前世 男の聖女コスプレTS少女が行くダンジョン配信 作:銭湯妖精 島風
混乱する思考を深呼吸して沈静化させてから、僕は思考を始める
母の言った『魔法の形態変化』が先程 母が火を吹けた理由だ
母の適性は水と派生の氷、 ん? 形態変化? 形状変化じゃない?
「あれ? もしかして・・・」
「ふふ、やっぱり貴女は賢いわカナリア、それに自力で至るのね」
母は嬉しそうに僕の頭を撫でてくる、その様子に僕が答えに辿り着いた事に気づいた様だ
「
「魔法科学、かぁ」
「水と土は特に化学と相性が良いのよね」
母は僕を抱きしめて言う、科学的知識は 転生者の先達がエルトラントに持ち込んでいるので、割と小中学で習う程度なら統合騒乱が起こる前から知識として存在していた
故に、魔法へ転用出来る化学反応については母は知っているのだろう
錬金術師なんて部類の人達は、更にヤバい知識量を持っている筈だ
「お母さんが さっき火を吹けた理由は、口の中で水の形質変化を使い水素と酸素の混合気体を生成して、吐き出す息に乗せてチャッカマンの火で燃やしていた、そうでしょう?」
「えぇ、正解よカナリア、偉いわね」
嬉しそうに母は僕を自身の母性に包みこむように抱きしめる、相変わらずハードルが低い
「水から水素と酸素を生成する技術は、攻撃魔法には該当しないわ、これは立証されている事よ」
「そうなんだ」
「聖女の様にサポート特化クラスは、基本的に攻撃魔法の取得に難がある または 不能である事が常、だから自衛や攻撃手段を目的に研究がされていたのよ」
「な、なるほど」
母の偉大な母性に身を任せながら相槌をうつ
確かにサポート特化クラスになってしまうと、ソロ活動は厳しいと思う
僕もフロッティとローレライが無ければ、ダンジョンモンスター特効とはいえ、攻略は もっと苦戦していたと思う
「それである程度のラインは分かっているの、ザックリとしたラインは 使用時に直接攻撃力を有しているか否かよ」
「あーだから、僕は水玉は作れても射出出来ない訳?」
「その通り、逆に言うと攻撃力を出す為にワンアクション必要な場合は、バステ対象外の可能性が高いわ」
「バステって・・・あぁバッドステータスかな? なるほど?」
母の母性を脱出して薬草茶を飲んで落ち着き、しっかりと反芻して考える
母の言う通り、水の形質変化で水素と酸素が製造出来るなら、更に先の原子・分子まで操作出来れば、オゾンとか作れるかも知れない
使用状態によっては大変な事になるかも知れないから、気軽に試すつもりは無いけれど
水で そうなら土は 更に出来るバリエーションが増える筈だ、何せ一口に土と言っても、国や土地により性質が多種多様だからだ
例えば岩塩、これも土から出土する物質の代表といえるし、金鉱石や銀鉱石・鉄鉱石などもあるし、石炭も出土する
鉄粉と石炭の粉に水素と酸素を混合して障壁で密封して、使用する時に何かしらの方法で着火出来れば、即席なんちゃって黒色火薬地雷の完成だ
そう考えると、僕と相性が良いな 水と土 とても良い
「良いカナリア、知識はチカラよ。 常に謙虚に知識に貪欲で有りなさい、そして固定観念を捨てなさい、そうする事で貴女は更に強くなれるわ」
「うん、わかったよ。お母さん」
母は僕と目を合わせると、真剣な表情をして そう言う
知識はチカラ、まさに その通りだと思う
使用する魔法の性質や相性、環境による威力減衰の有無、発生するモンスターを含めた生態系の予想
その全ては、知識が無ければ攻略出来ないし、太刀打ち出来ない
だから、知識を貪欲に求め続ける事で僕は強くなれる
攻撃魔法の取得が出来ない僕には、小手先の手札を増やして行くしか無いのだから
でも、未知を知る事は楽しい
だから、ダンジョン攻略はやめられない