前世 男の聖女コスプレTS少女が行くダンジョン配信   作:銭湯妖精 島風

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358. 休養期間 秘蔵品鑑賞

 

 

 

そんなこんなヘンリと雑談をしていた訳だが、いつまでも立たせたまま と言うのも悪いので、三鶴(みつる)が買って来て父と鷹樹(たかき)が搬入したソファにヘンリを着座させ

 

「映画でも見ますか? 自慢では無いですが、それなりの品揃えをしていると自負があります」

 

「そうみたいだね? 見るからに、凄い量あるよね・・・あ、そうそう 兄様から秘蔵品を貰ったのを思い出して、カナリアが暇してると思って持って来たんだよね」

 

「秘蔵品? もしかしてAV?」

 

「違うよ」

 

 

僕はヘンリへ提案しながら、コレクションが並ぶ棚へ歩み寄って品定めをすると、ヘンリが そんな事を言って来たので脳死の脊髄反射で余計なことを言ってしまい、即断されてしまう

 

 

「今回持って来た秘蔵品は、兄様達が学生時代に自主制作した映画だよ」

 

 

「兄様達と言うと・・・どのお兄さんです?」

 

「上の三つ子だね」

 

「あぁ、シンクさん達ですか」

 

「そうそう」

 

 

コレクション棚から離れヘンリの隣へ座り尋ねると、彼女は収納魔法から黒色のパッケージを取り出して僕へ見せてくる

 

 

「えーっと・・・The love of an aristocratic daughter?」

 

「シナリオ・演出・撮影・総監督はルトル・トゥルーデだよ」

 

「え? リューネの巨匠じゃないですか、超絶有名人」

 

「兄様達の幼馴染枠らしくて」

 

「へぇ〜」

 

 

白紙にタイトルのみ印刷されたシンプルなパッケージをヘンリから受け取り、統合騒乱後に映画業界で名を馳せた巨匠の名前を聞き、内容に期待する

 

にしても、シンク達の幼馴染ってスゲー人がいるんだなぁ、まぁ たまたまなんだろけど

 

 

「それじゃあ 早速」

 

「ルトル監督の初映画、楽しみだね」

 

「はい」

 

僕はヘンリから受け取った円盤を再生機器へ挿入し、部屋の照明を暗くする

 

この機能を追加工事してくれたのも両親だけど、本当に お金をかけて育ててくれてる、感謝しかない

 

 

タイトルが映り、人が疎らに行き交う道を赤い花を抱えた貴族令嬢らしき黒髪の少女が駆け足で道を進んで行く、この少女が 主人公らしい

 

アップになった時に見えた金色の瞳から判断するに、ユタカの様だ

 

 

「少しセリフ回しに硬さを感じますけど、素人ならでは ですかね」

 

「ぼく は映画を あまり見ないから、よく分からないや」

 

 

それから蒼髪蒼目の青年(グエン)少女(ティナ)が角でぶつかり、それをキッカケにして2人の交流がされていく

 

表では好青年、裏ではマフィアのナンバー2の野心家で人を自分の駒としか思っていない、控え目に言ってクズ

 

 

「シンクさんも、嫌な役をさせられていますね」

 

「なんで、分かるの?」

 

「え? そういえば、何ででしょう?」

 

 

なんでシンクがグエン役をしている事に気が付いたのかをヘンリに尋ねられて、僕は改めて考えるが なんとなく彼はシンクなのだと思っていた、直感と言う奴だろうか?

 

 

暫く交流を重ねて 表向き交際を始め、グエンは口先八丁でティナを騙し金目の物を毟り取り続け、ティナが もう貢げないと 告げると行方をくらませる、控え目に言ってクソ野郎だなグエン

 

 

それからグエンは、自身の血を分けた弟であるアーサーを自身の手で殺して下剋上し、組織のトップへと君臨し 様々な汚い手を使い勢力拡大をさせてゆき、ティナは自分がグエンに利用されていたのだと気付き、真相をグエン本人に問い正しに出向くが、真相はティナの持つ膨大な財産が目当てだった事がわかり、復讐を決意

 

 

組織の前トップだったアーサーを慕う者の裏切りでティナはグエンへ鉛玉を届ける事に成功し、ティナは苦い失恋と秘密を抱えて物語の幕は降りる

 

 

アーサー役はグンジョウの筈だけど、ティナがグエンを詰問してるシーンは逆になっていたなぁ、なんでだろう?

 

そんな身にもならない疑問を感じだが ルトル監督も学生時代とあって、まだまだ拙い部分も見受けられるけど、誰一人としてプロが居ない映画なのに、しっかりと映画になっているのは賞賛に値する

 

 

いやぁ、久々に良作に巡り会えて良かった

 

 

 

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