前世 男の聖女コスプレTS少女が行くダンジョン配信 作:銭湯妖精 島風
結局モンスターに遭遇する事なくキャンプ予定地まで来れてしまい、おめでたい頭をしている僕でも、その違和感を感じざる得ないのだが、モンスターとの戦闘が無くて体力温存出来たのも事実なので、原因は深く考えないで置くことにする
「無事キャンプ予定地に着きましたね、当初の予想だとモンスターと1〜2戦交える筈だったのですが・・・遭遇しませんでしたね?」
【ダンジョンモンスターって探索者を積極的に狙う筈なんだけどな】
【困惑してるカナリアちゃん、かわよ】
【カナタソかわよ】
【隠蔽系スキルが生えた?】
流れてくるコメントを見ても、有識者な人も不思議に思っている様で仮説を立ててる人もいる
それを横目に念の為に自分のステータスを確認してみるが、隠蔽系のスキルは見受けられない
「モンスターと遭遇しない件はキャンプをする事には好都合ですので、一旦放置する事にして、設営をして行きたいと思います」
【切り替え大切】
【確かにキャンプするのに都合良いな】
そんなコメントを横目に見ながらワカモに積載されている荷物を下ろし、適当な平地に仮置きして
「キャンプ地をしっかり見せた方が良いですよね?」
【1層って湖あるんだな、知らなかった】
【これはキャンプに良い】
【キャンプベスポジやな】
【きえー】
カメラドローンを通じて紗夜へ合図を送りキャンプ地 周辺を映して貰い、僕も改めてしっかりと周りを見渡しておくが、やはりモンスターの姿が全く見えない
それからテントの設営をする為に、寝やすい場所を探して下地のグランドシートを敷いてペグで固定し、その上に2名用テントを設営する
【手際が良すぎる】
【キャンプ慣れしておるw】
【カナタソ実はキャンパー説】
【趣味映画鑑賞だからインドアと思ってたわ】
なんか手際が良いと視聴者が驚いている様だが、僕は別にインドアでは無いのだ
父も長男も脳筋でキャンプするの好きだし、次男と三男も なんだかんだで付き合いが良い人だからキャンプ行くし、母なんてベルカ人で元冒険者な為、野営のプロなのである
つまり僕はキャンパーとして英才教育を施されているし、僕はキャンプ好きだ
まぁ学生の身分である為、お財布事情と寒いのが嫌いなので季節と回数は控え目なのだけどね?
今回のダンジョンキャンプが成功すれば、個人的にキャンプ地の幅が広がるので試金石にするのは良い機会なのである
【めっちゃイキイキとしてるw】
【ほんに楽しそう、ヨシ】
【ん? 現地で合流した人おる?】
【あれ? チラチラ映ってる】
『カナリアちゃん、誰か映り込んでるわ、確認してちょうだい?』
「え? そんなまさか・・・」
紗夜からの通信を聞き、テント設営の手を一旦止めて辺りを見渡すと、黒髪の巫女服を着ている少々目付きの悪い小柄な女性が焚き火台や椅子を設置しているのが見える
その頭には狐耳、腰部やや下にはフカフカな尻尾が生えていて、日本人では無い事が分かった
「ん? どうした主よ、此処では位置が悪いか?」
「え? いや、大丈夫だけど・・・ワカモ?」
「うむ、そうだが・・・なんだ? 高位の召喚獣は人化の術が使えるのを知らないのか?」
「・・・知らなかったよ」
「そうか、主は1つ賢くなったの」
【あの巨体から人化すると小さくなる不思議】
【ワカモ氏か良かった】
【戻して・・・戻して・・・】
【なんか変な層がいて草】
『ワカモで良かったわ、配信を続けて大丈夫ね』
「了解ですCEO」
コメントもワカモが人化した事に驚いている様子だが、僕も結構驚いてしまった
そうかワカモは人化出来るのか・・・いや、九尾の霊狐なんだから少し考えればわかる事じゃないか、反省
一応、不測のトラブル対策で3日分の食糧を持ち込んでいるからワカモの分も食事を用意出来るから、まぁヨシとしよう