前世 男の聖女コスプレTS少女が行くダンジョン配信 作:銭湯妖精 島風
そんな考察をしていると 手元が緩み口に運ぼうとしていた肉が落ちていって、『あー これはシミになるなー』とか思っていると、横から手が伸びて来て肉をキャッチし
「カナリア、気をつけないとダメだよ?」
「うん、ごめんなさい。
「ん、これは ぼく がカナリアに食べさせるべき」
「なにゆえ?」
僕の落とした肉をキャッチした三鶴に軽く注意され、彼が その肉を食べているのを見つつ謝罪すると、ヘンリが急にトチ狂った事を言い出したので、首を傾げて彼女を見ると 既に1口大に切られた肉を差し出されていた、仕事が早い
とりあえず衆人環視の中で餌付けされるのはなぁ と思ったが 撮影や配信で今まで散々 餌付けされていた事を思い出し、ヘンリの気が済むまで付き合う事にした、まぁ料理が無くなれば餌付けも終わるだろうし?
そう言う訳でヘンリに餌付けをされつつ、披露宴の進行を眺めていると 余興が始まる
「リューネの披露宴でも余興があるのですね?」
「詳しくは ぼく も知らないけど、カヅキおばさん が持ち込んで広めたとか何とか」
「なるほど?」
マリアの仕事関係者らしき人達の余興を眺めつつヘンリへ尋ねると、そんな答えが返ってくる、やっぱり
そんな事を考えていると、ヘンリの元にスタッフが寄ってきて 何やら耳打ちしヘンリが軽く頷いて
「さぁ行こうかカナリア、次の次が出番だよ」
「どこでなんの出番なんですか?」
「愚問だね、分かっているだろう?」
「あ、はい」
カトラリーを置き、ニコっと笑んで言ってくるヘンリに尋ねると、そう言われてしまったので、大人しく彼女に従う事にする
この流れなら十中八九、余興へ駆り出されるのだろうしね?
別にマリアとリリスの為に余興をするのは構わないのだけど、事前に教えていて欲しかった とは思う
そう言う訳で三鶴に見送られ、ヘンリに手を引かれて披露宴会場から廊下に出て控え室?へやってくると、結構人が居て準備をしていたり 終わった人が片付けをしていたりしている
「結構 人がいますね」
「それはそうだよ、マリアもリリスも仕事関係者や友人が多いからね」
「なるほど」
「さて 彼等 彼女等を気にするより、カナリアは コレに目を通してね」
「これは・・・リストですね?」
「うん、それをカナリアに歌ってもらうよ」
「・・・分かりました」
僕の呟きに答えたヘンリからメモを渡された見ると、3つ程 曲名が書かれていて、ヘンリ曰く 歌えと言う事らしい
今更 文句を言っても様々な人に迷惑が掛かるので、大人しく歌うけど 本当に事前に教えていて欲しかった
それからリストの曲を携帯で検索してメロディと歌詞を確認して準備をしていると、順番が回ってきたのでアコギギターを持っているヘンリに連れられて舞台へ上がり、コンパクト軽量ボディの僕に合わせてマイクの位置が調整される、スタッフ 本当に すまない
「えー・・・マリアさん、ハルさん、リリスさん、
4人に祝辞を述べてからヘンリを見ると準備が出来た様でサムズアップしていたので頷くと、彼女は弾き始め イントロが始まる
「Wenn ich zurückblicke, hast du immer gelächelt
Sanft wie der Wind」
深く息を吸い歌い出す、本来は日本語の歌だけど まぁ色々と問題がありそうな気もするから共通語で歌わせて貰おう、ほら こう言うのは気持ちと言うし?
「Es ist so blendend, ich kann es sogar sehen, wenn ich meine Augen schließe
In Tränen verwandeln」
一応、披露宴の定番曲らしいし、大丈夫だろう 多分