前世 男の聖女コスプレTS少女が行くダンジョン配信   作:銭湯妖精 島風

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44. 母の語

 

 

(たかむら)へカメラドローンのセッティングをお願いした翌日 学校が終わってから僕はギルドのトレーニングルームで母と対峙している

 

 

「昨日夕飯の時に尋ねられた魔武器の事だけれど、改めて私の知る範囲の事を教えるわ」

 

 

「うん、お願い」

 

 

「魔武器とは担い手が最も扱える形を成す担い手専用の武具であり、担い手と共に成長する自分自身を写す鏡」

 

 

「自分自身を写す鏡・・・」

 

 

ローレライとフロッティを展開し、眺めながら母が言った言葉を呟く

 

 

「自身が成長すれば自ずと魔武器も成長するわ、精進する事が魔武器と自身を成長させる事に繋がるの、成長に近道も正解もないわ。まぁ不正解はあるけれどね?」

 

 

「なるほど」

 

 

恐らく成長とは単純にレベルを上げれば良い訳ではないだろう、精神的な事も含まれているはずだ

 

 

単純な身体の強さも、心が弱ければ それは単なる暴力に過ぎず、それは強さとは言えない

 

心技体、その全てが揃う様に精進しよう、うん

 

 

「聖導教会の教え、チカラを正しく使う事、それは魔武器と自身の成長に通じるわね」

 

 

「そうだね」

 

 

「チカラだけでは人は人でなしであり、想いだけでは世界は変えられない。正しい想いを持ち正しくチカラを振いなさいカナリア」

 

 

「うん」

 

 

若宮ギルドの長をしている母だが、根幹の部分は今でも聖導教会 教会騎士なのだろう、その言葉には重さがある

 

 

「さて説法紛いはこれくらいにして、実際の所 毎日欠かさずに反復練習とかをコツコツとするしかないわね、特に貴女は魔力に目覚めて日が浅い訳だし、兎に角 基本に忠実にコツコツが大切よ」

 

 

「初心者が、いきなり多くを求めるなって事?」

 

 

「言葉はキツイけれど、要約すると そうね」

 

 

まぁ実際の所、母の言う通りなのだろう、今の僕は素人に産毛が生えた程度の初心者も初心者だ

 

 

多少はトレンチガンの扱いに才は有る様だが、自惚れてはいけない 僕より強く逞しく人はゴマンといる、何なら目の前に1人いる

 

 

「探索者としての貴女にアドバイスをするならば、貴女が取れる選択肢は2つ。1つ タンク役とパーティを組む、2つ 両方を熟る様になる、よ 理由は貴女のクラス聖女が原因なの」

 

 

「確か攻撃系統の魔法取得にマイナス補正なんだっけ?」

 

 

「そうね、聖女はサポート特化の後方支援職、ヒーラー兼バッファーがメインの立ち回りなの、だから貴女の様にソロ活動してるのは少々異例と言えるわ」

 

 

「そんなに?」

 

「そんなによ」

 

 

僕はイマイチ ピンと来ずに母に尋ねると母は遠い目をして言う

 

僕の様な存在は、相当異常の様だ

 

 

「ダンジョン表層や上層なら、貴女の頑張り次第でソロでもある程度までは大丈夫だと思うけれど、中層以降・・・最前線では戦うのは厳しいと判断せざる得ないわ、私は一応ヒーラーの適性を持っているけれど、メインは攻撃魔法を使用したアタッカーなのよ?」

 

 

「確か適性は水系統なんだよね?」

 

 

「そうね、派生で氷も使えるわ」

 

 

そう言い母は自身の魔武器である儀仗を軽く振り水玉を生成して凍らせて見せる

 

 

相変わらず手際は良い、相当な修練を積み魔力制御を会得している結果だ

 

 

「私の事はおいておいて、この先 ダンジョン攻略の最前線を目指すならパーティを組みなさい、1人ではダメでも2人なら達成出来る事もあるわ」

 

 

そう言い母は優しく、そして懐かしそうに微笑む

 

 

「お母さんにも、そういう仲間が居たの?」

 

 

「えぇ、ベルカに有る学園で初等部の頃からパーティを組んでいた仲間が居たわ、共に笑い泣いて喧嘩して成長して・・・そして強い絆を結んだ、私には掛け替えのない仲間よ、そんな背中と命を預けられる仲間を貴女にも作って欲しいの、人間は1人では・・・独りでは生きられないのだから」

 

 

そう言い母は僕を抱きしめて頭を撫でる、人は独りでは生きていけない、まさにその通りだと僕も思う

 

 

僕にも見つかるだろうか? そんな仲間が

 

 

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