前世 男の聖女コスプレTS少女が行くダンジョン配信 作:銭湯妖精 島風
ひとしきり笑った
「それじゃぁ対モンスター戦の実演と行こう、あぁついでに魔武器を使用してみよう」
「了解・・・どっちが?」
「あー・・・俺から行くか」
低くしていた体勢を通常時に戻し自身の魔武器であるクレイモアを展開し握り、切先をスモール・ディアに向け
「来いよ、鹿野郎」
「急に口悪くなるじゃん」
「いや、これは挑発スキルの口上なんだが?」
「なるほど」
それまで僕達に見向きもしなかったスモール・ディアが殺意高めに此方へ爆速してくる、ラージ・ボアより速い
「ふぅ・・・はっ!!」
「おぉ、お見事」
「まぁ1層のモンスターなら、こんなもんだな」
スモール・ディアの頭突きを躱し伸び切った首を一刀両断し撃破して背中に納刀し鷹樹は言う
これは中々にカッコいいな、少し見直したぞ 長男
手慣れた様にドロップ品を回収する鷹樹を横目に周りを見渡し視界による索敵をするが、モンスターの姿は見えない、残念
「とまぁ、魔武器の切れ味はこんなもんだな、俺の魔武器はクレイモア だがカナリアのは聖女服と銃剣付きトレンチガンだ」
「魔武器は担い手により千差万別の形状・能力を有します」
「魔武器が欲しいと思った、そこの探索者に朗報だ。ステラ・アークCEOがリューネ式魔武器契約魔法を若宮ギルドに寄付した、だから若宮ギルド所属の探索者は受付で申請してくれ、多分この動画が出てる頃には設置が終わってる筈だ」
「ある意味ガチャなので、何が出ても自己責任でお願いします」
オーシア・ベルカ・リューネでは一般常識な魔武器の存在をステラ・アークのみで保有する意味は低いため、紗夜は敢えて魔法陣を若宮ギルドへ寄付する事を決めて既に納品されている筈だ
魔武器は担い手により千差万別な形態を取る訳だが、それは盾であったり本である事もあるだろう、だから武器作成を生業にしている人達の需要が減る事もない
それに魔武器の展開を維持するには微量とはいえ魔力を消費するので、保有魔力量が少ない人は節約の為に魔武器を使用しない、という選択肢もある
「それじゃぁ、次の獲物を探すとしよう」
「よろしくお願いします」
再び鷹樹が先導を始め、僕は彼の後ろについていく
「索敵しながら軽く初心者にオススメの魔法を紹介するぜ」
「お願いします」
「まずは障壁術、シールドとかバリアと呼ばれる魔力で作成した盾の事だ。これを習得してるか否かで戦闘の勝敗を分ける場合がある」
「あれか、致命傷を防げる防げないの差」
「その通りだ・・・居たな、1時方向 距離70m ミドル・ボア」
「1時方向 距離70m ミドル・ボア、了解」
障壁術の説明を聞きいていると、ミドル・ボアを発見し鷹樹が指を指したので、フロッティを抜刀しフォアグリップを軽く引きチャンバーに装填されている事を目視で確認し適正位置に戻し、安全装置を解除し緩く構え鷹樹に無言で頷く
「よし、良いぞ?」
「了解」
鷹樹から少し離れてミドル・ボアへ照準を合わせ引き金を引くと散弾銃 独特の発砲音が鳴り、鉛玉の代わりに詰められていた岩塩粒がミドル・ボアを貫き苦悶の声を上げる間もなく生肉と毛皮のドロップ品へ姿を変える
[経験値を獲得しました]
「ワンダウン、まずまずかな」
「いやぁ上手くなったもんだな」
「ミドル・ボアは的がデカいからね」
フォアグリップを操作しロードをしてショットシェルを装填しながら鷹樹へ答え、ドロップ品の回収へ向かい回収する
「毛皮をドロップするとは、ついてるな」
「珍しい?」
「まぁまぁか? 肉は確定ドロップだけどな」
「なるほど、この肉は煮込みにしよう」
「良いな、ミドル・ボアの煮込みは美味いからな」
僕の言葉に鷹樹はうんうんと頷き肯定しカメラドローン1号へ向き直り
「今回の動画はここまで」
「宜しければ、チャンネル登録・高評価をよろしくお願いします」
と動画の締めの挨拶をし一息つき
「よし、帰るか」
「ここからだと、2層入り口と出口、どっちが近い?」
「出口だな」
「じゃぁ、帰ろう」
例に漏れず鷹樹に先導してもらい帰路に着く、なんか疲れたなぁ