前世 男の聖女コスプレTS少女が行くダンジョン配信 作:銭湯妖精 島風
上裸1歩手前の父を横目にキャンプ用品の会話をしつつ、
「お疲れ様、初めてだと大変よね」
「ありがとうございます」
「ありがとうございます、いただきます」
【若くて美人のマッマうらやま】
【気遣いの達人やな】
【いつもの事だけど紙袋ヘッドで飲食出来るのスゲーなぁw】
キャンプコンロを使い いつの間にか 薬草茶を淹れた母が労いながら2人へお茶の入ったマグカップを渡す、手際が良いな
そんな事を考えつつ、僕と渚も母の薬草茶を貰いキャンプチェアに座って一息つく、あぁ癒される
「焚き火を見ながら、ただただ お茶を飲んでのんびりする時間は、贅沢な時間の使い方ですね」
「そうだね、私も君もCEOも 毎日騒がしい所の中心にいるしね」
「それなんだか、僕が騒がしくしてるみたいになりません?」
「そんなつもりでは無かったのだけど・・・でも、案外そうじゃない?」
「確かに」
【確かに贅沢な時間だな】
【カナリアちゃんはゆっくりして癒されて、俺達は癒されてるカナリアちゃんを見て癒される、Win-Winだな】
【無限機関なのでは?】
【確かに、ノーベル平和賞並みの発見だな】
結構騒がしい日常を送っている僕達にはキャンプは癒しをもたらしてくれるモノなので、全力で脱力して満喫する
完全脱力の僕を見て去る視聴者がいるかも知れないが、それは別に仕方ない事だ、その人が望む僕では無かっただけだから、僕は僕自身を見てくれる視聴者の為に、そして何よりやっていて楽しい活動の為に、配信者を続ける
まぁ、この辺りの収益とかを考えるのは紗夜や渚の頭を使う枠の仕事だからね、僕は従うだけだ
「ん? 」
「どうかしたかしら? カナリアちゃん」
「いえ、ちょっと何か聞こえた様な・・・」
「何かって?」
【お? 何か起こったか?】
【お茶飲んでマッタリしてたのに】
【溶けてたのにスイッチが入るとしっかりしてるやん】
【オンとオフの切り替えが早い事に定評の有るカナリアちゃん】
【なぁ、外のキャンプ場だからって無視してたんだけどさ? なんか・・・鳥がチラチラ見えてね?」
僕は薬草茶の入ったマグカップをキャンプテーブルに置いてキャンプチェアから立ち上がり辺りを見渡すと、紗夜に質問されたので曖昧な答えを返してしまいつつ目に入ったコメントで、確かに鳥が多い事に気付く
今 僕達のいるキャンプ場は、街から少し離れた山の中腹辺りにあるので、鳥や虫の囀りとかが聞こえるのが当たり前だと思っていた、しかし 言われてみれば 違和感を感じるぐらいには多い事に気付く
「・・・反響定位の索敵範囲を少し広げて確認してみようかな」
「よく見たら、小鳥だけじゃなく猛禽類も集まっているわね」
「肉食が小鳥を襲わずに仲良く並んでコチラを・・・いや、カナリアちゃんを見てる?」
「・・・ねぇ、スタッフ? 前にも似た事が有ったわよね?」
「あー・・・有りましたね?」
【自然の摂理がバグったか?】
【絵面がスゲー】
【前例があるん?】
僕は紗夜と渚の会話を聞きつつ反響定位の索敵範囲を広げると、鳥や犬の比ではない大型獣の反応を感知してしまう
「お父さん、焚き火台を12時として5時方向に、犬とか鹿じゃ無い獣の反応があるんだけど、スコープとか持ってる?」
「ん? あぁ、一応 念の為に熊対策で猟銃持ってきてるから、あるぞ? 」
「そっか、多分 熊だと思うんだけど、確認してもらえる?」
「おう、任せろ」
【え? 熊?】
【普通にヤバいヤーツ】
【何だろう、カナリアちゃんがいるからか安心感しかないな】
【熊と相撲して勝てそうなパッパもおるしなw】
【猟銃って、そんな気軽に持って良いんだっけ?w】
暫定 熊の情報を父に伝えて確認してもらう、そういえばワカモに聖女パワーが溢れ出してる的な事を言われていたっけ?