前世 男の聖女コスプレTS少女が行くダンジョン配信 作:銭湯妖精 島風
僕達が借りている区画から一般キャンプ客が設営している区画まで少し距離があるお陰で、騒ぎになってない事に安堵しつつ、どうしたら熊が満足して帰ってくれるかを考える
「くぅーん」
「ふむ、主よ この熊が配下に加えて欲しいそうだ」
「・・・君もなの? 」
「熊の世話は大変そうだな? 散歩とか」
「他人事だと思ってぇ・・・お父さんは 少し黙ってて」
「怒んなよ〜」
【パッパw】
【おいたわしやパッパw】
【ちょーっとタイミングが悪かったねぇw】
僕は父を尊敬しているし、先の未来をあまり考えない気質を受け継いでいるけれど、今は少しタイミングが悪いので 少し黙ってて貰う事にした
さて、どうしよう? 前回の様に説得するしか無いかな?
「あー・・・えーっと、申し訳ないけれど 君を連れて行けない、人間社会では君が生きづらいだろうしね? だから家におかえり?」
「きゅぅーん」
「『覚悟の上』だ、そうだが?」
「えぇ・・・」
【これはチカラこそパワーでは解決出来ないな】
【困惑してるって事は、前回は聞き分けの良い熊だったんだなぁ】
【かと言って連れて行く訳にもいかんだろしな?】
前回と同じ様な説得をしてみたが、前回の子とは違い覚悟をしてきた様で応じてくれなかった、これは困ったな
さて、どうした物か と考えつつ おもむろに父を見て、妙案を思い付く
「ねぇ、お父さん? 金太郎っているじゃない?」
「お? うん、まぁいるな? 童話?のアレだろ?」
「うん、その金太郎。 金太郎さ、熊を配下にしてたじゃない?」
「なんか違う気がするが、まぁ・・・そうだな?」
【急にどうした?】
【急に金太郎の話し始めたぞ?】
【なんか、嫌な予感がw】
【熊も不思議そうに見てる件について】
僕は妙案を実行する為に 父へ話しかけて誘導を始める、僕は父なら成功させてくれるって信じてるからね?
「金太郎が熊を配下にしたのって熊と相撲をとって勝ったからだよね?」
「おいカナリア、大概察しの悪い俺でも流石に お前が俺にさせようとしてる事に気付くぞ?」
「そう? なら良かったよ」
「お前・・・実父に熊と相撲させよう、なんて良く思い付くな? 」
「僕は お父さんが勝てるって信じてるからね」
「ふっ、お前って奴は・・・」
【カナリアちゃーんw】
【君の実父とはいえバフ無しの日本人やぞ、パッパw】
【満更でもなさそうやんけパッパw】
【なんだろう、パッパなら熊に勝ちそうw】
誘導とヤル気を持たせる事に成功し、気を利かせてくれたらしいワカモが簡易土俵の円を作り、熊が既に円の中に立っていた
「『貴女様の父君に勝てなければ配下へなれないならば勝つまです、勝てなければ今日は帰ります』との事だ 、主よ」
「うん、ありがとう ワカモ」
「っしゃぁ〜、末娘の為に父さん頑張っちゃうぞ」
「お父さん、頑張ってね? お母さんも居るし、大抵の怪我は治ると思うから」
「おう、アルエットの腕は知ってるから大丈夫だ」
【両者ヤル気十分だな】
【おかしいなぁ、のほほんキャンプを見ていた筈がガチムチと熊の相撲を見る事になってるw】
【これは目が離せないな】
【誰もパッパが上裸になったのつっこまないんやねw】
ワカモにお礼を言って少し目を離した隙にタンクトップを脱ぎ上裸になった父を応援すると、父は簡易土俵に入り気合いを入れ熊を見据える
「吾しか通訳出来ぬ故、行司を務めさせていただく。はっけよい・・・のこった!!」
「がぁぁぁ!!」
「ふんぬ!!」
【おぉ、真っ向から組んだ】
【これは見応えがあるな】
【いや、なんで熊と拮抗出来てるん?】
【コイツはスゲーや】
身長が同等の父と熊がぶつかり合い、お互いに組んでチカラが拮抗する
掴みやすさで言うなら父が有利なんだろうけど、パワーでは熊が有利な筈なので、普通に父は凄いと感じる