前世 男の聖女コスプレTS少女が行くダンジョン配信 作:銭湯妖精 島風
ワカモへ要救助者確保をお願いして、僕は目の前のオークに集中する。下手に此処で僕がやられてしまうとワカモが強制送還されてしまうからね
「残り80m、数は・・・25くらい、いや 階段からも来てるっぽいし増えるか・・・蓋しておこう」
僕は障壁を階段エリアに多重展開して階段エリアからの増援の足を止める
これで僕の処理能力の都合で目の前のオーク達に障壁が使えなくなったから、気を引き締めて行こう
「とはいえ、オークは単調だから対処は出来ているのだけどね?」
僕は再び先頭のオークを撃ち殺して呟く、コンパクト軽量ボディである僕にとって、マンションの廊下は かなり戦いやすい
何故ならオークはゴブリンと違い、体高が成人男性並にある上に所謂 ちゃんこ型体型をしている、つまり横幅が3mも無いマンションの廊下では、僕を囲む事が出来ず、僕と1対1の構図になってしまう
そう、幾らパワーが有ろうともスピードで翻弄して近接戦が出来る僕に有利な訳だ
疲れたら距離を取って散弾で牽制も出来るし、スタングレネードとか使って隙を作る事も出来る
「床が傷みそうだから気が引けるけど、マリアさんからの試供品があったし、試してみようかな」
マリアから貰った新作のパイナップル型フラググレネードをアイテムバッグから取り出し、ピンを抜いて適当にオーク列の中央ぐらいに壁にバウンドさせて投げ、きっちり4秒後に起爆してオークが苦悶の断末魔を上げて何匹か絶命する
「割と効果があるっぽいな、増産の依頼しとこう」
パイナップルの中身は、僕のメインで使っている弾薬と同じスキルで生成している岩塩なので岩塩の破片を食うとダンジョンモンスターは絶命する、そんなからくりな訳だ
可能ならハンドガンとかの弾頭にも加工したいけど、色々と技術的に難しいのが現状だったりする
「今ので大分減ったし、頑張ろうかな」
地の利を活かしてオークを蹂躙して最奥の部屋の前に到達したので
「ワカモ、無事? 僕だよ〜」
「うむ、お疲れ様だ 主」
ベコベコの扉の向こう側からワカモの労いが聞こえたので、一安心し
「要救助者は?」
「無事だ、足を折っていたみたいでギブスをしている。それ故に逃げ遅れた様だ」
「あららら、それは不運だね」
「全くだ」
そんな事を話しながら ダメ元でベコベコの扉を開けようとしてみるが、歪み過ぎてウンともスンとも言わない
「ワカモ、鍵は開いてるよね?」
「あぁドアチェーンも外してある」
「そっか・・・押しても引いてもダメだね、どうしようか」
「内側から吾が扉を粉砕するか? 外側からブリーチングするよりは安全だと思うが」
「そうだね、そうしようか」
僕の言葉にワカモが提案してきたので了承し、扉の前から退避して壁際に身を寄せ彼女に合図を送るとベコベコの扉が吹っ飛び対面の壁に辺り床に転がり、中からワカモが顔を出し
「次はどうする?」
「階段はオークがいるからなぁ・・・ワカモ、なんとか出来ない?」
「手が無い訳ではないがなぁ・・・少々目に毒だ、主は要救助者に説明をしてきてくれ、その間に吾がオークを片付けておく」
「わかった、任せるね?」
僕はワカモと入れ替わりで部屋に入ると、右足にギブスをしている成人男性が少し辛そうに椅子に座っているのが見える
「お待たせしました、探索者のカナリアです」
「ワカモ氏が来たので、もしやと思ったけど 本当にカナリアちゃんだぁ、ありがてぇ」
「え? あ、はい? もしかして視聴者の方ですか?」
「あ、そうです。すみません、救援に来て貰えて舞い上がってしまいました」
なんだか僕を見た瞬間に拝みだした男性に、少し戸惑いつつ尋ねると急に敬語を使い始める、なかなかやりおる
とりあえず聖水を渡して服用させ彼へバフをかけておく、これで多少の精神・体力の回復が見込めるからね、うん