前世 男の聖女コスプレTS少女が行くダンジョン配信 作:銭湯妖精 島風
キャンプチェアから立ち上がり伸びをすると、心なしか身体が軽く感じるのは、
「ワカモ、僕はどれぐらい寝てた?」
「約2時間と言った所だの」
「そっか、ありがとう」
「構わぬよ」
抱き枕にしていた至高のモフみを誇るワカモの尻尾を返却しながら、ドラム缶を混ぜているワカモへお礼を言いカメラドローンへ向き
「視聴者のみなさん、おはようございます? 」
【おはー】
【スヤスヤでしたな】
【カナリアちゃんの寝顔、最強】
【寝てるとヘイローが明滅するんだね?w】
【ハザードランプみたいで、面白いよなw】
視聴者へ起床の挨拶をすると、そんなコメントが流れてくる
本当 カナリアちゃんねる の視聴者は良く訓練されていて僕のやる事に寛大だなぁ、優しい
普通、配信中に昼寝を始めたら お叱りの言葉ぐらい出てきそうなモノだけど、許してくれているしね?
「主が仮眠を取っていたお陰で野菜類が煮えたので、スパイスの調合を始めようではないか」
「そうだね」
【流石はワカモ氏】
【パーフェクトマネージメントやな】
【やはりワカモ氏はママ枠】
【ワカモマッマ】
なんかコメント欄が混沌となり始めたのを横目に、簡易テーブルの上にスパイスを並べて、すり鉢を設置する
「今回は量が量なので、辛さ控え目にしたいと思います。個人的には中辛ぐらいが好きですが、配る可能性もありますから」
「名付けるならカナリアカレーか? 売れそうだな」
「売らないよ?」
【販売希望】
【イベント限定で構わないから販売して欲しい】
【ドラム缶カレーじゃなくて良いから、販売して欲しい】
【ステラ・アーク従業員にならねば】
なんかワカモの言葉をトリガーに、僕のカレーを食べたい視聴者の販売希望コメントが弾幕の様に流れていくのが見える
なんで、そんなに食べたがるのかが分からないけど、その辺りは
そんなこんなでコメント欄を見なかった事にしてワカモの分身体を総動員して人海戦術でスパイスを粉砕して調合してドラム缶に投入する
「あとは味を馴染ませる為に、弱火でじっくり煮込みます」
「この量だと・・・そうだな 大凡 1時間30分程かの?」
「そうだね」
【おぉ、いよいよ完成間近だな】
【く、やはり飯テロだな。ウーバーでカレー頼もう】
【はは、今日はカレー屋が大繁盛だなw】
【レトルトでもカレー備蓄しててよかったー】
【お、やるやん】
仕事を終えたワカモの分身体が煙の様にかき消えるのを横目に、ワカモと会話しコメント欄をチラ見すると、やはり飯テロをしてしまった様で盛り上がっていた、すまない 視聴者のみんな
そんな具合で心の中で謝罪していると、1層入口の有る方角の植え込み?がガササと揺れた事に気付き、そちらへ目を向けると
「やぁ、ぼく だよ」
「こんにちは ヘンリさん、暫くというか冬休み期間中はリューネに帰還している予定だったのでは?」
「うん、そうだけど 忙しいのは ぼく じゃなくてマリアとリリス、あと ぼく を除いた親族だから」
「それって、与えられた仕事を放棄してきたのでは?」
「失礼な、そんな事ないよ? 単純にリューネ国内における重要な仕事を与えられてないだけさ」
「それは胸を張って言える事ですか?」
【ヘンリ姫w】
【まーた この姫様はw】
【なに? カレーの匂いを嗅ぎ付けてきたんか?w】
【スゲー鼻効くじゃんw】
【ほらーカナリアちゃんが困惑してるw】
普段から放蕩姫のヘンリを呼び戻すくらいの出来事があって帰国していた筈のヘンリの登場に彼女へ質問をすると、ヘンリは飄々と そんな事を言ってきて、困惑してしまう
そんな自信満々に言われてしまうと、これ以上は追求出来ないしね? うん