僕を優しく抱きしめ直す、母は偉大だ

 

 

もしもの備えが無駄になる事が最良の結果だろう

 

例えば、医者が暇なら それは患者が居ないと言う事、つまり怪我人や病人が居ないって意味になるし、警察が暇なら犯罪者や事件・事故が無い事を意味する

 

この世には、タダ飯食いをしている時こそ世界が平和である証の職が存在するのだ

 

だから、もしもの備えが無駄になる事が最良だと断言出来る

 

 

「それに中度レベルまでなら小手先の技術で、どうとでもなるわ」

 

「例えば?」

 

「AMFは外撚魔法を阻害する、つまり体内で有れば多少のロスは発生するけれど魔法の形態変化は使用出来るのよ」

 

 

そう言い母は僕を抱き締める体勢を辞めて、少し身体を放して顔を僕とは逆に向けて焚き火を着ける時に使ったチャッカマンの火を出し、ゆっくり息を吹きかけると、母が火を吹いた

 

「えぇ?」

 

「ふふ、驚いたかしら?」

 

「え? うん? いや、だって お母さん、属性」

 

「あらあら、ごめんなさいねカナリア、そんなに混乱させてしまうなんて」

 

母は数秒 火を吹いた後にチャッカマンの火を消し、満足気に僕へ尋ねてくるが、想定外過ぎて混乱してしまい 語彙力が致命的に欠如してしまう

 

そんな僕を母は謝りながら再び抱きしめてきたので、とりあえず身を任せる

 

 

今、問題なのは火属性に適性のない母が どうやって火を吹いたか

 

その方法だ、これは僕にとって手札が増えそうな気がする

 

 

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