前世 男の聖女コスプレTS少女が行くダンジョン配信   作:銭湯妖精 島風

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280. 慰労旅行 9

 

 

そんな訳でタンデムシートにワカモを載せたまま紗夜(さや)(なぎさ)と合流し、今日の中継地点である蕎麦屋へ到着する

 

「ふぅ、予期せぬハプニングは有りましたが到着しましたね」

 

「そうね」

 

「熊とコンニチワする何て想定は無かったからねぇ」

 

 

ヘルメットを脱いで一息つき呟くと2人も肩の力を抜いて僕へ同意を示してくれる

 

 

「そろそろ吾は帰るとしようかの」

 

「待ちなさい、貴女の活躍も有ったのだからタダで帰らせる訳にはいかないわ、昼食を食べてから帰りなさい」

 

 

ninja400のタンデムシートから降りて僕達を一瞥してワカモが送還の魔法陣を展開しようとするのを紗夜が止める為に彼女の尻尾を握り言う

 

 

「ふむ、蕎麦か・・・悪くないな、分かった従おう」

 

「聞き分けが良くて助かるわ」

 

「吾の尾を遠慮なく握る娘を振り解くつもりは無いからな、吾は子供の味方なのだよ」

 

「知っているわ」

 

 

紗夜の言葉を聞きワカモは数秒考えて紗夜に従う事を了承して、自身の尻尾を切り離してから変化の術?を使い、人型になる

 

 

「相変わらず人の身になると小柄よね」

 

「仕方ない事だ、成長期と言うモノは久遠の果てへ家出してしまったからな」

 

 

ワカモは紗夜の言葉に肩をすくめて遠い目をして言うので、僕は良い知れぬ親近感を抱くが、それより気になった事を尋ねてみる

 

 

「いつもの巫女装束では無いんだね?」

 

「ん? あぁアレは仕事着の様な物だな、霊狐と言えば巫女装束だろう?」

 

「・・・ワカモって結構型から入るタイプ?」

 

「そんな事はないぞ? 多分」

 

 

僕は いつもの巫女装束ではなく藍色を基調とした和服を着こなしているワカモへ尋ねると、そんな事を言う

 

いや、絶対に物事を型から入るタイプだと僕は思う

 

この偉そうで古臭い喋り方も、キャラ作りだろうし?

 

本来なら僕が契約出来るはずも無い最高位の霊狐であるワカモと契約出来ているのも、僕が聖女だから だけではない筈なのだ

 

もちろん聖女が関係はしているだろうけど、イオン様とヴェスタ神の意向が反映されている筈だ

 

とはいえ、今のところは確認するつもりは無いけどね?

 

 

「さ、いきましょう? もう間も無く予約の時間よ」

 

「2人共、ここの蕎麦はマジで美味しいから」

 

「それは楽しみだ」

 

「楽しみです」

 

時計を見て紗夜が入店する為に先んじて歩み始めたので彼女へついてゆき蕎麦屋へ入り渚が女将さん(仮)に説明して予約席へ案内して貰う

 

 

「元々4名席を予約していて良かった良かった」

 

「そうね?」

 

「その辺りも想定していましたよね? お嬢」

 

「さぁ? なんの事かしら?」

 

すんなりと予約席へ案内され、如何にもなメニュー表が配布されて一通り 目を通す

 

春夏秋冬の期間限定メニューとか豊富なメニューが存在していて、結構迷ってしまいそうになるが、ここは定番を注文する事にし

 

「僕は かけ蕎麦を」

 

「かけ蕎麦と お任せ天ぷら皿で良いかしら?」

 

「意義なし」

 

「吾も異論はない」

 

 

そんな具合に僕が口を挟む間も無く紗夜は女将さんに注文する、本当に早業だったなぁ

 

それから数分で注文した料理が配膳され僕達の前に並び

 

「冷めない内に頂きましょう」

 

「いただきまーす」

 

「いただきます」

 

「神よ、恵みに感謝致します」

 

 

紗夜のひと言を聞き、手を合わせてから かけ蕎麦(大盛り)を口に運ぶ僕の隣で、ワカモが日本式では無い手の合わせ方をしてから かけ蕎麦を食べ始める

 

うん、ワカモはヴェスタ神教の信者だね

 

とりあえずワカモの所作を見なかった事にして、目の前の かけ蕎麦と天ぷらを味わう、とても美味しい

 

紗夜と渚が他人(ひと)にオススメするだけはあるし、ここまで来る価値がある

 

これは後日、もう1度 来店して食べなければならない

 

なんなら家族にも食べさせてあげたい、少なくとも両親と三鶴の3人には

 

 

よし、次は家族でこよう、そしてまた かけ蕎麦大盛りを食べよう

 

 

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