前世 男の聖女コスプレTS少女が行くダンジョン配信   作:銭湯妖精 島風

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47. 来ませい、相棒

 

 

企画会議をした翌日、僕は(たかむら)からの連絡を受け放課後に若宮ギルドのトレーニングルームへ来ている、もちろん完全装備で

 

 

「・・・待っていたわ、カナリア」

 

 

「お待たせ、お母さん」

 

 

「あと少しで機材設置が終わるので〜」

 

 

法衣を身に纏った母に返答をすると、少し離れた場所で設営をしていた篁が言ってきたので、そちらにも返事を返しておく

 

 

トレーニングルーム(ここ)ならば召喚獣と戦闘になっても大丈夫だから安心ね」

 

 

「・・・戦闘になる事があるの? 聞いてない」

 

 

「あら? 言ってなかったかしら? ごめんなさいね?」

 

 

母は僕の言葉を聞いてテヘペロして言う、反省してないなこれは

 

 

支部長を務めるぐらいだし、仕事ではミスしないのだろうから別に良いか、うん

 

 

母のウッカリは今に始まった事ではないので、スルーして僕は今一度目の前の使い魔契約に意識を集中させる、死なないとはいえ痛いものは痛いので

 

 

「設置完了、カメラ回しまーす」

 

「始めましょうか」

 

「そうだね」

 

篁の声を聞いた母に促され僕は魔法陣の前に立つ

 

 

「やり方を説明するわね? 血を少量魔法陣へ垂らし魔力を流しながら祝詞を捧げる、あとは貴女の心根次第よ」

 

 

「・・・分かった」

 

 

そう母は微笑みナイフを差し出して来たので、しっかりと受け取り 深呼吸して覚悟を決め 少し指先を刺して魔法陣へ垂らし、魔力を魔法陣へ注いで祝詞を捧げる

 

うん、普通に痛い

 

 

「精霊の力より生まれしものよ、封印されし力、目覚めよ、漆黒の宇宙より今ここに契約を願う」

 

 

魔法陣が光り輝き風が逆巻きあまりの強風に腕で顔を庇い数秒で風が止んだので腕を下げると、魔法陣の上に僕の身の丈を越える体躯の漆黒の美しい毛並みをした狐が優雅に顕現していた

 

 

「よもや人の身で(わたし)を呼べる者が居ようとは驚愕に値する」

 

 

「えっと・・・お忙しい所をお呼びしてすみません、えっと美しい毛並みですね」

 

 

「・・・くく、お主 面白い奴だな 」

 

 

何か気に入られた様で、漆黒の狐はカラカラと笑う、所作や声からして多分女の子だろうか?

 

 

「吾を召喚出来る程のチカラを有する者・・・の筈なのだが、レベルが低いよなぁ? ん? んん?」

 

 

「ど、どうしました?」

 

 

何か気になる事があったのか、彼女は僕へ顔を近づけ匂いを嗅ぎだす、やっぱり綺麗な毛並みをしている

 

 

「二柱の匂い? お主、二柱から聖女に任命されておるな? なるほど、何故お主が吾を召喚出来たか理解出来た」

 

 

「それは良かった、です?」

 

 

僕には何が何だかよく分からない事が彼女の中で解決した様だ

 

「吾を召喚出来る程の徳を積んで居る貴公ならば、武を見せて貰うまでもない、そも貴公は聖女であるしな? それに初見で怯えず我が毛並みを褒める度胸も気に入ったぞ」

 

 

「ありがとうございます」

 

 

「礼儀もしっかりしておるし、更に加点だの」

 

 

余程気に入られたのか、彼女は上機嫌で笑い言う、多分僕では彼女には勝てない

 

僕と彼女ではレベルの差があり過ぎる、だって僕レベル2だし? 彼女のレベルは最低でも100は超えているだろう

 

 

「貴公、名は何と言う?」

 

 

「カナリア、五月七日(つゆり) カナリアです」

 

 

「うむ、吾は名持ちであるが真名を明かせぬ身 故、契約中の証として呼び名を授けてくれ、それが契約の証としよう」

 

 

「分かりました」

 

 

威風堂々とした佇まいの彼女に言われ、僕は彼女の名前を考える

 

 

とりあえず魔法陣の中心に座する彼女の周りを周り思案してみる、体毛は黒で尻尾は9本・・・九尾か

 

古来 狐は人を化かす者、と伝承されているが神社で神の御使として祀られても居る、前者は若く幼い未熟な狐で後者は修行を積んだ成熟した狐、と解釈できる

 

人間だって若気の至りでヤンキーになったりして周りに迷惑をかけるのだから、霊狐や妖狐が人にイタズラして化かしたりするよね、うん

 

 

その狐の中でも特に厳しく長い修行を経て至るのが九尾の頂き、だった筈

 

 

「ワカモはどうだろう?」

 

 

「ワカモか、まぁ良かろう。吾が名をひと時ワカモとし、カナリアを我が主人と定める」

 

 

彼女がそう言うと、魔法陣が光り輝き僕の左手の甲に令呪の様な模様が現れる

 

 

どうやら、これで使い魔契約は終わった様だ

 

 

「これからよろしく頼む、(あるじ)よ」

 

 

「よろしくね、ワカモ」

 

 

ワカモと挨拶を交わしていると、何だか急に睡魔に襲われ始め、僕はワカモに抱きつく様にその身体へ身を任せて意識が途絶えた

 

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