前世 男の聖女コスプレTS少女が行くダンジョン配信 作:銭湯妖精 島風
それから合計3曲歌い切り、一礼してヘンリのエスコートで控え室へと下がると、控え室にいた人達から絶賛の嵐を受け 一部の人からスカウトをされてしまったが、ヘンリの『引き抜き交渉はステラ・アークCEOに直接して欲しい』との言葉に、少し悔しそうな表情をして引き下がっていった
アコギギターを仕舞い僕をエスコートしてくれるヘンリと共に控え室から廊下へ出た所で
「ヘンリさん、僕をスカウトした人達は何故 悔しそうだったんでしょう?」
「ん〜 ぼく の私見だけれど恐らく理由は2つ、1つ目 既に事務所へ所属している事、これは単純な話だよね? 他事務所のタレントを勧誘したら問題しか無いからね?」
「まぁ確かに」
なんとなく気になったので、ヘンリへ尋ねると彼女は そんな前置きをして説明してくれる
下手に刺激したら、大問題にしかならない
「2つ目、カナリアをスカウトした彼等彼女等は、リューネ国内では それなりのチカラを有する事務所のオーナーだったりプロデューサーだったりする訳だけど、篠原グループ直系 事務所であるステラ・アークと事を構えると下手したら吹き飛ぶからね、うん」
「篠原グループって日本のグループ企業ですよ?」
「そうだけど、篠原グループは別格なんだ」
ヘンリは2つ目の理由を説明してくれるが、日本グループ企業である篠原グループがリューネでチカラを有している理由がわからず、ヘンリは更に説明してくれるが、サッパリで首を傾げると
「確かに篠原グループは日本のグループ企業だけれど、リューネとの輸入・輸出の9割程度 関わりを持っているし、リューネにも篠原グループ傘下の支店・支社があるんだ、だから下手に篠原グループと揉めると 業界で干されかねないって訳さ」
「なるほど、なんとなく理解しました」
ヘンリの優しい説明に感謝しつつ用を足してから披露宴会場へ戻り着席するとデザートが運ばれてきて、ヘンリによる餌付けが再開され 大人しく食べる、うん美味しい
それから余興を楽しみつつヘンリから餌付けされていると、次のプログラム?になり司会からブーケトスが行われる旨が伝えられて、キャイキャイと未婚女性達が舞台下へ集まっていく
「カナリアは良いのかい?」
「構いませんよ、僕は結婚興味ありませんし」
「そう、ぼく と同じだね」
「そうですね」
デザートを食べ終え、出されたアップルサイダーを飲んでいるとヘンリに尋ねられたので返事を返すと、そんな事を言われたので合わせておく
恐らく僕とヘンリでは理解に齟齬があるのだけど仕方ない、何せ僕は女の子の方が好きだしね?
これまで男子にドキッとした事は無いので、恐らくは僕の恋愛対象は女性だろう と自己解釈している
そう言う訳でブーケトスの様子を眺めていると、前半戦であるリリスがリリースしたブーケを騎士団仕込みの身体能力+騎士礼服と言うアドバンテージを使い、サヤがゲットし 渾身のガッツポーズとドヤ顔をしている
これは後でカタナにネタにされて喧嘩する奴だな、うん
周りがドレスとか動きにくい系統の服の中、サヤはズボンだもんね? そりゃぁ飛んだり跳ねたりできるよねぇ とか思いつつ アップルサイダーを飲む
「日本では様式美的な意味合いが強いですけど、リリスさんとマリアさんのブーケなら謎パワーがあって、恋愛成就しそうですよね」
「あるかも知れないね? 何せ祖父母の4分の3が転生者で母親も転生者だからね、それぐらいの奇跡? は起こせる可能性は充分あるかな」
「やっぱりですか?」
「まぁカナリア程ではないと思うけどね?」
「え???」
「カナリアは聖女だから、その気になれば 恋愛成就の奇跡ぐらい下賜できる筈だよ?」
「えぇ?!」
何気なしにヘンリへ言うと、特に否定する事もなく肯定してくれたが、想定外の事を言われ首を傾げると、更に想定外の事を言われ驚いてしまい、ヘンリに『何を今更』みたいな表情で見られてしまう
おっと? また僕と世間の認識にズレがあるのかな? これは