前世 男の聖女コスプレTS少女が行くダンジョン配信 作:銭湯妖精 島風
篁の昼食の号令を聞き僕達はミーティングエリアに行き、適当な席に座って
僕も、それなりに裕福な家の子なつもりだったけど、想像を超える仕出し弁当が目の前に有って、やっぱり
「カナリアちゃんって左利きなんだね?」
「あ、ありがとうございます。そうですね、絶妙に不便な事がたまにあります」
保温容器から入れたコンソメスープの入った器を篁から受け取ると、彼女が そんな事をいうので、鉄板の自虐ネタを披露しつつ仕出し弁当に手をつける、美味い
ちなみに紗夜は社外の用事で出掛けているので不在だ
「不便な事かぁ・・・例えば?」
「普段電車は使わないのでアレですが、駅の改札とか右利き仕様で少し面倒ですね」
「なるほどなるほど」
僕達の対面に座り仕出し弁当を食べ始めた篁が、僕の説明に相槌を打つ
そんな他愛ない話をする雰囲気になったのを感じたので、先程疑問に思った事を尋ねてみる事にした
「初心者講座は視聴者としては需要有ると思うけれど、探索者が増えたら競合が増えるんじゃ?」
「まぁ競合は増えるけど、俺等だけで経済を回せる程の利益は生み出せないから、だな」
「そもそも日本じゃ探索者人口も少ないしから需要と供給のバランスが微妙ってのが現状だし、お嬢としても探索者が増えた方が仕事しやすいんだってさ」
やはり大人の考えは中々に深い、おかしいな精神年齢は僕の方が高い筈だけど、身勝手な考えになってしまっていた、反省
「探索者が増えれば需要が増え、供給も増え、雇用も増える。日本と言う国全体で見ればメリットが多いのさ」
「お、良い事言いますね先輩、今度から私も使わせてもらいますね」
「茶化すなよ後輩、実際の所 綺麗事でも無いしな」
「日本における探索者の人材不足ですね? 」
「あぁ・・・」
おやおや? 成人組2名が難しい顔をし始めたぞ? なんでだ?
「ま、俺等に出来る事をして、脳味噌使う系は お前と紗夜に任せるわ」
「鷹先輩、やっぱ脳筋っすね」
「筋肉は全てを解決するんだぞ? 知らないのか? 」
「いや知らないですよ、先輩」
相変わらず仕上がってる筋肉を魅せながら鷹樹がいつもの様に言うと、篁が呆れた様子で言う、ロリコンの気があるだけで感性は普通の様だ、良かった
「ほら、カナリアちゃんの表情を見てください、呆れてますよ?」
「気にするな、いつもの事だ」
「・・・おいおい」
篁は鷹樹に対して遠慮がないぐらいには仲が良いな、本当ロリコンの気が無ければ仕事が出来る美女なんだけどな、惜しい
僕としても彼女の働きぶりには尊敬の念を抱いているのは事実である、公私もキチンと分けるし・・・アレ? あんま邪険にしなくても良い気がしてきたな
仕事はキチンと完璧にこなしているし・・・よし、もう少し優しくしてあげよう、うん
篁と仲良くしておく事は良い事だ、この先ステラ・アークに所属している間は彼女のお世話になる訳だし
「篁さん、午後からは第1層で実技の撮影をするんですよね?」
「そそ、基本的には鷹先輩が先導してモンスターを排除しつつ1層を攻略するって流れだね、まぁあくまでも説明がメインだから必ずしも攻略する必要は無いけどね」
「分かりました、ドローンのバッテリーって何時間対応ですか?」
「えーっと確かカタログスペックでは8時間だけど、私の予想は良いところ5時間かな?」
「5時間、か・・・分かりました」
5時間あれば初心者講座・実技編の撮影には事足りる筈だ、多分
「機材の情報を知っておくのは良い心掛けだな」
「やめて、揺らさないで、ご飯食べたばかりで吐くよ」
「すまんすまん」
いつものチカラ加減で僕を撫でた鷹樹にクレームをつけるが、反省の色は見えない・・・本当に吐いて吐瀉物浴びせかけてやろうかな、この長男