前世 男の聖女コスプレTS少女が行くダンジョン配信 作:銭湯妖精 島風
和気藹々と他愛ない話をしていると、ニナがカナリアちゃんねる でスパチャを解禁していない事を思い出した様で、僕に詰め寄ってきたが ワカモのお陰で何とかニナを大人しくさせる事が出来たので事なきを得た
それからナンヤカンヤと時間が過ぎて無事に朝を迎える事が出来て、僕達は観光名所になっているリューネの中枢である城へやって来ている
「マイクロバスに小分けにされて移動になるとはね」
「城は王都の中心にあって、城下町は景観維持を目的に再開発はされてないからね、観光バスを駐車できる駐車場がないから仕方ないね」
「然り」
「当然の様にワカモちゃんがいるのは何だろう」
「先生が何も言わないし、良いんじゃない?」
「確かに」
マイクロバスを降りてグループ毎に集結し城門を見上げながら呟くと、ヘンリが事情説明してくれて、ワカモはウンウンと頷きながらヘンリの言葉を肯定し、ニナがツッコミにたいしてムツキとハジメが 宥めている
ニナの指摘の通りワカモは僕の襟巻きみたいに首元に巻き付いていて、不思議と重量を感じないし、暑く感じる事もない
そんなこんなワチャワチャしながら城門で記念撮影したり、門兵の人に労いの言葉を掛けたりして入城し、観光客が点在する広場と噴水を見つつ左右に広がる庭?も凄いなぁと思いながら写真を撮る
「この辺りはクリスマスローズが咲いているね」
「通路脇は常緑樹、その1つ内側に入った庭は季節に合わせた植物が植えられているよ」
「へぇ〜 ヘンリちゃん詳しいね」
「流石はリューネ人」
「しっかり予習とかしてるんだね、偉い」
観光客が増えた為かワカモは襟巻きに擬態して大人しくなり、僕達はヘンリの解説を聞き賞賛する、ヘンリに とっては自宅だし 知っていて当然の事だけど、3人は知らないしね? うん
アレ? もしかしてヘンリの兄姉に遭遇する可能性があるかも知れない?
僕の心配を他所にヘンリ先導で城観光を進めていくと、徐々に
「此処 一般開放されていない離宮の お庭じゃないですか、良いんですか?」
「構わないよ、彼女達なら無闇矢鱈に喧伝しないだろうし」
「それは確かに」
ヒソヒソ話をして意思疎通を図ると、ヘンリは3人には正体がバレても構わないと返答してきたので、彼女の意思を尊重する事にした
「内緒の話?」
「ううん、そんな事ないよ」
「凄いね、秋薔薇と金木犀? 」
「手間が掛かっている筈だよ」
「見事な薔薇と金木犀だな」
薔薇と金木犀に目を奪われていたニナが僕とヘンリの内緒話に気付いて尋ねてきたが、誤魔化すと依然として薔薇と金木犀に目を奪われているハジメとムツキ、そしてワカモが感嘆の言葉を呟く
「げ・・・ヘンリ」
「『げ・・・』とは酷いな、クオン」
「そうですよ クオンさん、ヘンリさん おかえりなさい」
「すまん、レイ ん? カナリアも居んじゃん・・・いや、もっと居るか」
「お久しぶりです」
唐突に生垣?の切れ間から推定 散歩中のクオンとレイが現れて、ヘンリを見て あからさまに嫌そうな表情に変わったクオンをレイがたしなめ、申し訳なさそうに謝罪をし、僕とメンバーを見つけ 少し表情を繕う
「制服っつー事は・・・あぁ、日本の
「そうだよクオン、だから 多少は礼儀よくして欲しい。ぼく の身内が無礼者ばかりだと思われたくないからね」
「は? 知るかよ」
「クオンさん、喧嘩は メッ! ですよ?」
「本当にレイは 可愛いなぁっ!」
相変わらず頭の回転が速いクオンが僕達の制服姿から推測し口にすると、なぜかヘンリと喧嘩を始め、レイに叱られているが 全くクオンには効いていない様だ
これは遺憾の意を表明するしか無いかも知れない