前世 男の聖女コスプレTS少女が行くダンジョン配信 作:銭湯妖精 島風
ダンジョンの中と言うのに陽が沈み辺りが暗くなってくると、私の可愛らしい
徒歩で此のキャンプ地までやってきて、私も手を貸したとはいえテントの設営もしていて疲労も有る上に、腹が膨れたとなれば眠くなるのも必然だろう
「主よ、一眠りすると良いだろう。このままでは椅子で寝落ちしてしまうぞ?」
「う? ん・・・そうだね、そうする・・・すみません皆さん、そう言う訳で僕は仮眠と取りたいと思います、おやすみなさい」
「これを枕にすると良いぞ、主」
「うん、ありがと・・・」
だいぶ睡魔に負けているカナリアへ9つある尻尾の1つを切り離し手渡しすると、疑わずに受け取り抱き抱えてテントへ入って行く
渾身の鉄板ネタが不発で少々不満だが、まぁ眠い目を擦る子供だし仕方ないと思う事にしよう
「CEOよ、お主も少し休むと良い。視聴者の相手は吾がする故な」
『・・・わかったわ、お言葉に甘えさせて貰うわね』
「うむ、ゆるりと休むと良い」
私の呼び掛けに
「さてさて視聴者の者共よ待たせたな、これより暫し吾が皆の相手を勤める故、適度にコメントを拾って行くので そのつもりでいてくれ」
【ワカモ氏 優しい】
【ナチュラルに尻尾もいでるけど血が出てない件】
【ワカモ氏マッマみたい】
【ワイもワカモ氏の尻尾欲しい】
よしよし、コメントに鉄板ネタに反応している視聴者いるな、と自己満足し
「吾は九尾の霊狐だ、この尻尾は実体であると同時に霊体であり、ある種の媒体なのだ、そして霊狐である吾は血が通っている訳ではないし感覚はあっても痛覚はない」
【なるほど、霊狐ってすげぇ】
【はえ〜、そんな理屈なんか】
【つまり量産できる?】
【販売されたら買うで】
馬鹿正直に真実を語る必要は無いので、もっともらしい説明をして視聴者に納得してもらう
私は霊狐と呼称されているが、実際には違う
その実、私は神よりチカラを下賜され九尾の狐の獣人へ転生し転性した元日本人と言うヤツだ
まぁ説明が面倒だから霊狐族と名乗る事にしているが
そして2度目の死後に御使として、二柱の元で働いている存在だ、ちなみに本来は人型が基本形態だが、今は召喚獣らしさを出す為に霊狐形態を基本にしている
「吾から半径15m離れると魔力へ解け吾の元に戻ってくる故、販売は無理だな。諦めてくれ」
【マジかー】
【ワンチャンは無いか〜】
【モッフモフに顔埋めたい】
これは嘘だ、私の意思次第で幾らでも何処へでも持ち運べるし、動かす事が出来る
ただ制約として切り離して維持できる上限は8つまでで、それ以上は無理だ
「自慢ではないが、吾の尻尾は安眠効果があってな? 使用した子は皆 朝までスヤスヤだったぞ?」
【カナタソうらやま】
【ワカモ氏、悪い顔しとるw】
【良い事してるのに笑顔が邪悪で草】
【使用した子って、ワカモ氏は保母さんかいな?】
クックと笑い、カナリアを甘言で誘惑し安眠の沼へ沈めた事を告げると、コメントで笑顔が邪悪である事を指摘されるが、そんな事は分かりきっている
3度の生を受けてなお、邪悪な面をしている自覚があるのだからな。とはいえ、人型形態時には特定の人物以外には本来の人相が分からない認識阻害の術を使っているのだけどね?
そして私の言葉に反応しているコメントが見えたので
「吾が
【ワカモ氏経産婦なんや】
【なるほどなるほど】
【子育ての経験があるから料理の手際も良いし知識も豊富だったのか】
転生者は神からチカラを下賜されている為、総じて死に難い生き物へと変貌する
特に九尾の狐として転生した私は、強靭な身体と長い寿命を得て夫や子、弟子の最期を看取った
皆、良い最期を迎え安らぎの中、逝ってくれたのを思い出す
本当に幸せで有れて良かった、そう思っている